ラムサール条約登録湿地を増やす議員の会 新潟視察報告

 

2003年8月8日

事務局長 谷博之

【日程】 2003年8月1日(金)

              1.新潟市長と面談・昼食

              2.佐潟水鳥・湿地センター(新潟市)

              3.瓢湖(水原町)

 

【参加議員】              愛知治郎(自民 参)                      岩佐恵美 (共産 参)

 

黒岩宇洋 (無所属 参)           谷博之 (民主           参)   計4名

(代理、随行)

峰岸まや子  清水嘉与子(自民 参、会長) 代理

大木哲                        大木浩(自民、衆) 代理

名執芳博      環境省 野生生物課長

蟹江志保      環境省 野生生物課登録調査係長         

會澤明                        環境省 北関東地区自然保護事務所新潟支所長

稲見圭                        議員の会 事務局 (谷博之事務所)

 

【概要】

日程1について:

市長より、新潟市はその名の通り「潟」がある地域で、佐潟の他に市中心部に鳥屋野潟、近接市の豊栄市に福島潟などがあること、湿地保全に熱心に取りくんでいること、渡り鳥保護のためロシア沿海州諸都市とかねてより協力・交流関係を築いていること、そして地域住民の生活の場としての「賢明な利用」にも心を砕いていること、福島潟の条約登録も、市町村合併の行方次第で検討俎上になる可能性があることなどの説明があった。

 

日程2について:

佐潟水鳥・湿地センタースタッフ佐藤安男氏より説明聴取。佐潟は新潟市の南西、佐渡弥彦米山国定公園区域に位置する砂丘湖。ガンカモ類、シギチドリ類など水辺性鳥類を中心に37科157種の鳥類が確認されている。今は植物にとって一番にぎやかな季節で、湖面にはハスが一面に揺れていた。希少種のオニバスもある。1996年3月にラムサール条約に登録(国内10番目)。1998年5月に環境庁(当時)が2億6千万円を投じて佐潟水鳥・湿地センターを設立。新潟市が管理・運営、職員2名、ランニングコスト年間1千万円(うち環境省が光熱費として340万円補助)。

来館者は土日中心に約7万人(国内最多)。入場無料。2台ある高性能ビデオカメラで湿地全体の様子を映し出すレクチャースペースが秀逸だが、防音効果のある会議スペースがないこと、ガイドボランティアの活動が最近低調気味なこと、また昭和60年に区域内に設置された国設佐潟鳥獣保護区観察舎が老朽化していることなどの問題点もあった。

 

日程3について:

水原町観光管理事務所長佐藤巌氏より説明聴取。瓢湖は新潟市の東約20km、水原町に位置する周囲約1kmほどの人造湖。江戸時代からの農業用溜池としての役目は終わり、1950年戦後初めてハクチョウが飛来、餌付けを行い、1954年国の天然記念物、県設特別鳥獣保護区に指定され、1999年東アジア地域ガンカモ類重要生息地ネットワークに参加。毎年ハクチョウの飛来数は増加、最近は約6千羽、ガンカモ類5万羽が秋に飛来する。真夏の今は怪我などで渡り損ねた数羽のハクチョウが残っていた。

1996年ラムサール条約登録地の候補になったが、文化庁補助金で購入した水禽こうえん用地が未整備だったため、整備後の課題となった。浚渫や老朽施設の改築の費用捻出に駐車場利用者から協力費徴収を検討中。瓢湖における給餌は量や時間の管理し、野生鳥獣と人の共生の好例であり、ハクチョウへの被害はないとのこと。

 

全体を通じて:

新潟市市民局環境部環境対策課の寺田氏に総合解説、案内をしていただいた。車中、佐潟紹介のビデオと、日ロ間の渡り鳥に関するビデオを視聴し、また県下最大の湿地、鳥屋野潟を車内から視察した。

今回の視察先は、熱心に取り組む自治体の事例として環境省が推薦したものである。県の理解・協力を得つつも、何よりも市レベルの担当課(市民局環境部環境対策課)に、限りある予算をやりくりして国内外のネットワークを構築することに熱心なスタッフがいること、そして現場(佐潟水鳥・湿地センター)にも、厳しい雇用条件にもかかわらず、熱心に普及・啓発・保護活動に取り組むスタッフがいることこそが、重要な条約登録の要件だと理解した。