谷博之国会活動
| フェニルケトン尿症及びメープルシロップ尿症治療用ミルク価格の引き上げに関する質問主意書(第169国会質問主意書第148号) 2008年6月9日 谷博之 | |
| 参議院議員谷博之君提出フェニルケトン尿症及びメープルシロップ尿症治療用ミルク価格の引き上げに関する質問に対する答弁書 2008年6月17日 内閣総理大臣 福 田 康 夫 | |
| 小児慢性特定疾患治療研究事業で先天性代謝異常として指定されているフェニルケトン尿症及びメープルシロップ尿症(以下、「当該疾患」という。)は、いずれも夫婦間の遺伝子の欠損部位がたまたま同じだったために起こる病気で、いつ誰の子として生まれてくるかは全くわからない。日本では特に発見頻度も少ない希少性難病である。 私は二〇〇二年五月に、フェニルケトン尿症の子どもが一律に郵便局の簡易保険への加入を拒否されていた問題について、遺伝情報による差別との観点から、厚生労働大臣と総務大臣への民主党からの申し入れを担当し、二〇〇三年四月よりフェニルケトン尿症の子どもに簡易保険契約への加入機会拡大を実現しているところである。 このたび私は本年五月二十二日に、当該疾患の治療用特殊ミルク(以下、「当該特殊ミルク」という。)の薬価が、四月からの薬価改定で、大幅に引き上げられ、成人した当該疾患の患者・家族が大変困っているとの陳情を受けた。フェニルケトン尿症治療用のフェニルアラニン除去ミルクは一缶(千二百グラム)一万千四十円が一万七千六百四十円に、メープルシロップ尿症治療用のロイシン・イソロイシン・バリン除去ミルクは一缶(千二百グラム)九千六百円が六万千四百四十円に、実に約六・四倍の値上げである。フェニルケトン尿症親の会によると、平均して毎月五缶から六缶が必要だとされ、私の資料要求により厚生労働省が本年六月六日に示した資料によると、フェニルケトン尿症及びメープルシロップ尿症の患者の当該特殊ミルク摂取量は、一ヶ月当たりで成人の場合、多い方で十二キログラムということである。三割自己負担としても、一生これらを購入しなければならない当該疾患の患者・家族にとって、まさに死活問題である。 そこで私は六月一日に厚生労働省を呼んで薬価の見直しないし公的補助の必要性を訴えたところ、翌六月二日に厚生労働省は異例の事務連絡を発出し、告示の訂正という形で薬価の引き上げ幅を縮めた。しかし当該特殊ミルクの前代未聞の値上げに変わりはなく、薬価の改定・訂正の経過も不透明であり、従って当該疾患の患者・家族の将来の不安も解消されていないので、以下質問する。 一 国による新生児マス・スクリーニング検査が行われるようになった一九七七年から二〇〇六年まででフェニルケトン尿症が四百八十一名、メープルシロップ尿症が七十六名発見されていると聞いているが、小児慢性特定疾患治療研究事業において、フェニルケトン尿症及びメープルシロップ尿症で、それぞれ年間何人が医療給付を受けているか。 |
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| (答弁) |
一について |
| 二 今年三月に公表されたフェニルケトン尿症治療用のフェニルアラニン除去ミルクの薬価一グラム当たり十四・七円及びメープルシロップ尿症治療用のロイシン・イソロイシン・バリン除去ミルクの薬価一グラム当たり五十一・八円(以下、「三月の薬価」という。)をどのように決めたのか、具体的な計算式、積算根拠を明らかにされたい。 | |
| (答弁) |
二について |
| 三 フェニルケトン尿症親の会の推計によると、今や患者の半数以上が成人とのことである。三月の薬価決定時点で国は、当該特殊ミルクを必要としている患者の中に、小児慢性特定疾患治療研究事業の医療給付の対象外になっている成人が存在することを認識していなかったのではないか。とりわけメープルシロップ尿症の成人患者・家族に多大な自己負担増を求めることになることを十分認識していなかったのではないか。 | |
| (答弁) |
三について |
| 四 三月の薬価の引き上げ幅を決めるにあたり、政府はなぜ当該疾患の患者・家族の声を聴かなかったのか。 | |
| 五 三月の薬価の大幅引き上げは、不採算品の再算定ということで、日本先天代謝異常学会(以下、「学会」という。)からの昨年七月十二日付の要望に基づくとのことだが、学会はこの引き上げ幅について了承したのか。引き上げ幅について学会との協議・調整を行わなかった理由を明らかにされたい。 | |
| 六 薬価の不採算品の再算定において、関係学会の要望は必須なのか。必須でないとすれば他にどのような契機によって行われるのか。例えば製造者からの要望を直接受けることもあるのか。またこれらの再算定の契機はどのような法的根拠に基づき定められているのか。 | |
| (答弁) |
四から六までについて |
| 七 学会の昨年七月十二日付の要望によると、薬価引き上げが必要な理由として、当該特殊ミルクの製造販売にともなう製造者の赤字が多額であるとのことだが、その赤字額はいくらであると認識しているのか。 | |
| 八 当該特殊ミルク製造ラインの設備更新に多額の費用がかかることが薬価引き上げの理由だとの情報が厚生労働省から当該疾患の患者・家族に流れたと聞いているが、その設備更新に係る費用はいくらであると認識しているのか。 | |
| (答弁) |
七及び八について |
| 九 厚生労働省が私に示した資料によると、当該特殊ミルクの年間販売量については二〇〇七年度でフェニルケトン尿症治療用のフェニルアラニン除去ミルクが一万七千九百キログラム、メープルシロップ尿症治療用のロイシン・イソロイシン・バリン除去ミルクが千七百キログラムとのことである。これに単純に三月の薬価引き上げ額を掛けると、一億七千二百九十一万円の収益増が見込まれることになるが、今回六月二日に訂正された薬価一グラム十一・一円(以下、「訂正薬価」という。)で推計すると、二種類の当該特殊ミルクの合計で三千九百二十一万円の収益増しか見込めないことになる。当該特殊ミルクの製造者は、今回の訂正薬価を了承したとのことだが、この価格で今後も継続して製造販売することをも約束してくれたのか。 | |
| (答弁) |
九について |
| 十 当該特殊ミルクの薬価は、今後の製造者の赤字の推移によっては、次回以降の薬価改定で再び引き上げられる可能性がありうるのか。 | |
| (答弁) |
十について |
| 十一 訂正薬価は、フェニルケトン尿症で二十・七パーセント、メープルシロップ尿症で三十八・八パーセントというかつてない大幅引き上げであることに変わりはない。私の資料要求により厚生労働省が本年六月六日に示した資料によると、フェニルケトン尿症及びメープルシロップ尿症の患者の当該特殊ミルク摂取量は、一ヶ月当たりで成人の場合、六キログラムから十二キログラムということであるので、これで保険診療上の窓口の負担(三割)を計算すると、メープルシロップ尿症で最大一万千百六十円の負担増となる。この訂正薬価について、学会は了承しているのか。 | |
| (答弁) | 十一について 四から六までについてで述べたとおり、不採算品再算定は、当該医薬品の継続的な供給を可能とするために実施するものであり、特殊ミルクの薬価の算定に当たって医薬品を供給する立場にない学会とは協議を行っておらず、また、今回行うこととしている訂正についても同様に学会と協議を行っていないため、学会の意見は承知していない。 |
| 十二 フェニルケトン尿症親の会は本年三月二十六日に当該疾患を特定疾患治療研究事業に指定する要望書を厚生労働大臣に提出している。当該疾患の患者が二十歳に達すると小児慢性特定疾患治療研究事業の医療給付の対象から外されてしまうが、当該特殊ミルクの摂取をやめると発作や精神的遅滞を引き起こすと聞いている。公的補助を受けることのできない成人した当該疾患の患者の一部は、引き上げ以前の薬価であっても経済的に支払いが困難なため購入を控えてしまい、徐々に精神的遅滞などの神経症状が起きて経済的自立が困難になり、不就労や引きこもりなどが起きているという実態を国は承知しているか。 | |
| (答弁) | 十二について 厚生労働省としては、御指摘のような実態については承知していないが、フェニルケトン尿症の患者は食事療法を行わないと神経症状を発症する場合があることや、成人患者やその家族から経済的負担の軽減について要望があることは承知している。 |
| 十三 成人患者が将来にわたって経済的に無理なく当該特殊ミルクの摂取を行えるよう、また製造者が無理なく必要量を製造し続けられるようにすることは、当該疾患の患者の引きこもりや不就労を防止することにつながり、個人の福祉的問題のみならず、経済的自立による納税を通じて当然国家財政にも寄与すると理解する。現在優遇措置がある希少疾病用医薬品の新規開発のみならず、当該特殊ミルクなど既存の希少疾病用医薬品の製造販売についても製造者に対して助成や税制上の優遇措置を行うべきではないか。 | |
| (答弁) |
十三について |
| 十四 他方、海外では当該疾患の患者数が多いこともあり、日本より低価格で当該疾患用のミルクが製造販売されていると聞いているが、特に米国での当該疾患用のミルクがいくらで販売されているか把握しているか。把握していないなら、早速調査し、そのような海外製造者に対し、日本国内での承認申請をするよう、働きかけるべきではないか。 | |
| (答弁) |
十四について |
| 十五 六月二日の事務連絡によると、三月の薬価を誤りとする正誤表を告示するとしているが、三月の薬価の算定は間違いであったことを国は認めるのか。 | |
| (答弁) |
十五について |
| 十六 今回の訂正により、四月に溯って薬剤費の差額を製造者が医療機関等を通じて患者に返金するとのことだが、自治体や医療の現場に迷惑をかけることに対して、国の責任をどう考えているのか。 | |
| (答弁) | 十六について 厚生労働省としては、特殊ミルクの薬価の訂正の予定について地方自治体の関係部局及び関係団体に速やかに情報提供するとともに、業者と協議を行い、業者から医療機関等を通じて薬剤費の差額を患者に返金していただくこととするなど、必要な措置を講じているところである。 |
| 十七 一度決まった薬価が、患者負担が重いとの意見を受けて、年度の途中に訂正されることは異例であると認識しているが、今後、当該特殊ミルクの薬価改定において、またその他の薬の不採算品の再算定においても、同様の意見を関係患者・家族が厚生労働省に表明すれば、同様に次期改定を待たずに、また中医協等の再審議なしに、価格据え置きないし引き上げ幅を縮小する訂正が行われることがありうると理解してよいか。 | |
| (答弁) |
十七について |
| 十八 このような自治体や医療の現場に迷惑や混乱を産むやり方よりも、今後の二年毎の薬価改定にあたっては、大幅な薬価の引き上げが行われる薬については、その決定に先立ち、パブリックコメントを行うなり、関係学会を通じるなりして関係患者・家族など当事者の意見を十分反映できる公的な制度を導入すべきではないかと考えるが、いかがか。 | |
| (答弁) | 十八について 四から六までについてで述べたとおり、不採算品再算定は、当該医薬品の継続的な供給を可能とするために実施するものであり、医薬品を供給する立場にない患者や学会等と協議を行うものではなく、御指摘のような制度を導入することは考えていない。 |
質問主意書とは?
国会議員は、会期中、文書により国政一般について内閣に質問することができます。議長が承認した質問主意書は、次の月曜日か水曜日に内閣に転送され、その日から7日以内に内閣は答弁書を作成し、送付しなければなりません。また質問主意書及び答弁書は全議員に配布し、本会議録や参議院HPにも掲載されます。
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