県議会活動報告 本会議
1996年12月12日
午前十一時三十六分 開議
○議長(岸野節男君)ただいまから会議を開きます。議事は休憩前の継続議事であります。二十五番谷博之君。
(二十五番 谷 博之君登壇)
○二十五番(谷 博之君)私は社会民主党県民連合議員団を代表いたしまして、さきに通告いたしました発言要旨に従いまして順次質問を申し上げたいと思います。知事並びに執行部各位におかれましては、明確にして誠意ある回答を心から期待してやまない次第であります。
質問に入ります前に一言申し上げます。既に御案内のとおり、去る十一月十九日、朝日新聞論壇で、我が党の全国連合社会党史編纂室長伊藤陸雄氏が、「さらばわが日本社会党」という論文を発表したのであります。それによりますと、「ものごとには終わりがある。三宅坂には党名を変更した社民党があるとはいえ、かつての『理想』が復活することはもうない。一つの時代が終わった今、それを共有してくれた市民も大衆もそこにはいないのだ。私たちの残したさまざまな夢の残骸を前にすると、日本社会党が『歴史』の中へと過ぎ去ったと改めて思わざるを得ない。しかし、ドイツの社会・経済学者マックス・ウエーバーがいうがごとく、政治に必要なものは『にもかかわらず』という意志である。この党のたどった歴史の重みを引きずる私にとっては、あくまでも『されど社会党』なのであり、二十一世紀にふさわしい党として甦ることを『夢』見続けることだろう。」と書かれているのであります。私はこの言葉を引用するときに、胸は万感相迫り、幾多の我が党の先人たちが残したその思いが、今さらのように脳裏に去来するのであります。そして、私たちはこの言葉の歴史的意味を信じて、たとえ現実は厳しくても、あすの党の再生を目指して、さらに頑張ってまいりたいと考えておりますので、どうか皆様におかれましても、我が党の議員団に対して特段の御支援と御協力をこれからも賜りますよう心からお願い申し上げ、早速ですが質問に入らせていただきたいと思います。
まず最初に、知事の政治姿勢についてお伺いいたします。渡辺知事におかれましては、今般の知事選挙で見事四選を果たし、四たび知事の座に着かれましたことは、日ごろの御精進と御努力のたまものと心から敬意を表するのであります。そこで、この勝利を踏まえて四期目の渡辺県政の新たなスタートに当たり、改めてお伺いしたいのであります。それは、逼迫する財政事情や県民ニーズの多様化、行財政機構の改革等々さまざまな行政課題が山積する中で、希望と活気にあふれる“とちぎ”を目指して、これからの四年間をどのような方針で県政運営に当たろうとしているのかであります。また、このところ、国や各自治体で不祥事が相次いでおり、政治や行政に対する国民の不信や怒りが頂点に達しております。これを一日も早く払拭し、政治や行政に対する信頼と希望を取り戻すことは急務の課題であり、これにどのように対処していくかであります。さらに、今回の知事選挙の投票結果を見ますと、二八・〇九%という本県の知事選挙では過去最低の投票率を記録したわけでありますが、県政に携わる者は皆じくじたるものがあると思うのであります。特に、市町村ごとの投票率を見ますと、最も高い市町村と最も低い市町村で大幅な差が生じていますが、今後の県政運営に当たり、このような県政への参画意識の違いに対して、どのように対処していくかは一つの大きな課題であります。そこで、これらのことを踏まえ、こうした厳しい状況の中で、知事はどのようにしてこの難局を乗り切ろうとしているのか、その力強い決意と県政運営の基本方針について明確なお答えをいただきたいと思います。
次に、今回の知事選挙の投票結果について伺います。県民の県政への参画意識のバロメーターでもある投票率のアップについては、我々自治体議員はもとより、各市町村長も積極的に取り組んできたのでありますが、残念ながらその結果は十分満足できるものとはならなかったわけであります。そこで、今回の選挙に際して、県選挙管理委員会は投票率のアップのためにどのような啓発活動を実施したのか。また、投票の結果を踏まえ、今後の対応についてあわせて伺うものであります。
次に、政治的教養教育の問題についてお伺いいたします。教育基本法第八条第一項には、「良識ある公民の政治的教養の必要性と、教育上これを尊重する理念」を規定し、また、同条第二項には、「学校は、特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治教育その他政治的活動をしてはならない」と規定し、日本の政治的教養教育の取り組みの基本は、この二つの理念を中心に推し進められてきたのであります。しかし一方では、この第二項の規定を余りにも重視し、尊重し過ぎたがために、良識ある公民に必要な政治的教養教育そのものまで軽視し、ないがしろにする風潮が生まれてきたのであります。若者の政治や選挙に対する関心の薄さやさらに、最近の選挙のたびの若者の投票率の低さなどを見るときに、まさにこうした学校教育の偏重と取り組みの弱さが、こうした結果を生んでいる原因の一つと考えられ、今度の知事選挙もその例外ではなかったのであります。そこでまず、この民主政治と選挙の大切さを教える政治的教養教育への積極的な取り組みと初めて選挙権を得て投票に参加する新成人への投票呼びかけについて、どのように社会教育の場等で実践されようとしているのか、教育長にそのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
また、現在の学校教育における教科の中で、この民主政治や選挙について一般的、抽象的ではなく、より具体的な本県や市町村の政治、選挙についてどのように児童生徒、学生に対して教えてきたのか、また、今回の知事選挙についてもどう教えてきたのか、その実態をお伺いいたします。
さらに、今後これらの改革についてどのように取り組んでいこうとしているのか、あわせてお伺いしたいと思います。
次に、首都機能移転に伴う水需要の問題についてお伺いいたします。首都機能移転に関して知事はこれまで県民の合意形成が先決と、みずから県内を回り、「県の利便性を考えれば、首都はぜひ利根川の北に、できれば那須に」と県民に理解を求めてきたわけでありますが、去る四日、県民会議が黒磯で初めて開催した県民フォーラムでは、必ずしも賛成の声だけではなく、情報不足からくる期待と不安が入りまじった意見が多かったように聞いております。ただ、こうした住民の意見を地道に積み上げ、懸念や疑問を一つ一つ解きほぐしながら、首都機能移転論議を前進させていくことはまことに有意義であり、今後も続けていただきたいと考えております。私はこうした懸念の一つとなっている水資源の確保の問題についてお尋ねをいたしたいのであります。県は、首都機能移転対策特別委員会において、首都機能移転に際し予想される水需給について、新首都人口六十万人の年間需要量を一億二千万立方メートルと想定し、これに現在の那珂川流域における生活用水、工業用水、農業用水等約七億六千万立方メートルを加えた約八億八千万立方メートルの水は、那珂川流域の降水量等から見て十分に確保できると説明しているのでありますが、近年の田植え期の渇水により、農家はもとより多くの人が懸念を抱くのではないかと思うのであります。私も果たして那珂川水系で本当に確保できるのかどうかと思う一人であります。また、県のこの試算の根拠となっている一日一人当たりの平均使用量は、約五百六十リットルでありますが、都市の規模、例えば、大学、研究機関、ホテル、デパートなどとそれに関連するビジターの数によっては、使用水量は大きく変わってくるだろうと考えるのであります。そこで、これらの点について、今後の同水系における新たな水資源開発施設の整備の必要性を含めて、県の水需給の見通しと対策を伺うものであります。
次に、情報公開について伺います。去る十月一日、奈良県で情報公開条例が施行され、すべての都道府県で情報公開制度が実施されたことはまことに喜ばしい限りであります。ところが一方では、官官接待やカラ出張の不祥事が、この情報公開条例により一部が明らかにされ、再発防止の一助とはなったものの、まだまだ本県を初め多くの自治体では非開示の範囲が広く、あいまいで名ばかりともなっているものが見られるのであります。そうした意味から、宮城県の食糧費訴訟において、県が「プライバシーは最大限保護されなければならず、個人を識別できる情報は包括的に非公開とすべきだ」と主張したことに対し、仙台地裁がいわゆる官官接待における出席者個人名を全面公開するよう命じたことは、まさに行政の透明性の確保を図るべきであるという典型的な事例であり、時宜を得たものであります。本県も今、全国各地で問題になっている会議や出張の日時、場所、目的、出席者名、食糧費の支出額等について、常に明らかにしておくことが必要であると思います。そこで、このような時代の要請である住民の知る権利にこたえるために、行政情報のできる限りの開示について、県はどのように考えているのか伺うものであります。
さらに、行政のチェック機能ともなるべきオンブズマン制度については、既に、沖縄県や宮城県で導入されておりますが、県はこうした制度の導入についてどのように考えているのか、あわせて伺うものであります。
次に、開発行政について伺います。まず第一に、渡良瀬遊水池総合開発U期事業についてであります。渡良瀬遊水地の治水利水に重大な影響を及ぼす渡良瀬遊水池総合開発U期事業、いわゆる第二貯水池計画が、さきの渡良瀬遊水池総合開発事業審議委員会の中で、一時中断することになったことは既に御承知のとおりであります。そこで、同委員会で議論となった「T期計画での水質浄化の結果を見て、U期計画の実施時期を判断する」としたことについて、県は今後の見通しをどのように考えているのか伺うものであります。
また、自然保護団体の主張する「どんなふうにしても生態系は変わるので、第二貯水池はいらない」ということや、建設省みずからが心配している第一貯水池のカビ臭さや水質の汚濁について県はどのように受けとめ、今後の第二貯水池計画についてどう取り組もうとしているのか、あわせて伺うものであります。
第二に、工事中止や遅延しているゴルフ場の問題についてであります。現在、本県における造成工事中のゴルフ場は二十四か所ありますが、最近の不況を反映して、このうち十四か所のゴルフ場では工事が中断しており、工事再開のめどが立っていないものも数か所見受けられます。造成工事の中止や遅延に伴い、集中豪雨時の山崩れや土砂災害、あるいは水源涵養や動植物の生態系への影響等が生じるのではないかと懸念されております。そこで、この実態について県はどのようにとらえているのか。また、災害発生の危険もあるため、事業主に対してどのような対策を講じるよう指導しているのか、県の考えをお聞かせいただきたいと思います。
次に、同和行政についてお伺いいたします。栃木県同和対策審議会は平成六年十一月に第一回の審議会を開催して以来、今日までに三回の審議会と十二回に及ぶ基本方策検討部会を開催し、このほど「地域改善対策特定事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律期限後の栃木県同和行政のあり方について」の意見の取りまとめを行い、知事に意見具申をするとともに、総務庁長官にも人権に関する規範の確立のための要望を行ったのであります。そこでまず、他の都府県に先立って行われたこの意見具申について、同和対策推進本部長である副知事はどのように受けとめているのか。また、この具申を受けて今後どのように同和行政に取り組んでいこうとしているのか、その対応策について伺うものであります。
さらに、同和教育を人権擁護の観点から推進していくために、教育委員会に設置されている同和教育室を人権教育室に名称変更するべきであると思いますが、教育長の考えを伺うものであります。
次に、廃棄物問題について伺います。まず第一に、藤岡町江川一般廃棄物処分場問題についてであります。現在、県と町の立ち会いのもと、本年四月、八月の二回にわたって、地元藤岡町江川一般廃棄物処分場拡張阻止同盟と株式会社ダイヤ整環との間で話し合いが持たれ、次の四点についての合意を前提にして埋設物の掘り起こしをすることが確認されたところであり、これらの点についての両者の合意を得ることが緊急な課題であります。そこで、この四点、つまり掘り起こし調査の実施方法、違法性の判定方法、その掘り起こし費用の負担方法及び調査後の対応について、県はどのような考えのもとに両者の合意形成を図ろうとしているのか伺うものであります。
第二に、壬生町における下水汚泥の処理処分についてお伺いいたします。壬生町は、下水処理場で発生した汚泥を暫定的な措置として、場内の処理施設増設予定地に埋め立て処分をしておりましたが、既に、相当時間が経過していることから、下流住民からは不安と撤去の声が上がっております。このような状況から埋め立てた汚泥の適正な処理を行うべきであると考えますが、この問題について県はどのような指導を行っていくのかお伺いいたします。
次に、精神障害者の人権の確保と福祉施策についてお伺いいたします。去る九月三十日、報徳会宇都宮病院に対する損害賠償請求訴訟で、東京高裁は国を初め市、病院に対して賠償責任を認める判決を下したことは既に御承知のとおりであります。そして、その後入院同意を与えた市や病院側も上告を断念し、判決が確定したのであります。しかし、一方で、今でも県内で約五千三百人に上る患者が精神病院に入院し、そのうち措置入院による患者の多くが十年以上の長期入院となっております。県の監督責任はないという今回の判決がおりたとしても、改めてこの判決の趣旨を重く受けとめ、安易に入院期間が長期化されていないか、入院加療が本当に必要かどうか、さらに、入院中の患者の処遇が人権に十分配慮されたものであるのかどうか、常にチェックする体制を早急に確立すべきであると思うのであります。そこで、まず県はどのようなチェック体制で患者の医療と人権を確保していくのか伺うものであります。
また、いわゆる社会的入院患者、入院の必要はないが、受け皿がないために、やむなく入院を継続している患者が多いと言われている中で、このような障害者に対応した社会復帰のための施設整備が急務であると思いますが、県の考えを伺うものであります。
次に、難病対策についてお伺いいたします。まず第一に、在宅患者の支援事業についてであります。厚生省は公衆衛生審議会の最終報告を受けて、平成九年一月一日から難病患者の生活の質の向上を図るために、新たに在宅患者の支援事業を開始することとなったのであります。そして、この事業は慢性関節リウマチ及び百十八の調査研究疾患の在宅患者を対象にし、サービスの内容も家事、介護サービスや日常生活用具の給付、ショートステイの実施など国の障害者プランに沿った、より難病患者やその家族に期待されるものとなっているのであります。そこでまず、この事業の実施に当たって、県は実施主体の市町村とどのように連携し、どのような体制でこの事業に取り組んでいこうとしているのか。特に、この事業の中心となるサービスの質の向上、確保をどのように図っていこうとしているのか、お伺いするものであります。
第二に、後縦靱帯骨化症についてであります。頸椎から腰椎にかけての椎体後方に縦に走る後縦靱帯が次第に骨化することによって、四肢の痛みやしびれ、脱力、手先の細かい動き等がうまくできなくなる後縦靱帯骨化症は、日本人に比較的多く発生し、また、糖尿病の人にも比較的高率で起こる疾患として、現在、注目されてきているのであります。この病気の原因究明は難しく、厚生省の特定疾患に指定されているのでありますが、残念ながら現在、この患者のうち軽度の患者の一部はこの指定対象とはなっておりません。軽度の患者も徐々に病気が進行していくケースが多いことや、重度の患者と同じような経済的、肉体的苦痛を受けている人が多い中で、この指定対象の制限撤廃を国に働きかけるとともに、その間、医療費の県費負担を図っていただきたいと思うのであります。多くの自治体で同様な検討がなされている中で、本県でもこの際ぜひ前向きに検討していくべきであると思いますが、県の考えを伺うものであります。
次に、医薬品の流通問題についてお伺いいたします。医薬品の流通機構は、一般的に医薬品製造メーカーから卸問屋を通して一般薬局や病院、診療所に医薬品が納められるといった仕組みになっております。この仕組みの中では、医薬品流通近代化協議会が既に指摘しておりますように、特に、大手の公的病院である日赤医療センターや済生会各病院において支払い方法などでいろいろな問題が生じていることが明らかになっております。例えば、済生会神奈川病院では、平成七年十二月現在で買掛金残高が十五億円余に上り、支払い期限も十一か月後の支払いとなっている状況にあり、これらの問題は、本年二月二十七日の参議院厚生委員会でも取り上げられたところであります。そこで、この問題について本県における公的医療機関の実態はどのようになっているのか、また、県はどのように指導しているのか、伺うものであります。
次に、薬害エイズ問題についてお伺いいたします。去る十一月十九日、血友病以外の患者に非加熱血液製剤を投与していた可能性があるとして、厚生省が調査対象とした医療機関が公表され、本県でも二十八医療機関が明らかにされるなど大きな反響を呼んだところであります。そこでまず、発表後、保健所を初めとした県の機関に対し、どのような相談が寄せられているのか。また、この相談を受けて保健所等で実施しているHIV抗体検査の結果、現在までにHIV感染者はいなかったのかどうか、その実態と対応状況について伺うものであります。
さらに、近年、医療従事者のHIV感染事故が問題となっておりますが、抗HIV薬剤の配備など予防体制の整備の状況と今後の事故防止対策の方針について伺うものであります。
次に、とちぎ健康の森の整備について何点か伺います。まず第一に、健康づくりセンターのプール、多目的運動フロアの使用料の無料化について伺います。県では、平成五年三月に、障害者の利用に係る公の施設の使用料の免除に関する条例を制定し、既に、美術館など七つの施設で障害者の観覧料の無料化を実施しております。そこで、この施設のプール、多目的運動フロアの使用料についても、障害者の利用に当たっては無料化していく考えがあるのか、お伺いするものであります。
第二に、総合リハビリテーションセンターの診療科目についてお伺いいたします。私はリハビリテーション医療の中心的役割を担う整形外科、リハビリテーション科のほかに、脊椎損傷患者等が強く要望する泌尿器科や眼科等の常設化が必要であると思いますが、県はどのように考えているのか伺うものであります。
第三に、総合リハビリテーションセンターと総合福祉プラザとの関連について伺います。まず、総合リハビリテーションセンターの機能を十分に発揮していくためには、総合福祉プラザとの連携が不可欠と考えます。そこで、福祉プラザとどのような役割分担のもとに連携を図っていくのか伺うものであります。
次に、障害者の雇用問題についてお伺いいたします。労働省は、平成六年度に障害者の雇用促進等に関する法律の一部改正を行い、特に、重度障害者の雇用を積極的に進めるための障害者雇用支援センターを制度化し、全国への拡大を進めようとしているのであります。しかしながら、ただ単に障害者の職業訓練にのみ着目したこうした活動だけではおのずと限界があり、雇用環境の整備や企業における採用枠の拡大がない限りは、その目的達成は依然としてほど遠い状況にあるのであります。そこで、こうしたことを踏まえて、まず第一に、県職員における知的障害者の採用について伺います。現在、法律上では知的障害者の雇用義務がないため、極めて低い採用状況となっております。しかし、労働省では、来年度から知的障害者を法定雇用の対象に加えようとしており、県としてもこうした動きに対応して、一日も早く知的障害者の雇用を採用対象に含めていくべきであると考えますが、県の考えをお聞かせいただきたいと思います。
第二に、視覚障害者のうち、特に、採用試験問題の活字の判読が不可能な視覚障害の採用試験と県職員採用について伺います。視覚障害者の採用については、聞くところによりますと、採用後に勤務できる職場の確保が難しいとの理由で採用を見合わせているとのことであります。もしそうだとすれば、それこそ視覚障害者に対する明らかな差別であり、一日も早く雇用環境の整備を図り、採用に踏み切るべきであると思うのでありますが、この点についても、重ねてそのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
次に、伝統工芸品の保存、継承と振興についてお伺いいたします。昭和四十九年十一月、下野手仕事会が発足以来二十数年が経過し、今日まで会が中心となり、下野手仕事展を地道に開催してきていることは既に、御承知のとおりであります。この展示会には本年もみこし、武者絵を初め烏山和紙、間々田の組みひもなど四十五人に上る職人が力作を発表し、大勢の観覧者の入場で大変にぎわったのであります。そして、作品の一つ一つに込められた職人の意気込みと誇り、情熱を目の当たりにしたときに、私自身もその伝統的な技術、技法の深さに心から感動を覚えたのであります。そこで、県では昭和六十年に伝統工芸品指定制度を創設し、伝統工芸品の指定や後継者の育成等について取り組んできたわけでありますが、今日までの成果はどのようなものであったのか、また、今後はどのような展望のもとに振興を図っていくのか伺うものであります。
さらに、本年度からマロニエプラザの常設展示室がマルチメディア体験館に模様がえされたことに伴い、伝統工芸品の展示機会が失われたのでありますが、今後とも広く県内外の人たちに、本県の伝統工芸品のすばらしさを伝えるためにも、常設の展示コーナーを公的な機関などに新たに開設していくべきであると思うのであります。そこで、伝統工芸品の記録映画やビデオの制作、インターネットの活用なども含めて、県の考えを伺うものであります。
次に、漬物の振興についてお伺いいたします。漬物は我々日本人にとって、食生活上切っても切れない大切な食べ物であり、また、その成分に食物繊維やインターフェロンをつくる乳酸菌などが含まれていることから、病原菌の抑制や発がん抑制作用、さらには、血圧降下作用など数多くの医学的な効能があると言われております。漬物は高塩分食品と思われがちでありますが、現在では、食塩使用を大幅に減少させ、今日の油、肉類を中心とした食生活上の疲れをいやす上からも、健康食品の目玉の一つとして大変注目されてきているのであります。本県における漬物の歴史も古く、代表的なたまり漬や転動漬込法による浅漬けの開発などは、長い間の関係者の御努力によって、今日全国的にも高い評価を受けており、そうしたことから今後もその発展に大いに期待しているのであります。しかし、一方で、栃木市や宇都宮市の大手漬物製造販売会社が、本年九月と十月に自己破産し、事実上倒産するといった厳しい現実もあるわけであります。そこで、このような漬物の振興を図るため、当面の課題についてお伺いいたします。
まず、本県漬物業界の体質強化と生産力の向上、さらには、技術的な面での低塩化対策についてであります。本県地場産品の農産物使用による新企画新製品の開発や極低塩の嗜好食品、調味食品の研究開発は、業界や研究機関にとって大きな課題であり、また、それに伴う業界の体質の改善強化も同様に急がねばならない課題であります。そこで、県は業界等とどのように連携を図りながら、このような課題の解決に取り組んでいくのか伺うものであります。
また、漬物業界は国の品質表示基準の制定やJAS規格の改正、PL法、栄養改善法、そして、食品の危害分析と重要監視点方式の導入などの法規制を受けており、このような法規制に十分耐えられる業界を育てていく取り組みが必要でありますが、県はどのように対応していくのか、あわせて伺うものであります。
次に、農業関係試験研究機関についてお伺いいたします。第一は、農業関係試験研究機関の整備についてであります。このたび、畜産試験場について広く県民に理解と関心を持っていただくための第一回ふれ愛デーが、去る八月二十七日、猛暑の中で多数の入場者を得て盛大に開催されたことは、まだ記憶に新しいところであります。御承知のとおり、本施設は昭和四十七年、芳賀町の現在地に移転後二十五年が経過し、本体はほとんど初期のままであるため、老朽化が進んでおり、このような状態では新たな研究課題について十分な対応ができないのではないかと思うのであります。また、県民だれもが家畜と親しみ、遊び、また、同施設での試験・研究成果を知り得るような体験展示施設を、このふれ愛デーの企画とともに、本試験場の中に常設できないものだろうかと思うのであります。
一方、農業試験場も本年八月二十八、二十九日の二日間にわたり、盛大に公開デーが開催されたのでありますが、その折の感想として、本館内の各部のスペースが狭く、大変苦労している点が目についたのであります。今日、技術が多様化し、農業者のニーズに対応した研究開発が望まれている中、研究員の苦労が忍ばれるのであります。そこで、このような農業関係の試験研究機関の整備について、県の考えを伺うものであります。
第二は、農業関係試験研究機関の調査研究成果の普及についてであります。畜産試験場では経営環境部を中心に、家畜のふん尿の処理利用に関する試験やハエの防除に関する調査研究が熱心に続けられており、研究の一部としてのハエ防除マニュアルも本年三月に作成されたところであります。そこで、こうした農業関係試験研究機関の調査研究の成果がどのようになっているのか、また、そのマニュアルの普及活動についてどのように行っているのか、あわせてお伺いいたしたいと思います。
次に、土木行政についてお伺いいたします。まず第一は、栃木県道路公社の運営についてであります。栃木県道路公社は昭和四十六年に発足以来、当時の那須高原・那須山麓有料道路を県から引き継ぐとともに、さきに開通した宇都宮鹿沼有料道路まで地域のニーズに対応した有料道路事業を展開し、現在に至っているのであります。この間、総延長七十一・七キロメートルに及ぶ有料道路、塙田駐車場、中禅寺湖有料道路休憩所施設などを建設し、それぞれの地域における円滑な交通網の整備や地域振興、文化の交流発展に多大な貢献をしてきているのであります。しかし、道路公社の経営状況を見るとき、経営改善の努力は認めつつも、依然として厳しい経営状況が続いているのであります。また、一昨年から利用が始まった塙田駐車場は、十分な活用が図られていないように思うのであります。そこで、道路公社の管理運営に当たって、今後どのように経営改善を進めていくのか、また、塙田駐車場の利用促進をどう図っていくのか、お伺いいたします。
第二は、有料道路事業についてであります。今後県内の道路網の整備を推進していくために、有料道路事業を実施していくことは有効な手法の一つであると考えております。そこで、県は今後の新たな有料道路事業にどのように取り組んでいくのか伺うものであります。
最後に、警察行政についてお伺いいたします。最近、時事通信社が行った世論調査では、警察の日常活動に対して国民の約六割が一応合格点をつけているようでありますが、一方で、警察官のイメージについては「官僚的」と思っている人の割合が最も多いようであります。警察は県民の安全を守り、犯罪に立ち向かう強さを持つことは当然でありますが、反面、善良な一般県民にとっては近寄りがたい組織と映るのだろうと思います。しかしながら、幅広い警察活動はこうした善良な一般県民のバックアップがあって初めてなし得ることも間違いないことだと思いますので、日常の活動の中で官僚的であるとか、近寄りがたいといったイメージを少しでもなくしていく努力が必要だと思うのであります。そこで、県警では県民に愛され、親しまれ、そして、信頼される警察であるために、どのような取り組みを行っているのか、警察本部長にお伺いをし、私の第一回の質問を終わりといたします。(拍手)
○議長(岸野節男君)谷議員の質問に対し、当局の答弁を求めます。知事渡辺文雄君。
(知事 渡辺文雄君登壇)
○知事(渡辺文雄君)谷議員の御質問にお答えを申し上げたいと存じます。初めに、政治姿勢についての指摘がございました。今般の選挙によりまして、二十世紀を締めくくり二十一世紀への橋渡しとなるこれからの四年間の県政運営を県民の皆様から負託されましたことは、私にとりましても大変光栄に存じますと同時に、その責任の重さに身が引き締まる思いをいたしているところでございます。ただいま議員から御指摘がございましたように、これからは厳しい社会経済環境や県の財政事情の中で、新しい時代に向けて県民の皆様のさまざまなニーズにこたえながら、県政を積極的に展開をしてまいりますことが強く求められてきております。加えまして、地方分権の問題に象徴されますように、これからは地域みずからが考え、文字どおり地域みずからの責任において新たな道を切り開いていかなければならない時代を迎えておるわけであります。幸い本県は、これまで首都圏に位置するという恵まれた立地条件を生かして、工業と農業とが均衡を保ちながら大きく発展を遂げることができました。さらに、本県には豊かで美しい自然や穏やかな気候風土、すぐれた歴史文化、そして、何よりも誠実で勤勉、堅実な県民性がしっかりと受け継がれてきているわけであります。私はこうした本県の特性を十分に生かしながら、効率的な行財政運営にさまざまな創意と工夫を凝らしまして、県民の皆様が本当に住んでよかったと思っていただけるような希望と活気に満ちた心豊かなふるさと“とちぎ”づくりに全力を尽くしてまいる決意でございます。もちろん県政を進めてまいりますためには、県民の皆様の県政に対する御理解と御支援が不可欠でございます。そして、そのためには、何と申しましても、県民の皆様の県政に寄せる信頼がなければならないと存じます。ただいま御指摘がございましたように、昨今、政治や行政に対する信頼を裏切るような不祥事が相次いで起こっておるわけでありますが、極めて残念なことと存じます。私といたしましては、引き続き県民の皆様から信頼される県政ということを根本に据えまして、今後とも十分な配慮を払い、公正な県政運営に万全を期してまいる覚悟でございます。
なお、今般の選挙における市町村間の投票率の差について御指摘がございました。私は選挙期間を通じまして、これまでの選挙以上に多くの地域を回りまして、数多くの県民の皆様に県政の現状やふるさととちぎの未来につきまして訴えてまいりました。投票率にはあらわれてはこなかったかもしれませんが、大多数の県民の皆様には、私の県政に対する取り組みについて御理解をいただけたのではないかと確信をいたしております。今後とも各市町村や地域の特性、さらには、選挙期間中に寄せられました県民の皆様の御意見、御要望などを十分踏まえまして、均衡ある県土の発展に努めてまいりたいと考えております。議会を初め県民の皆様の御理解と御支援を改めてお願いを申し上げる次第であります。
次に、首都機能移転に伴う水需給につきましてお尋ねでございました。新首都の規模としまして人口六十万人とか、面積が九千ヘクタールという数字が言われておりますが、この数字は御案内のように、平成四年に国土庁に設置されました首都機能移転問題に関する懇談会が一つの作業仮説として、現行のままの首都機能が移転をするとした場合の最大の都市規模を想定して出した試算でございます。国会等移転調査会でもこの数字を一応引き継いでおるわけであります。ややもすればこれらの数字がひとり歩きをいたしまして、このことが水需給の問題、あるいは自然環境や住民生活に大きな影響を与えるのではないかという懸念を引き起こす要因になっているのではないかとかねがね思っております。もともと首都機能移転は言うまでもなく、地方分権や行財政改革と並びまして、二十一世紀に向けた我が国社会改革のための車の両輪でありまして、新首都の規模はこれらの改革の進捗状況によりまして、相当程度スリムになるものと考えております。また、そうでなくてはならないと思っております。しかしながら、現時点での新首都の規模に関する公式的な数字といたしましては、さきの懇談会の数字が一般的に用いられておりますので、本県におきましても県議会特別委員会でお示しをしましたように、最大移転人口を六十万人と仮定した場合の新規の年間水需要量を約一億二千万トンと推定をしたわけでございます。この試算では、那珂川流域の年間総降雨水量は年平均降水量一千六百ミリから約三十五億トンと算定いたしまして、蒸発散量を差し引きました、いわゆる河川流出・地下浸透量、水資源賦存量と申しますが、これが約二十七億トンとなることから新規需要を含めました約八億八千万トンの総需要量は十分に確保できるとしたわけでございます。また、これは本県と茨城県との境であります茨城県御前山村の野口地点で建設省が測定いたしました那珂川の過去十年間の平均流量が約二十六億トンであったということから、おおむね妥当な数字であると思います。
また、この試算に使用いたしました一日一人当たりの使用水量は、東京都の実績と、配水ロスを見込みまして五百六十リットルと想定をしたわけでございますが、国土庁の水資源白書では、平成五年度における我が国の平均使用量は、有効水量ベースで三百三十五リットルでございました。一般には人口の多い大都市ほど通勤通学等による昼間人口流入の多いことや都市活動が旺盛なことなどによりまして、大きくなる傾向にはあるわけでありますが、相当な余裕を持った想定であると私は思っております。
さらに、新しい首都となるところは、我が国の顔となるべき理想的な都市として建設されることになるわけでありまして、そこには最新の独創的な技術が導入され、水のリサイクルや雨水の利用などの水の有効利用が図られ、新規供給水量は現時点より相当程度少なくて済むことになることが考えられるわけであります。申すまでもなく、新たな水を確保するためには、水資源開発施設を整備することが必要となってまいりますが、当初の十数年間に想定されます移転人口の約十万人分につきましては、現在の既存の保有水の活用等で十分に対応できると思っております。いずれにいたしましても、首都機能移転の規模や進捗状況等を十分に考慮しながら、那須地域への首都機能移転に向けて遺漏なきよう、各種問題につきましてさらなる研究に努めてまいりたいと思っております。
以上のほかの諸点につきましては、副知事、教育長、警察本部長、人事委員会事務局長、選挙管理委員会委員長並びに所管部長からお答えを申し上げます。
○議長(岸野節男君)副知事小菅充君。
(副知事 小菅 充君登壇)
○副知事(小菅 充君)同和行政についてお答えいたします。同和問題は人類普遍の原理であります人間の自由と平等に関する問題であり、また、日本国憲法によって保障されております基本的人権にかかわる課題でございます。本県におきましては昭和四十八年に取り組みを始めまして以来今日まで、県民の皆様を初め市町村、民間運動団体等の御理解と御協力によりまして、同和問題の解決に相当の成果を上げてきているところでございます。しかしながら、結婚問題など一部になお差別事象の発生が見られ、いまだに同和問題が解決された状態とは言いがたい状況にあることも事実でございます。このような中、去る九月五日、栃木県同和対策審議会から地域改善対策特定事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律期限後の栃木県同和行政のあり方について意見具申をいただいたところであります。その内容は、大きく四つございます。一つは、「啓発及び同和教育の在り方」二つ目は、「えせ同和行為対策」三つ目は、「地域改善対策事業の在り方」四つ目は、「行政と民間運動団体の在り方」の以上四項目について言及されております。県といたしましては、このたびの意見具申は、人権を尊重する国際的な潮流の中でなされたものであり、人権という観点から差別意識の解消を積極的に進めていく上で重く受けとめております。そのため、今後の同和行政につきましては、意見具申を尊重し、また、国の動向等を見きわめながら適切に対応してまいることといたしますが、特に、啓発、教育につきましては、本県の実情を踏まえ、積極的に推進してまいりますとともに、地域改善対策事業につきましても、真に必要な事業を県民の皆様の御理解を得ながら、効果的に実施してまいりたいと考えております。今後とも関係市町村、民間運動団体などと連携を図りながら、一日も早い差別のないとちぎ新時代の実現に努めてまいりたいと考えております。
○議長(岸野節男君)総務部長高橋武紀君。
(総務部長 高橋武紀君登壇)
○総務部長(高橋武紀君)情報公開についてお答えいたします。お尋ねの行政情報の開示につきましては、昭和六十一年の条例制定以来、原則公開と個人のプライバシー保護という二つの基本的考え方に立ち、適切に運用してきております。しかし、最近、全国的に個人情報の開示をめぐり公開か、非公開かなどの議論がされておりますが、公務上の個人情報の取り扱いについて個人のプライバシーはあるのかないのか、いや、プライバシーを侵害するだけの公益があるのかといったいろいろな考え方があり、どこまで個人情報が公開できるかについて、これからも議論が深まるものと考えておりますが、今は全国的に確たるコンセンサスが見出せない、あるいはそういう合意形成の渦中にあるのではないかと考えているところでございます。このような状況の中で、国の行政改革委員会の行政情報公開部会の最終報告にもありますように、情報公開要綱案では行政の説明責任という基本的な考え方に立って、個人に関する情報の取り扱いはもとより、情報公開制度全般にわたって、県の条例内容を超えた考え方が盛り込まれてきております。行政情報の公開につきましては、今後県政情報は県民の共有財産であるとの認識に立って、国の情報公開法制定をめぐる動きにも十分関心を寄せながら、要綱案に盛り込まれた考え方や現在の制度運用上の問題点も含めて検討を積み重ね、適切に対処してまいります。
次に、オンブズマン制度についてでありますが、現在では、この機能を果たすものとして法律上の制度としては直接請求、住民訴訟、議会への請願、公聴会などが確立されており、また、任意の制度として各種の住民相談、苦情処理、公聴制度などがあるわけでございます。この制度の導入に当たりましては、これら既存の制度との整合性や重複を避けなければなりません。また、議会との関係など検討すべき課題も多いことから、昨年策定いたしました行政改革大綱におきましても、今後検討すべき問題として盛り込み、現在、取り組んでいるところでございます。さらには、県政地域のフォーラム等々各種広聴広報活動の充実や情報公開条例の適切な運用など現行制度の活用に努めてまいるほか、昨年は御案内のように、行政手続条例を制定し、行政手続の公正、透明性の確保にも努めてきたところでございます。また、現在、国におきましては、地方自治体の監査制度の強化に向けた検討が進められているようでもあり、本県といたしましてもこうした動向にも十分注視しながら、県民相談体制の充実など現行の仕組みの改善充実を図るほか、さらに、県民に開かれた公正、透明な行政システムのあり方について真剣に検討してまいります。
○議長(岸野節男君)企画部長須藤揮一郎君。
(企画部長 須藤揮一郎君登壇)
○企画部長(須藤揮一郎君)開発行政についての御質問のうち、初めに、渡良瀬遊水池総合開発U期事業についてお答えを申し上げます。渡良瀬遊水池総合開発事業につきましては、利根川流域の洪水調節、水道用水の確保等を図る目的で、国が事業主体となりまして、昭和五十一年に工事に着手をされ、平成二年にT期事業が概成をいたしまして、平成二年からはU期事業について調査等の事業に着手をしているところでございます。このU期事業につきましては、国では幅広く地域の意見を聞き、事業の妥当性を議論していただく目的で、関係する都県や市町の代表者、学識経験者で構成いたします渡良瀬遊水池総合開発U期事業審議委員会を設置いたしまして、これからの事業のあり方につきまして議論が行われているところでございます。
また一方、自然保護団体等が主催をいたしますシンポジウムなどに国も参加をいたしまして、渡良瀬遊水池の自然の保全と利用につきまして意見交換を行ってきたところでございます。これまで五回のこの審議委員会が開催されておりますが、国からT期事業の第一貯水池でカビ臭さや水質の汚濁が問題となっているので、現在、ヨシ原による水質浄化や流入汚濁河川である谷田川のバイパス工事等の事業を計画実施しているとの報告がありまして、このような状況からU期事業でも同じ課題が生ずるおそれがあると考えられますので、水質浄化の事業効果がわかるまで、今のU期事業計画での実施はとりあえず中断をし、その結果に基づきまして、再度審議委員会でU期事業計画について議論をするといった審議委員会の考え方が示されたところでございます。今月二十四日に開催予定であります第六回目の審議委員会におきましては、国に対しましてこのような考え方から、事業の一時中断を盛り込んだ中間報告をまとめる予定であると聞いております。その報告を待って、国では審議委員会の意見を尊重した対応をされるものと考えております。
第一貯水池でのカビ臭さや水質の汚濁は改善すべき問題でもございます。県といたしましても、審議委員会の意見を真摯に受けとめまして、国の対応を見守ってまいりたいと考えております。
次に、工事中止や遅延しているゴルフ場の問題につきましてお答えを申し上げます。本県におきましても、景気の動向などから資金計画や開発計画の見直しなどによりまして、工事の中断や遅延をしているゴルフ場が見られるところでございます。ゴルフ場などの大規模開発につきましては、県といたしましても災害等が発生しないよう、特に、厳しく指導をしておりまして、事前協議や開発許可に当たりましては、災害の防止や自然環境の保全を十分確保させるとともに、許可後の工事に当たりましても、防災工事を優先させることとしております。工事中止や遅延をしているゴルフ場につきましては、事業者から工事の進捗状況を報告させ、あるいは現地の巡回指導等の中で、災害の発生防止や自然環境の保全対策につきまして、継続的な指導を行うことによりまして、安全対策をとらせているところでございます。現在のところ、これらのゴルフ場に起因いたします土砂災害等につきましては、これまでの巡回指導、あるいは市町村と事業者等の報告の中でも確認をされておりませんが、今後とも工事が中断、あるいは遅延しているゴルフ場に対しましては、災害の防止等に特段の配慮をさせるとともに、現地の巡回指導などによりまして、厳しく指導をしてまいりたいと考えております。
○議長(岸野節男君)生活環境部長斎藤宏君。
(生活環境部長 斎藤 宏君登壇)
○生活環境部長(斎藤 宏君)藤岡町江川の一般廃棄物処分場問題についてお答えいたします。この処分場は、法令の基準に適合した施設でございまして、住民立ち会いのもとに県と藤岡町が連携して、年四回放流水や周辺地下水の調査を実施しているところでございます。また、事業者も毎月定期的に放流水の検査を行い、県へ報告をしてきております。それらの調査結果では、現在まで異常は認められておりません。県といたしましては、さらに、住民の方々の不安感を解消するため、事業者に対し住民との話し合いを持つよう指導してきたところでございます。その結果、今年度から両者の話し合いの場が持たれまして、これまで二回の話し合いにより埋設物を掘り起こすことが確認されたところでございます。今後とも事業者に対し、適正な処理を指導することはもちろんのこと、両者で円滑な話し合いが持たれ、埋設物の掘り起こしの前提となります四つの合意事項に関する具体的方法が見出され、一刻も早く円満に解決されるよう努力してまいる考えであります。
○議長(岸野節男君)保健福祉部長瀬上清貴君。
(保健福祉部長 瀬上清貴君登壇)
○保健福祉部長(瀬上清貴君)八項目にわたる御質問でございます。順次お答えしてまいります。精神障害者の人権の確保と福祉施策についての御質問でございます。去る九月三十日、宇都宮病院損害賠償請求事件控訴審の判決が出たわけでございますが、この中で県の指導監督責任が問われなかったことは御指摘のとおりでございますが、この事件は大変遺憾な事件であったと厳粛に判決を受けとめているところでございます。この事件を契機といたしまして、精神衛生法が改正され、精神病に対する県の指導体制が強化されたところであります。本人の意思によらない入院患者の人権を確保するためには、事務的な業務といたしましては、入院届、定期的な病状報告の審査や退院請求、処遇の改善請求に関する審査が随時行われるようになりましたし、さらに、直接病院に赴いて行う業務といたしましては、入院後三月を経過した措置入院患者全員と医療保護入院患者の一部に対しまして、県が派遣いたします精神保健指定医が直接審査する実地審査の実施、精神病院の実地指導の強化などが導入され、現在、実施しているところでございます。このように、精神障害者の人権の確保に鋭意努めるようになっております。
また、年々改善されているとはいえ、依然として精神病院の入院期間は長期にわたっていることは御指摘のとおりでございます。長期の入院患者の中でも病状が回復しつつある障害者にとりまして、社会生活に適応する能力を回復するためにも、援護寮や授産施設などの社会復帰施設を活用することが極めて有効でございます。このため、本県におきましても、昨年策定されました国の障害者プランに沿いまして、計画的に社会復帰施設の整備を進めてまいりたいと考えております。
次に、難病対策のうち、在宅患者支援事業についてでございます。県では、従来から難病対策を推進するに当たりまして、医療面ばかりではなく、在宅療養患者の生活面にも配慮いたしまして、日常生活動作の程度など個々の患者の状態に着目したきめの細かい支援策を積極的に推進してきたところでございます。御指摘のように、国では、公衆衛生審議会の最終報告を受け、難病患者等の居宅における療養生活を支援するため、新たにホームヘルプサービスや日常生活用具給付、ショートステイなどの事業を実施することとしたところでございます。県といたしましても、平成九年度からこの事業が円滑に実施できるよう、実施主体であります市町村に対し、情報の提供や患者家族と直接接するホームヘルパーに対する研修を実施するなど市町村への支援を行い、患者や家族が安心して在宅療養生活が送れるよう努めてまいりたいと考えております。
次に、難病対策のうち、後縦靱帯骨化症についてでございます。後縦靱帯骨化症は昭和五十五年十二月に、厚生省の特定疾患治療研究事業の対象疾患として指定されまして、平成七年度末現在、医療費の公費負担を受けている方は全国で一万三千五百八十七名、本県では二百八十二名おられます。対象者の認定については、国が示す基準に基づいて審査しているところでございますが、診断、治療水準の均質化及び適正な医療の確保を図るため、国においては最新の診断方法に基づく基準の見直しが現在、図られているところでございます。
なお、軽症者に対します医療費につきましては、国への働きかけは行ってまいりたいと考えておりますけれども、県費負担につきましては、その他の対象疾患との調和から困難ではないかと思います。御理解を願いたいと考えております。
次に、医薬品の流通問題についてでございます。医薬品の流通につきましては、御指摘のような問題が指摘されております。関係者においてその適正化に努めているところであります。平成七年二月には、医薬品は生命関連商品としての商品特性にふさわしい流通が確保されなければならないと同時に、自由な競争の確保、過大な薬価差の是正、透明性、公平性の確保という視点から、関係者が留意すべき事項を取りまとめました医薬品流通近代化協議会報告書が、厚生省薬務局経済課長通知で示されたところでございます。県におきましても、関係団体に対しましてこの通知の趣旨を徹底すべく、流通改善に努力、協力願うべく周知徹底に努めたところであります。医薬品の流通につきましては、基本的には、商取引上の範疇のものと考えておりますが、本県における公的医療機関の実態について、一つの例として調べましたところ、私どもの県立病院では請求後一か月以内に支払いがされているところでございます。
続きまして、薬害エイズ問題についてのお尋ねでございます。国は、十月七日に投与状況が不明とされた医療機関についての情報を公表したところでございます。その後、国の公衆衛生審議会伝染病予防部会で、調査対象としたすべての医療機関についての情報を提供すべきではないかという意見が出され、これに基づきまして、国から都道府県に対しまして医療機関の情報を提供することについての要請があったところでございます。このため、本県では血友病患者のプライバシーと人権に十分配慮するため、各医療機関と慎重に検討をいたしました上で、十一月十九日になりまして、県内の二十八の全医療機関に関する情報を公開したところでございます。
十月七日の国の発表以降、対象となる期間にこれらの医療機関で手術を受けているなどの不安で保健所に寄せられました相談件数でございますが、十一月末までに例年の四倍近い六百三十六件となっておりました。また、HIV抗体検査を受けた方は例年の五倍近い二百七十三名となりました。しかし、現在のところ、陽性者は幸いにも確認されておりません。今後とも県といたしましては、相談を寄せられた方々に対し、保健所で無料で行っておりますHIV抗体検査を受けるようお勧めするなど不安の解消に努めてまいりたいと思います。
また、医療従事者のHIV感染事故予防対策についてでございますが、国では、針刺し事故などの発生に備えるため、抗HIV薬剤が、現在なお、薬効の有無について治験中ではありますが、早急に優先審査承認の上、これをエイズ拠点病院を中心に配備することを検討していると聞いております。本県では、既に、エイズ拠点病院に対しまして、医療従事者のHIV抗体検査の実施や針刺し事故の防止のための具体的な方策などについての趣旨を徹底させるようしてきたところでございます。
続きまして、とちぎ健康の森の整備に関しまして、健康づくりセンターのプール、多目的運動フロアの使用料の障害者への優遇措置を講ずべきではないかという御質問でございます。とちぎ健康の森は、障害のある方々の利用にも十分配慮した施設整備を行いまして、県民だれもが利用しやすく、親しみやすい施設となるよう努めてきたところでございます。障害のある方々の健康の保持増進につきましては、大変関心を持っておりまして、特別な指導方法の導入など体制づくりが重要であると考えております。利用料金につきましても他の類似施設等との均衡を図りながら、一定の措置を講じるよう具体的に検討を行っているところでございます。
続きまして、総合リハビリテーションセンターの診療科目についてのお尋ねでございます。総合リハビリテーションセンターにおきましては、一般医療機関では対応しにくい脳性麻痺、脳卒中による機能障害や交通事故による脊髄損傷などを対象として、専門的なリハビリ医療を行うこととしております。このため、診療体制としては、まず、内科、小児科、整形外科、リハビリテーション科を中心に、専門の常勤医師で構成してまいりたいと考えております。その他の専門領域につきましては、御指摘の領域を含め、障害者に対するリハビリテーションを必要に応じ、ニーズに即した形で行えるよう、非常勤医師の確保により進めてまいりたいと考え、検討しているところでございます。
最後に、総合リハビリテーションセンターと総合福祉プラザ、仮称でございますが、総合福祉プラザとの関連についてのお尋ねでございます。総合リハビリテーションセンターは、医療、療育、職業、社会の各分野に関するリハビリテーションを必要とされる障害のある方々を対象に、総合相談、リハビリテーション医療、療育、治療訓練を進めるとともに、生活基盤である家庭や地域社会での自立を支える地域リハビリテーション支援などの各機能を備えたものとして、総合リハビリテーションシステムの中核機関として整備を図るものでございます。
一方、総合福祉プラザでございますが、障害のある方や高齢者を中心に、より積極的で広範な自立と社会参加を促進することを理念として、県民や民間福祉団体が一体となって、活気ある福祉活動を展開できる拠点施設として整備してまいりたいと考えております。このように、ともに障害者の自立を支援する施設ではありますが、それぞれの機能は異なりますので、総合リハビリテーションセンターの事業実施に当たりましては、総合福祉プラザとの連携を図り、それぞれの機能が十分発揮できるよう努めてまいりたいと考えております。
○議長(岸野節男君)商工労働観光部長蓮實浩君。
(商工労働観光部長 蓮實 浩君登壇)
○商工労働観光部長(蓮實 浩君)伝統工芸品の保存、継承と振興についてお答えいたします。県では、栃木の風土と県民の生活の中ではぐくまれ、受け継がれてきた伝統工芸品について指定制度を設け、これまでに結城つむぎを初め益子焼、日光彫など五十九品目七十九件を指定し、その声価を高め、振興を図っているところでございます。さらに、こうした伝統工芸品振興のためには、販路の拡大が大変重要でございます。毎年、宇都宮市内と東京都内において、栃木県伝統工芸品展を開催しているほか、全国伝統工芸品まつりなどへの出展によりまして、本県の伝統工芸品を広く紹介し、PRにも努めているところでございます。
次に、伝統工芸品の展示につきましては、県産品とあわせた展示コーナーを設置すべく、現在、設置の場所などにつきまして関係者とともに検討を進めているところでございます。
また、伝統工芸品の保存、継承につきましては、市町村が実施する技術技法の記録収集保存、ビデオ制作、後継者育成等を支援してきており、こうしたビデオなどは各種イベントの際に活用し、工芸技術の繊細さやぬくもりといった独特の味わいを、多くの方々に周知しているところでございます。今後ともこれらの事業を充実いたしまして、伝統工芸品産業として、その振興を図っていく考えでございます。
次に、漬物の振興についてお答え申し上げます。本県の漬物は、近年における生活環境の変化や漬物の製造方法が進歩したことなどから、新鮮味を出した浅漬が主流として普及してきており、漬物は平成六年の出荷額で見ますと、二百七十五億円に達し、これは全国第五位となり、目覚ましい発展を遂げてきております。漬物業界の振興につきましては、県の食品工業指導所が中心となり、社団法人栃木県食品産業協会との連携のもとに、新製品開発のための成分分析に関する技術講習会や各企業が持ち寄った数多くの製品の成分分析と専門家による官能試験の結果を検討する漬物品質研究会等を毎年実施するなど企業の体質強化を目的とした事業を展開しているところでございます。
また、漬物技術改善の重要な要素でございます低塩化、いわゆる塩分の割合を低く抑えること、これは一方では、日持ちが悪くなるという面もあるわけでございますが、その保存・殺菌方法等について、依頼試験や講習会を通じまして、積極的にその技術の普及に努めてきているところでもございます。
次に、国の品質表示基準やPL法などの法規制についてでありますが、漬物を品質の安定した安全な食品として消費者に提供することは極めて重要でありますので、研修会などの機会を通じまして、企業において法規制に沿った適切な対応を行うよう指導もしているところでございます。今後とも関係機関団体との連携を図りながら、情報の収集提供や業界への適切な指導相談に努め、風味豊かな漬物の開発支援と業界の発展に努力してまいりたいと考えております。
○議長(岸野節男君)農務部長岩崎修君。
(農務部長 岩崎 修君登壇)
○農務部長(岩崎 修君)農業関係試験研究機関の整備についてお答えをいたします。農産物の輸入自由化など農業を取り巻く情勢の変化に対応し、本県農業が安定的に発展していくためには、技術開発の拠点である試験研究機関の役割はますます重要になってきております。このため、農業試験研究機関では、本県の地域性に合った新品種や生産の低コスト化、省力化を図るための技術をこれまで以上に重点的かつ迅速に開発していく必要がございます。このような研究ニーズに対応するためには、研究員の質の向上が何よりも重要でございますので、研修を強化いたしますとともに、バイオテクノロジーなどの先端技術の活用や産学官の連携強化とあわせまして、必要な施設や機器の充実を図っていくことが必要と考えております。これまでも試験研究機能の充実に努めてまいったところでございますが、今後とも御指摘の体験展示等の普及啓発機能のあり方も含め、これからの試験研究機関の機能や体制のあり方、また、それに伴う施設整備のあり方について引き続き検討を行い、試験研究機関の充実に努めてまいる考えでございます。
次に、農業関係試験研究機関の調査研究成果の普及についてお答えをいたします。試験研究機関で開発された技術や調査研究の成果は、毎年、農業技術会議や試験研究成果発表会などにおきまして公表するほか、成果を要約した普及カードを市町村、関係団体に配布するなどその周知を図っているところでございます。
御指摘のハエの防除など迅速、重点的な普及が必要な技術につきましては、研究の成果をわかりやすく取りまとめ、マニュアル化して個別農家にも配布をしております。さらに、実証展示圃を初めといたしまして、農業改良普及センターや家畜保健衛生所の巡回指導、研修会などを通じまして、新しい技術の普及に努めているところでございます。今後とも新たな技術の開発に努めますとともに、その成果を迅速に普及することによりまして、本県農業の振興を図ってまいる考えでございます。
○議長(岸野節男君)土木部長木村泰三君。
(土木部長 木村泰三君登壇)
○土木部長(木村泰三君)廃棄物問題についてのうち、壬生町における下水汚泥の処理処分についてでありますが、壬生町の汚泥の仮処分につきましては、新しい汚泥処理棟が完成する間、処理場内の敷地を一時利用いたしまして、水質測定や排出される下水汚泥の溶出試験など安全を確認しながら、平成四年五月までに場内に仮処分として埋め立てたところでありますが、県といたしましては、仮処分のままにしておくことは好ましくないと考えているところであります。本年度、新汚泥処理棟が完成したことによりまして、今後排出される汚泥は含水率も減少し、汚泥量も減ずることができることになりますので、仮処分として埋め立てされた汚泥とあわせまして、計画的に搬出するよう壬生町とも十分協議をしながら指導してまいる考えであります。
次に、土木行政についてお答えを申し上げます。初めに、栃木県道路公社の運営についてでありますが、道路公社による有料道路事業につきましては、御案内のように、建設資金を主に借入金によって賄い、それを利用者の料金をもって償還する制度でありますことから、採算性の確保は極めて重要であると考えております。このため、道路公社の運営に当たりましては、経費の節減や有料道路の利用促進及びサービスの向上を図るため、さまざまな対策を講じてきたところであります。その具体的な対策といたしまして、まず、経費の節減につきましては、各路線ごとに分散していた管理事務所の統廃合や料金徴収業務体制の見直しによる管理コストの低減を図ることはもとよりでありますが、会計処理の電算化等による事務の合理化及び組織の簡素化などの対策を実施してきたところでありまして、今後とも一層の経営の改善に努めてまいる考えであります。
また、利用促進対策につきましては、回数券の発行や利用状況に応じた料金徴収時間の変更などさらには、観光シーズンにおける広報活動や写真コンテストなどの広報イベントを実施し、利用促進を図っているところであります。特に、塙田駐車場につきましては、年々利用が増加している状況でありますが、より一層の利用促進を図るため、プリペイドカードの導入や月決め駐車台数の拡大、中心商店街が発行しております共通駐車券システムの導入などを図ってきたところであります。今後ともなお一層の利用促進に努めてまいる考えでございます。
次に、有料道路事業についてでありますが、今後の新たな有料道路事業の取り組みにつきましては、今後有料道路の財源がますます厳しくなることが予想される中で、地域のニーズに緊急かつ適切に対応するため、有料道路事業の重要性はより高まるものと考えているところであります。そのため、今後緊急性が高く、整備効果の著しい箇所につきまして、地域の開発状況や将来の交通需要等を勘案しつつ、採算性の確保に十分配慮しながら、有料道路事業の導入に取り組んでまいる考えであります。
○議長(岸野節男君)教育長石川格君。
(教育長 石川 格君登壇)
○教育長(石川 格君)政治的教養教育の問題についての御質問にお答えいたします。学校教育におきまして、民主政治の意義や選挙の大切さを指導することは、非常に大事なことでございます。このため、小・中・高等学校におきましては、児童生徒の発達段階に応じて、社会科・公民科の授業等の中で、国や地方公共団体における議会政治の仕組みとこれを支える選挙の意義や選挙権を正しく行使することの大切さなどについて指導するとともに、具体的に生徒会選挙等の活動を通して、自主的、自治的な態度の育成に努めてきております。さらに、選挙管理委員会が作成した補助教材の活用や明るい選挙啓発ポスターコンクールへの応募などを通して、指導の充実を図っているところでございます。今回の知事選挙におきましても、具体的な理解を深めるよい機会でありますことから、各学校におきまして、選挙管理委員会から配布されましたリーフレット等を活用しながら、選挙の意義や投票することの大切さを指導してまいりました。
社会教育におきましても、県と市町村が連携を図りながら、成人を対象とした学級や講座、各種講演会等の中で、政治や地域づくりの問題等を取り上げ、啓発に努めてきております。特に、新成人に対しましては、市町村が行う成人式におきまして、新成人として政治に参加する自覚を促す取り組みが行われているところでございます。今後とも児童生徒に民主的な社会の形成者として必要な公民的資質の基礎を身につけさせ、成人に対しましては、選挙管理委員会や明るい選挙を推進する各種団体と連携を密にしながら、政治的教養や住民意識が高められるよう努めてまいりたいと存じます。
次に、同和行政についての御質問のうち、同和教育室の名称変更についてのお尋ねにお答えいたします。本県における同和教育は、昭和四十九年以来同和教育基本方針に基づき、学校教育、社会教育及び家庭教育三者の緊密な連携のもとに、すべての学校、すべての地域において、同和問題の解決を目指し、人権尊重を貫く教育として推進してまいりました。同和問題に関する意識について、去る九月五日に出されました県同和対策審議会意見具申の中で、「県民の同和問題に関する正しい理解と認識が高まってきており、同和問題に関する差別意識は解消の方向にあるものの、いまだに存在していることも事実である」と指摘をされております。県教育委員会といたしましては、こうした現状を踏まえ、引き続き同和教育を人権尊重を貫く教育として推進していく考えでございますので、当面、室の名称については現行のものが適当ではないかと考えておりまして、御理解をいただきたいと存じます。
○議長(岸野節男君)警察本部長平石治兌君。
(警察本部長 平石治兌君登壇)
○警察本部長(平石治兌君)警察行政に関します御質問にお答えいたします。本県警察は「県民の期待にこたえる警察」を組織運営上の基本姿勢に掲げ、県民の皆様が安心して暮らせる地域社会の実現を目指し、各種活動を推進しておるところでありますが、栃木県警察は栃木県民のためにある組織ということを自覚し、常に県民の皆様の立場に立って日常の業務に取り組んでいくこととしております。
また、御指摘のとおり、限られた体制で目的を達成するためには、個々の活動に対する県民の皆様の御理解と御協力が不可欠でございます。したがいまして、一人ひとりの警察職員に対しまして、採用時教育期間中はもとより、職場においても機会をとらえ、職員としてあるべき姿などについての指導を徹底し、その資質や能力の向上に努めているところでございます。今後ともこうした教育を実践しながら、人材の育成を図り、犯罪に強く、住民に親切な警察を目指し、県民の皆様の期待と信頼にこたえてまいりたいと考えております。
○議長(岸野節男君)人事委員会事務局長小野義治君。
(人事委員会事務局長 小野義治君登壇)
○人事委員会事務局長(小野義治君)障害者の雇用問題についてのお尋ねにお答え申し上げます。まず、県職員における知的障害者の採用についてでございますが、本県では、身体に障害を持つ方を対象といたします職員の選考考査を昭和五十五年度から毎年実施をしてきているところでございます。この選考考査は障害者雇用促進等に関する法律を踏まえて実施をしているものでございますので、知的障害者については対象としておりませんでした。したがいまして、採用実績がないのが現状でございます。御指摘のように、障害者の雇用の促進等に関する法律の改正の動きもあり、そのことによって、知的障害者の社会参加が促進されることは大変意義のあるものと受けとめております。現在、知的障害者の公的部門への就職状況を見ますと、洗濯や掃除などといった業務についている例が多いようでありますが、今後県として、どのような仕事で能力を発揮していただけるのか、業務の洗い直しや雇用の形態等について十分研究してまいりたいと考えております。
次に、視覚障害者の採用についてでございますが、重度の視覚障害者の採用については、そうした方々の能力をどのような職場で、どのような仕事に生かすことが可能なのかにつきまして、現在、他の地方公共団体での業務内容を調査するなどしているところでありますので、引き続き雇用の場の確保に向けて十分検討をしてまいりたいと考えております。
○議長(岸野節男君)選挙管理委員会委員長手塚満雄君。
(選挙管理委員会委員長 手塚満雄君登壇)
○選挙管理委員会委員長(手塚満雄君)去る十二月一日に行われました知事選挙の投票結果についてお答えをいたします。私から今さら申し上げるまでもなく、選挙は有権者が政治に参加する最も重要かつ基本的な機会でございまして、民主政治の基盤をなすものでございます。今回の知事選挙に当たりましては、最近の各種選挙における投票率が低落傾向にありましたことから、非常な危機感を持ちまして、一人でも多くの有権者に投票所へ足を運んでいただけるよう投票参加の呼びかけを最重点に、県の選挙管理委員会といたしましては考え得る限りの啓発活動を強力に展開をしたところでございます。具体的には、新聞、ラジオ等各種広報媒体の活用や啓発キャラバン隊の巡回宣伝、さらには、幼児や児童生徒向け啓発チラシの配布などの従前から実施をしてきました事業に加えまして、特に、若年層や都市部の有権者を対象といたしました数多くの事業を新たに実施したところでございます。例えば、若者に利用者が多いインターネットへのホームページの開設、映画館のムービースポットの上映、タウン誌への広告、話し合いコンサートの実施、また、通勤通学者の目に触れることの多い駅構内ポスターや歩道橋への横断幕の掲出を初めバス停、タクシー、トラックを啓発媒体とした交通広告の充実強化、さらには、デパート、理髪店、美容院、ガソリンスタンド、コンビニエンスストアなどの業界団体及び病院、教育機関、商店街、事業所など実に多くの方々の御理解と御協力をいただきながら、各種啓発事業を積極的に展開をしたところでございます。
また、市町村の選挙管理委員会に対しましては、従前にも増して地域の実情に即したきめ細かな啓発活動を行うよう要請し、広範な棄権防止の呼びかけが行われたところでございます。このような懸命な努力にもかかわらず、県平均で三〇%を下回る投票率であったことは、極めて残念に思っておるところでございます。また、十月の衆議院の総選挙後の先月から今月にかけまして、他県において、参議院議員補欠選挙並びに二つの県都におきまして、住民に最も身近な市長選挙が執行されましたが、いずれも本県の知事選挙を下回るような投票結果となっておるのでございます。私は低投票率の背景の一つには、国民生活が豊かになり、投票してもしなくても自分の今の生活は変わらないという切迫感のなさと申しますか、切実感のなさもあるのではないかと強く感じているところでございます。
また、このように、全国的な投票率の低落傾向の中で、投票日を二日制にしたらどうか、それから投票時間は、現在は午後六時で終了しているわけでございますけれども、これを延長して、午後九時まで延ばしたらどうかなど制度面の改正に関する議論もございまして、今後国において、実務者レベルの研究会が発足され、検討がなされることと聞いております。
県の選挙管理委員会といたしましては、制度改正の動向にも十分留意しながら、今後さらに、市町村選挙管理委員会初め関係機関団体と緊密な連携を図り、あらゆる機会を通じまして県民の皆様に対し、選挙の意義と重要性につきまして、さらに、粘り強く啓発周知してまいりたいと考えております。特に、若者の投票参加の推進を図るため、選挙啓発活動の中核となる青年リーダー育成のための研修会の開催や県及び市町村の教育委員会の協力を得まして、選挙啓発ポスターコンクールの実施や小中学生及び新成人向け選挙啓発冊子の配布など、一層その政治意識の高揚にきめ細かく努めてまいりたいと考えているところでございます。
○議長(岸野節男君)二十五番谷博之君。
(二十五番 谷 博之君登壇)
○二十五番(谷 博之君)おおむね、中にはもう少しという答弁もございましたが、積極的な御答弁をいただきましてお礼を申し上げる次第でございます。そこで、お答えを聞きまして何点か再質問をさせていただきたいと思っております。年に一度の質問ですから、できるだけこういう機会に質問させていただきたいという気持ちもございますので、よろしくお願いいたします。
まず、渡辺知事に対して二点ほどお伺いいたしますが、その一つは、今回の知事選挙における各市町村の投票率と今後の市町村運営の問題についてでありますが、御案内のとおり、十二月五日の毎日新聞に、「望雲観風」という一つの記事の欄があるのですが、まあ、社説のような欄だと思っていただければいいと思います。この中にこういうことが書いてあるのです。「許認可権と予算で、国が都道府県、都道府県が市町村を支配できる仕組みを示し、特に、今回の衆議院選挙の小選挙区制でのもとでの選挙の結果を踏まえて、特定の政党による報復予算の強行を何よりもおそれ、危惧しているのである」という記事が出ております。これにつきましては、国会で今、議論をしておりまして、そうではないということで話は進んでおりますので、あえてこれに触れることはないのですが、本県の歴代の知事の中にも、これはあくまでうわさですから私も確証を持っておりませんが、自分の知事選挙の投票率によって、市町村間の予算の配分に差をつけたという知事もいたのではないかといううわさがありまして、そんなことはないだろうと思いますが、そういう軽率なうわさがこれから飛び交わないようにするためにも、この際、渡辺知事の明確なこの問題についての気持ち、決意をお聞かせいただきたいと思っております。
もう一つは、首都機能移転に伴う水問題についてでありますが、皆さん方御案内のとおり、作家の椎名誠さんという方がおられますが、この方と同じくカヌー愛好家でフリーライターの野田知佑さんという方がおられます。この方が九月二十九日に東京新宿厚生年金大ホールで講演会を開いて、首都機能移転の誘致問題に触れて、栃木県の那珂川にダムを建設する構想が持ち上がっているというようなことを言ったようなのですね。私どもはこういう話は全く聞いてはいないわけですが、こんなようなことが今後あるのかどうなのか、その動き等についてお考えをお聞かせいただきたいと思います。
それから総務部長に一点お伺いします。先ほどの情報公開に関する質問ですが、これまた新聞記事で恐縮ですが、十一月十四日の毎日新聞に、都道府県の食糧費文書で、「『接待先氏名なし』二十一府県」と書いてあります。その都道府県の公開状況が一覧表になっておりまして、栃木県は氏名の公開について△印になっているのですね。氏名記述の△印というのは、「課によって対応がまちまちである」というように書いてあるわけですが、栃木県では課によってまちまちになっているのでしょうか。それをひとつお聞きしたいのと、先ほどのお答えを聞いておりますと、もうひとつ明確なところがないので、改めていつごろをめどにして、先ほど、部長から御答弁いただいたようなことが動きとして出てくるのか、その辺の時期的なものについて、もし今、お答えをいただけるようであれば、お答えをいただきたいと思います。
再質問のもう一点は、企画部長にお伺いしますが、私が調べたところでは、十一月二十八日現在で、県内には、百二十三の完成ゴルフ場があります。工事中のゴルフ場が二十四、計画中のゴルフ場が三つ、計画中止のゴルフ場が十二あります。「パーゴルフ」というゴルフ雑誌があるのですが、これの中身を見てみますと、断念したゴルフ場などの中で、例えば、長畑カントリークラブというゴルフ場があります。このゴルフ場の事業母体の北関東ウイルソングループによりますと、ゴルフ場建設は断念して、県に用途変更の届け出を出すということをほのめかしているということが書いてあります。そしてまた、仮称の大久保開発ゴルフ場というのがあるようですが、このゴルフ場については、栃木市役所の担当者が言っていることだとして、「全く手つかずだが、工事の延期願も何も提出されておらないので、本当に今後が心配なのだ」という声があると記述されております。そこで、今後の中断中のゴルフ場十四のうち、特に、工事再開のめどが立っていないゴルフ場八か所の対策と、計画中止した十二のゴルフ場の今までの扱いについて、先ほども若干御答弁をいただきましたが、こういう実情を踏まえて、実態を今後どうしていくのか。そしてまた、先ほどの長畑カントリークラブではありませんが、用途変更はこうした業者から既に出されてきているのかどうか、これについてお答えをいただきたいと思います。
○議長(岸野節男君)知事渡辺文雄君。
○知事(渡辺文雄君)投票率の差について云々というお尋ねでございますが、過去三回の選挙におきましても、投票率のいいところと悪いところでは、今回以上の差が常にあったと思っております。しかし、投票率の差によって、行政が左右されたということは私は聞いたことがございませんので、御心配はないと思います。
それから、後段のお話は全然聞いたことがございません。
○議長(岸野節男君)総務部長高橋武紀君。
○総務部長(高橋武紀君)過日の新聞報道の件でございますが、△になったということは、アンケートでございましょうから、いろいろな局面でこれから検討とか、制度を高めていくという意味で、そういうことに答えたのではないかなとちょっと頭にあるわけでございます。今後具体的にということでございますけれども、先ほど申しましたように、県の情報というのはあくまでも県民の共有財産でございますから、そのときどきの社会情勢、制度の熟度等々を十分認識して、十分にそれに対応できるように対処してまいりたいと考えております。
○議長(岸野節男君)企画部長須藤揮一郎君。
○企画部長(須藤揮一郎君)現在、開発中断中のゴルフ場八か所という御指摘がありましたが、御指摘のとおり、十四のゴルフ場が中断しておりますが、そのうち、明確な基準ではありませんが、工事再開のめどが立っているものが六つほどございまして、残り八か所はめどが立っていないということでございますが、御指摘の長畑カントリークラブにつきまして、特に、用途変更の届け出等は現在のところ出ておりません。なお、今後のこれらのゴルフ場の指導につきましては、従来どおり基本的に私どもは開発抑制ということで一貫して運営してきておりますが、その中で地域振興等々いろいろな情勢を勘案しまして、厳しい条件をつけて開発を許可したものが現在、残っているわけでございますが、そういったゴルフ場につきましては、関係の市町村等々いろいろな御意向もありますでしょうし、そういったことから、できれば一日も早く工事が再開できるようにということで指導してまいりたいと考えております。
○議長(岸野節男君)二十五番谷博之君。
○二十五番(谷 博之君)それでは簡単に要望させていただきます。一つは、知事に対して要望いたしますが、既に、新聞で御案内のとおり、首都機能移転の問題につきましては、大田原市議会の広域行政推進特別委員会というところでまとめた中間報告で、首都機能移転に関する住民の声が、慎重対応も含めて約七割近い人たちが、誘致に対して消極的な考えを持っているという報道もされておりますので、こういう結果を踏まえて、特に、大田原市を初めとして関係自治体、住民に対するこれからますますの議論の積み重ね、そしてまた、合意形成を図っていっていただくように心からお願いを申し上げたいと思います。
藤岡町江川の一般廃棄物処理場の問題については、今日まで、我が党の亡くなりました大塚喜八郎元県会議員を初め多くの先輩、同僚議員がその都度取り上げてきた問題であります。先ほどの答弁は、今までの答弁以上に何か先が見えたような気もいたしますので、ぜひ今後とも前向きの取り組みを一層よろしくお願い申し上げます。
警察本部長に一点御要望いたします。先ほど質問をいたしました中で、私の手元に時事通信社の世論調査がございます。これは十月上旬に全国の成人男女二千人を対象に、個別面談調書方式でアンケート調査を行ったのですが、警察官のイメージを見ますと、まず多いのが、一番「官僚的」三四・一%、二番「法の番人」二九・四%、三番「いばっている」二四・一%、四番「頼もしい」一九・八%、以下「勤勉」、「正義の味方」、「こわい」、「横柄」、こういうようなイメージになっておりまして、私はできれば、こういう警察官のイメージは、本県に限っては、「法の番人」とか、「頼もしい」とか「勤勉」とか、「正義の味方」といった項目が一から四番までずらっとつながるような警察官のイメージに、これから努力をして頑張っていただきたいと思っております。
最後になりますが、きょうの新聞によりますと、「県合同庁舎が完成、敷居更に高く」というタイトルの記事が出ておりました。県合同庁舎が十一日に竣工式が行われましたけれども、二階から四階に県の環境整備課、高齢対策課など十七課が入る。一方では、新庁舎の管理に当たっている県警会計課では、新庁舎の警備対策として、一般の入庁者に対しても受付で入庁時間、住所、名前、電話番号、行き先、入庁の目的を記入するようにということになっております。これは先ほどの質問と若干関連しているわけですが、警察に用事のない人までこれを書かせるのでしょうか。これは管財課の関係も出てきますから、私は解せないところがあるのです。
もう一つは、今まで県庁の裏の県警本部の建物ではこういうことはなかったと思うのですが、改めてこういうふうに入るときにも対応するということについて、何かちょっと不自然な、行き過ぎているような気もいたしますので、先ほどの警察官のイメージアップの問題と含めて、でき得るならば、この問題について、警察と管財課の方で今後議論をしていただきますように心からお願いを申し上げ、最後の最後になりますが、選管委員長の今回の選挙についての御努力は十分評価をいたしておりますので、そのこともつけ加えまして、私のすべての質問とさせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○議長(岸野節男君)この際休憩したいと存じます。午後二時二十分から再開いたします。議事はただいまの継続議事であります。
休憩いたします。