2003年9月10日 黒磯のタイヤ工場火災、三宅島視察、北西太平洋地域海行動計画の地理的範囲について
156閉-参-災害対策特別委員…-1号 2003年09月10日(未定稿)
○谷博之君 民主党・新緑風会の谷博之でございます。 先ほど、冒頭、報告がございましたが、一連の災害によりまして被害に遭われました多くの犠牲者の皆様方に対しまして心から御冥福をお祈り申し上げますとともに、また被災に遭われました多くの方々に対しましても重ねて心から冒頭お見舞いを申し上げたいと思っております。 まず、私は、先ほど中川委員からも冒頭触れられましたが、私の地元、栃木県黒磯市で九月八日に発生しましたブリヂストン栃木工場の大規模火災について、大臣に一点お伺いをいたしたいと思っております。 これは、この事故につきましてはこれは人災でありまして、当然、原因とそしてその今後の対応が議論されるところでありますけれども、ただ、地元の自治体としては、即座に災害対策本部を設置して、そして近隣住民の五千人を超える方々の避難命令を出して、避難勧告を出して、そして一昼夜にわたって大変な対応をした。これもある意味では大きな災害に匹敵するような出来事であったのではないかというふうに思っております。 この防災白書にも大規模火災についても既に触れられておりますから、そういう視点から大臣にお伺いしたいと思っておりますが、既に報道されておりますけれども、なぜこういう事故が起きたかということでありますが、あの工場の中に、私もよくその周辺なりその周りを行くことがあるんですけれども、高温によって爆発するおそれのある炭素のいわゆるタンクとか、あるいはまた薬品として使用するところのいろんなそういう薬品類がタンクとしてやっぱり貯蔵されていると、こういうふうな状況がありまして、端的に言えば常にそういう事故との危険性というものは付きまとっていたと、こういうふうに言っている報道機関もございます。しかし、会社側としては、各工程で自衛消防隊を作って、そうしたときのために対応していたということでありますけれども、残念ながら、今回の事故ではそうした組織が全く無用の、無用に等しい状況で終わってしまったと、こんなことだと思います。 現時点では、今日も地元の新聞ちょっと持ってまいりましたが、原因が老朽モーターから引火かと、こういうふうな下野新聞の報道もされておりますけれども、何といってもやっぱりこの原因の究明ですね、そして再発の防止、さらにまた、とにかく近隣住民に対する健康被害等への対応、そして、若干この委員会とは所管が違いますけれども、この工場がこういう状態になったことによって、そこに働く人たちの雇用の問題とか地域経済に与える数々の大きな問題がこの事故一つで大変大きく議論をこれからされてくると、こんな状態だと思っています。 そこで、国としても、まずこれから地方自治体が地方防災計画によって取り組んできた、あるいは今現在取り組もうとしているそういう対応策、さらにまた、工場の中でいわゆる今までの消火体制がどうだったのか、防災体制についてどういうふうな問題があったのか、こういうことを徹底してやはり検証していかなきゃいけないというふうに思っていますが、これらはすべて当然、国の消防庁やあるいは経済産業省等々、そういう中央省庁との連携の中でそういう作業をしていかなきゃいけないということでありますけれども、要は、先ほどもありましたけれども、二度とこういうふうな企業の火災ですね、こういうことについて起こしてはいけないという、こういう視点から、いわゆる防災上の視点からこの事故を一つの教訓にして国はどうすべきかということについてやっぱり考えざるを得ない、あるいは考えなきゃいけないというふうに思っておりますが、大臣としてはそういうふうな立場についてはどのようにお考えになっておられますか。
○国務大臣(鴻池祥肇君) 大変な火災でございました。もう一刻も早い鎮火、鎮圧を願いながら推移を見ておったわけでございますが、この事故災害につきましては、先ほど消防庁長官から答弁もございましたように、事故の原因等が存在をしておるところの指導監督権限を有する省庁が一つの責任を負ってこれに対処していくというのが政府の方針でございますけれども、防災担当といたしましても、こういった情報体制といったものをしっかりチェックをしながら、今後関係省庁と一体となってこれに対応しなければならないというふうに思っておるところでございます。
今回の栃木工場、ブリヂストン栃木工場の火災に関しましても、もう既に結果というか、政府の動きの結果は御高承のとおりでございますけれども、総務省消防庁を中心といたしまして、消防庁の職員、また東京都の消防庁職員から成る専門チームが緊急消防隊として現地に駆け付けて対応を行っておるところでございます。
また、今後の検証につきましても安全規制担当省庁であります総務省消防庁を中心として行われるわけでございますけれども、今私が申し上げましたように、防災担当といたしましても、ともに連携をいたしながらこういった事態が二度と起こらないようにしっかりと対応を協議していかなければならないというふうに考えてまいっております。
○谷博之君 この問題についてはまた別の機会に他の委員会でも議論をさせていただきたいと思っております。 次に、三宅島の被災者の支援についての問題についてお伺いしたいと思いますが、これは当委員会で九月八日に現地視察を行いまして、私もそれに参加をさせていただきました。現地の状況につきましては時間がございませんから省略をさせていただきますが、しかし、依然として一日三千トンから一万トンの火山ガスが放出しているという、こういうふうな報道もありまして、大変、関係者の皆さん方の復興に対する現場の取組が進んでおりますけれども、厳しい状況にあるなと、こんなような認識もさせていただいたところでございます。 そういう中で、まず最初に、今年の八月の一日から十日まで三宅村の島民連絡会がアンケート調査をやっておられます。この結果については既に報道されておりますから私から触れることはないと思いますが、島全体が安全になるまで帰島すべきではない、こういうふうに考えを持っている方が四一%、そして一部地区の濃度が高くても希望者から段階的に帰島させるべきと、こういうふうに考えを持っている方が三八%、ほぼ拮抗している状況にありますけれども、実は現地の視察をしたときにお二人の方々と直接お話をする機会がございました。その方々は、お二人とも地域通して見て大変家屋が損傷がひどいと。それから農業を営んでいる方は、農地が、正に竹がもう大きくなってきたり、立ち木も、立木も相当の大きくなってきているというふうなことで、このままその農地を使うということはもう現実にもう不可能だと、一日も早く帰島して対応しなければいけないと、こういうふうなことを強くおっしゃっておりましたけれども、そういう点で、いろんな関係機関の検討もなされていると思いますけれども、基本的に比較的安全な地域から安全な体制を組むことによって一部地域からだけでも帰島を認めていくという、この考え方について大臣は率直に言ってどのように考えておられますか。
○国務大臣(鴻池祥肇君) 住み慣れた場所から三年間も離れて東京でお住まいなさっていらっしゃるというお気持ちを察して余りあるものがあるわけでございます。本当に今の三年目を経た今日の島民の皆様方のお気持ちを察するところでございます。 ただいま委員からお話ございましたように、安全なガスの地帯、あるいは安全でないガスの地帯というのが何げなく見えておるようでございますが、長期的には減少傾向にあるものの、現在、直ちに帰島して通常の生活ができるというレベルではないというような報告も受けておるところでございます。 しかし、希望を持って本格帰島に向けて様々な対策のために準備が遅滞なく行われていくということは極めて大事なことだと存じております。絶えず私が答弁で申し上げておりますとおり、帰島に向けての方針というのは三宅島の島民の方々と、あるいは都、島の行政、政治の皆様方との最終的な御判断によると。これを尊重しなければならないというふうに思っておりますけれども、そのときのために国は都と連携を強くいたしまして、それに支援するということに全力を挙げてまいると、このことをお約束を申し上げておるとおりでございます。
○谷博之君 今日、あしたすぐにという意味ではなくて、これからのそういうより安全性が確保される、あるいはそれに近い状況になった時点で全島一括して帰島するのか、あるいは地域的に、そういう、考えながら一部から帰島していくのか、ここら辺のことがその時点でまた議論されることかなというふうに思っておりますが、非常にそういう思いが強いということを直接当事者の方からお聞きをしまして、なるほどというふうに私も実は感じたところでございます。 また、そういう中で、内閣府は十六年度の概算要求の中で、被災者生活再建支援制度の拡充についてということで概算要求をいたしております。これには、その対象の内容の拡大を目指しておりまして、具体的に火山噴火災害等により長期避難を余儀なくされている世帯の特例についても検討する、こういうふうなことが触れられております。 これは、既にもう三年以上も避難生活をしている皆様方、三宅島島民の皆さんの帰島時における支援金の再支給を念頭に置いたものというふうに考えてよろしゅうございますか。
○政府参考人(尾見博武君) 先生今お話ございましたように、内閣府といたしましては、平成十六年度の概算要求におきまして、いわゆる居住安定支援制度を含めた被災者生活再建の支援制度の拡充というものを要望しております。で、そういう要望に当たっての幾つかの検討事項の中で、先生今御指摘がございましたような火山噴火災害等により長期避難を余儀なくされている世帯についての特例をどう考えていくかということも一つの検討課題であるというふうに認識しているということは事実でございます。 具体的にはこれから予算編成過程の中で検討をしていかなくてはならないと思っておりますけれども、この端緒は、全国の知事会の方から三宅島被災者の長期避難世帯について、避難解除に伴って必要になる経費、ですから、言わば帰島を念頭に置いてそのときに必要になる経費について生活再建支援金を支援対象に加えるということはできないかと、そういう問題意識でお話を承っているということでございます。知事会でそういう認識を持っておるということでございます。 ただ、三宅島の被災者に対して本格的な帰島ということが実現しました際にどういう支援が必要かということにつきましては、まだ具体的な検討が必ずしも十分になされておりません。今後、都と村におきまして被災者支援の対策の考え方をまずどういうふうな考え方をお持ちになっているか、そういうことも十分承って、その内容を前提としながら、先ほどの知事会の御要望、そういうことも踏まえながら、今後具体的に検討していきたいというふうに思っております。 ただ、付け加えますと、現在、生活再建支援法の中で三宅島の島民の方は長期避難の特例ということで限度額に近い支援金を支給されておりますので、それを改めて支給するということはなかなかハードルの高い問題だと、難しい課題だというふうに認識しておりますが、一方で、具体的に帰島ということになったときにそういうニーズというか、そういう必要性というものを一方で問題意識としては持たざるを得ないと思っておりますので、今後の具体的な課題だと考えております。
○谷博之君 関連してお聞きしますけれども、既に避難当初に百万円を限度に支援金が支給されている。その支援金については、ほとんどの皆さん、期間がたっていますから使い切っている状況だと思うんですね。これから更に避難生活が続くということになると、もうこれ以上、島に戻ってももう生活設計は成り立たないというような人も中には出てくるかもしれない。そうした場合に、帰島できなくなった場合でもこの支援金を再支給する対象とするのかどうか。この辺はどうでしょうか。
○政府参考人(尾見博武君) 全国の知事会からの御要望は、長期避難をしている世帯について避難解除に伴って全員帰島ということを目指しておられますので、そういう際に必要となる例えば引っ越しの経費だとか、そういうようなものを念頭に置いてそれを支援していくという考え方というふうに承知しております。したがって、基本的には帰島時と帰島後の生活再建に必要な支援、島へ帰ってというようなことでイメージしているものだというふうに承知しております。 先ほど申し上げましたように、この制度というか、この要望を一つ特例の形で実現するということは非常に難しい課題であると、非常に難しい課題であるというふうに思っておりますので、帰島の判断がなされた時点では、更に先生がおっしゃったような問題も出てくるかもしれませんが、現時点では何よりもまず帰島に向けた検討という過程の中でこの問題を考えていくということではないかと思っております。
○谷博之君 結論から申し上げますと、今後の課題であるわけですけれども、いずれにしても長期避難生活をしていることは島民の皆さんどなたも同じですね。それが島に戻ってそのための言うならば生活再建資金、再建のための資金だということですが、これは島に戻ろうが、全員の方がもちろん戻るというような考え方だと思いますけれども、万が一そういうことで戻ることができないというような場合には、その方だけをちょっと別にするというのも私はいかがなものかなというような気もしますが、これは今後のひとつ課題として検討していただきたいと思っております。 それから、視察の際に実は、全部で島内に五十一の砂防ダムを建設計画しておりますけれども、そのうちの二十八のダムが完成をしていると、こういう説明を受けました。 そのうちのダムの一か所、現地を見てまいったわけでありますけれども、川田沢ですか、砂防ダムを見学してまいりました。このダムがいわゆるダブルウオール式ダムということですね。これは現地のそういうふうな建築資材というものを活用しながら比較的費用は安くこのダムを建設するという、この実はダムの前面に、いわゆる樹木を全部伐採するものですから、土が非常にむき出たような状態になっている。これを前面を緑化しようというふうな計画を持っておられるということですが、ここにどういうふうな植物を植えるかということなんですが、何かお考えを持っておられましょうか。
○政府参考人(清治真人君) 三宅島におきましては、大変な状況下で土砂流出防止のための対策を進めているわけでありますが、今お話がありました川田沢のダムにつきましては、失われた植生をなるべく回復したいということと、それから景観上の配慮も考えまして、現在都の方で緑化に当たっての方策をいろいろ検討しているところでございますが、元々島に自生しておりました樹種を配慮していくというようなことで、外来種等が島の生態系にその後問題を起こすようなおそれを残すことのないように、そういう考え方で在来種を中心に緑化を考えていきたいということを中心にいろいろな環境対策も含めてこの災害復旧の工事の中で取り組んでいるところでございます。
○谷博之君 実は、私は今その後触れようと思っていたことを先にお答えいただいたわけですが、これは例えば、世界的に言えばニュージーランドなんかもそうですけれども、島嶼部といいますか、島のところというのは、非常に何というんでしょうかね、貴重な在来種というのがあるわけですけれども、しかしそれは外敵には非常に脆弱な、そういうふうな植物、動物が多いんですね、昆虫含めた。 そういう意味では、この三宅島については今おっしゃったようにハチジョウイタドリとか、非常に貴重なそういう在来の植物がありますから、こういうようなものを使って、しかもそういう火山灰にも強いわけでしょうから、そういうふうな立場からくれぐれも、本土におけるのり面工事で外国のいろんな植物使っている、そういうこともありますが、そういうことにならないように是非ひとつ考えていただきたい。 一つお聞きしましたところによると、島の南部にある大路池というところではもう既にブラックバスが相当その池に生息して、沼に生息をしている、その結果在来の魚類が更に数を減らしているというようなこともあります。そういうこともありますので、是非これは検討していただきたいというふうに思っております。 それから最後に、時間がありませんが、サハリンUの石油・天然ガス開発事業、これの問題について一点お伺いしておきたいと思います。 皆さん方のお手元にこの地図を参考資料としてお渡しいたしました。 これはNOWPAPといいまして、北西太平洋地域海行動計画について、この地域がこの範囲に入っているわけです。これは日本、ロシア、韓国、中国、この四か国が共有する海域の、海洋の、協調して海洋環境を保全する、こういう取組を国連環境計画が、UNEPが計画をして行動に移している、この地図です。 ところが、この地図はごらんのとおり北緯五十二度以南、そうして東経の百四十三度以西、つまりオホーツクのこの東側がほとんどこれ入っていない。サハリン石油開発地域というところ書いてありますが、これとか日本の紋別市、こういうところが実は含まれておりませんものですから、いわゆるこの部分が非常にこの開発に伴って、もしも油を運んでいくときにタンカーが沈没するというようなことになった場合には非常に汚染される地域に、おそれがあるというふうなことがありまして、いわゆるこの東側の部分、これを是非このNOWPAPの会議の中で日本がこの部分を、サハリン沖海域及び北海道のオホーツク沿岸区域を含めるように交渉すべきだというふうに思うんですけれども、この点はどういうふうにお考えでしょうか。
○政府参考人(石川薫君) 御指摘いただきましたNOWPAP、北西太平洋行動計画でございますけれども、その活動の一分野である油流出時の緊急対応に関しまして、現在、NOWPAP地域油流出緊急時計画の策定作業、策定準備が進められております。この計画における対象海域を広げる動きもございます。 NOWPAPの対象海域の拡大を検討するに際しましては、このNOWPAPが取り組む他の分野への影響を含め、関係各国や国内の関係省庁と十分協議する必要がありますので、今後そのような検討をしてまいりたいと、かように考えております。
○谷博之君 聞くところによりますと、今年の十一月に中国の海南島でこの第八回の政府間会合というものが開かれると聞いています。是非その会合でNOWPAPにおける海洋汚染緊急時対応の地理的範囲を北緯五十五度、東経百四十五度まで拡大することを是非外務省に要望しておきたいというふうに思っております。 それから大臣、実は最後にちょっと一問質問しようと思ったんですが、前国会で有事関連法案が実は成立しました。そのときに私ども民主党は危機管理庁の設置ということを申し上げました。これは野党の皆さん方のその話合いの中で、今後の検討課題ということでこの危機管理庁については設置する方向で政府も既に、特に米国の国家安全保障会議を念頭にした安全保障に特化した常設事務局機能を担う専従スタッフ七名の概算要求を既に行っている、こういうことであります。 そこで、今申し上げましたように、野党合意に基づいて安全保障だけではなくて大規模な油流出などの災害予防も含めた常設機関の検討を行うべきではないか、これは我々の民主党の考え方であります。これについて政治家の、政治家鴻池参議院議員として、この点についてどのように考えておられるか、お答えください。
○国務大臣(鴻池祥肇君) 私も、委員のお話のように大変興味があると同時に、我が国においても設置すべきではないかという個人的な考えは強く持っておるものでございます。 公務で、先日もアメリカに、ワシントン、ニューヨークに出張をいたしました折にもFEMAの長官とも意見交換をしてまいりました。ただ、巨大な役所になっておりますので、日本とよく似たような状況で縦割りが随分向こうもはやっておるようでございまして、なかなかそのマネジメントというものが非常に難しいようなことをかいま聞いてまいりました。防災を中心に日米が幹部クラスでいろんな話合いをこれからもしようじゃないかというお約束して実は帰ってまいった次第でございます。 いずれにいたしましても、災害だけではなく、今後想定できるテロあるいは有事、こういったものに関しまして、国家がやはりこの国に住まいされる方々の命と財産を守るという観点から、こういう新たな役所というものを作るべきであるかどうかというものが検討をしていく大変大きな課題であると、このように承知をいたしておる、思っております。
○谷博之君 以上で終わります。