国会活動報告 参議院予算委員会

2006年3月6日 タクシー規制緩和、足銀受け皿問題、難病対策の法制化、シベリア抑留真相究明、遺骨収集などについて質疑
フリップボード1(タクシー運転手の給与)  フリップボード2(足銀受け皿案)  フリップボード3(難病対策推進法案

164-参-予算委員会-5号 2006年03月06日(未定稿)

○谷博之君 私は、民主党・新緑風会の谷博之でございます。  冒頭、総理に申し上げますが、ライブドア事件、いろいろマスコミ等で騒がれておりますが、総理はその記者会見等でガセネタ、ガセネタという言葉をよく使っておりますが、これは、私調べますと、ネタという言葉は種の言葉のひっくり返した隠語なんですよ。そういうふうなことで、私の周りの中には、総理大臣が使う言葉としてはいかがなものかと、こういうふうな意見があります。これは、総理はどういうふうに御判断するかは分かりません。しかし、そういう声があるということをひとつ冒頭お伝えさせていただきたいと思っています。  早速ですが、質問に入りますが、総理は施政方針演説の中で、吉田松陰の「志士は溝壑に在るを忘れず」、こういう有名な言葉を引用されました。どういう思いで、何が言いたくてこの言葉を使われたのか、今日はテレビが入っておりますから、改めて御説明いただきたい。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 吉田松陰が幕末、孔子、孟子の言葉を引用して志の重要性を多くの人に説いた中で、一つの言葉が「志士は溝壑に在るを忘れず」、志ある者は溝壑にあるを忘れず。溝壑というのは、非常に難しい、今耳慣れない言葉でありますが、溝壑というのは溝とか谷であります。志ある者は、その志を実現するためには、いつ溝や谷に倒れてしかばねをさらしても構わない、そういう気持ちを持って志実現のために全力を尽くすべきだという孔子の言葉を引用して、その志を実現するための努力、覚悟の重要性を説いた言葉であります。  私は、この言葉を学生時代から、吉田松陰の書物を読みながら、また、伝記を読みながら感銘していたものでありますし、国会議員に立候補するときから、この覚悟は常に銘記して臨んできたつもりであります。これは自分に対する戒めの言葉であると同時に、志実現のためには自らの私心を捨てて公のために尽くすべきだと。これは私自身に向けた言葉でありますが、同時に国会議員にも持っていただきたいなという意味を込めて使わせていただきました。

○谷博之君 私も、実は吉田松陰の人物については大変関心を持っております。  総理は、歴史について大変造詣が深い。しかし、論語の中に、賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶ、こういう言葉があります。総理はどういう学び方をしているか、私は分かりません。ただ、吉田松陰、松下村塾で門人に士規七則という教えを説いております。その基本は、まあ簡単に二つに要約すれば、一つは、自分の帰属する組織、集団に対する忠誠を誓う、それからもう一つは、自分の根っこ、つまり自分を産み育ててくれた親に対する誠をささげる、こういうことを吉田松陰は、その士規七則という七つの規則の中に彼は教えています。  私は、そうした中で、国会議員、政治家たるもの、自分の親は一体だれだろうかということをつくづく感じます。もちろん、私を、私たちを産んでくれた両親、親でありますけれども、と同時に、選挙によって我々を国政の場に送っていただいている多くの国民、具体的には有権者があって我々はこういう活動をしている、このように思うんです。  そういう意味で、吉田松陰の言葉、我々は国民によってその任務を与えられ、そして生かされているというその気持ち、これは私は一番大事だと思うんですが、総理、どう思いますか。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 別に私はそのことに対して異議を申し立てるつもりはありませんし、多くの国会議員は、国を思い、国民生活を豊かにするために努力しなければならない、使命感を持って自らの仕事に専心すべきだと思っております。

○谷博之君 続けて私の持論を少し申し上げますが、吉田松陰という人物は論語を基本として武士道を生き抜いてきた人物だと、このように思います。その武士道とは一体何か。古くは新渡戸稲造や内村鑑三、そして最近は藤原正彦氏がその精神を説いておりますが、私は、一言で言えば、己を捨てて人を立てる精神、ある意味では、論語の孔子が言っているように、恕の心、人を思いやる心、これが私は武士道の基本的な精神だというふうに思っています。  そういう中で、総理はいろいろと歴史上の人物を引用いたしますが、その引用の仕方には、私は、ずばり申し上げて二つある。一つは、その人物に共鳴し、学び、近づこうとする立場から引用する立場と、もう一つは、近づこうとしても無理で、残念ながら手段としてその言葉を引用する、こういうことも実はないとは言えません。総理はどういう御判断かは、それは分かりません。  ただ、「志士は溝壑に在るを忘れず」、この文言の私はその前提があると思うんですね。我々は、国民によって政治の道で活動さしていただいている、つまり、民信なくばあらずなんですよ。民の心、国民の心を大切にする、そういう生き方を前提にした「志士は溝壑に在るを忘れず」、こういう言葉だと私は思います。どのように思いますか。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは、吉田松陰は孔子の言葉を引用されましたけども、孔子はほかに信なくば立たずということを論語で言っております。正に信用が一番大事だということであります。これは多くの方々もよく知っておられる言葉だと思いますが、政治家であろうが、一般の民間人であろうが、どの立場に立つ人であろうが、人間にとって信用、これが一番大事だと、私もそのとおりだと思っております。

○谷博之君 まあいろいろ申し上げましたが、私は結論から申し上げますと、この今予算委員会で新年度の国の予算の議論をいたしておりますが、「志士は溝壑に在るを忘れず」という言葉、しかしこの言葉は、今申し上げたような根っこを一番大事にしない限り、つまり予算が成立し、総理が九月に退陣をし、その後、この「志士は溝壑に在るを忘れず」という言葉のツケがもし現れてくるような、そういう溝壑を避けて通るようなそういう状態になっては私はいけないと、このように考えておりまして、こういう言葉の引用をするというのは、掛け声だけではない、これは総理も御存じだと思うんです。要は、根っこがあってベースがあって、その上にその吉田松陰の精神だということを私はあえて、もうお分かりかと思いますが、強調さしていただきたい。それが信なくば立たずなんですよ。  民というのは少なくとも、総理は今までの答弁の中で一〇〇%ではないということを言っておられますけれども、しかし基本は一億二千万国民全体のことなんですよ。その民を思う気持ち、それを大切にする心、これを土台にした「志士は溝壑に在るを忘れず」という言葉を是非使っていただきたい、このことを私はあえて強調さしていただきます。  そういう中で、小泉総理の四年余のこの政治の中でいろんな積み残した部分あるいは格差のあるそういう問題について今まで議論がされてまいりましたけれども、私はそういう中で幾つかの問題について今回この委員会で質問をさしていただきたいと、このように思っております。  まず、格差の問題で一番具体的な課題ということで、今、国会でも随分取り上げられておりますが、タクシー運転者の賃金実態についてお伺いをいたしたいと思います。  ここに、ハイタク労働者と全産業男性労働者の賃金労働条件の推移というパネルがあります。(資料提示)  見ていただきたいんですが、二〇〇四年、一番最近のタクシー労働者の、運転者の年間所得は三百八万円です、全国平均。全体の全産業の男性労働者の平均賃金は五百四十三万円。六割いきません。そして、このタクシー運転者の賃金、何と二十年前、一九八四年、この当時が三百十一万円ですから、二十年前と同じ賃金です。一番高かった一九九一年、四百三十万円と比べても百二十二万円差があります。そして、一九九七年、ここから段階的に規制緩和が始まるわけですから、そういうところから比べても百万円の賃金の下落ということであります。  この実態を見て、しかも全国四十七都道府県の中で少なくとも二百五十万円の賃金を切る道府県が十九あるんです。そして、三百万円を超えているいわゆる所得を取っている県が東京を始めわずか十二しかない。こういう現実の中で、二種免許を取って人の大切な命を輸送する、そういうタクシー運転手のいわゆる条件として、これで果たして適切なんでしょうか。どういうところにこういう原因があるんでしょうか。北側大臣、答えてください。

○国務大臣(北側一雄君) 今委員の方で御指摘ございました賃金の状況については、そのとおりでございます。大変厳しい状況にあると認識をしておるところでございます。  一番大きな理由というのは、やはり一つは長引く景気低迷があったということが一つ大きな要因としてあるというふうに考えております。それとともに、平成十四年の二月から道路運送法の施行がされました。改正の道路運送法の施行がされまして、規制の緩和が進んでおるわけでございます。  この規制の緩和につきましては、プラスの面とまた問題点、課題もあると思っています。プラスの面というのは、やはり利用者にとりまして多様な運賃・料金の設定がなされるなど、また多様なサービス、福祉タクシーとか観光タクシーとか、こうした多様なサービスが行われるようになったということは、やはり利用者にとって大きなプラスであるというふうに考えております。  ただ、一方で、このタクシーの、特に運転手さんの状況というのは、これ歩合制になっておりまして、歩合制が主流でございます。そういう中で、規制の緩和、規制の緩和というのは新規の事業者の参入が認められる、更には増車について緩和が図られるというふうなことでございますけれども、この規制緩和後三年間の間に増車数というのは約一万四千台強でございます。この一万四千台強のうち、新規の事業者ではなくて既存の事業者の方々が増車をされたのが一万台以上あるわけですね。  これはどういうことかといいますと、やはり既存の事業者の方々からすると、新規の事業者も入ってきた、競争が激化している、そういう中にあって運転手の方々は歩合制になっていると。自分たちの事業を収入を上げていこうとしますと、増車をすることによって、既存の事業者が増車をすることによって収入を上げていこうとする。そうすると、一台当たりの収入が当然減ってくる。一台当たりの収入が減ってくるということは運転手の方々の収入は当然低くなってくると、こういうことで、大変厳しい状況にあるというふうに認識をしておるところでございます。

○谷博之君 私も民主党の中のハイタク議員懇談会の一員でやっておりますから、よく分かっています。  問題は、一つは改正道路運送法のときに参議院で附帯決議を付けています。運賃について、「その基準には、人件費等の費用について適正な水準を反映させること。」、この附帯決議が全く守られていないじゃないですか。  と同時に、今もちゃんと大臣御指摘のとおり、タクシー運転手の、運転者の皆さん方の賃金制度というのは、月例と一時金とを合算した、いわゆる歩合率を掛けた累進歩合制になっているんですよ。ここが一番問題なんですよ、賃金低下の。  そういう意味で、今までの、これ厚生労働省もそうですが、タクシー事業者に対するいろんな調査、それらも含めて表面的な調査をやっていて、実際こういうふうな問題についてどこまで実態をつかんだ調査をしているんですか。  そして、少なくともここに、昨年十月に国土交通省と厚生労働省が調査をした全国七千社余のいわゆるタクシー業者に対するアンケート調査もあります。この中でも三割以上の業者が、これ自主的なアンケートの回答ですよ、そういう中でも三割以上の業者が賃金を含めた労働条件に問題があるということをちゃんと認めているんですよ。こういうふうな業者自体が認めている中で、今の答弁だけでは私は納得できません。

○国務大臣(北側一雄君) そういう厳しい状況にあるということを認識をしておりまして、昨年から厚生労働省と連携を密にさしていただいて、取組をさしていただいているところでございます。  先ほどの法案審議における参議院の附帯決議のお話がございました。これにつきましては、今料金については認可制でございますが、個別の申請ごとに原価の査定を、原価というのは、原価ですね、原価の査定を行った上で、他の事業者との間に不当な競争を引き起こすおそれがないかどうか等をチェック、厳正に審査をしておりまして、現実に、例えば半額運賃の申請があった者に対して却下処分とした例もあるわけでございます。これは不当な競争を起こすということで却下処分した例もございます。  今、厚生労働省と連携を強化しておりまして、十八年四月からは厚生労働省とそれから国土交通省との間で合同監査、監督をやっていこう、また、特に今御指摘のあったような最低賃金法違反というのは、これは断じてあってはならないことでございますので、こうした最低賃金法違反だとか社会保険の加入状況等については相互通報をしっかりやっていこう、しっかり目を光らしていこうというふうなことも実施をしようとしているところでございますし、また抜き打ちの立入検査とか、特に新規参入事業者に対しては早期監査の実施をする等、こうした監督、監視も強化をしていこうということで今取組をしているところでございます。  さらには、今後の問題として、タクシー運転手のこの現状というのを改善するために、今、タクシーサービスの将来ビジョン小委員会、これは業界の方々にも入っていただきまして検討しているところでございまして、今後のサービスの在り方、さらには規制緩和後の実態把握、分析等を行いまして、六月を目途に取りまとめをし、施策に反映をさせていきたいというふうに考えております。

○谷博之君 総理、実は、総理は余りタクシーには乗ったことはないと思うんですが、ありませんね、そうですか。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) しょっちゅう乗っている。

○谷博之君 ああ、そうですか。  現実に、タクシーの運転手、乗っていますと随分我々に話があります。そして、ひどい方は、労働基準法は完全にもう、今はもう空文化しています。そういう現状の中で、私はすべての産業の中で特に交通関係、なかんずくこのタクシー業界のこの現実は、格差の私は本当に今一番典型的な状況に来ているというふうに思うんです。  これは、原因は先ほど大臣からも答弁があったとおり、そういう意味では何も、利用者側からすれば運賃は安ければ安いほどそれはいいわけですけれども、しかしそれは限度があります。そこに働く労働者、運転者の皆さん方のやっぱり生活、労働条件というのをやはりしっかりと守った上での競争でありまして、そういう意味での今までのやり方というのは、私はちょっとやっぱり表面的な対応であったなというふうに思っています。  総理も是非ひとつこれは御認識をいただきたいし、両大臣には、今の国交大臣の御答弁を踏まえて、しっかりとした取組をしていただきたいと思っております。  それから、小泉政権のいわゆる課題の中の一つということで、これは大変私ども栃木県にとっては大きな影響ありましたけれども、地元の金融機関の足利銀行の経営破綻と今後の受皿問題について、これは二〇〇三年の十一月に、預金保険法一〇二条第一項第三号のいわゆる適用を受けて、経営破綻、一時国有化されたわけでありますけれども、この問題について全国の金融機関にある意味では共通する課題ということもありますので、この際、質問をさせていただきたいと思います。  それで、この質問については、二月二十五日に栃木県の読売新聞の県版にも宇野健司さんという大和総研の首席研究員が発言をされておりますが、そういう内容を踏まえてお伺いをしたいと思っておりますけれども、まず金融担当大臣にお伺いしますが、受皿選定のこれからのスケジュール、どうなるか、お答えください。

○国務大臣(与謝野馨君) 足利銀行につきましては、県知事、栃木県の県議団あるいは各党の皆様方が大変心配されております。  今、先生の御質問は足利銀行の受皿選定のスケジュール及び選定の方法ということを……

○谷博之君 方法は後で聞きます。スケジュール、スケジュールをまず。

○国務大臣(与謝野馨君) スケジュールですか。  これは、まだまだスケジュールは確定をしておりません。

○谷博之君 いろいろ聞きたいことがありますので、まず質問を先にやらせていただきますが、その受皿選定の手法の問題ですね、これからお尋ねしますので。  私は、今後足利銀行がいわゆるどういう受皿選定が行われるかということについて、その手法を少し具体的に列記してみました。まず一つは、入札による方法、それから二つ目は、金融庁が受皿と価格を決めてしまう方法、それから三つ目は、ほかに公的資金を既に注入している金融機関との合併、統合、ここら辺が手法として考えられるんじゃないか。  この入札というのは、これは今まで公的資金を国が投入していますから、その資金を少しでも回収するために最も高い値を付けたところに受皿で決めていくやり方。二番のこの金融庁が受皿と価格を決めてしまう方法については、これは決定した後国民に対する説明責任が出てまいります。三番のこの既に注入している他の金融機関との合併、統合については、これは地元で、その宇野さんの話ではありませんけれども、りそなホールディングス、具体的には埼玉りそながどうもその候補になっているんではないかという、こういううわさも実は出ています。これはあくまでうわさです。なぜならば、関東地域に地盤をつくって、そして足銀の利益をりそなホールディングに入れて、そして少なくともいわゆるりそなの、いわゆるその返済のお金をそこから投入して国民の負担を少しでも軽くしよう、原資を増やしていこうという、こういうふうな考え方。  この三つあると思うんですが、大臣、この辺をどういうふうに思われますか。

○国務大臣(与謝野馨君) 残念ながら、まだどのような手法でということを論ずる段階にはないと思っております。したがいまして、受皿の選定の時期や方法について確たることを申し上げるのは残念ながら困難でございます。  しかし、私どもとしては、考えておりますことは三つのことでございまして、一つは、足利銀行が金融機関として持続可能性、こういうものを持たなければならない。それから第二には、地域における金融仲介機能を発揮できるようにならなければならない。それからもう一つは、やはり受皿を選定いたしますときには、やっぱり公的負担が発生するわけでございますから、そういうことを論ずる前に公的負担をなるべく小さくするための作業をやらなければなりません。  先生御承知のとおり、預金保険法第百二十条第一項においては四つが列記されております。一つは受皿が存続する合併、一つは受皿との新設合併、一つは受皿への営業譲渡、一つは受皿への株式の譲渡と。  いずれどういう方法を取るかということをまだ論ずる段階ではないと、確たることを申し上げられないことは残念でございますが、そういう段階であります。

○谷博之君 今大臣が答弁したこと、実はそれと同じ内容が、平成十七年十一月二十一日、五味金融庁長官記者会見の概要、これに入っています。三つ申し上げましたね。十一月の二十一日ですよ。その後、何か月たっていますか。今日は三月の六日ですよ。もう三か月半以上たっていて同じ答弁しかしないんですか、これ。この間、何を検討していたんですか。非常に私はこれは不満に思います。これだけ刻々事態が動いている中で、同じこの五味金融庁長官の答弁しか言えないんですか。これは正に私は怠慢としか言えません。  これはまた後でいろんな立場から指摘しますが、更に続けてお伺いします。なに、まあ検討してないということになるかもしれませんが、私は疑問があるから聞きたいんです。入札の、いやいや、その受皿を選定する手法も決まっていないと、しかし、ちまた、地元では先から先へとそういう話題がどんどんどんどん膨らんでいるんです。そういう中で私は聞いているんですよ。いいですか。  じゃ、もしも入札という方式でやったときに、その具体的な受皿のいわゆる具体例というのはどういうところがあるか。大臣、どう考えますか。  もう少し私の方から言いましょうか。具体的には、銀行業務を担っているそういう企業か、あるいはそうではない、それ以外の企業のいわゆるファンド、そして両方を合体したもの、さらにはその中でも特に地元経済界を含んだ安定株主による単独再生方式、こういうものが既に栃木県の産業再生委員会から答申として出ているんですよ、もう既に早くから。そして、県の声をしっかり聞いてほしいと、こういうことを再三再四にわたって要望しているんですよ。そういうことについて、この具体例をどのように考えますか。

○国務大臣(与謝野馨君) まず、受皿をきちんと決める際には、公的なお金を入れなければならないわけですから、そのお金がなるべく小さくなるような努力をしなければなりません。それから、足利銀行が栃木県の経済に果たしている役割は大変大きいわけでございますから、そういう意味で、地域経済に対する貢献能力ということ、また足利銀行は今後持続して地域経済の担い手としてやっていけるということの確信、いろいろな面で検討すべきことはございますし、また十八年三月にいろいろな数字が出てまいりますから、そういうことも見ていかなければならないと思っております。  先ほど申し上げましたように、残念ながら今、時期、方法について確たるお答えをすることはできないのは極めて残念であると思っておりますけれども、しかしながら、足利銀行の運命を左右するような決定は、やはり地元の知事を始め経済界の方々の意見も当然のこととしてお伺いした上で政府が責任を持って決めると、そういう手順になると思っております。

○谷博之君 今、大臣が、いわゆる二〇〇六年三月期決算の内容を見て云々という話がありましたけれども、大体その、いわゆる二〇〇六年の三月期決算が出るのが今年の五月の中下旬だと思います。その段階で、じゃ少なくとも六月段階からは選定のスケジュールに入るということで受け止めていいんですか。

○国務大臣(与謝野馨君) 十八年三月期の決算は非常に重要な決算でございますけれども、あらかじめそれが出たからこういう行動を取るということを確約できないということは大変残念でございますが、事実でございます。

○谷博之君 そのほかにも、実際入札になったときの、どのぐらいの落札、応札価格になるかということも実はお聞きしたかったんですが、これはまだ決まってないという話になるでしょう。  ただ、私は足利銀行の今の力、いわゆる企業の力は、少なくとも昨年九月期の中間決算を見ても大体税引き後約二百億円の利益を上げる力はあるというふうに見ています。したがって、地方銀行のいわゆる株価収益率は約その二十倍というふうに言われていますから、四千億程度の私は時価総額の力はあるというふうに見ているんです。そして、そういう銀行のいわゆる受皿ということになれば、当然それは、どういう企業でもどういう機関でも受皿になるところは、新株を取得するそういう資金とかそれから足利銀行の自己資本比率を八%に上げていくそういう資金を考えれば、おおよそ二千億程度のやはりそういう応札価格になるのではないかなというふうに私は思っておりますが、これらは多分お答えにならないと思うんです。これは私の方からの考え方、意見です。  それで、総理にお伺いしたいんですが、二〇〇三年の十一月の二十九日午後九時、総理覚えていますか、金融危機対応会議のあの会議、これは竹中大臣も谷垣大臣もその当時は福田元官房長官もその会議に参加していた、六人の会議です。そこで、わずか二十分の時間でこの足利銀行、百年余ののれんを誇り栃木県のシェア率五〇%を超える、この地銀の雄と言われた足利銀行が経営破綻し、そして一時国有化されたんですよ。それを下した、その断を下したのがその夜の話です。  そういう中で、総理は今年九月まで自分の政権を担当されておられる。その間に自分で下したこの足利銀行の再生、これを少なくとも自分の手で責任を持って受皿を決め、そして地元経済にいろんな意味で影響を与えながら再建をしていくということは、やっぱり必要なそれは責任だと思うんですけれども、総理はどのように考えますか。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 今、何月何日にその会議をやったかという点については記憶は定かではございませんが、そのような会議を開いて決定をしたということは覚えております。まあ日にちは忘れました。  しかし、地元経済の発展、そして金融機関というのは産業の血液でありますから多くの企業に影響を与える、また地域の発展にとっても大きく影響を与えるものでありますから、今後、地元の様々な御意見そして企業の努力、そういうことをよく勘案しながら、地域発展するようにしっかりした対応をしていきたいと思っております。

○谷博之君 どうも答弁はっきりしないんですが、総理が自分の政権を担っておられる九月までに受皿を決めて、そして来年三月で三年間のいわゆる新経営陣による経営計画が終わります。それまでの間に道筋をつくるんですかと私は聞いているんですよ。答えてください。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは任期中にできるかどうか、これははっきり申し上げられません。金融担当大臣始め、しっかりと対応してくれると思っております。

○谷博之君 与謝野大臣、どうですか。

○国務大臣(与謝野馨君) いずれ受皿も決めなければなりませんし、その方法についても決めなければなりませんし、その後は栃木県経済に大いに貢献できるような金融機関になっていただかなければならないわけですが、今、いつの時期にどのような方法でということは確たることを申し上げられる段階にないと、そのことは是非御理解をいただきたいと思っております。

○谷博之君 質問通告はしていませんが、谷垣大臣にお伺いしたいんですが、三月四日の日ですかね、自民党の栃木県連のパーティーに行ってごあいさつをしておりますね。その中に、これは地元の新聞でございますが、大臣がごあいさつをしております。どういうことをあいさつしているかというと、足銀は手術が終わって病院から出てこられる状況にはまだちょっとあるのではないか、もう少し様子を見せてほしいと。正に、大臣がメスを振るって足利銀行の手術をして、その患者さんがまだ退院できないでいるんだと、こういうことだと思うんですね。  つまり、先ほど申し上げたように、金融危機対応会議の中で、総理が恐らく最高責任者、この私は会議録を後で請求して、もらいました。冒頭、小泉総理が、要するに三号適用についてお諮りしたいということで諮問をして、谷垣大臣や竹中大臣がそれを賛成して、短い時間で決まったんですよ。そういう意味では、両大臣がある意味では足利銀行の手術のメスを振るった、そういう立場なんです。  そういうふうな主治医の立場にありながら、まだ手術をして退院できる状況じゃないからと、これは手術したその責任者としては、ちょっと病状もよく知っていない、公の前で発言するような内容ではないんじゃないかなというふうに私は思うんですよ。そう思いませんか。どうですか、大臣。

○国務大臣(谷垣禎一君) 私が主治医であるかどうかは別としまして、今、足利銀行も大変な御努力はされているというふうに私も思っておりますが、ただ、まだいろいろな計画をお立てになったものが十分数字となって出てきている段階ではないと思っておりましたので、そのような認識で申し上げたわけでございます。

○谷博之君 話は変わりますが、今国会で医療制度改革の法案がたくさん出ています。我々がそういう中で一番重きを置いているのは、この話はちょっと余談になりますが、医師と患者の対等の立場なんですよ。いいですか。要は、お医者さんが上で患者が下というんじゃないんですよ。  そういう意味からすると、手術という言葉を使っていますから、ですから私は大臣がお医者さんだというふうに例えたわけですけれども、そういう、手術をしたそういう立場の人とそれを手術を受けた立場の人が対等でこの議論をしなきゃいけないんですよ。にもかかわらず、よく考えてください。今までずっとキャスチングボートは国が握っているんですよ。そして、まだだまだだと言って結論を延ばしているのが現状なんですよ。そして、体が元に戻ってないからまだ駄目だ駄目だと言っているのが大臣の発言なんですよ。いいですか。これでは対等の議論はできないということです。  更にお聞きしたい。そのパーティーの中で、前日に与謝野大臣と打合せをしたということを発言しております。時期のことは言うなということで口合わせでもしたんですか。答えてください、どういう打合せをしたのか。

○国務大臣(谷垣禎一君) 時期のことは言うななんていう打合せはいたしておりません。ただ、私と与謝野大臣でお打合せしたことは、足利銀行というのは今まで栃木県の経済あるいは中小企業に大変大きな役割を果たしてきた銀行でございますから、きちっとその受皿を考える段階では、当然、地元地域経済に十分役割を果たせるような形に持っていかなきゃいけないと、そのことは栃木県行っても、私ども、私言ってもいいですねと、それはそのとおりだと、こういう打合せをいたしたわけでございます。

○谷博之君 のれんに腕押しですね。何を聞いても答えてくれません。これでは質問した意味がありませんね。まあ、そのことだけは、テレビを見ている方がおられると思いますから、どう判断するかはもう国民の皆さんに判断してもらうしかない。  ただ、言えることは、何度も申し上げます、足利銀行を一言で言えばつぶしたのはこの会議なんですよ。いいですか。二〇〇三年十一月の二十九日の夜九時なんですよ。そういうふうなことをやった方々がそれを再建させる責任があるんじゃないですかって私は言っているんですよ。これは九月以降、小泉総理が退任をした後、だれがその後に政権担当するか分かりません。目の前に座っている方々の中でいろいろあるでしょう。だけども、少なくともそういうふうな結論をその先まで丸投げして、さあ、次の政権よ、やってくれって、そういうことにはならないでしょうと私は言っているんですよ。どうですか、その辺は。

○国務大臣(与謝野馨君) 足利銀行の受皿を早く見付けろというのは、民主党だけではなく自民党、公明党その他の政党の栃木県の御関係者から強く私は言われていることでございまして、当然そのことを心配しながらやっております。  しかしながら、受皿を見付けるに当たっては、先ほど申し上げましたように、やはり持続可能性の問題、それから地域経済に対する貢献の問題、そして受皿を選定するときには公的資金が必要になりますから、この公的資金をなるべく小さくするためのこれからの努力、こういうことを必要だということを先ほど申し上げました。  しかしながら、さりとて政府が決めるからといって、政府が独断で決めるわけではありませんで、やはり県の御意向、県議会の御意向あるいは栃木県の経済界の御意向、地域経済全体の状況、こういうことをすべて考慮をしながら今後決めてまいるわけでございます。しかしながら、現時点ではその時期、方法を申し上げられないのは大変残念でございますということを、先ほどから繰り返しお答えをしているわけでございます。

○谷博之君 まあ、それ以上のことを何度聞いても答えられないでしょうから、これで、この辺で終わりますが、もう一点だけちょっと別の視点からの問題をひとつ聞いておきたいんですが、先ほど中央青山監査法人の話はミサワホームの関係で出ましたけれども、この中央青山監査法人はいろいろ足銀とも深い関係があります。  この奥山理事長が二月に、二日に記者会見をしてこういうことを言っています。中央青山の公認会計士がいわゆる足銀の監査をしていて、足銀側から融資先の企業を二社紹介されて、そしてその顧問税理士に就任をしている、こういう事実があったわけですね。それに対して奥山理事長は、そういうことはありませんということで記者会見で発言しているんですよ。ところが、現実に一方では足銀側から中央青山監査法人に損害賠償請求訴訟が起きておりまして、第二回の口頭弁論で中央青山側がそのことを認めた答弁書を出しているんですよ。この事実はどうなんですか。

○国務大臣(与謝野馨君) まず、個別事案に関することでありまして、裁判で係争中の事案にも関連することから、具体的なコメントは差し控えさせていただきたいと思っております。また、中央青山の理事長の御発言につきましても、コメントは差し控えさせていただきたいと思います。  ただし、一般論として申し上げれば、監査法人が適正な監査の確保に向けて真摯に取り組まれることは当然のことではないかと思っております。

○谷博之君 係争中ということで話せないということですけれども、しかし、その奥山理事長自身が問題があるということをほかの記者会見でも発表しているんですよ。どうもあの方はちょっと物忘れが激しいのかしれませんが、少なくとも自分が監査しているその監査先の派遣した公認会計士がどういうことをやっているか、そして、それに対して疑惑を招くことはあってはいけないという視点からどこまでやっているのかということについては、極めて私は不適切な発言だったというふうに思います。  これは私は厳しく問われても仕方ないんじゃないかというふうに思っておりますが、これは私の感想でございますので、そのように申し上げておきたいと思うんです。  それで、次に続きますが、小泉総理の残された期間、どうしてもこれから取り組まなきゃならぬことを私、二つ申し上げたいと思うんです。  その一つは、これは大変、全体的な大きな問題じゃなくて大変恐縮なんですが、全国に今約六十万人の難病患者の皆さんがいます。病気の原因が分からない、したがって治療方法の確立されていない、さらにまた結果として大変長期にわたって様々な制約を負ってくる。そういう方々、こういう方々に対して、私は長い間、こういう方々を国のセーフティーネットを張り巡らして、法律の裏付けによって国家的事業としてこういう法制化をして国は取り組むべきだというふうなことを言ってまいりました。  そういう中で、先ほど三位一体改革の話が出ましたが、少なくともこの三位一体改革の中の議論の中で、地方六団体からこの難病対策の行政の一部を地方に移管してほしいという、そういう要望があったということが言われていますが、私どもは自治体の担当者に確認をしたところ、そういうことを言ったところはどこにもありません。これは一体どこでこういう要望を出したのか。竹中大臣、どうですか。聞いておりますか。  いいですか、難病対策のですよ、いわゆる行政の一部を地方六団体から地方に移譲してほしいという要望は三位一体改革のときにあったんですよ。それを我々は裏付けるために全国の自治体の担当者に聞きました。だれもそういうこと言っていません。地方六団体のどこでだれが言ったんですか、そういうこと。分かりませんか。

○国務大臣(竹中平蔵君) 申し訳ありません。その難病対策についてのその辺について、ちょっと直接の御質問、私の方にちょっといただいておりませんので、これ、私はちょっと今の段階では承知をしておりません。必要がありましたら調べさせていただきます。

○谷博之君 私の方としてはいわゆる事前通告はしたつもりですが、それが伝わってなかったと。  いずれにしても、私は……(発言する者あり)じゃ、どういう形で対応してくれますか、じゃ。

○委員長(小野清子君) 厚労大臣でよろしいですか。

○谷博之君 じゃ、大臣、お願いします。

○国務大臣(川崎二郎君) 地方六団体の御要求の中にはあったと私どものペーパーは承知いたしております。  この議論の中で、例えばがんの治療の問題、また鳥インフルエンザ等感染症対策、それからこの難病対策等の問題も、今補助金でやっている部分も地方に任せてくれぬかと、こういう御意見がございました。  私どもは、正直申し上げて、補助金というのは、まあ変なふうに取られる場面もございますけど、基本的には国と地方が重層的に仕事をしていこうというシステムの中ででき上がっている。難病対策については、患者数が少ないため、全国規模で研究を行わなければ原因の究明ができない、治療法の開発が進まない等、そうした形でまず国で責任を負う。しかしながら、医療費の負担軽減、難病相談支援センターの整備、重症難病患者の入院施設の確保等、これは地方にお願いをいたしております。  そういう意味では、国が責任を持ちながら補助金を私ども交付させていただいて地方の財源とも併せながら難病対策を全国規模で行わせていただいていると、この基本は堅持するつもりで昨年の議論の中でもお断り申し上げたと、こういう次第でございます。

○谷博之君 その説明は私どももよく分かっています。そうじゃなくて、いいですか、地方の自治体の直接の担当者は今申し上げた、大臣がお答えしたようなことについては今後引き続いて国がやってくれと言っているんですよ。地方にそれを移譲されても、地方の財政力の格差によって今国がやっている状態のそういう施策ができないって心配しているんですよ。  にもかかわらず、地方六団体からそういう要望が出て、そして移譲してくれって言っているということを一体だれが言っているのかということですよ、これは。その辺について、どうなんですか、確認していないんですか。

○国務大臣(川崎二郎君) 一人一人の担当者がお決めになったというよりも、六団体が総括的にお決めになったと、このように承知いたしております。

○谷博之君 まあ通告が十分伝わっていなかったということもありますから、これ以上は答弁しにくいのかもしれませんが、いずれにしても、これは後々まで問題になることだと思いますので、少なくともこの点については機会あるたびに私も質問させていただきたいと思っています。  それで、実は私はこの三年間、この難病対策の法律を何としても作りたいということで、まあ議員立法成立を目指して努力してまいりました。そして、党内の一応了承も得て、各党にもその試案的なものをたたき台として出させていただきました。(資料提示)  その中身がこれでありまして、これは本当に概略図であります。この難病対策推進法という法律を、まず目的と理念は、いわゆる難病対策を総合的に推進し、患者の福祉増進と国民保健の向上に取り組む国の責任を恒久化する、これを目的として、その下に実施大綱を作って、その実施大綱は、調査研究と就労や教育の支援を含む福祉施策の二本柱から打ち立てようという、こういうまあ大ざっぱに言えば考え方です。  そして、従来から非常に問題になっていることは、難病という言葉の定義なんですね。これは難病の四要素とよく言われていますが、原因不明、治療方法の未確立、そして少なくともそれが長期にわたって続くということによるいわゆるその弊害ですね。そういうもののいわゆるこの難病の要素について、定義という形でもってそれを規定するとかなりかっちりしたものになります。そうではなくて、今申し上げたものを全体としてくくった中で、交差する部分を難病の範囲ということで規定をし、それは難病対策推進審議会というところで公開制と、そして説明責任を持ったそういう仕組みでやっていこう、こういうことで私たちは大きく難病の範囲というものを取って、そしてこの法律を作るべきだと。まあ一部患者の中からは、その範囲が狭められるんじゃないかというふうな御心配もありましたけれども、我々はこの法律を作る中で、それを心配ない、できるだけ範囲を多様な部分に広げていくということを前提に法制局とも調整をさせていただいてこの法案の原案を作ったというところなんです。  で、お聞きしたいのは、そういう中で冒頭申し上げましたように、この難病対策を国家的な事業としていくためには、議員立法として取り組んでいるその前に、政府は一日も早くそういう意味では難病という冠の付いた法案をやっぱり作って、そして政府が難病対策に本格的に重層的に取り組んでいく、そういうことが必要であろうというふうに考えておりまして、これらについての政府、国の考え方をお聞かせいただきたい。

○国務大臣(川崎二郎君) 委員が難病対策に御理解と御支援を賜っていることには心から敬意を表しておきたいと思います。  法制化については、委員御承知のとおり、関係審議会等においてその是非につきまして議論がなされ、今のところ賛否両論でございます。一つは、委員が言われましたように、国として法制化により位置付ける根拠が明確するといった長所、一方で、法制化によって対象疾患や施策の固定化が生じ、柔軟な制度の運用ができなくなる可能性があると、こういう実は患者さんや専門家から二つの意見が出ております。  法制化について様々な意見あることから、今後とも、これはもう患者団体の意見もしっかり受け止めながら厚生労働省としても検討してまいりたいと考えております。

○谷博之君 大臣に重ねてお話をさしていただきますが、患者団体の意見も聞いてということですが、我々は患者団体の多様な意見を聞いた上でこの質問をさしていただいています。まあ大臣の方で確認をする必要があるんであれば確認してもらっても結構ですが、少なくとも総体としては、やっぱり国が、先ほど申し上げましたように、やっぱり法律に基づいた国家的な責任でこの事業を取り組んでいくというためには、患者団体全体としても、先ほど申し上げたように一部、難病の定義、範囲では議論は若干残っていますけれども、総体としては是非そういう方向でお願いしよう、こういうことになっているということをあえて私は付け加えさせていただきたい。  そして、もう一点、実は、先ほどの三位一体改革のどこがそういうことで難病対策の事業の一部を地方に移譲してくれと言ったかという、この問題についてですけれどもね。実は、後で調べていただいて、後刻これ理事会に報告していただけませんか。この場で説明ができないということであれば、そのことを私は強く求めたいんですが、委員長、いかがでしょうか。

○委員長(小野清子君) ただいまの件に関しましては、理事会の席におきまして後日協議させていただきます。

○谷博之君 それじゃ、最後になりますが、小泉政権、小泉政治の積み残した部分ということで、ひとつこれは戦後処理の問題をお聞きしたいと思っているんですが、御案内のとおり、この戦後処理、特にシベリア抑留の問題と戦没者の遺骨収集の問題、これは非常に前から課題として残っていることはもう御案内のとおりです。  総理は、厚生大臣の時代にですね、辺見じゅんさんの本を読んだということで、そしてシベリア抑留の人たちの悲惨な姿について大変驚いたという、こういうコメントを昔、衆議院の委員会で答弁されているんですが、御記憶ありますか。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) たしか、答弁はともかく、私は辺見じゅんさんの本を読みました。「収容所から来た遺書」あるいは「虹の生涯」といって、大下弘という、我々の子供時代のホームランバッターですね。川上選手が赤バット、大下選手が青バット、あの本もたしか辺見じゅんさんの著書ですけれども、いずれも感銘深く読みました。  特に、「収容所から来た遺書」、まあラーゲリ、これについては深く感銘いたしました。シベリア抑留生活、その中で病に倒れた方々の友人たちが日本に帰国する際、遺族に残された、家族に残されたその遺書は持っていくことができない。全部検閲されて取られちゃうわけですね。そこで、その遺書を友人たちが手分けして暗記して、帰国した後にその家族に伝えたという事実を基にした本であります。  この本については、私は多くの若い方々にも読んでいただきたいと思っております。いかに極寒の地シベリアで苦労されたか、戦争が終わったにもかかわらず抑留生活を余儀なくされて、多くの方々が命を失った。こういうことを考えますと、今の平和の有り難さをかみしめると同時に、これからもそのような方々の思いを大事にして政治に当たらなきゃならないなという気持ちを強くしております。  また、厚生大臣当時もパプアニューギニアを訪れまして、遺骨収集の現場を拝見し、あるいはモンゴルにも伺いまして、多くの方々が今なお遺骨収集に取り組んでいる。そして、日本ではなくて海外の海に山に今でも眠っている遺骨が多くあるということを知りまして、この遺骨収集事業について日本としても忘れてはならない、今なお取り組むべき事業だと考えております。

○谷博之君 今総理がお話しになったそのとおりでございまして、実は、私のところにシベリア抑留者の方で井上馨さんという方が帰国されて、その姿を赤裸々にかいた絵を持ってまいりまして、それがこれであります。(資料提示)  友よ、許してくれということで、こういう大変残酷な、酷寒の地で亡くなった方々が、まるでもう丸木材のような、丸太のような、そういう姿で積み重ねられて、失礼しました、ちょっと言い過ぎました。本当に気の毒な状態でいわゆる積み重ねられて、そして捨て場が、捨て場を求めて、この車で運んでいって、そして何と谷底にその遺体を捨てているんです。こういう残酷な状態がこの井上馨さんの絵によって描かれています。友よ、許してくれという、本当に悲痛な叫びがこの絵の中には私は表れていると思うんです。  この方は残念ながらもうお亡くなりになりましたけれども、そういうシベリア抑留の方々も、今平均年齢八十四歳です。戦後六十一年ですから当然そのぐらいの年齢になっているわけでありますが、こういう実は姿を見たときに、私は、韓国が既に取り組んでおりますが、こういう戦後の問題、特に戦没者の遺骨収集については官民挙げて韓国が積極的に取り組んでいる、もう今が最後だと言って取り組んでいるんですよ。そういう状況を考えたときに、どうも我が国の取組というのは若干やっぱり遅れているんではないかなというふうに思っています。  そういう中で、一、二点、具体的な話を聞きたいんでありますが、今から十五年前、一九九一年、当時、ソ連のゴルバチョフ大統領が日本に初来日しまして、両国の外務大臣が一つの捕虜・抑留者協定という一つの協定を結んでおります。  その中の第一条に、実は、ソ連側から、今のロシア側から、今後のその資料について、戦没者の資料については日本にこれを返還をするという、こういう約束事が条文に出ています。以来、十五年です。その後、約一万三千名と言われている人たちの名簿が分からない、そしてこのうち北朝鮮へ何名移送されたのか、そしてそのうち何名亡くなったのか、正にこのことがいまだにやみなんです。  協定もあるわけですから、政府はロシア政府に対してその取組がどうだったのか、現状はどうであるのか説明を求めるべきじゃないですか。どうですか。

○国務大臣(麻生太郎君) お答え申し上げます。  今御指摘のありましたのは、一九九一年の四月の十八日、ゴルバチョフ大統領訪日時に、捕虜収容所に収容されていた者に関する日本政府とソビエト社会、当時のソビエトでございますんで、ソビエト社会主義共和国連邦政府との間の協定というお話、御指摘の点だと思っております。  この問題に関しましては、いわゆるロシア側に対しまして、過日、プーチン大統領訪日のときを含めましてロシア側の一層の協力を強く要求、要請したのに対して、プーチン大統領もそれに対応してこたえていただいており、こたえておりますけれども、今言われましたように、抑留者総数五十七万五千という数字が公式な数字になっていると思いますが、そのうちいわゆる帰還者四十七万三千、死亡されたと思われる者五万五千ということになっておりますが、中国、北朝鮮へ移送された者約四万七千人ということになっておりまして、中国と北朝鮮の内訳がどういう内訳、どれが北朝鮮でこっちは中国、内訳までははっきりいたしておりません。で、平成十七年四月にロシアの、ソ連、ロシアの方から北朝鮮に移送された抑留者二万七千人の名簿は入手をいたしております。で、旧ソ連領で亡くなった方々約五万三千人といううち約四万人分の名簿というのは入手をいたしておりますが、残り一万三千人分余というのは未入手ということになっております。  かなり資料が散逸したりしておるというのも事実でありますんで、私どもといたしましては、これは非常に、今先生が御指摘のとおりかなり痛ましい話でもありますし、これは明らかに、御存じのようにポツダム宣言違反であることははっきりしておりますんで、そういったところもきちんとして、この点につきましては過日のプーチン・小泉会談のときも限らず、その他の関係でもいろいろこの点につきましては要請をいたしておるというのが事実でございます。

○谷博之君 私が実は言いたかったのは、要するにそういう一つの協定まで結んで、そして両国で要するに戦後処理ですよね、この問題は、そういう大きな問題について解決しようとしている状況の中で、少なくとも中間報告的なものぐらいはやっぱりロシア政府から出させるぐらいのやっぱり気持ちがないと、この問題は結論がどんどん先送りになるということを非常に心配しています。  それからもう一点は、遺骨収集の問題ですが、日本のその遺骨収集については、一体どこで計画されて、どういう形で取り組まれているのか、どうも定かではありません。尾辻前厚生労働大臣の時代に、積極的に去年はやると言って大臣が、当時の大臣が表明して、二千九百万円余の予算が新規に付きましたけれども、これだけでは私はとてもとてもまだ百十四万柱まだ海外に眠っていると言われているわけですから、これだけの膨大な遺骨を収集するということはとても不可能だというふうに思います。  そういう点からしても、私は、人も金もと言いますけれども、こういうふうなやっぱり予算を、今韓国はさっき言いましたようにやっているわけですから、日本も戦後の大きい問題としてこの問題を解決するために、私は、例えば官邸や内閣府などに北朝鮮拉致問題とかあるいは中国遺棄化学兵器の問題、いろんなポジションをつくってやっていますけれども、それと同じぐらいの私は司令塔をつくって、この問題を早急にやはり解決するための政府としてのやっぱり努力をすべきだというふうに思うんですけれども、総理、どうでしょうか。最後に是非ひとつお答えください。

○委員長(小野清子君) それでは、川崎厚労大臣。

○谷博之君 大臣、総理、いやいや、じゃ後で。

○国務大臣(川崎二郎君) 今お話しいただきましたのは、具体的な遺骨収集事業として予算、今年も二億二千五百万、各地域に積極的に行っていただいております。しかし一方で、今御指摘のように、六十年たちまして情報が少なくなっております。情報だけを集中的に集めるという予算付けを二千九百万させていただいて、この中でしっかりとした情報収集に努めて、そしてその後の遺骨収集に努めたいということでございます。どうぞよろしくお願いいたします。

○谷博之君 総理も。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 六十年以上戦後たっておりますが、今なおこの海外に眠っている遺骨のことを我々は忘れてはならないと思っておりますので、政府としてもしっかり取り組んでいきたいと思っております。

○谷博之君 それでは、時間が来ましたので、これで私の質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。



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