谷博之国会活動                                     

>>2007年11月19日の特許微生物寄託制度の在り方に関する質問主意書(61号


産総研特許生物寄託センターの不祥事対応に関する質問主意書(第168国会質問主意書第33号) 2007年10月25日 谷博之
参議院議員谷博之君提出産総研特許生物寄託センターの不祥事対応に関する質問に対する答弁書 2007年11月2日 内閣総理大臣 福田 康夫 

経済産業省が所管する独立行政法人産業技術総合研究所(以下「産総研」という。)の特許生物寄託センターは、二〇〇一年四月まで工業技術院生命工学工業技術研究所に所属していたが、一九八四年から危険な病原菌を内規に違反して受け入れ、二〇〇〇年にはその事実を把握していたにもかかわらず、関係者に口封じをして事実を隠蔽しつづけているとの驚くべき通報を、私は本年九月に受けた。

さっそく事実関係を確認していた最中、大きな報道記事となり、あわてた産総研は初めて事実を公表し、病原菌に感染のおそれのあった関係者や地元自治体に周知してこなかったことについて非を認めた。人命がかかるかも知れぬ事態をこれだけ長きに渡って放置し、あまつさえ正義感から注意惹起と善後策を提起した責任者を実質的に更迭し、私の問題指摘にも事を内々に始末しようとし、報道記事が出るまで頬被りをするという、全くあきれた対応である。

十月十七日には甘利経済産業大臣から、コンプライアンスの徹底のための体制整備等について指示が出され、十九日には第三者調査委員会を産総研内に設置するとの指示が立て続けに出されたところである。
そこで、以下質問する。

一 産総研では今回の不祥事のお詫びをホームページに掲載し、「お客様の利便性を図る」と述べているが、一番寄託者が不満を持っているのは寄託手数料の高額さであると聞いている。今後産総研に対し、コンプライアンスの遵守以外に、顧客の利便性を図る上でどのような努力を求めていくのか明らかにされたい。
(答弁)

一について 独立行政法人産業技術総合研究所(以下「産総研」という。)における寄託手数料は、日本国において国際寄託当局が行う特許手続き上の微生物の寄託の国際的承認に関するブダペスト条約に基づく微生物の寄託等に関する実施要綱(平成十四年経済産業省告示第二百九十号)第二十四条又は特許微生物寄託等事業実施要綱(平成十四年度経済産業省告示第二百九十一号)第二十二条の規定に基づき、実費を勘案して定められたものであるが、今後、経済産業省としては、産総研に対して、特許寄託業務の効率化につながる研究開発成果を積極的に活用していくことなどによる寄託者の負担軽減等についての努力を促してまいりたい。

二 政府は今後も引き続き産総研を特許生物寄託制度の委託先として指定し続けるつもりか。厳しい財政難のなか我が国に複数の寄託機関を維持する必要性を明らかにされたい。
三 独立行政法人製品評価技術基盤機構の特許微生物寄託センターを特許生物寄託制度の第二の委託先として指定した狙いを明らかにされたい。
(答弁) 二及び三について 特許寄託機関のサービス停止といった不測の実態を想定したリスク分散や、競争原理によるサービスの向上の観点から、特許寄託機関の複数化が望まれていたことから、特許庁において、平成十年度から、海外寄託機関の調査を行うなど、特許寄託機関の複数化の可能性の検討を行ってきたところであるが、生物遺伝資源の収集及び保存等の業務を行う独立行政法人製品評価技術基盤機構(以下「評価機構」という。)において特許寄託業務を併せて行うよう要望もあったことなどから、評価機構を特許寄託機関として指定したものである。
四 特許生物を受託する同じ機能を持つ独立行政法人製品評価技術基盤機構の特許微生物寄託センターは、当初の設備投資を除けば現在では特許特別会計から一円も支出がなされていないにもかかわらず、国内寄託手数料も国際寄託手数料についても割安となっている。更に産総研にはない生物遺伝資源機関機能も有している。なぜこのような相違点があると政府は考えているか。
(答弁) 四について 産総研及び評価機構における寄託手数料は、日本国において国際寄託当局が行う特許手続き上の微生物の寄託の国際的承認に関するブタペスト条約に基づく微生物の寄託等に関する実施要綱第二十四条又は特許微生物寄託等事業実施要綱第二十二条の規定に基づき、それぞれ実費を勘案して定められたものであるが、評価機構においては、生物遺伝資源の収集及び保存等のための施設を有し、これを活用していることなどの事情により、産総研及び評価機構における寄託手数料に差が生じていると考えられる。
五 産総研による内規違反の危険病原菌受託問題を特許庁に対して告発した産総研の元職員は、その後産総研の複数の幹部から、国家公務員法の一〇〇条の守秘義務違反だと糾弾され、謝罪する誓約書を書くよう、二〇〇三年から今日にいたるまでメールや文書、電話、対面などあらゆる手段で、執拗に要求されてきた。元職員は不当だとして拒み続けてきたが、精神的肉体的に相当のダメージを受けている。私は、そのような不当な脅迫じみた要求を経産省や産総研の誰が行ってきたかなどの詳しい経緯や証拠文書の一部を入手している。これらの卑劣で非道な行為はまさに公益に反する行為であり、第三者調査委員会によって徹底的に調査され、元職員に対する謝罪と、名誉回復を行うべきと考えるが、政府の見解を示されたい。
(答弁)

五について 産総研によれば、御指摘の元職員に対する産総研の対応についても、第三者から構成される調査委員会において事実関係を調査するとのことであり、経済産業省としても、その結果を踏まえて適切に対処してまいりたい。

六 元職員は現職の時からこの問題を内部で提起し、主務官庁にも情報提供したが、適切な対処がされないまま、実質的に更迭され定年を三年余して退職を余儀なくされている。その後に特許庁に対し情報提供した行為が国家公務員法の一〇〇条の守秘義務違反に当たると、産総研から糾弾されている。しかし過去の判例を見ても公益目的であり、目的達成のため必要かつ社会的に相当と認められる方法によれば、守秘義務が免除されるのであって、元職員のこの行為は国家公務員法一〇〇条違反には当たらないと私は考えるが、政府の見解を明らかにされたい。
(答弁)

六について 産総研によれば、御指摘の元職員により主務官庁への情報提供と守秘義務との関係についても、第三者から構成される調査委員会において事実関係を調査するとのことであり、経済産業省としても、その結果を踏まえて適切に対処してまいりたい。

七 私はかねてより各種研究機関における危険な病原菌や遺伝子組換え生物のずさんな取扱いについて警鐘を鳴らしてきたつもりだが、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」の改正施行後も、この分野の隠蔽体質は変わっていないと考えざるを得ない。そこで今回の問題発覚を受けて、厚生労働省は官民を問わず、病原菌や遺伝子組換え生物のずさんな管理や類似の隠蔽工作がないかどうか、改めて上部監督機関に注意喚起したり、立ち入り調査等を継続的、積極的に行うべきであると考えるが、政府の見解を明らかにされたい。
(答弁) 七について 病原体等の取扱いについては、平成十九年度六月一日から、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成十年法律第百四十号。以下「感染症法」という。)に基づき、その管理体制を確立する観点から、感染症法に規定される特定病原体等の所持者等の義務等が設けたれたところであるが、御指摘の事例にかんがみ、厚生労働省としては、改めて関係省庁等に対し、感染症法の適正な施行を要請するとともに、必要に応じて、特定病原体等を取り扱う施設に立入検査を行うこととしている。
また、遺伝子組替え生物等の取扱いについては、遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律(平成十五年法律第九十七号)に基づく適正な使用等が行われるよう、適切な設置を講じてまいりたい。
八 ミートホープ社や株式会社赤福の事件など、内部告発が真相究明と公益の保護に役立っていることを踏まえるまでもなく、危険な病原菌や遺伝子組換え生物を取り扱っている官民の機関において、公益に資する内部告発をしっかりと受け止め、その者を確実に保護する仕組みが必要である。その意味で、厚労省や経産省が二〇〇六年四月に施行された公益通報者保護法に基づく外部窓口を未だに設置していないことは、大変遺憾である。まだ内閣府や金融庁などわずかな省庁しか設置しておらず、ほとんどの省庁が検討段階であることは行政の不作為ではないか。「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」及び「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律」を所管する厚労省、経産省、農水省、文科省、環境省、財務省における外部窓口の今年度中の設置と職員への徹底周知が早急に必要と考えるが、政府の見解を示されたい。
(答弁) 八について 公益通報の外部窓口については、「国の行政機関の通報処理ガイドライン(内部の職員等からの通報)(平成十七年度七月十九日関係省庁申合せ)」に基づき、現在、厚生労働省、経済産業省、農林水産省、文部科学省、環境省及び財務省において、それぞれ具体的な外部窓口体制について検討しているところであり、今後、可能な限り速やかに設置できるよう努力してまいりたい。

質問主意書とは?

国会議員は、会期中、文書により国政一般について内閣に質問することができます。議長が承認した質問主意書は、次の月曜日か水曜日に内閣に転送され、その日から7日以内に内閣は答弁書を作成し、送付しなければなりません。また質問主意書及び答弁書は全議員に配布し、本会議録や参議院HPにも掲載されます。


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