谷博之国会活動
| 障害者マル優制度の縮小に関する質問主意書(第170国会質問主意書第146号) 2008年12月19日 谷博之 | |
| 参議院議員谷博之君提出障害者マル優制度の縮小に関する質問に対する答弁書 2009年1月9日 内閣総理大臣 麻 生 太 郎 | |
郵政民営化に伴い、障害者を対象とする郵便貯金の利子所得に対する非課税制度(以下、「郵便貯金障害者マル優」という。)が廃止された。これは、民間銀行における少額貯蓄非課税制度と合わせて従来七百万円分あった、障害者に係る預貯金の利子所得に対する非課税枠が半分の三百五十万円になってしまったことを意味する。障害者自立支援法によって障害者に新たな負担を押しつける一方で、当事者の意見を全く聴かないまま、財産形成の機会を奪ったことは言い逃れのできない、政府の失策である。 私はこの問題を二〇〇七年十二月二十五日の参議院厚生労働委員会で取り上げたところ、舛添厚生労働大臣は「御指摘になられたような政策決定が行われたその過程については、十分精査して再検討し、どういう反省をしないといけないか、これも私は今の現職厚生労働大臣として対応してまいりたい」と答弁している。また中村F夫厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長は「お話しのございましたような御要望があるとすれば、私どもとしても今後よく関係府省と相談をしながら議論を進めていきたいというふうに思います」と答弁している。 一方、この質問主意書提出に先立ち、社会福祉法人日本身体障害者団体連合会に問い合わせたところ、この制度廃止について全く知らされていなかったとのことである。社会福祉法人日本身体障害者団体連合会は各都道府県・政令指定都市の障害者団体、社団法人日本オストミー協会、社団法人全日本難聴者・中途失聴者団体連合会で構成されている、障害者本人による全国最大規模の連合団体である。 そこで以下、質問する。なお、同様の文言が並ぶ場合であっても、質問項目ごとに答弁されたい。 一 右答弁以降、厚生労働省は関係府省とどのような相談をし、議論をし、そしてどのような反省をしたのか。具体的に明らかにされたい。 |
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| (答弁) | 一について お尋ねについては、御指摘の国会における答弁を踏まえ、関係府省に対し、政策決定の考え方等の確認を行ったところであり、今後も、政策決定が行われる過程等においては、関係府省と連携を密にしてまいりたいと考えている。 |
| 二 郵便貯金障害者マル優のように、障害者の財産形成を支援するための税制は、障害者の権利に関する条約に規定する合理的配慮に基づく制度に該当すると考えるか否か。またその理由は何か。 | |
| (答弁) | 二について 障害者の権利に関する条約(仮称)第二条においては、「合理的配慮」の定義として、「障害者が他の者と平等にすべての人権及び基本的自由を享有し、又は行使することを確保するための必要かつ適当な変更及び調整であって、特定の場合において必要とされるものであり、かつ、均衡を失した又は過度の負担を課さないもの」(仮訳)と規定されている。御指摘の「障害者の財産形成を支援するための税制」が、障害者を対象としてその財産形成を支援するという一般的な税制であるとすれば、「障害者が他の者と平等にすべての人権及び基本的自由を享有し、又は行使することを確保するための必要かつ適当な変更及び調整であって、特定の場合において必要とされるもの」には当たらないのではないかと考えられる。 |
| 三 障害者基本法第二十一条には、「国及び地方公共団体は、障害者及び障害者を扶養する者の経済的負担の軽減を図り、又は障害者の自立の促進を図るため、税制上の措置、・・・その他必要な施策を講じなければならない」と規定しているが、郵便貯金障害者マル優の廃止に当たって、政府は、その措置が同条の規定に照らして適当であるか否かの検討を行ったのか。 | |
| 四 右三の検討を行ったのであれば、@政府部内のどのような機関が検討を行ったのか、A検討に当たって当事者である障害者の意見を聴かなかった理由は何か、B同条の規定にもかかわらず、郵便貯金障害者マル優を廃止した理由は何か、以上の点について説明されたい。 | |
| 五 右三の検討を行っていないのであれば、その理由は何か。 | |
| (答弁) | 三から五までについて 障害者等の郵便貯金の利子所得の非課税制度については、郵政民営化等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成十七年法律第百二号)により郵便貯金法(昭和二十二年法律第百四十四号)に基づく郵便貯金が廃止され、旧日本郵政公社の郵便貯金の機能を承継する郵便貯金銀行(郵政民営化法(平成十七年法律第九十七号)第九十四条に規定する郵便貯金銀行をいう。以下同じ。)は銀行法(昭和五十六年法律第五十九号)上の銀行として預金の受入れを行うものとなったため、同非課税制度は廃止されたものであり、郵便貯金銀行について一般の銀行に認められる所得税法(昭和四十年法律第三十三号)第十条に規定する障害者等の少額預金の利子所得等の非課税制度以外の措置を認めることは郵政民営化の趣旨に照らして適当でないことから、御指摘のような検討は行っていない。 |
| 六 障害者にとって、郵便貯金における利子所得に対する非課税制度は、大正九年にさかのぼる長い歴史のある制度である。郵政民営化の基本方針や郵政民営化法案の閣議決定時に、厚生労働省も総務省もこの歴史ある制度の廃止が郵政民営化に伴うことに気づくべきで、その代償措置等について、当事者団体の意見を全く聴かなかったのは両省の不作為ではないか。 | |
| 九 右八の経過措置を講じることで、制度廃止に当たり当事者の意見を聴く必要はなかったと政府は考えているのか。 | |
| (答弁) | 六及び九について 郵政民営化関連法律案の立案に当たっては、地方懇談会、タウンミーティング及び郵政民営化TVキャラバン等を通じて、幅広く国民の意見を聴取したところである。 |
| 七 内閣官房も総務省も障害者施策推進本部の本部員であり、厚生労働省を頼ることなく、所管施策である郵便貯金制度の変更・廃止について、障害者に対する十分な配慮をすべきでなかったのか。 | |
| 八 郵便貯金障害者マル優の既往分については、民営化後も満期まで適用する経過措置を講じたと、総務省は私に対して回答しているが、既往分についても、その満期後にゆうちょ銀行と契約する分の利子所得については、民間銀行の非課税枠を利用されている障害者の方には優遇されないのであり、利子所得が減るのは明らかでないか。 | |
| (答弁) | 七及び八について 郵政民営化により郵便貯金銀行は銀行法上の銀行として預金の受入れを行うものとなったため、障害者等の郵便貯金の利子所得の非課税制度は廃止し、郵便貯金銀行の預金利子については、一般の銀行の預金利子に認められる障害者等の少額預金の利子所得等の非課税制度の適用対象となったものであり、民営化後に郵便貯金銀行に対し預入をする預金の利子については、一般の銀行の預金利子と同様の扱いとなるものである。 なお、障害者等の郵便貯金の利子所得の非課税制度のこれまでの利用者に配慮して、民営化前に預入をし、同非課税制度の適用を受けていた定期性の郵便貯金の利子については、その貯金の満期までは引き続き非課税とする経過措置を設けたところである。 |
| 十 障害者は、一般に収入の基盤が弱いため、その自立及び社会参加の支援のためには、貯蓄その他の財産形成を支援する必要性があると思われるが、この点に関する政府の見解は如何か。 | |
| 十一 障害者の貯蓄その他の財産形成支援の必要性を認識している場合、利子所得に対する非課税その他の税制を通じた支援の必要性について政府の見解は如何か。 | |
| (答弁) | 十及び十一について 障害者の自立と社会参加を支援するため、年金や手当等の給付、税制上の措置等施策を講じているところであり、今後とも必要な支援を行ってまいりたい。 |
| 十二 二〇〇二年度税制改正において、六十五歳以上の高齢者が少額貯蓄非課税制度の対象から除外され、障害者のみに対して当該制度を引き続き存続させた理由は何か。 | |
| (答弁) | 十二について 老人等に係る郵便貯金の利子所得の非課税制度、少額預金の利子所得等の非課税制度及び少額公債の利子の非課税制度(以下「」 少額貯蓄非課税制度」という。)については、平成十四年度税制改正において、高齢者に係る世代内・世代間の税負担の公平確保、貯蓄優遇の是正等の観点から、それまで非課税とされていた老人の預貯金等の利子等について、少額貯蓄非課税制度の適用対象から除くこととし、その結果、障害者等を対象とする制度へと改組したところである。 |
| 十三 一九九三年度税制改正に当たり、当時の郵政省は、郵便貯金の利子所得に対する非課税限度額について七百万円への引き上げを要望している。郵政民営化に当たり、ゆうちょ銀行を含む民間銀行等に適用する利子所得に対する非課税限度額をなぜ七百万円に引き上げる検討を行わなかったのか、理由を明らかにされたい。 | |
| 十四 二〇〇五年の衆議院選挙においては、郵便貯金障害者マル優の廃止を国民に隠したまま、当時の小泉総理大臣は「郵政民営化で国民が損することは何もない」とうそぶいたが、今、郵政民営化による様々な弊害が全国津々浦々で引き起こっており、むしろ「郵政民営化で国民が得することは何もない」ことは誰の目にも明らかである。郵政民営化によって侵害された障害者の利益を回復するために、次の税制改正に当たり、ゆうちょ銀行を含む民間銀行等に適用する利子所得に対する非課税限度額を七百万円に引き上げる検討をするべきではないか。 | |
| (答弁) | 十三及び十四について 郵政民営化により郵便貯金銀行は銀行法上の銀行として預金の受入れを行うものとなったため、障害者等の郵便貯金の利子所得の非課税制度は廃止し、郵便貯金銀行の預金利子については、一般の銀行の預金利子に認められる障害者等の少額預金の利子所得等の非課税制度の適用対象としたところである。 なお、当該改正を行うに当たっては、民営化前に預入をし、障害者等の郵便貯金の利子所得の非課税制度の適用を受けていた定期性の郵便貯金の利子については、その貯金の満期までは引き続き非課税とする経過措置が適切に講じられているところである。 |
質問主意書とは?
国会議員は、会期中、文書により国政一般について内閣に質問することができます。議長が承認した質問主意書は、次の月曜日か水曜日に内閣に転送され、その日から7日以内に内閣は答弁書を作成し、送付しなければなりません。また質問主意書及び答弁書は全議員に配布し、本会議録や参議院HPにも掲載されます。
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