谷博之国会活動
>>2007年11月19日の再質問主意書(60号) (61号)
| 独立行政法人産業技術総合研究所と特許特別会計に関する質問主意書(第168国会質問主意書第34号) 2007年10月25日 谷博之 | |
| 参議院議員谷博之君提出独立行政法人産業技術総合研究所と特許特別会計に関する質問に対する答弁書 2007年11月2日 内閣総理大臣 福田 康夫 | |
経済産業省が所管する独立行政法人産業技術総合研究所(以下「産総研」という。)では、特許法上の特許生物寄託制度に基づき、特許庁の指定を受けて、国の特許特別会計からの支弁により、特許生物寄託センターを設置している。昨年六月、私は、つくば市内の産総研動物実験施設における遺伝子組換え生物のずさんな管理について、「独立行政法人産業技術総合研究所等における動物実験施設に関する質問主意書」(第一六四回国会質問第七九号)を提出し、今後、産総研としてコンプライアンスの徹底に努める旨の答弁を得ているが、今回、産総研及びその前身たる工業技術院は特許特別会計上の会計処理においても国民を欺く行為を行っていた疑いがあるとの告発を新たに受けた。 一九九九年九月六日、当時の工業技術院は、極低温電界放射型透過電子顕微鏡(以下「TF20」という。)の賃貸借契約をめぐり、会計書類の偽造等により、国の特別会計から不当に約三千万円の支弁を受け、さらに顕微鏡使用記録の改ざんなど隠蔽工作を行ったことについて、二〇〇〇年十月十七日に会計検査院から改善命令を受け、平沼経済産業大臣から関係者に処分も出ている。ところが、今回、私が得た情報によると、それは不正な会計処理の氷山の一角に過ぎないということである。つまりTF20は工業技術院において、そもそも特許生物寄託制度とは無関係の部署での必要性から導入されたにもかかわらず、一般会計での支出要求が通らなかったために、特許特別会計から二億六千五百二十三万円もの不当支出を行ったとの指摘である。言うまでもなく、重要な知的財産の一つである生物特許の保護は我が国の存立に不可欠である。しかし、特許生物の寄託を、これまで長年一手に引き受けてきた産総研の寄託手数料は高額で、寄託者にとって大きな経済的負担になっている。無駄遣いを厳に排し、業務の合理化を通じ寄託手数料の国際調和に努めることが、求められている。 このような観点から、以下質問する。なお、同様の文言が並ぶ場合であっても、質問項目ごとに答弁されたい。 一 フィリップス・エレクトロン・オプティクス株式会社との随意契約の書類など、私が入手した資料によると、TF20の賃貸借料、消耗品、維持管理費、修理費等として、一九九九年度に五千七百九十六万円、二〇〇〇年度に一億千五百九十二万円、二〇〇一年度に九千百三十五万円と、合計二億六千五百二十三万円が特許特別会計から支出されているようだが、事実かどうか明らかにされたい。 |
|
| (答弁) | 独立行政法人産業技術総合研究所(以下「産総研」という。)が保有する平成十四年度の会計書類のうち、「TF二十」の買取りを行うために作成した書類において、賃貸借約期間内の支払実績として、平成十一年度に五千五百二十万円、平成十二年度に一億千四十万円を支払った実績が記録されており、これらの金額に消費税分を加算すると御指摘の金額となるものと承知している。また、産総研によれば、平成十三年度においては、「TF二十」の賃貸借料、消耗品費、修理費等として、約九千四百五十八万円を支出したとのことである。 |
| 二 前記一が事実とすれば、非常に高額な賃貸借である。果たしてこれらの金額に見合うほど、TF20は特許生物寄託制度のために使われたと政府は認識しているか明らかにされたい。 |
|
| (答弁) | 旧工業技術院生命工学工業技術研究所(以下「旧生命研」という。)は、平成十一年十二月に、特許生物寄託業務に必要となる保存技術の高度化などを目的として「TF二十」を賃借しているが、産総研によれば、その結果、当該保存技術に係る研究成果が創出され、その高度化に資するものとなったとのことであることから、現時点において、経済産業省としては、「TF二十」は特許生物寄託制度のために使われたものと認識している。 |
| 三 TF20を使用した業務は、二〇〇一年度及び二〇〇二年度の特許生物寄託センター年報に確かに見受けられる。しかし、これは既に指摘した不適切な会計処理の発覚を恐れて、アリバイ的に一時的に特許生物寄託制度のための業務に使用したにすぎず、実際にはTF20は、一九九九年度から二〇〇一年度まで、主として特許生物寄託センターではなく、工業技術院生命工学工業技術研究所(現産総研)内の生物遺伝子資源研究部門という別の部署に設置され、導入当初から特許生物寄託制度とは無関係の業務に主として使用されてきたとの指摘があるが、これは事実かどうか明らかにされたい。 |
|
| (答弁) | 産総研によれば、「TF二十」による精密な測定・観察を行うためには、振動を極力低減することが必要であることから、「TF二十」は、旧工業技術院生命工学工業技術研究所特許微生物寄託センター(以下「旧工技院特許微生物寄託センター」という。)のある建物内ではなく、旧工技院特許微生物寄託センターに隣接する高い防振機能が整備された研究棟に設置され、現在も同じ場所で運用されているとのことである。 また、産総研によれば、特許生物寄託業務に必要となる保存技術の高度化等を目的として「TF二十」を賃借した結果、当該保存技術に係る研究成果が創出され、その高度化に資するものとなったとのことであることから、現時点において、経済産業省としては、「TF二十」は特許生物寄託制度のために使われたものと認識している。 |
| 四 TF20は二〇〇二年度に産総研が運営交付金により買い取るまでは、特許生物寄託センターに設置されているべきである。TF20は工業技術院及び産総研において、一九九九年度以降今日に至るまで、どこの部署に常置され、誰が主な管理責任者となっていたのか。また、どれだけの期間、どこの部署で、それぞれどのような用途にどの程度の頻度で使われてきたのか。顕微鏡の使用記録などから、年度ごとに詳細に明らかにされたい。
|
|
| (答弁) | 三についてで述べたとおり、産総研によれば、「TF二十」は、旧工技院特許微生物寄託センターのある建物内ではなく、旧工技院特許微生物寄託センター近隣する高い防振機能が整備された研究棟に設置され、現在も同じ場所で運用されているとのことである。 産総研によれば、「TF二十」の管理責任者については、平成十二年度までは旧工技院特許微生物寄託センターの研修者であったが、平成十三年度は産総研特許生物寄託センターの研究者であり、平成十四年四月以降は産総研生物機能工学研究部門の研究者であり、平成十六年十月以降は産総研脳神経情報研究部門の研究者であるとのことである。 産総研によれば、「TF二十」の使用者及び使用状況については、平成十二年度は旧工技院特許微生物寄託センターの研究員が八十一日、旧生命研究生物機能部の研究員が三日、旧生命研分子生物部の研究員が二十一日それぞれ使用し、平成十三年度は産総研特許微生物寄託センターの研究員が百十七日、産総研生物遺伝資源研究部門の研究員が九日、産総研脳神経情報研究部門の研究員が八十四日それぞれ使用し、平成十四年度は産総研特許生物寄託センターの研究員が百二十九日、産総研脳神経情報研究部門の研究員が九十七日それぞれ使用し、平成十五年度は産総研生物機能工学研究部門の研究員が四日、産総研脳神経情報研究部門の研究員が六十四日それぞれ使用し、平成十六年度は産総研脳神経情報研究部門の研究員が三十八日使用し、平成十七年度は産総研脳神経情報研究部門の研究員が百二十八日使用し、平成十八年度は産総研脳神経情報研究部門の研究員が九十一日使用し、平成十九年度は、平成十九年十月十八日までの間、産総研脳神経情報研究部門の研究員が六十一日使用している。 また、産総研によれば、主な使用用途については、旧工技院特許微生物寄託センター及び産総研特許生物寄託センターの研究員は保存技術を高度化するに当たって必要な凍結微生物の観察であり、その他の研究員は生体物質の観察等であるとのことである。 |
| 五 一九九八年十二月二〇日に宮本宏生命工学工業技術研究所企画室長と細野邦昭生命工学工業技術研究所特許微生物寄託センター長の連名かつ捺印された「平成十一年度概算要求の経緯に関するメモ」という文書のコピーが私の手元にある。これによると、「平成十年八月における概算要求の最終段階において、(生命工学工業技術)研究所(全体)として極低温電子顕微鏡の購入費もしくはレンタル料を計上したいという要求から、当面、特許微生物寄託センターで極低温電子顕微鏡を使用する予定はないものの、特許微生物寄託期間事務処理費に含まれる借料及び損料の中に極低温電子顕微鏡の借料を計上することになった。」とのことであるが、これは事実か。事実とすれば、これは広範な分野の知的財産権を保護している特許特別会計に大きな損害を与える不当な支出ではないか。それぞれ明らかにされたい。 |
|
| (答弁) | 御指摘の「平成十一年度概算要求の経緯に関するメモ」と題された文章は、平成十年当時の旧生命研における業務に関する議論の一環として、御指摘の両名におる連名の文章とて残されたものと承知している。 産総研によれば、特許生物寄託業務に必要となる保存技術の高度化等を目的として「TF二十」を賃借した結果、当該保存技術に係る研究成果が創出され、その高度化に資するものとなったとのことであることから、現時点において、経済産業省としては、「TF二十」は特許生物寄託制度のために使われたものと認識している。 |
| 六 一九九八年、工業技術院生命工学工業技術研究所が、フィリップス・エレクトロン・オプティクス株式会社との間で、「極低温電界放射型透過型電子顕微鏡(以下「TF30」という。)の開発を一九九九年 度より開始し、その開発費約六億円を四年間にわたり生命工学工業技術研究所が支払うものとする。」との覚書の類を取り交した事実について、私が問い合わせたところ、本年十月十九日の時点では書類が見つからないとの回答であったが、当時の大箸所長(前産総研理事)と曽良次長(現産総研副理事長)に本当にその記憶が全くないのかどうか、政府において確認し明らかにされたい。
|
|
| (答弁) | 当時旧生命研の所長であった大箸信一氏と当時旧生命研の次長であった曽良達生氏に対し、経済産業省が確認したところ、両名ともに御指摘の「覚書の類」を取り交わした記憶はないとのことである。 |
| 七 前記六が事実とすれば、単年度主義を理念とする会計法に反し、予算執行職員等の責任に関する法律第三条に反する違法行為ではないか。政府の見解を明らかにされたい。 |
|
| (答弁) | 六についてで述べたとおり、当時旧生命研の所長であった大箸信一氏と当時旧生命研の次長であった曽良達生氏に対し、経済産業省が確認したところ、両名ともに御指摘の「覚書の類」を取り交わした記憶はないとのことであり、仮定の質問にお答えすることは差し控えたい。 |
| 八 二〇〇一年の秋に、一村信吾現産総研理事は、フィリップス・エレクトロン・オプティクス株式会社が社名変更した日本エフイー・アイ株式会社の担当者から、それまで進めてきたTF30の開発を断念するかどうかの回答を書面で求められていたことを示す証拠を私は入手した。これに対する一村信吾現産総研理事から日本エフイー・アイ株式会社の担当者への回答の内容を、政府としてどのように承知しているか明らかにされたい。また、承知していないのであれば、調査の上その内容を明らかにされたい。
|
|
| (答弁) | 産総研によれば、平成十三年十一月に、一村信吾氏から日本エフイー・アイ株式会社に対して、試料室をヘリウムにより冷却できる透過型電子顕微鏡の購入を検討してきたが、予算の見込みが立たないことから、平成十三年度の発注を予定していない旨の回答をしたとのことである。 |
| 九 産総研は二〇〇二年度にTF20を一千三百九十六万五千円で買い取っているが、これはそれまで三年間の賃貸借料等二億六千五百二十三万円と比較して極めて低価格である。その後、産総研内で多目的に使用するためとの説明だが、TF20は現在においても我が国では有数の高機能な装置であることをかんがみれば、妥当性に欠ける価格差ではないか。政府の認識を明らかにされたい。 |
|
| (答弁) | 産総研によれば、平成十四年度に「TF二十」の購入先の日本エフイー・アイ株式会社から売却見積もりを取り寄せ、当該見積もりにおいて示された価格からそれまでに顕微鏡本体分として支払った賃借料の合計額を差し引いた金額と、日本エフイー・アイ株式会社が提示した金額とを比較したところ、日本エフイー・アイ株式会社の提示した金額である 「千三百九十六万五千円」のほうが安価であったことから、当該金額で随意契約を行ったとのことであり、経済産業省としては、当該金額が妥当性に欠けるものとは考えていない。 |
| 十 前記九は、TF20の賃貸借料の形式を取りつつも、実際にはフィリップス・エレクトロン・オプティクス株式会社(現日本エフイー・アイ株式会社)にTF30の開発をさせていたが、会計検査院の指摘等により頓挫したため、TF20を買い取ることで、前記六の覚書の解消を日本エフイー・アイ株式会社と合意したというのが、内幕の真実なのではないか。政府の認識を明らかにされたい。
|
|
| (答弁) | 六について述べたとおり、当時旧生命研の所長であった大箸信一氏と当時旧生命研の次長であった曽良達生氏に対し、経済産業省が確認したところ、両名ともに御指摘の「覚書の類」を取り交わした記憶はないとのことであり、御指摘のような事実があったとは認識していない。 |
| 十一 以上を踏まえると、特許特別会計からTF20の賃貸借料等として支出された二億六千五百二十三万円は、本来の特許生物寄託制度にはほとんど役に立たない不当な支出であり、国の特別会計からの無駄遣いではないか。したがって、当時の関係者は厳しく処分されるべきではないか。それぞれ政府の認識を示されたい。
|
|
| (答弁) | 産総研によれば、特許生物寄託業務に必要となる保存技術の高度化等を目的として「TF二十」を賃借した結果、当該保存技術に係る研究成果が創出され、その高度化に資するものとなったとのことであることから、現時点において、経済産業省としては、「TF二十」は特許生物寄託制度のために使われたものと認識しており、「国の特別会計からの無駄遣い」とは認識していない。 |
| 十二 従来は特許特別会計に組み入れられてきた特許生物の寄託手数料は、独立行政法人化により、直接産総研の収入とすることができるようになったため、特許特別会計から産総研への支出は、これまで国際寄託されてきた分のみとなり、今後漸減し、いずれゼロになると聞いている。これまで特許特別会計に長年蓄積されてきた特許生物の国際寄託手数料の総額はいくらか。また、特許特別会計から産総研に対しこれまでいくら支出されたのか。それぞれ明らかにされたい。 |
|
| (答弁) | お尋ねの特許特別会計に納入された国際寄託手数料の総額については、その算出を行うための書類確認作業等が膨大なものとなることから、お答えすることは困難である。 また、特許特別会計から産総研に対する支出については、現時点において確認できる範囲で調査したところ、平成十三年度から平成十八年度までの六年間で、二十二億五千百三十七万九千円が支出されている。 |
| 十三 一九九六年度から一九九八年度にかけて整備された生命工学工業技術研究所特許微生物寄託センターB棟の建設費及び施設整備費は、特許特別会計から支出されているが、その総額はいくらか明らかにされたい。 |
|
| (答弁) | お尋ねの「生命工学工業技術研究所特許微生物寄託センターB棟の建設費及び施設整備費」については、確認できる文書の保存期間が経過しており、保存されていないため、お答えすることは困難である。なお、平成八年度及び平成九年度の決算によれば、両年度における特許特別会計の施設整備費の総額は十三億三千六百三十一万五千円となっている。 |
| 十四 これまで特許特別会計に収められた国際寄託分の手数料収入よりも、産総研に対して特許特別会計から既に支出された額が多いことは事実か明らかにされたい。 |
|
| (答弁) | 十二についてで述べたとおり、これまでに特許特別会計に納入された国際寄託手数料の総額及び特許特別会計から産総研に支出された総額が確認できないことから、お答えすることは困難である。 |
| 十五 前記十四が事実とすれば、その他の知的財産の出願料や特許料を支払ってきた者にとって、徐々に減額されるとはいえ、特別会計からの負担なしに特許生物寄託ができる体制が整っている以上、今後も引き続き特許特別会計から産総研に支出することは、許容できないのではないか。前払いされたから国の責任でという理由であれば、むしろ一般会計から支出するべきではないのか。政府の見解を示されたい。 |
|
| (答弁) | 十四についてで述べたとおり、これまでに特許特別会計に納入された国際寄託手数料の総額及び特許特別会計から産総研に支出された総額が確認できないことから、仮定の質問にお答えすることは差し控えたい。 |
| 十六 本年十月十七日に甘利経済産業大臣から、コンプライアンスの徹底のための体制整備等について指示が出され、十九日には第三者調査委員会を産総研内に設置するとの指示が出されているが、これは危険な病原菌の内規違反受託問題だけではなく、ここで指摘した産総研に対する特別会計からの不適切な支出の実態についても対象とし、徹底した調査の上、関係者の処分と、内部でこの問題を提起した者への感謝及び不当な扱いを行ったことに対する謝罪を国家として行うべきではないか。政府の見解を示されたい。 |
|
| (答弁) | 産総研によれば、研究開発等も含めた特許生物寄託業務の実施状況についても、第三者から構成される調査委員会において事実関係を調査するとのことであり、経済産業省としても、その結果を踏まえて適切に対処してまいりたい。 |
質問主意書とは?
国会議員は、会期中、文書により国政一般について内閣に質問することができます。議長が承認した質問主意書は、次の月曜日か水曜日に内閣に転送され、その日から7日以内に内閣は答弁書を作成し、送付しなければなりません。また質問主意書及び答弁書は全議員に配布し、本会議録や参議院HPにも掲載されます。
谷博之のメールマガジンはこちらからご覧いただけます。
メニューのページへ戻る