谷博之国会活動
| シベリア抑留及び旧ソ連邦による漁船だ捕・抑留に関する質問主意書(第164国会質問主意書第71号) 2006年6月9日 谷博之 | |
| 参議院議員谷博之君提出シベリア抑留及び旧ソ連邦による漁船だ捕・抑留に関する質問に対する答弁書 2006年6月20日 内閣総理大臣 小 泉 純 一 郎
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戦後、旧ソ連邦・モンゴルの酷寒の地において、六十万人以上の日本人が、長期間にわたって劣悪な環境の下で強制抑留され、多大の苦難を強いられた。その間過酷な強制労働に従事させられ、帰国後も社会的差別を受けた。最後の帰還船が舞鶴に入港して半世紀を経ても、これらの問題はなお全面解決していないとして、高齢の元抑留者とその家族が渾身の運動を続けている。 シベリア抑留による被害は、その規模及び期間を考慮すれば、その他の戦争被害と比べ特別な配慮が必要である。この観点から、歴代内閣総理大臣の中でも特段にこの問題に対する理解の深い小泉内閣総理大臣に対し、以下質問する。 一 日ソ間の戦争状態は、一九五六年の日ソ共同宣言第一項にあるように、日ソ共同宣言が効力を生じた一九五六年一二月一二日に終了しているが、ここでいう戦争状態とは、いつから始まったものか。 また、戦争状態にあった間の両国関係には、基本的にハーグ陸戦条約やジュネーヴ条約などの国際的な戦争法規が適用されたと認識してよいか。 |
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| (答弁) | 一について 日本国とソヴィエト社会主義共和国連邦との共同宣言(昭和三十一年条約第二十号。以下「日ソ共同宣言」という。)第一項及び第六項を合わせ読めば、日ソ共同宣言第一項にいう日本国とソヴィエト社会主義共和国連邦(以下「ソ連邦」という。)との間の戦争状態は、千九百四十五年八月九日に始まり、千九百五十六年十二月十二日に終了したものと解される。 千九百二十九年の俘虜ノ待遇ニ関スル条約については、当時、日本及びソ連邦のいずれも締結しておらず、両国間にはこの条約の適用はなかった。千九百七年の陸戦ノ法規慣例ニ関スル条約(明治四十五年条約第四号)については、両国とも締約国であったが、同条約第二条のいわゆる「総加入条項」により交戦国がすべて同条約の当事者である時に限って適用されることとされていた。 |
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二 政府見解では、旧ソ連邦によるシベリア抑留は戦争に起因したものであり、それによる日本国民の被害については、その後旧ソ連邦との戦争状態を解消した日ソ共同宣言で、国としての請求権(外交的保護権)を放棄しているという。 |
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| (答弁) | 二について お尋ねの「基本的権利」の意味が必ずしも明らかではないが、国際法上、一般に、いわゆる外交的保護権とは、自国民が外国による国際法違反の行為によって損害を被った場合、本国が被害者である自国民について生じた損害に関し、救済が与えられるように必要な措置をとるよう相手国に要求することができるという国家としての国際法上の権利を意味すると承知しており、国際法上の要件を満たす場合には、特段の事情がない限り、国家はこの権利を有すると承知している。 |
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三 一九四六年から日ソ漁業協定が結ばれる一九七七年まで、公海上や北方領土の領海内で、数多くの日本漁船が旧ソ連邦によってだ捕され抑留された。 |
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| (答弁) | 三について お尋ねについては、当時の資料が保存されていないため、水産庁としてお答えすることは困難である。 |
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四 今年二月二八日、外務省国際法課は、私の照会に対して、日ソ共同宣言以前にだ捕された方々(以下「日ソ戦争状態下の抑留漁民」という。)には、旧ソ連邦によって戦争状態下の敵国である日本のスパイとみなされてだ捕・抑留されたケースもあると回答している。 |
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| (答弁) | 四について お尋ねについては、個別具体の事例に即して判断すべきものであり、外務省として一概にお答えすることは困難である。 |
| 五 日ソ戦争状態下の抑留漁民の被害については、一九五六年の日ソ共同宣言で国としての請求権を放棄したのかとの私の照会に対し、今年二月二八日外務省国際法課は、個別に判断されるべきで、一概に放棄しているとはいえないと回答している。日ソ戦争状態下の抑留漁民のうち、外務省が旧ソ連邦政府に対して、国としての請求権を留保しているとの口上書を提出している例はあるか。あるのであればその件数を明らかにするとともに、だれがいつどこでだ捕された件についてのものか、また、今でも留保しているのか、この間に旧ソ連邦政府に提出した口上書の内容をすべて示した上で明らかにされたい。 | |
| (答弁) | 五、七、八、十及び十一から十六までについて ソ連邦によるだ捕の事例に関する口上書(以下「口上書」という。)は、個別具体的なだ捕の事例に関して請求権を留保する旨を記載したものだけでなく、複数の事例に関して包括的な形で請求権を留保する旨を記載したものもあること等から、口上書の内容等に関するお尋ねについて一概にお答えすることは困難である。 また、日ソ共同宣言第六項は、「日本国及びソヴィエト社会主義共和国連邦は、千九百四十五年八月九日以来の戦争の結果として生じたそれぞれの国、その団体及び国民のそれぞれ他方の国、その団体及び国民に対するすべての請求権を、相互に、放棄する。」と規定しているところ、同項により我が国が放棄した請求権は、国家自身の請求権を除けばいわゆる外交的保護権を意味し、口上書及び昭和五十年三月二十八日の参議院沖縄及び北方問題に関する特別委員会における当時の水産庁長官の答弁において言及された我が国が留保した請求権についても、基本的に同じ意味である。 だ捕に係る請求権が同項にいう「千九百四十五年八月九日以来の戦争の結果として生じた」ものに該当する場合には、我が国は同項の規定によりその請求権を放棄している。この場合を除き、一般には、ソ連邦による我が国漁船のだ捕に関して、ソ連邦において被害者である我が国国民に対して司法上の救済が不当に否定されるなど、国際法上の要件を満たす場合には、我が国がソ連邦に対し口上書をもって明示的に請求権を留保しているか否かにかかわらず、いわゆる外交的保護権を行使し得ると考える。 |
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六 日ソ戦争状態下の抑留漁民に対しても、一九七五年の補正予算で、自立や生活基盤の再建の名目で、抑留一日につき三千円の特別給付金、死亡者には八百万円を加算支給している。これらのケースは、これまでの私の質問主意書に対する答弁書で示された「戦争犠牲ないし戦争損害として、国民のひとしく受忍しなければならなかったところ」に該当しないものと理解してよいか。その理由とともに見解を示されたい。 |
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| (答弁) | 六について 御指摘の特別給付金の交付は、ソ連邦にだ捕・抑留された漁船の船主、乗組員等のうち、北方四島の周辺において、千九百四十六年から千九百七十四年にかけてソ連邦により不当にだ捕・抑留された漁船の船主、乗組員等の漁業経営及び生計の苦境を救済するために行ったものである。 |
| 七 日ソ戦争状態下の抑留漁民の被害のうち、口上書を提出しているケースについては、少なくとも日本政府が支給した特別給付金額相当を旧ソ連邦ないしロシア政府に請求すべきではないのか。 | |
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八 日ソ戦争状態下の抑留漁民の被害のうち、口上書を提出していないケースについては、基本的に戦争の結果生じたケースと日本政府が判断したものであり、その件についての外交的保護権は日ソ共同宣言によって放棄されたと理解してよいか。 |
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| (答弁) | 五、七、八、十及び十一から十六までについて ソ連邦によるだ捕の事例に関する口上書(以下「口上書」という。)は、個別具体的なだ捕の事例に関して請求権を留保する旨を記載したものだけでなく、複数の事例に関して包括的な形で請求権を留保する旨を記載したものもあること等から、口上書の内容等に関するお尋ねについて一概にお答えすることは困難である。 また、日ソ共同宣言第六項は、「日本国及びソヴィエト社会主義共和国連邦は、千九百四十五年八月九日以来の戦争の結果として生じたそれぞれの国、その団体及び国民のそれぞれ他方の国、その団体及び国民に対するすべての請求権を、相互に、放棄する。」と規定しているところ、同項により我が国が放棄した請求権は、国家自身の請求権を除けばいわゆる外交的保護権を意味し、口上書及び昭和五十年三月二十八日の参議院沖縄及び北方問題に関する特別委員会における当時の水産庁長官の答弁において言及された我が国が留保した請求権についても、基本的に同じ意味である。 だ捕に係る請求権が同項にいう「千九百四十五年八月九日以来の戦争の結果として生じた」ものに該当する場合には、我が国は同項の規定によりその請求権を放棄している。この場合を除き、一般には、ソ連邦による我が国漁船のだ捕に関して、ソ連邦において被害者である我が国国民に対して司法上の救済が不当に否定されるなど、国際法上の要件を満たす場合には、我が国がソ連邦に対し口上書をもって明示的に請求権を留保しているか否かにかかわらず、いわゆる外交的保護権を行使し得ると考える。 |
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九 シベリア抑留者の中には満蒙の開拓農民も含まれており、帰国後の生活再建、あるいは御遺族のその後の生活再建に大変な苦労をされた方々は数知れない。一方、漁船の乗組員は日本政府の警告を無視してだ捕を覚悟した上での出漁したケースも多く、抑留中に食うや食わずの生活で強制労働を強いられたわけでもない。旧ソ連邦と戦争状態にあった同じ時期に、陸と海で拉致・抑留された日本の農民と漁民で、これだけ日本政府の支援内容が結果的に異なるのは、憲法第十四条に反しており不公平ではないか。 |
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| (答弁) | 九について いわゆるシベリア抑留者に関しては、独立行政法人平和祈念事業特別基金等に関する法律(昭和六十三年法律第六十六号)に基づき、いわゆるシベリア抑留者の先の大戦における戦争犠牲による労苦について、慰労金の支給、慰労品の贈呈等の慰藉事業を実施してきているところであり、一方、ソ連邦にだ捕・抑留された漁船の乗組員等に対する特別給付金の交付については、六についてで述べたとおりである。このように、いわゆるシベリア抑留者に対する慰藉事業とソ連邦にだ捕された漁船の乗組員等に対する特別給付金の交付はその目的等が異なること、また、いわゆるシベリア抑留者の問題とソ連邦にだ捕・抑留された漁船の乗組員等の問題については、それぞれの経緯等も異なるなど、単純に比較するのは適当でないことから、「憲法第十四条に反しており不公平」であるとの御指摘は当たらない。 |
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十 一九七五年三月二八日の参議院沖縄及び北方問題に関する特別委員会で、当時の水産庁長官は「ソ連邦に対して請求権を留保している」と答弁している。この請求権は現時点でも留保していると理解してよいか。留保しているならば、なぜ未だに行使しないのか。留保していないならば、いつ、どんな理由で放棄したのか。 |
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十一 十で示した答弁は文脈上、かつ国会答弁の性格からして、当然に主語は日本国政府であり、日本国政府としての請求権、つまり外交的保護権のことを指していると理解してよいか。仮にそうであれば、日ソ共同宣言と矛盾するのではないか。 |
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| 十二 今年二月水産庁は、私の照会に対し、十で示した答弁は「外交的保護権のことではなく漁船主・乗組員個人の物的人的損害に対する賠償請求権のことである」と回答している。それならば、水産庁は、個人の請求権を留保させ又は放棄させることができるのか。そのようなことは憲法第二十九条に反することではないか。 | |
| 十三 今年二月二八日外務省国際法課は、私の照会に対して、一九五六年一二月一三日以降一九七七年までの間に旧ソ連邦にだ捕された漁船については、請求権を留保しているとの口上書を外務省から旧ソ連邦政府に提出しているケースがあると回答している。ここでいう「請求権」とは、個人の損害賠償請求権のことか、それとも外交的保護権のことか。また、その口上書の件数を明らかにするとともに、だれがどこでいつだ捕された件か、また、今でも留保しているのか、この間に旧ソ連邦政府に提出した口上書の内容をすべて示した上で明らかにされたい。 | |
| 十四 一九五六年一二月一三日以降一九七七年までの間に旧ソ連邦にだ捕された漁船に関する外交的保護権は、口上書を出しているか出していないかにかかわらず、基本的に留保されていると理解してよいか。 | |
| 十五 日ソ戦争状態下の抑留漁民に関して、なぜ今日に至るまで外交的保護権を行使しないのか。 | |
| 十六 日ソ共同宣言後の旧ソ連邦による日本船のだ捕・抑留に関して、なぜ今日に至るまで外交的保護権を行使しないのか。 | |
| (答弁) | 五、七、八、十及び十一から十六までについて ソ連邦によるだ捕の事例に関する口上書(以下「口上書」という。)は、個別具体的なだ捕の事例に関して請求権を留保する旨を記載したものだけでなく、複数の事例に関して包括的な形で請求権を留保する旨を記載したものもあること等から、口上書の内容等に関するお尋ねについて一概にお答えすることは困難である。 また、日ソ共同宣言第六項は、「日本国及びソヴィエト社会主義共和国連邦は、千九百四十五年八月九日以来の戦争の結果として生じたそれぞれの国、その団体及び国民のそれぞれ他方の国、その団体及び国民に対するすべての請求権を、相互に、放棄する。」と規定しているところ、同項により我が国が放棄した請求権は、国家自身の請求権を除けばいわゆる外交的保護権を意味し、口上書及び昭和五十年三月二十八日の参議院沖縄及び北方問題に関する特別委員会における当時の水産庁長官の答弁において言及された我が国が留保した請求権についても、基本的に同じ意味である。 だ捕に係る請求権が同項にいう「千九百四十五年八月九日以来の戦争の結果として生じた」ものに該当する場合には、我が国は同項の規定によりその請求権を放棄している。この場合を除き、一般には、ソ連邦による我が国漁船のだ捕に関して、ソ連邦において被害者である我が国国民に対して司法上の救済が不当に否定されるなど、国際法上の要件を満たす場合には、我が国がソ連邦に対し口上書をもって明示的に請求権を留保しているか否かにかかわらず、いわゆる外交的保護権を行使し得ると考える。 |
| 十七 相沢英之衆議院議員提出「シベリア抑留者に関する質問主意書」に対する一九九七年一一月二八日付の政府答弁書において、「日ソ共同宣言で放棄したのは日本国家としての賠償請求権で、個人の請求権は放棄していない」という政府見解がある。これは「国際法上、個人の外国に対する戦争被害に係る直接の損害賠償請求権は認められない」という従来のアジア諸国民の戦争被害に対する政府見解と矛盾するのではないか。しないのであれば、その理由を明らかにしていただきたい。 | |
| (答弁) | 十七について お尋ねの趣旨が必ずしも明らかでないが、一般に、私人は国際法上の主体ではないことから、私人が外国に対して訴えを提起する場合には、国際法ではなく国内法によることとなる。 |
| 十八 今年の一月から二月にかけ、全国抑留者補償協議会が厚生労働、総務、外務の各大臣にシベリア抑留の真相究明等を求めた要請書を提出している。一方、もう一つの抑留者団体である全国強制抑留者協会中央連合会も、ロシアの相互理解協会会長と連名で二〇〇二年八月三一日に小泉内閣総理大臣及びプーチン大統領あての形で共同要請書(以下「本共同要請書」という。)を出している。今年二月に政府に問い合わせたところ、外務省が受け取ったが、外務省から内閣総理大臣には届いていないし、内閣総務官室も総務省も受け取っていないとのことであった。小泉内閣総理大臣が本共同要請書を読んでいないのは事実か。 | |
| (答弁) | 十八について 御指摘の共同要請書の内容については、関係省庁から小泉内閣総理大臣に対ししかるべく報告されている。 |
| 十九 本共同要請書の中では、未払い労働賃金の補償要求について研究するための日ロの合同委員会の設置が要請されているが、政府はどのように対応するつもりか。 | |
| (答弁) | 十九について いわゆるシベリア抑留に関し、日ソ共同宣言第六項は、「日本国及びソヴィエト社会主義共和国連邦は、千九百四十五年八月九日以来の戦争の結果として生じたそれぞれの国、その団体及び国民のそれぞれ他方の国、その団体及び国民に対するすべての請求権を、相互に、放棄する。」と規定しているところ、これについて、国に法的な補償の責任はないというのが従来からの政府の見解であり、また、平成九年三月十三日の最高裁判所第一小法廷の判決等も同様の判断を示していると承知している。 |
| 二十 今年二月韓国政府は、日本の植民地統治下で日本企業や軍隊に徴用された韓国人のうち、死亡・負傷した人やその遺族に対して実質的な個人補償をする方針を固めたという。日本企業からの未払い賃金約二億三千万円についても韓国の国費で肩代わりし、政府レベルでは日本側に支払いを要求しない一方、日本政府に対して、企業からの未払い賃金供託金名簿など被害者特定のための資料提示で協力を求めるとしている。この韓国政府の施策についての日本政府の見解と対応はどのようなものか。 | |
| (答弁) | 二十について 韓国政府の国内における施策について、見解を述べることは差し控えたい。また、韓国側より、累次にわたり、厚生年金名簿及び供託書副本に係る協力につき要請があり、これに対しては、現在、どのような協力が可能であるか協議しているところである。 |
| 二十一 一九六七年六月二七日に政府・与党間の「あらゆる戦後処理は終結した」との了解事項がある。しかし、その後一九八二年に「戦後処理問題懇談会」が設置され、一九八四年に報告がなされた上、平和祈念事業特別基金等に関する法律が制定された。そして、一九八六年一二月二九日に再び政府・与党間で「戦後処理問題は全て終結させる」との合意が再び行われている。 この事実について、国費四千万円余をかけて独立行政法人平和祈念事業特別基金が発行した『戦後強制抑留史』という書籍には、一九七四年になって、一九六七年の了解事項では納得できないとして、当事者による抑留補償要求運動が起こったから、一九六七年の了解事項はくつがえったと記されている。この前例を見る限り、一九八六年の政府・与党合意も、国民の世論の動向によっては再度くつがえることがありうると理解するが、このような理解でよいか。 |
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| 二十二 そもそも、政府・与党の了解事項とは、立法府及び行政府、そして国民に対し、なんらかの拘束力を持つのか。持つとすればどのような拘束力か。 |
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| (答弁) | 二十一及び二十二について 御指摘の「戦後処理問題に関する政府・党合意」(昭和六十一年十二月二十九日政府・自由民主党)は、いわゆる戦後処理問題に関する行政を執行していく上で政府と与党が合意を行ったものである。したがって、立法府及び国民に対して拘束力を持つものではない。 一般に、政府・与党合意について、新たな合意を必要とする事由が生じた場合には、新たに合意を行うこともあり得るものと考えている。 |
| 二十三 現在、与野党からそれぞれ独立行政法人平和祈念事業特別基金等に関する法律の廃止法案が国会に提出されている。このいずれかの法案が成立した際には、再度の政府・与党合意を行って、一九八六年の合意をくつがえすものと理解してよいか。 | |
| (答弁) | 二十三について 政府としては、御指摘の法案に係る立法府の結論を踏まえ、適切に対処してまいりたい。 |
| 二十四 シベリア抑留者・引揚者・恩給欠格者らの展示施設として、総務省所管の独立行政法人平和祈念事業特別基金の展示室が新宿にある。しかし、その内容は充実しているとは言えず、さらに毎週月曜定休であるなど、元抑留者の間でも税金の無駄遣いとの声が強い。 一方、舞鶴市が運営する引揚記念館は、元抑留者を含む年間十五万人もの方々が訪れているが、ここには国の補助は一切ない。地方自治体の財政はどこも大変厳しい中、わずか十二名の職員体制で、学芸員もおけず、展示室以外にセミナーや会議をする部屋もなく苦労しながら、年末年始以外、毎日開館している。 独立行政法人平和祈念事業特別基金の展示室の年間の利用者は何人か。また、事務所と展示室の家賃は年間いくらか。さらに、独立行政法人平和祈念事業特別基金へは内閣府から二名の天下り役員がいて、内閣府、総務省、財務省、厚生労働省から合計十五名の出向者がいると聞いているが、それら十七名の人件費総額は年間いくらか。 |
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| (答弁) | 二十四について 平和祈念展示資料館(以下「資料館」という。)の平成十六年度の入館者数は約五万四千人であり、独立行政法人平和祈念事業特別基金(以下「基金」という。)の事務所及び資料館の平成十六年度の賃借料は約一億六千六百万円である。また、平成十六年度の常勤役員二人及び官庁からの出向者十七人の年間の人件費の総額は約一億七千七百万円である。なお、平成十七年一月以降、常勤役員のうち一人は民間から登用しており、平成十七年四月以降、官庁からの出向者は十五人となっている。 |
| 二十五 独立行政法人平和祈念事業特別基金とは別に、厚生労働省所管の法人が運営している「昭和館」及び「しょうけい館」がある。似たような趣旨、目的の展示や資料室にそれぞれ別々に税金を投じる無駄遣いをやめ、統合して充実した運営・展示にしたほうが利用者にも便利ではないか。 | |
| (答弁) | 二十五について 資料館は、いわゆる恩給欠格者、戦後強制抑留者及び引揚者の労苦について国民の理解を深めることを、昭和館は、戦没者遺児を始めとする戦没者遺族の経験した戦中・戦後の国民生活上の労苦に係る歴史的資料及び歴史的情報を収集し、保存することにより、後世代にその労苦を知る機会を提供することを、しょうけい館は、戦傷病者が戦地で体験した労苦並びに戦傷病者及びその妻が体験した戦中・戦後の労苦を後世代に伝えることをそれぞれ目的としており、それぞれの施設の設置の目的は異なっているところである。 |
| 二十六 本年一二月二六日は、シベリアからの最後の引揚船「興安丸」が舞鶴港に入港してから五十年目になる。このような歴史の節目に当たり、国の責任において、京都府や舞鶴市と共同で記念の式典を開催し、シベリア・モンゴル抑留問題の歴史的意味を内外に広く伝えるべきではないか。 | |
| (答弁) | 二十六について 御指摘の式典については、現時点において実施する計画はないが、基金において、これまでいわゆるシベリア抑留者の方々の労苦について国民の理解を深めるための各種事業を実施してきているところである。 |
質問主意書とは?
国会議員は、会期中、文書により国政一般について内閣に質問することができます。議長が承認した質問主意書は、次の月曜日か水曜日に内閣に転送され、その日から7日以内に内閣は答弁書を作成し、送付しなければなりません。また質問主意書及び答弁書は全議員に配布し、本会議録や参議院HPにも掲載されます。
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