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鉛弾の全面禁止に関する質問主意書 (第159国会質問主意書第35号) 2004年6月15日 谷博之
参議院議員谷博之君提出鉛弾の全面禁止に関する質問に対する答弁書 2004年7月27日 内閣総理大臣 小泉純一郎
 一九八九年、北海道美唄市宮島沼において、ハクチョウ類多数が鉛中毒によって死亡する事件があった。調査の結果、それは狩猟に使われた鉛散弾が原因であることが判明した。その後、本州各地でも水鳥が鉛散弾を誤飲したことによる中毒死が確認されている。さらに一九九六年には、北海道東部において、鉛ライフル弾による銃撃後にそのまま放置されたエゾシカを食べたオオワシ等野生鳥類の鉛中毒死が明らかになった。
 この一五年間、野生鳥類の鉛中毒及び鉛による環境汚染に対する社会的関心の高まりに伴い、政府は、鳥類保護及び環境汚染防止の観点から様々な施策を講じてきた。しかし、現在でもなお、鉛散弾及び鉛ライフル弾等による野生鳥類の鉛中毒発生が度々報告されていることは誠に遺憾であり、施策が不十分であることを示している。さらに近年では、発射時の轟音を気にする必要がなく、高齢者でも気軽に楽しめる空気銃による狩猟が静かなブームとなっているが、その銃弾の多くは鉛弾であると聞いている。
 欧米諸国では九〇年代から鉛散弾の使用を禁じる国が増えている一方、米軍は備蓄している鉛入りライフル弾を二〇〇八年までに全部分解して鉛を取り出し、別の金属に詰め替える予定とされている。
 政府は鳥類の鉛中毒発生防止のため、狩猟における鉛製弾丸の使用を全面的に禁止するための具体的な施策の実行を急ぐべきである。このような立場から、以下のとおり質問する。

一、一九八九年以降今日まで、鳥類の鉛中毒を防止するために政府は、いつ、どのような施策を採ってきたか。年度ごとに、時系列で、制定又は改正した関連法令(法律・政令・府省令のすべてを含む。)及び発出した通達類(通達・通知・助言等その表題は問わない。)の件名とそれぞれの概要を示すとともに、毎年度どれだけの経費を使用したか具体的に示されたい。
(答弁) 環境省(平成十三年一月五日以前は環境庁。以下同じ。)において、鳥類の鉛中毒の防止に関してこれまで講じられた施策は、別表第一のとおりであり、鳥類の鉛中毒防止に関する施策を実施するために要した経費は別表第二のとおりである。

別表第一 鳥類の鉛中毒防止のために講じられた施策

年 度  施   策 概    要
平成5年度 ガン類及びハクチョウ類の鉛中毒個体に関する監視の重点実施について(平成5年5月12日付け環自野第195号鳥獣保護業務室長通知)の発出

各都道府県の担当部長に対し、水鳥の鉛中毒事故の発生の有無を監視し、外傷のない死亡個体等中毒の可能性のある水鳥を発見した場合は、専門機関において鉛中毒の有無について分析すること及び鉛中毒の発生状況を環境庁に報告することを依頼。

平成11年度 鉛散弾規制地域選定要領について(平成12年1月21日付け環自野第20号環境庁自然環境局長通知)の発出 各都道府県に対し、水鳥の鉛中毒事故を防止するため、鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律(大正7年法律第32号)第1条ノ5第5項に基づく狩猟鳥獣の捕獲制限として、鉛製散弾の使用を禁止する特定の水辺域(以下「鉛散弾規制地域」という。)を選定する際の考え方を示した選定要領を通知。
鳥類の鉛中毒事故の防止について(平成12年3月14日付け環自野第98号鳥獣保護業務室長通知)の発出

各都道府県の担当部長に対し、鉛製散弾規制地域を指定した場合の環境庁長官への届出、鳥類の鉛中毒事故防止に対する狩猟者等への指導及び鳥類の鉛中毒事故が発生した場合の環境庁への報告を依頼。

平成14年度 鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律(平成14年法律第88号)の制定 都道府県知事が、指定猟法禁止区域を設けることができることとし(第15条第1項)、これにより、都道府県知事が、水鳥の鉛中毒被害の防止のため、水辺域における鉛製散弾の使用を禁止する区域を指定できることとするとともに、山野に放置された鳥獣の体内に残存した鉛製散弾ごと猛禽類が摂食することによる鉛中毒の発生等を防止するため、鳥獣の殺傷個体の放置を原則として禁止(第18条)。
鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律施行規則(平成14年環境省令第28号)の制定 都道府県知事が指定猟法禁止区域を指定しようとする場合又は区域若しくは存続期間を変更等しようとする場合は、環境大臣への届出が必要であることを規定(第14条)。
鳥獣の保護を図るための事業を実施するための基本的な指針(平成14年環境省告示第86号)の策定 鉛製銃弾による鳥獣の鉛中毒が生じている又は生じるおそれのある区域について、鳥獣の鉛中毒の状況等の現状を把握及び分析し、関係機関及び土地所有者・占有者との調整を行いつつ、指定猟法禁止区域の指定を進めていくなどとの指針を策定。
平成15年度 鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律の施行等について(平成15年4月15日付け環自野発第030415012号環境省自然環境局長通知)の発出 各都道府県に対し、鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律第1条ノ5第5項に基づき指定された鉛散弾規制地域を鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律第15条第1項で定められた指定猟法禁止区域への移行及び同区域の拡大を要請。

別表第二 鳥類の鉛中毒防止に関する施策を実施するために要した経費の推移

年 度 経 費(単位:千円)
平成3年度  4,083
平成6年度 11,752
平成7年度 11,775
平成8年度 10,900
平成9年度 3,000
平成10年度 3,000
平成11年度 104,500
平成12年度 5,621
平成13年度 16,000
平成14年度 13,500
平成15年度 20,000


二、全国の都道府県及び北海道内の市町村において、一九八九年以降今日まで、鳥類の鉛中毒を防止するために、いつ、どのような施策が講じられてきたか。地方自治体ごとに、一に準じて、内容を示されたい。
(答弁) 環境省において情報収集を行った結果によれば、全国の都道府県及び北海道内の各市町村において、鳥類の鉛中毒の防止に関して平成元年以後講じられた施策は別表第三のとおりである。

別表第三>>
三、二〇〇四年五月二五日の参議院環境委員会における小池環境大臣の答弁で明らかなように、狩猟における鉛製弾丸の使用はすべて禁止することが政府の方針であると承知している。今後政府はどのようなスケジュールでこの方針を実行するつもりなのか。散弾、ライフル弾及び空気銃弾それぞれについて、いつ、だれが、どのような法令改正を行うのか、あるいはどれだけの予算を投じて行うつもりか、実行する施策を具体的に示されたい。
(答弁) 環境省においては、狩猟のための水辺域における鉛製散弾の使用については、非鉛弾の普及状況等を勘案しつつ、しかるべき時期に全域で禁止することとしているところである。水辺域における鉛製散弾の使用禁止に関しては、狩猟者が非鉛弾の使用に慣れていないこと及び非鉛弾の製造・供給体制が整っていないこと等の課題があると認識しており、関係者の理解を得て非鉛弾の普及を図る必要があること等から、現段階で具体的なスケジュール及びそのための予算をお示しすることは困難であるが、これが早期に実現するよう努めてまいりたい。

なお、水辺域全域における鉛製散弾の使用の禁止に至るまでの当面の措置として、各都道府県において、鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律(平成十四年法律第八十八号。以下「新法」という。)による改正前の鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律(大正七年法律第三十二号)第一条ノ五第五項に基づく狩猟鳥獣の捕獲制限として鉛散弾規制地域を指定したり(この指定は、新法施行後も効力を有している。)、新法第十五条第一項に基づき鉛製散弾の使用を禁止する指定猟法禁止区域を指定する措置を行っている。その結果、各都道府県において、鉛製散弾の使用が禁止される地域・区域として、平成十六年五月現在、全国で約百四十か所、約七万八千ヘクタールが指定されている。さらに、環境省においては、各都道府県に対し、この区域の拡大を要請しているところである。

また、北海道内において鉛製銃弾が原因と見られる猛禽類の鉛中毒が発生していることから、北海道においては、エゾシカ猟における鉛製銃弾の使用を禁止しているものと承知している。北海道内以外において、今のところ猛禽類の鉛中毒は報告されていないが、環境省において引き続き情報収集を行ってまいりたい。

その他、狩猟において鉛弾から非鉛弾(鉛を含むが、鳥獣の捕獲に当たって、鉛が暴露しない構造・素材の銃弾を含む。以下、三についてで同じ。)への使用の切替えを進めることは、鳥獣の保護を図る上で重要な課題と認識しているところであるが、関係者の理解を得て非鉛弾を普及させることが必要であることから、引き続き狩猟者への情報提供及び関係団体への申入れ等の取組を着実に進めてまいりたい。

四、鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律の規定による「特定鳥獣保護管理計画」に従った鳥獣の捕獲においても、野生鳥類の鉛中毒発生防止及び環境汚染防止の観点から、鉛弾使用を禁止すべきであると考えるが、政府の見解はいかがか。
(答弁) 新法第七条の特定鳥獣保護管理計画に基づく個体数調整のための捕獲の許可を新法第九条第一項に基づき得た者は、新法第十二条第四項又は第十五条第四項の規定により、鉛散弾規制地域又は鉛弾に係る指定猟法禁止区域にあっても、鳥獣の捕獲をすることができることとされているが、鳥獣の保護を図るための事業を実施するための基本的な指針(平成十四年環境省告示第八十六号)において、環境大臣はこれらの場合においても鉛製銃弾を使用した捕獲は原則として許可しない旨定められている。また、同指針においては、猛禽類の鉛中毒を防止するために、鳥獣の捕獲に当たっては鉛が暴露する構造・素材の銃弾は使用しないよう努めることが、併せて定められているところである。都道府県においても、これらを踏まえた対応がとられているものと認識している。

なお、環境省が昭和六十二年度から都道府県等に対して実施している土壌汚染の状況についてのアンケートによると、射撃場敷地内以外の場所において、鉛製散弾に起因する鉛について、土壌の汚染に係る環境基準について(平成三年環境庁告示第四十六号)に示された環境基準(以下「土壌環境基準」という。)を超える測定値が認められたことはない。

五、銃砲刀剣類所持等取締法に基づく指定射撃場は全国に何か所あるか。
(答弁) 銃砲刀剣類所持等取締法(昭和三十三年法律第六号)第九条の二第一項の規定に基づいて都道府県公安委員会に指定されている射撃場(以下「指定射撃場」という。)は、平成十六年六月十六日現在、全国で四百六十九か所ある。

なお、この指定は銃砲の種類ごとに行われるものであり、同一の射撃場で異なる種類の銃砲に係る指定を重複して受けている場合もあるが、ここではこれを一か所として数えている。

六、すべての指定射撃場について、指定の別、射撃場名、管理者、指定者、所在地及び規模を示す情報(面積、年間の利用者数及び発射数)を所在する都道府県ごとに分類して示されたい。
(答弁) お尋ねの「指定の別」とは、指定に係る銃砲の種類を指すものと考えるが、平成十六年六月十六日現在の指定射撃場の指定者、名称、所在地、指定に係る銃砲の種類、管理者、面積及び平成十五年度の利用者数は、別表第四のとおりである。ただし、お尋ねの「管理者」については、個人に関する情報であること等にかんがみ、自衛隊及び警察が管理している指定射撃場の管理者の職名のみをお答えしている。また、面積及び利用者数については、自衛隊及び警察が管理している指定射撃場のもの以外は把握していない。なお、お尋ねの「発射数」については、自衛隊及び警察が管理している指定射撃場以外における発射数は把握しておらず、また、自衛隊及び警察が管理している指定射撃場における発射数については、訓練等の頻度を明らかにすることにより、練度が明らかになるおそれがあることから、答弁を差し控えたい。

別表第四>>

七、自衛隊、海上保安庁及び警察は、銃砲刀剣類所持等取締法による指定を受けていない射撃場及び演習場をそれぞれ何か所持っているのか。また、それらについて、六と同様に射撃場・演習場名、管理者、所在地及び規模を示す情報を所在する都道府県ごとに分類して示されたい。
(答弁) 平成十六年六月十六日現在の指定射撃場ではない自衛隊、海上保安庁及び警察が管理している射撃場(自衛隊の演習場等を含み、十についてでお答えする「試射場」を除く。以下同じ。)の数は、自衛隊については百七か所、海上保安庁については三か所、警察については五十三か所であり、その所在する都道府県、名称、所在地、管理者、面積並びに平成十五年度の利用者数及び発射数は、別表第五のとおりである。ただし、お尋ねの「管理者」については、個人に関する情報であること等にかんがみ、管理者の職名のみをお答えしている。なお、自衛隊が管理している射撃場における発射数のうち自衛隊の教育訓練に関するもの並びに海上保安庁及び警察が管理している射撃場における発射数については、訓練等の頻度を明らかにすることにより、練度が明らかになるおそれがあることから、答弁を差し控えたい。

別表第五>>

八、自衛隊、海上保安庁及び警察がそれぞれ年間に使用する鉛を含む銃弾の量を、二〇〇三年度以前の過去五年度分示されたい。
(答弁) 自衛隊、海上保安庁及び警察がそれぞれ年間に使用する鉛を含む銃弾の量(平成十一年度から平成十五年度まで)は別表第六のとおりである。

別表第六 自衛隊、海上保安庁及び警察がそれぞれ年間に使用する鉛を含む銃弾の量(平成11年度〜平成15年度)
機  関 年  度 使 用 量
自衛隊

 平成11年度
 平成12年度
 平成13年度
 平成14年度
 平成15年度

 約230トン
 約190トン
 約220トン
 約200トン
 約220トン

海上保安庁

 平成11年度
 平成12年度
 平成13年度
 平成14年度
 平成15年度

 約2トン
 約2トン
 約3トン
 約2トン
 約3トン

警    察

平成14年度
平成15年度

約120トン
約130トン


注)警察の平成11年度から平成13年度までについては、銃弾使用量算出の基となるけん銃射撃訓練関係文書を、保存期間満了につき廃棄していることから、回答が不可能である。

九、自衛隊、海上保安庁がそれぞれ年間に使用する鉛を含む砲弾の量を、二〇〇三年度以前の過去五年度分示されたい。
(答弁) 自衛隊が年間に使用する鉛を含む砲弾の量(平成十一年度から平成十五年度まで)は別表第七のとおりである。なお、海上保安庁においては鉛を含む砲弾を保有していない。
別表第七 自衛隊が年間に使用する鉛を含む砲弾の量(平成11年度〜平成15年度)    
年  度 使 用 量

平成11年度
平成12年度
平成13年度
平成14年度
平成15年度

 約60トン
 約20トン
 約50トン
 約30トン
 約10トン


十、六及び七で示した以外に、例えば銃器製造工場施設内など、指定を受けない射撃場・試射場が我が国に存在するか。存在するならば、その数と名称及び施設の管理者について、所在する都道府県ごとに示されたい。
(答弁) お尋ねの「試射場」とは、試験若しくは研究のため銃砲を所持する国若しくは地方公共団体の職員若しくは銃砲の所持の許可を受けた者又は武器製造事業者その他の武器等製造法(昭和二十八年法律第百四十五号)第四条に該当する者が、その所持に係る銃砲を用いて行う射撃の用に供される施設を指すものと考えるが、平成十六年六月十六日現在、自衛隊及び警察が管理している当該施設の数及び銃砲の所持又は武器の製造の許可に当たり把握した当該施設の数の合計は、六十五か所であり、その所在する都道府県、名称及び管理者は、別表第八のとおりである。ただし、お尋ねの「管理者」については、個人に関する情報であること等にかんがみ、自衛隊及び警察が管理している当該施設の管理者の職名のみをお答えしている。

別表第八>>

十一、福岡県、千葉県、埼玉県、静岡県などの県営射撃場における鉛汚染が発覚したことを受けて、環境省は調査を行い、少なくとも七か所の射撃場で鉛汚染の発生が分かったと聞いているが、それは事実か。事実とすれば、調査の時期、対象、内容及び結果について明らかにされたい。
(答弁) 福岡県、千葉県、埼玉県等の県営射撃場における鉛汚染が発覚したことを受けて、環境省が調査を行ったという事実はない。

十二、十一で調査対象となっていない七及び十で示したものを含む射撃場・演習場、試射場等において、鉛汚染の状況について具体的に示されたい。
(答弁) 自衛隊が管理している射撃場等のうち、表流水が河川等の公共用水域に流出している射撃場等については、当該射撃場等が存する自衛隊施設の境界部において、鉛に係る水質調査を実施しているところであり、平成十五年度における鉛に係る水質調査の測定値は、水質汚濁に係る環境基準について(昭和四十六年環境庁告示第五十九号)に示された環境基準(以下「水質環境基準」という。)を下回っている。

海上保安庁及び警察が現在管理している射撃場等において鉛汚染が発生した事例は承知していない。

その他、環境省が都道府県等に対して実施している前記アンケートによれば、平成十二年度及び平成十三年度において、千葉県射撃場(千葉県市原市)、埼玉県長瀞総合射撃場(埼玉県秩父郡長瀞町)、富山県福光射撃場(富山県西砺波郡福光町)、福井県立クレー射撃場(福井県勝山市)、警察学校射撃場跡地(岐阜県岐阜市)、多治見市射撃場(岐阜県多治見市)、兵庫県警射撃場跡地(兵庫県神戸市)、福岡県立総合射撃場(福岡県筑紫野市)及び自衛隊桜谷射撃場(福岡県筑紫野市)の九か所の射撃場等で鉛に係る土壌環境基準を超える測定値が認められたものと承知している。

十三、これまでに射撃場等での鉛汚染の状況の調査を行っていないとすれば、政府は指定射撃場及び自衛隊、海上保安庁、警察その他のすべての国内にある射撃場・演習場・試射場等の鉛を含む銃弾・砲弾が使用されている場所の鉛汚染状況を早急に調査すべきではないか。
(答弁) 自衛隊が管理している射撃場等のうち、表流水が河川等の公共用水域に流出している射撃場等については、当該射撃場等が存する自衛隊施設の境界部において、鉛に係る水質調査を実施しているところであり、今後とも、鉛に係る水質調査を実施する予定である。表流水が河川等の公共用水域へ流出していない射撃場等及び屋内の射撃場等は、河川等の公共用水域に影響を及ぼす可能性がほとんどないと考えられることから、現在のところ、鉛に係る水質調査を実施する予定はない。なお、自衛隊の射撃場等において射撃訓練を行う際には、射撃部隊が射撃後に鉛弾の回収を行っている上、射撃場等の定期整備の際にも鉛弾の回収を行っているところである。

海上保安庁は、射撃場を三か所管理している。そのうち一か所は屋内の射撃場であり、かつ、射撃後の弾丸をすべて回収できる構造となっており、鉛汚染が発生するおそれはないと考えられるため、土壌調査を行う予定はない。また、その余の二か所のうち、海上保安学校(京都府舞鶴市)については、現在、土壌調査を実施しているところであり、海上保安大学校(広島県呉市)については年内に土壌調査を行う予定である。

警察が現在管理している射撃場等の鉛汚染の状況調査としては、平成十五年六月に江津警察署簡易射撃場(島根県江津市)及び西郷警察署簡易射撃場(島根県隠岐郡西郷町)の二か所の射撃場において水質調査及び土壌調査を実施し、いずれも鉛に係る水質環境基準及び土壌環境基準を下回る測定値であった事例を承知している。警察においては、射撃場等の鉛弾を回収して、その再利用、売却又は処分委託を行っており、射撃場の新設、改修に際しては、より容易に鉛弾が回収できる構造のバックストップ等の採用を開始しているところでもあるが、今後とも、必要に応じて調査を行っていく予定である。

環境省においても、前記のとおり、都道府県等に対するアンケートを行って鉛による土壌汚染状況についての情報収集を実施している。また、平成十五年二月から土壌汚染対策法(平成十四年法律第五十三号)が施行されており、都道府県知事等は、同法第四条第一項に基づき、射撃場等に限らず、鉛による土壌汚染により人の健康に係る被害が生ずるおそれがある土地について、当該土地の所有者等に対し、土壌汚染状況の調査を命ずることができることとされている。

十四、静岡県及び千葉県は、それぞれ二〇億円を超える多額の県費を投じて県営射撃場の鉛汚染除去・浄化作業を行っている。それ以外の都道府県営射撃場では、土壌の交換などどのような施策がどれだけの費用を掛けて行われているか。また、今後の汚染防止のためにどのような施策が予定されているか。
(答弁) 環境省において前記アンケートにより鉛に係る土壌環境基準を超える測定値が認められたものと承知している射撃場等のうち、都道府県営射撃場の汚染土壌対策の実施状況等は、別表第九のとおりであると承知している。なお、都道府県営射撃場以外の射撃場等における汚染土壌対策の実施状況等については、別表第十のとおりであると承知している。

別表第九 鉛に係る土壌環境基準を超える測定値が認められたものと承知している都道府県営射撃場における汚染土壌対策の実施状況等について
都道府県営射撃場名 汚染土壌対策等 費  用 今後の汚染防止対策等
埼玉県長瀞総合射撃場(埼玉県秩父郡長瀞町) 汚染土壌の掘削除去等を実施し、汚染が判明した施設の運用を中止している。      約4億円 鉛製散弾以外の散弾を使用して施設の運用を再開する可能性について検討している。
富山県福光射撃場(富山県西砺波郡福光町) 汚染土壌の掘削除去を実施し、一時、射撃場の運用を中止した。 約1億4000万円 鉛弾の回収を実施できる一部施設についてのみ運用を再開している。
福井県立クレー射撃場(福井県勝山市) 汚染土壌の掘削除去等を実施し、射撃場の運用を中止している。 約1億7000万円 射撃場の運用を再開する可能性について検討している。
福岡県立総合射撃場(福岡県筑紫野市) 汚染土壌の掘削除去等を実施した。 約9億円 現在行っている鉛弾の回収等を引き続き実施する。

別表第十 鉛に係る土壌環境基準を超える測定値が認められたものと承知している都道府県営射撃場以外の射撃場等における汚染土壌対策の実施状況等について
射撃場名 汚染土壌対策等 費  用 今後の汚染防止対策等
警察学校射撃場跡地(岐阜県岐阜市) 汚染土壌の掘削除去等を実施した。 約5000万円 射撃場として使用していない。
多治見市射撃場(岐阜県多治見市) 汚染土壌の浄化対策等を実施し、射撃場の運用を中止している。 約1億6000万円 左記対策等を実施している。
兵庫県警射撃場跡地(兵庫県神戸市) 汚染土壌の掘削除去等を実施した。 約1億1000万円 射撃場として使用していない。
自衛隊桜谷射撃場(福岡県筑紫野市) 汚染土壌の掘削除去等を実施した。 約3億3000万円 現在行っている鉛弾の回収等を引き続き実施する。


十五、射撃場では、クレー射撃などの競技会が開催されるだけでなく、狩猟者の技術向上等のための射撃も行われている。したがって、射撃場及びその周辺地域の鉛汚染を防止するためには、クレー射撃の競技会に限らず、射撃場における鉛弾の使用を全面的に禁止すべきであると考えるが、政府の見解はいかがか。
(答弁) 環境省において前記アンケートにより鉛に係る土壌環境基準を超える測定値が認められたものと承知している射撃場等については、それぞれの射撃場等において、射撃場等及びその周辺の地域の鉛汚染を防止するために必要な鉛弾の回収等の対策が行われていること、また、非鉛弾については、目的に応じた威力を確保できるかどうか等の技術的な検討課題が存在することから、直ちにすべての鉛弾を全面的に禁止することは困難であると考えている。
十六、射撃場における鉛汚染除去・浄化費用は、福岡県営射撃場の場合と同様に、射撃場の利用者もその一部を負担すべきであると考えるが、政府の見解はいかがか。
(答弁) 一般的には鉛汚染の除去・浄化費用は汚染原因者が負担すべきものと考えるが、射撃場の利用者にその費用を負担させるかどうかについては、必要に応じ、それぞれの射撃場において判断されるべきものと考えている。
十七、鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律第五八条第三号及び同法律施行規則第六七条第一号の規定に基づく共済事業について、その概要及び二〇〇三年度以前の過去五年度分の収支と毎年の積立額が分かる損益計算書、貸借対照表等を示されたい。
(答弁) お尋ねの共済事業は、社団法人大日本猟友会が、狩猟等の行為中に発生した人身に対する事故等について、相互扶助の理念に即し、構成員の生活の安定と福祉の増進を図ることを目的として、運営を行っているものと承知しており、当該事業の平成十一年度から平成十五年度までの共済事業特別会計収支、貸借対照表及び正味財産増減計算書は別表第十一のとおりとなっている。

別表第十一>>

十八、十七で示した共済事業の剰余金の一部は、射撃場の浄化などの鉛汚染除去、あるいは鉛弾の代替促進などの取組み費用に充てられるべきであると考えるが、政府の見解はいかがか。
(答弁) お尋ねの剰余金については、毎年度、責任準備金が主務官庁の定める積立額を超えたときに、その超過額を積み立てている事業積立金が相当すると考えられるが、その一部については、取り崩された上、社団法人大日本猟友会の一般会計に繰り入れられ、その多くが、狩猟による自己又は他者の生命又は身体を害する事故の防止のための事業に使用されているものと承知しており、御指摘の射撃場の鉛汚染対策、鉛弾の代替促進等の取組へ支出するかどうかについては、社団法人大日本猟友会において判断されるべきものと考えている。
十九、散弾、ライフル弾、空気銃弾及びけん銃弾について、種類ごとに鉛を含むものと含まないものそれぞれ二〇〇三年度以前の過去五年度分の輸出入量、主な輸出入先、製造量及び製造場所(都道府県名)を示されたい。また、鉛を含む砲弾についても同様に示されたい。
(答弁) 散弾、ライフル弾及び空気銃弾の平成十一年度から平成十五年度までの輸出入量及び主な輸出入先については、財務省作成の日本貿易統計によると、別表第十二のとおりである。

なお、日本貿易統計においては、鉛を含むものと鉛を含まないものとは区分されていないが、社団法人日本猟用資材工業会の集計によると、鉛を含まない散弾及びライフル弾(ライフル弾にあっては、鉛を含むが、鳥獣の捕獲に当たって、鉛が暴露しない構造・素材のものを含む。以下同じ。)の輸出入量及び主な輸出入先については、別表第十三のとおりである。

散弾、ライフル弾及び空気銃弾の平成十一年度から平成十五年度までの製造量及び製造場所(都道府県名)については、経済産業省作成の機械統計等によると、別表第十四のとおりである。

なお、機械統計においては、鉛を含むものと鉛を含まないものとは区分されていないが、社団法人日本猟用資材工業会の集計によると、鉛を含まない散弾及びライフル弾の製造量及び製造場所(都道府県名)については、別表第十五のとおりである。

けん銃弾の平成十一年度から平成十五年度までの輸出入量及び主な輸出入先、製造量及び製造場所(都道府県名)については、それぞれ別表第十六及び別表第十七のとおりである。なお、防衛庁に関するものについては、弾薬量が自衛隊の能力発揮に直接影響を与えるものであるので、その購入数量(輸入量及び製造数量)の答弁は差し控えたい。

鉛を含む砲弾については、平成十一年度から平成十五年度までの間、輸出入及び製造は行われていない。

別表第十二〜十五>>

質問主意書とは?

国会議員は、会期中、文書により国政一般について内閣に質問することができます。議長が承認した質問主意書は、次の月曜日か水曜日に内閣に転送され、その日から7日以内に内閣は答弁書を作成し、送付しなければなりません。また質問主意書及び答弁書は全議員に配布し、本会議録や参議院HPにも掲載されます。


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