2003年07月17日 代筆による郵便投票制度を創設する公職選挙法改正案について
156-参-政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会-4号 2003年07月17日(未定稿)
○谷博之君 おはようございます。 民主党・新緑風会の谷博之でございます。
限られた時間でございますから、早速御質問をさせていただきますが、私は、民主党の中でいわゆる選挙制度の改正の動きにつきましてプロジェクトチームを作りまして、その責任者という立場にございましたので、そういう立場から、確認をする意味も含めて幾つか質問を申し上げたいというふうに思っております。
そのまず一つは施行期日の問題でございますけれども、今もお話ありましたように、我々が党内で議論をしてまいりましたときに、この施行期日については、できるだけ法の改正によって直近の国政選挙からこの制度が適用になるということが一番ベターなことであるというふうに考えておりまして、そういう意味から、我々の四月三日に出した議員立法案としては六か月というふうに一応この施行期日を決めたわけでありますが、この法案では一年を超えない、こういうふうな規定でございます。したがって、衆議院の解散・総選挙はいつになるか分かりませんが、そういうことも含めるならば、一年というふうに単純に考えると来年の参議院選挙からと、こういうことになるわけでありますが、具体的にこの施行期日についてはいつを目指すことになるのか、改めて参考人にお伺いいたしたいと思います。
○政府参考人(高部正男君) お答えを申し上げます。 施行の時期についてでございますが、この改正案が通りますと、私ども、政省令の作業がございます。また、円滑な施行のために必要かつ十分な周知期間も必要だろうと思っておりますが、委員御指摘ございましたとおり、早期の施行を求められておるところでございます。 類似の事例で現行の郵便投票の制度を創設した際に、一年以内で政令で定める日というような規定をされておりましたが、実際には施行を急いで七か月程度で施行された例がございます。こういうことも参考にいたしまして、また来年には参議院通常選挙が予定されているところでございますので、法律が通りましたならば、来年の選挙には新たな制度が適用できますようにできる限り速やかに施行するよう努力してまいりたいと考えておるところでございます。
○谷博之君 今申し上げましたように、衆議院の選挙がいつになるか分かりませんが、できるならばその作業を早めていただいて、その時期に合うようであればその時点から適用するというふうな形を是非考えていただきたいというふうに考えております。 それから、二つ目の質問でありますが、代筆での郵便投票における不正の防止の問題であります。これについては、法律に基づいて政省令を具体的に検討することになるんでしょうか。
○政府参考人(高部正男君) これも御指摘ございましたように、今回の法案におきましては、政令で定めるところにより、あらかじめ市町村の選挙管理委員会の委員長に届け出た者に投票に関する記載をさせることができると規定されているところでございます。 現行の制度でございますけれども、現行の郵便等の不在者投票におきましては、郵便等投票証明書というものの交付を身体障害者手帳等を添付して申請いたしまして、その証明書を提示して投票用紙等の交付を請求する、投票用紙を封筒に入れて選管に郵送するという仕組みになっているところでございます。 今回の改正が成立した場合に、具体的な手続をどういうふうにするかということにつきましては、国会における御論議でございますとか、これまでの立案過程における御論議を踏まえまして私ども検討させていただくことになろうかと考えておりますが、これまでの各党間の協議におきましては、郵便等投票証明書の交付の申請が本人からの申請であることは本人の身体障害者手帳等を添付することにより確認するものとするということとされておりますので、政令におきましては、現行の政令に準じまして、各種手続におきまして、身体障害者手帳や郵便等投票証明書を添付することによりまして本人の意思であることを確認する仕組みを考えているところでございます。 また、あらかじめ届け出た代理記載人と、実際に投票の記載を行った代理記載人が同一人であることを担保する方法といたしまして、代理記載人に登録時それから投票用紙の請求時あるいは投票時に署名を提出させることが有効であると考えているところでございます。現行の郵便投票そのものも今申し上げました三段階に御本人の署名をいただくことになっておるところでございます。 こういうことで、一つの方法といたしまして、登録時に代理記載人が署名をいたしました代理記載人となる旨の同意書を提出いただきまして、投票用紙の請求時にはその請求書に代理記載人の署名をしていただくと。また、投票時には、委員御案内のように、二重封筒でやりますので、その外封筒に、投票用紙を入れました外封筒に代理記載人の署名を求めることが一つ考えられるのではないかというふうに思っているところでございます。 いずれにいたしましても、この法案が成立、公布されましたならば、その規定に従いまして、これまでの御論議を踏まえまして、不正防止の観点も考慮いたしまして適切な対応をいたしたいと考えているところでございます。
○谷博之君 今の説明で、ともかく実施するということになると思いますが、最終的には罰則による担保ということにならざるを得ないんだろうと思いますが、そういう点では是非これからも慎重な対応、検討をしていただきますように要望しておきたいと思います。 それから、三番目の問題でありますが、いわゆる今回要介護度五の問題が出てまいりました。要介護認定に基づく郵便投票証明書ですね。この有効期間については具体的にどのような制限を加えることになるんでしょうか。
○政府参考人(高部正男君) 委員御案内のように、現行の証明書の有効期限は、対象が症状が固定された身体障害者の方々だということを前提にいたしました七年ということで行っているところでございます。 今回、新たに対象となることが予定されます要介護五の方につきましては、これも立案過程でいろんな御議論をいただいたところでございますけれども、要介護認定に有効期間があるわけでございまして、それが一つと。それから、要介護の状態、五なら五でずっと固定していれば身体障害者の方々と同じような考え方もできるんですが、ある程度介護認定が移動すると。十数%が、要介護の方が、これまでの例でいいますと、十数%、要介護四なり三に移動するというようなこともあるようでございますので、あくまでも要介護五を対象とするという政令で定めますと、やっぱりその要介護の認定期間とリンクさせる必要があるのではないかなというふうに考えておるところでございます。
○谷博之君 いろいろ聞いてまいりましたが、今回のこの公職選挙法の改正によって、代筆による郵便投票制度ということで新たな制度がスタートすると、こういうことになるわけです。我々は、この動きを尊重しながら、じゃ次にどうするかということでありますが、少なくとも郵便投票制度の対象者の拡大、これを更に検討していかなければいけないというふうに思っています。 ここで具体的に私、ちょっと三つほど具体例を申し上げたいと思うのでありますけれども、一つは、前回の五月三十日に私が本委員会で質問させていただいたときに、今の質問に関連するんですが、要介護認定を郵便投票の対象として活用することについて、選挙部長が、介護に要する時間という視点で等級が定められていることから、今の時点で私どもとしてこれを直ちにそのまま使えるかというと、いろんな課題がある、このように答弁をしております。これはこのとおりだと思うんですね。民主党も、そういう意味では一月から七回にわたってこの対象者の拡大の問題について議論をしてまいりました。例えば、日弁連が提言しているいわゆる医師の診断書による対象者の拡大の方法、こういうものも今後検討されなければいけないんじゃないかということがまず一つであります。 そして二つ目には、大阪で二〇〇〇年の五月にベーチェット病とかパーキンソン病とか肝臓病のいわゆる難病患者の皆さん方が郵便投票制度を利用できるように改善を求める要望書を提出しております。こういう難病患者の皆さん方、いわゆる介護保険制度でいうならば四十歳から六十四歳までの人たちに対して、パーキンソン病の患者だけは特定疾病として介護保険の対象にされているけれども、ベーチェット病や肝臓病の患者の皆さん方は対象から外されているということがあって、つまり六十五歳未満のこういうベーチェット病、肝臓病の患者の皆さん方の、この要介護度認定を受けることができないためにこの制度の対象の外になってしまいます。また、症状が固定していないために障害者手帳も受けられないと、こういうことで、その結果、今回の改正によってもこれらの方々は該当しないと、こういうケースになってまいります。さらにまた、四十歳以下の人たちのパーキンソン病の患者の皆さん方も当然介護保険制度からは外れているわけでありますから、したがってそういう意味では、今度の法改正による対象の拡大といっても、それは全体の中でいうと、いろんな同じ難病患者の中でも矛盾が出てきているというふうに言わざるを得ないと思うんです。これが二つ目です。 それから、三つ目の課題でありますけれども、今年一月から二月にかけて大阪の知的障害者の男性が大変投票に意欲を持っているということで、その父親が地裁に提訴をいたしまして、その判決が出されました。その判決の内容は憲法の趣旨に照らして改善が必要だと、こういうふうな判決であったわけでありますが、これを不服としてその父親は更に高裁に控訴をいたしておりまして、その判決もそのうち出るんではないかというふうに思っています。 こういういろんなケースを三つほど挙げましたけれども、今度の法改正によって郵便投票制度の対象者の拡大という意味では、まず第一歩に就いたところではないかというふうに我々は考えております。 そこで、本当に必要な人が対象となるようなそういう改正をこれからも続けていくべきだというふうに思いますし、衆議院の決議でもそのような内容が盛り込まれているということでありまして、今後この大阪高裁の判決やあるいは実務を担当する地方自治体の関係者の方々の意見などを聞きながら、この郵便投票の対象拡大について総務省は今後はどのように考えておられるか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(高部正男君) 現行の制度で投票することが困難な方々の投票機会の確保をどのようにして図っていくのかというのは非常に重要な課題だというふうに私どもも認識しているところでございます。 この場合、郵便投票といいました場合に、医師の診断というような御指摘もございましたけれども、委員よく御案内の、かつて制度があって、いろんな不正があったというような経緯もございまして、結局のところ、この郵便投票の対象をどう考えていくのかということについていいますと、選挙の公正あるいは投票の公正の確保という観点との調和をどのように図っていくのかということになるんだろうと思うんですが、範囲をどうするのか、認定方法をどうするのか、全国的に平等な取扱いが可能なのかといったような課題の解決が必要だと思っております。今回の法案におきましては、介護保険の要介護度認定の基準を活用するというふうにされたものだというふうに承知しているところでございます。 いずれにいたしましても、どういう形で投票、現行制度では難しい方々の投票機会を確保していくのかというのは非常に大きな課題だというふうに考えておりまして、選挙の公正を図りながらどういうことが考えられるのか、私どもも引き続き検討をしていきたいと考えておりますし、またこの重要性にもかんがみまして、各党各会派におかれましても引き続き御検討をいただけたらと、かように思っているところでございます。
○谷博之君 最後に、一点要望させていただきますが、今はいろんな対象者の拡大の話をしてまいりましたけれども、今後引き続いてこの本委員会でもこうした課題に是非議論を進めていただきますようにお願いを申し上げまして、時間が参りましたので、私の質問を終わります。 ありがとうございました。