県議会活動報告 本会議 谷博之県議として最後の質問
2001年6月8日
○山本 寛事務局長 出席議員数を報告いたします。
ただいまの出席議員数は四十五名であります。
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午前十時三分 開議
○石島保男議長 ただいまから本日の会議を開きます。
日程第一 第一号議案から第五号議案まで及び第七号議案から第二十五号議案までを一括して議題とし、質疑並びに県の一般事務に関する質問を行います。発言通告者に対し、発言を許します。三十七番谷博之議員。
(三十七番 谷 博之議員登壇)
○三十七番 谷 博之議員 今定例会の質問戦も最終日を迎えました。ここに登壇の機会を与えていただきました議員各位に対し、改めて感謝申し上げます。質問の項目につきましては、昨日までに取り上げられた事項と重複いたす部分もありますけれども、私自身の視点から、県政における今日的課題や常日ごろ私が取り組んでいる諸活動の中から、今、最も重要な課題を取り上げ、順次質問をしてまいりたいと思います。知事初め、執行部各位におかれましては、意のあるところをおくみ取りいただき、前向きの誠意ある答弁を心から期待してやまない次第であります。
初めに、公共事業改革と「緑のダム」づくりについてお伺いいたします。私たち民主党は、今、談合体質を根絶させることによるコスト削減、また、二重投資、むだな公共事業のカットやPFIの積極的な導入などによって、必要な社会インフラ整備の量を維持しつつ、五年で三割の公共事業費を削減しようとしています。そうした中で、特に、森林の持つ保水機能や土壌流出防止機能に着目し森林の再生、つまり緑のダム化を推し進めることとし、現在、計画中または建設中のダムについても、これを一たんすべて凍結し、二年以内を目途にその必要性の再検討を速やかに行おうとしています。また、林業従事者への直接払い政策、つまりデカップリング政策を導入し、現在、荒廃状態にある人工林の間伐・植林を積極的に推進し、中山間地域における新たな雇用を創出すること、そして、切り出された間伐材については、建材としての活用や木質バイオマス発電などに利用することなどを計画しているのであります。
そこで、まず、ダム事業についてお伺いいたします。本県においても、当面する二つの大きなダム計画、すなわち南摩ダムと東大芦川ダムについては、過般、知事からその方向性が示されたのでありますが、私はこの公共事業の削減や「緑のダム」づくり計画と整合性の観点から、東大芦川ダムは別としても、南摩ダムについては、改めてその必要性を再検討する期間がさらにあってもよかったのではないかと思うのであります。そこで、これらの点について、現在、進行中の湯西川ダムの現時点での必要性の再検討も含め、改めて知事のご見解を伺いたいと思います。
次に、「緑のダム」としての森林の整備についてお伺いいたします。県土の約六割を占める森林は年々減少しつつあり、間伐等の手入れを必要としています。さらに、森林の公益的機能に対する県民の期待は、高度化・多様化しています。そこで、本県の森林を、いわゆる「緑のダム」として、今後どのように整備していこうとしているのか、あわせてお伺いいたします。
次に、県庁舎の建てかえの問題についてお伺いいたします。栃木県庁本庁舎はことしで六十三年目を迎え、全国でも富山県庁に次いで二番目に古く、しかも、本県出身で当時の第一級の建築設計家であった佐藤功一氏の手によって、ルネサンス様式を随所に取り入れてつくられた貴重な建物であり、本県行政のシンボルとして今日まで生き続け活躍してきたのであります。しかし、県庁舎建てかえについては、平成五年に渡辺前知事が、老朽化、狭隘化などを理由に、正式に建てかえを表明し、県議会側もこれを受け、平成十一年には、県庁舎・周辺整備検討会から、県庁舎及び周辺の望ましい整備のあり方について提言を行うなど、県議会としても県庁舎整備を推進してきたところであります。しかしながら、昨年十一月の知事選挙では「見直し」を公約として掲げた福田知事が誕生し、先月には県教育委員会から、本庁舎を近代化遺産の調査対象にしたことが報告され、また、平成八年に、県がとちぎ総合研究機構に委託して実施した県庁舎の建築的価値などについての調査報告書が公表されていなかったことも明らかにされました。こうしたことから、県民の中からも、改めて文化財的価値の問い直しを求める声が急速に高まってきているのであります。
そこで、このようなことを踏まえ、再度県民のための県庁舎として、県民の声を受けとめるためにも、そして、県都の顔としての歴史と県民の心の原風景としての県庁舎を保存するという視点からも、今日までの執行部や県議会の流れは流れとして真摯に受けとめつつ、すべて壊してしまうという大前提を一度白紙に戻し、保存することについて真剣に考えてみてはどうかと思うのであります。すべては福田知事の考えのもと、ことし九月に向けて、県庁舎整備計画見直し検討会議で、耐久度調査等も踏まえて結論が出されていくことと思うのでありますが、しかし、私はあえて、保存ということを視野に入れて検討すべき課題について、知事に何点かお伺いいたしたいと思います。
まず、その前になぜ保存なのかということでありますが、何よりもとちぎ総研による調査報告書にもありましたように、建築史的にも技術的にも価値が非常に高いということと、また、本県出身の佐藤功一氏の手によるものであること、昨今は全国的にも近代化遺産の保存・活用が大いに進んでいること、さらには、県内外の建築専門家の、あるいは多くの県民の保存への期待が非常に大きいことなどが挙げられると私は思うのであります。
そこで、まず第一に、知事の公約との整合性の問題についてお伺いいたします。知事は選挙公約の中で見直しを掲げておられましたが、見直しの中身は何であったのか、また、その後知事が提案した県庁舎整備計画見直し検討会議は、どのような位置づけで設置され、どのような内容が検討されるのか、さらに、検討会議から近々出される答申についてどう評価し活用していくのか、改めてお伺いするものであります。
第二は、移転・一部保存の問題についてであります。例えば、電子県庁化を図るならば、新庁舎移転も視野に入れるべきであり、現庁舎の一部保存による現庁舎の建てかえも、方向としては考えられるのであります。そこで、知事はこうした今後の手法についても検討会議で議論を行い結論を出されるのかどうか、お伺いします。
第三は、県民の声の反映システムについてであります。整備の手法によっては、建築内容や整備費などは全く新たな視点での検討を加えていかなければならないと思うのであります。さまざまな意見が出されるかもしれません。そこで、検討会議における会議の内容についてすべて県民に情報を公開し、県民の議論に供し、県民の声を反映させるシステムをどうとっていくのか、お伺いします。そして、改めて知事にお伺いしたいのでありますが、町は新しいものと古いものとが混在してこそ人々は歴史を感じ、うるおいを感じ、文化と誇りを感ずると東大の藤森照信先生は発言しております。そこで、県都の顔として、トチノキの並木とともに、県民の心の原風景として焼きついている現庁舎に対する知事の率直な思いをお伺いするものであります。
次に、女性副知事の選任の問題についてお伺いいたします。私たちを取り巻く社会は、従来からの会社組織中心の社会、性別役割分業の社会から、今や多様化したライフスタイルをみずからの意思と責任において自由に選択し、男女の区別なく政治や経済、社会のあらゆる分野におのおのが参画し、その方針や政策を決定することができる真の男女共同参画社会に大きく移り変わろうとしているのであります。そうした中で、女性起業家への財政支援を含む支援体制の強化や、女性が政策決定の場に多数参画できるようなクオータ制を含む積極的な性差別是正措置が、国においても検討されてきている中で、本県でもこうした状況を踏まえて、県政の政策決定の場への女性の一層の参加を促していくべきであると思うのであります。そこで、知事ご自身の選挙時の公約でもあった女性副知事の選任について、一日も早い実現を図るべく、現在、どのような体制の整備と具体的な人選を推し進めてきているのか、その状況と今後の対応方針についてお伺いいたします。
次に、難病対策についてお伺いいたします。私は今日まで、機会あるたびに本議場においてこの問題について取り上げてまいりましたが、引き続き、解決が求められている幾つかの課題についてお伺いをいたします。
まず第一は、心臓病や腎炎、ネフローゼの子供たちの充実した学校生活を送るための取り組みについてであります。自分自身が心臓病や腎炎、ネフローゼの患者と知って、また、その保護者となって、その完全な治癒を願い、国に小児慢性特定疾患治療研究事業の一層の推進を願う患者や家族の人たちの声は日増しに強まっており、また、こうした子供たちの通う学校においても、さまざまな要望や働きかけが強まっているのであります。そこで、こうした動きを受けて、学校における先生方の病気の管理指導表の徹底した活用やそのための施設設備の改善等について、県教育委員会は市町村教育委員会とどのような連携をとって取り組んでいこうとしているのかお伺いいたします。
第二は、小児慢性疾患や特定疾患医療費助成制度における診断書の問題についてであります。診断書の費用はすべて患者側の自己負担となっておりますが、特定疾患については三年に一度であるのに対し、小児慢性疾患については毎年診断書を提出することになっております。また、診断書をチェックすることによって、患者数を意識的に減らしていくことにつながらないか、大変心配する向きもあります。小児慢性疾患についても、この診断書の提出についての仕組みを、数年に一度の形とするよう要望する声が患者団体から強く出されております。そこで、このような状況を考慮し、県としてはその取り扱いの改善方策について、今後、どのように対応するつもりなのか、考えをお伺いするものであります。
第三は、肝炎患者とウイルス感染者に対する差別・偏見の排除と早期発見体制の確立の問題についてお伺いいたします。戦後、第二の国民病として広がりを見せ、ウイルス感染者が推定で三百万人を超えるとも言われている、特に、C型肝炎については、感染した年齢にかかわらず、四十歳前後から肝炎が進行し、六十歳ごろから肝がんの発生が急増するケースが多いと報告されています。また、このウイルスの主要な感染経路の解明や潜在的なウイルス感染者の発見、さらには、肝炎・肝がんの発症予防対策についても、いまだ十分明らかにされていない現状にあるのであります。そこで、肝炎患者やウイルス感染者の早期発見のための体制の確立について、また、こうした人たちに対する差別や偏見の解消を図るための社会的取り組みについて、どのように対応しようとしているのか、県の考えをお伺いいたします。
第四は、腎不全対策についてであります。一点目は、透析患者の通院を支援するための介護保険制度と国の介護予防・生活支援事業の積極的な活用の問題についてであります。透析患者にとって必要不可欠な足とも言える通院体制の確立は、本来公的介護を原則として実施されるべきものであり、今日、それは特に、介護保険制度の中で円滑な実施が確保されなければならない課題であると思うのであります。そしてまた、厚生労働省の行っている介護予防・生活支援事業においても、特に、外出支援サービス事業の中で、こうした通院事業も本来、積極的に実施していかなければならない課題であると思うのであります。そこで、こうした考え方を踏まえて、腎不全患者の通院を公的に支援するため、県は市町村と連携し、今後どのような対応をしていこうとしているのかお伺いいたします。
二点目は、ウイルス性肝炎院内感染とその事故防止対策についてお伺いいたします。今日、透析医療機関におけるウイルス性肝炎の院内感染が全国的に発生し、厚生労働省や日本透析医会でも事態を重視し、その原因究明と事故防止対策に乗り出したのであります。そこで、県内における透析医療機関の現状と院内感染防止の対応はどのようになっているのか、また、県は安心して患者が治療を受けられる体制をどのように確保していくのか、その取り組みについてお伺いいたします。
三点目に、小児を含む腎移植の普及についてお伺いいたします。腎友会を初め、県、透析医療関係者などの積極的な取り組みによって、現在、ドナーカード所持者は全国で一千万人を超え、こうした動きを踏まえ、腎移植の推進が大いに期待されているのであります。しかし現実は、幼児・小児からの提供・移植が我が国ではいまだ十分には実施されていないため、やむを得ず海外にその移植の道を求めたり、また、移植に当たっての連携の不十分さや書面承諾が前提条件かのような誤解が持たれていることなどによって、残念ながら、依然として移植事例が広がりを見せていないのであります。そこで、本県における腎移植の現状、移植コーディネーターの活用などについてどのような現状にあるのか、また、他の臓器移植の状況も含め、その内容及び推進対策についてお伺いするものであります。
次に、ハンセン病患者の「人間らしい生き方」の回復を目指す取り組みについてお伺いいたします。国のハンセン病対策は、一九〇七年の「癩予防に関する件」の法律に始まり、一九九六年のらい予防法の廃止に至るまでの約九十年間に及び、誤った医学的観点から、この間、患者の人権を著しく侵害した強制隔離政策や差別や偏見によって患者自身の「人間らしい生き方」を奪い続ける、まさに非人道的な政策を取り続けてきたのであります。そして、去る五月十一日、熊本地裁で杉山正士裁判長は、国のハンセン病対策の違法性を認め「入所期間中の自由の制約」や「社会からの差別・偏見を受ける地位に置かれたことによる精神的損害」を患者に共通した被害としてとらえ、百二十七人の元患者ら原告団に、総額十八億円余の国家賠償を行う判決を国に命じたのであります。その後、ご承知のとおり、この判決を受けて、小泉首相は一部政府部内にあった「判決には重大な法律上の問題点があり、控訴の手続をとらざるを得ない」といった声を押し切ってその非を認め、すべての患者や元患者への損失補償を誠意を持って行うという英断を下したのであります。そこで、こうした国の政策の大転換を踏まえて、県としては、それでもなおかつ存在する地域での差別と偏見への対応や本県出身者へのケアの問題、民間支援組織等との連携について、どのように取り組んでいこうとしているのか、その具体的方針についてお伺いをいたしたいと思います。
次に、教育行政についてお伺いいたします。教育は国家百年の計とも言われ、余り目立たない存在の中で、国民・県民すべてにかかわる重大な国家的事業の一つともなっているのであります。私は当面する本県の教育行政について、私自身がこれまでかかわってきた課題を中心に取り上げてまいりたいと思います。
そのまず第一点目は、かつて栃木県は教育正常県として、信濃教育界とくつわを並べて、全国的にもその勇名をとどろかせてきたのでありますが、最近は不登校・いじめ、自殺、事故、さらには、教師による体罰などの不祥事など、多くの厳しい状況が生まれてきております。いじめについては、昨年度全国ワーストワンとなったところであります。そこでまず、今日の本県の教育の実態はどうなっているのか、そして、それをどうとらえているのか、また、今日の教育現場の実情をどのように認識しているのかということについて、教育長に率直な感想とお考えをお伺いするものであります。さらに、こうした現状に対して、その原因究明や対応策について、どのように取り組もうとしているのか、具体的方針についてもあわせてお伺いするものであります。
次に、知事の選挙公約でもあった三十五人学級の推進についてお伺いいたします。三十五人学級の実現に当たり、そのための予算の確保や教員の増員等の課題がある一方で、いわゆる標準法の改正に伴い、地方の判断により学級編制の弾力化が可能となっております。そこで、この問題について現段階において、既に具体的な試算や検討をしているのか、また、特に、小・中学校の一年生だけでも先行試行を行う考えがあるのかどうか、県教育委員会の考えをお伺いいたします。
次に、教科書問題についてお伺いいたします。未来を担う児童生徒の教育現場における県民の最大関心事の一つに、教科書の採択問題があります。そして、教科書の採択における主体は、本来、教師の教育権の一つだと考えております。そこで、教科書採択における指導助言、援助に当たる県教育委員会として、この点についてどのように考えているのか、その基本的な考え方をお伺いいたします。
また、本年から採択に関して、教師の総意に近い絞り込みをやめさせ、わずかの教師調査員の調査を参考にして、市町村教育委員会が採択することとなったのでありますが、これらの機関の責任はまことに重大であると言わざるを得ません。ましてや、今回は新教育課程、学校週五日制のもとでの最初の採択であり、この教科書は今後三、四年間継続使用されるわけであります。一方、県教科用図書選定審議会が既に終了し、その資料等が市町村教育委員会を中心とした地区採択協議会に送付されているのでありますが、これは採択の透明性の確保という方針からずれており、採択作業過程における情報公開にも逆行していると言わざるを得ません。また、これに関連して県教職員組合の要望に対し「採択事務の円滑な遂行に支障を来さない範囲において情報の開示を行う」と答えているのでありますが、実態は県教科用図書選定審議会が「一部非公開」、地区採択協議会においても「非公開」という立場を貫いているのであります。そこで、私は教科書採択の透明化のために、その会議をすべて審議過程から資料等も含めて情報公開すべきだと思いますが、教育長の考えを伺います。
また、これらが困難であるとするならば、せめて採択の終了後、県教育委員会並びに市町村教育委員会の責任において、教科書採択に関する県並びに採択地区で行われたすべての会議における議事録、結果について、県民に情報公開をすべきであると考えますが、あわせて教育長にお伺いをいたします。
次に、不登校児に対する対応についてお伺いいたします。我が国における乳幼児の死亡率と少年事件の再犯率の低さは世界に誇れる状況にあるにもかかわらず、小・中・高校生の自殺は、一九九九年には百九十二人と世界でもワースト上位に入り、虐待による子供の死亡件数も激増してきているのであります。また、不登校児も一九九九年度には全国で十三万人を超え、青年の閉じこもりも数十万人と言われております。そして、自殺した子供たちの中には不登校が許されず、何らかの形で登校を強いられた結果、みずからの命まで落とすこととなっており、子供に先立たれた親たちの多くが、「せめて不登校をしてくれていたならば」、「閉じこもりでも命を大切にしてほしかった」などと率直な心境を述べているのであります。こうしたことを考えたとき、結局は不登校が問題なのではなく、体罰やいじめなどを放置し、ただひたすら学校への迎合のみを求められた結果、子供たちの生存権すら今日では危うくなってきていると私は思うのであります。一九九八年六月、国連・子どもの権利委員会から日本政府に対し、「オルターナティブ教育が認められない、硬直した教育文化が不登校を生み、民主主義の成長を阻害している。政府はNGOと協力して改革をすべきである」と強い要望が出されてきていることをみても、事態の深刻さを知ることができるのであります。私はこうした現状を踏まえ、我が国では、いつ、どこでも望む形で子供の教育への権利が学校外でも保障されるよう、現在の教育のあり方をもう一度根本から見直してみる必要があると考えるのであります。
国では、現在、不登校対策の一つとして、スクールカウンセラー配置事業を推進しておりますが、アメリカでは、既に失敗していると言われております。そこで、県としては、そのような評価もなされているスクールカウンセラーの配置事業について、どう考え、今後どう取り組んでいくのか。また、不登校対策の一環として、ソーシャルワーカーの活用など、福祉分野との連携を一層図るべきと考えますが、あわせてお伺いいたします。
また、こうした子供の悩みに対する電話相談については、民間団体でも独自に活動を開始しているところもあります。県としては、これらの団体との連携や電話番号の下三けたの共通化など、わかりやすい電話番号への工夫を含め、全県的にどのように電話相談に取り組んでいくのかお伺いいたします。
次に、県立富屋養護学校の校庭整備の問題についてお伺いいたします。既に、新聞報道でもご承知のとおり、この問題は新校舎建設計画の中で、新校庭用の用地買収の見込み違いや購入準備の甘さから、今日のような校庭のない最悪の状態に陥ったのであり、その結果、現在は周辺の富屋小学校の校庭を借りて運動会を開催したり、校舎を周回するランニングコースをつくるなどして、屋外スポーツの実施に当たっての急場をしのいでいる状況にあります。そこで、まず、民事上の問題はあるとは申せ、購入予定地の早期取得見込みの可能性についてお伺いいたします。
さらに、この問題についていつごろを目途に県としての結論を出し、解決を図ろうとしているのか、また、万が一、見通した解決期間内に用地買収ができなかった場合の代替案も含めた具体的な取り組みについてお伺いします。
また、障害のある児童生徒の一日も早いのびのびとした運動の場の確保を図ることは、本人はもとより、保護者にとっても切実な願いであります。こうした声にこたえるためにも、プールの整備も検討に含めた富屋養護学校の校庭整備計画について、改めて県教育委員会の考えをお伺いいたします。
以上で、私の第一回目の質問を終わらせていただきます。(拍手)
○石島保男議長 谷議員の質問に対し、執行部の答弁を求めます。福田昭夫知事。
(福田昭夫知事登壇)
○福田昭夫知事 谷議員のご質問にお答え申し上げます。まず、公共事業改革と緑のダムづくりについてのうち、ダム事業についてでありますが、いわゆる「緑のダム」とは、森林が持つ洪水緩和・渇水緩和などの水源涵養機能をダムに例えた考え方であり、近年注目をされております。私もこの考え方につきましては、森林保全の観点からも、その意義は十分評価しているところであります。このことから、庁内に設置した栃木県思川開発事業等検討委員会の見直しの中で、従来のダムにかわる方策の一つとして「緑のダム」の有効性を関連文献、国の見解等をもとに、治水・利水の両面から検討を行ったところであります。しかしながら、「緑のダム」はその効果に対する定量的な評価の手法が確立されていないことや「緑のダム」単体では、従来のダムと同等の治水・利水効果を発揮し得ないというのが大方の考えであることから、代替案としては適さないという結論に至りました。
なお、思川開発事業につきましては、今回の見直しにより、事業費の県負担分を当初計画の約六割程度削減できる見込みでありますことから、公共事業の削減の観点からも、非常に意義があったと考えております。
一方、湯西川ダムは利根川流域の総合開発の一環として、国が実施している多目的ダムであり、平成十年十二月の一般損失補償基準の妥結以来、既に事業用地の約六割が買収され、付けかえ県道工事や国道一二一号バイパスなどの整備も鋭意進められているところであります。本事業は洪水被害の軽減や宇都宮市、茨城県及び千葉県の都市用水を供給することなどを目的としており、安全で快適な生活の確保を目指す上で必要な事業であると認識しております。今後は事業主体に対しまして、ダム事業のコスト縮減及び環境への影響の軽減などを強く求めてまいりたいと考えております。
次に、「緑のダム」としての森林の整備についてお答えいたします。本県の三十五万ヘクタールに及ぶ森林は、木材生産を初め、県土の保全や県民に安らぎを与えるなど、県民の生活を守り産業をはぐくむなど、重要な役割を果たしております。水を安定的に流す働きや流出する土砂を抑制する働きなど、森林の持つ機能を高度に発揮させるためには、活力ある森林づくりを進めていくことが重要であります。このため、水源涵養保安林や土砂流出防備保安林などの指定を積極的に進める一方、第九次治山事業計画に基づき、保安林の適正な管理や荒廃山地の復旧のための治山事業などを行っていくこととしております。
さらに、本県民有林の五四%を占めるスギ・ヒノキなどの人工林においては、手入れの行き届かない森林がふえていることから、平成十二年度に緊急間伐五ケ年計画を策定し、市町村や関係団体と一体となり、間伐推進運動を重点的に展開し、二万四千ヘクタールの間伐を実施する予定であります。また、これらの間伐を低コストで早期に実施するため、林道等の整備や高性能林業機械の導入を積極的に進めていくこととしております。今後とも、市町村などと連携し森林の整備を進め、水源涵養や土砂流出防止などの機能の強化を図り、森林のいわゆる「緑のダム」としての機能を高め、安全で住みよい県土づくりに努めてまいります。
次に、県庁舎の建てかえの問題についてお答えいたします。私は昨年の知事選挙におきまして、税金をむだにしない行政の推進という観点から「県庁舎建てかえ計画を凍結し見直すこと」を公約の一つに掲げたところであります。見直しに当たりましては、県内の有識者や公募委員から成る県庁舎整備計画見直し検討会議を設置し、去る五月十日には、第一回目の会議を開催したところであります。この会議には私も出席をし、議員からご指摘がございました県庁舎の保存問題に関係する県庁舎の耐久度や文化財的価値、また、県庁舎の移転問題に関係する宇都宮市の中心市街地活性化への影響、県庁舎の建てかえに先行して整備、取得した建物・土地の取り扱いなど、特に九項目を中心に具体的な検討をお願いしたところであります。今後、この会議を三回ほど開催いたし、各委員の皆様に県庁舎整備について十分論議をいただき、その結果を踏まえ、九月中には、私自身の責任において一定の結論を出したいと考えております。
また、県庁舎の整備のような県民の関心が高い事業の実施に当たりましては、県民の皆様のご理解を得ながら進める必要があると考えており、この会議についてはすべて公開とするほか、検討内容についても県のホームページに掲載するなど、積極的な情報公開に努めているところであります。なお、県庁舎に対する率直な思いについてのお尋ねですが、ご案内のとおり、現在、検討会議において、県庁舎整備について種々論議がなされているところでありますので、この場において私の考えを述べることは、差し控えさせていただきたいと思います。
次に、女性副知事の選任の問題についてお答えいたします。二十一世紀を迎え、我が国が直面している少子高齢化や環境問題等社会情勢の急速な変化に的確に対応し、新たな社会システムを構築するためには、私は男女が喜びも責任も分かち合いつつ、社会のあらゆる分野にともに参画する、豊かで活力ある男女共同参画社会の実現が必要不可欠なものであると考えております。
県政経営に当たりましても、政策・方針決定過程への女性の登用は、県民の半分を占める女性の視点を県政経営に反映させる上で極めて大切なことと考えており、女性副知事の登用はそのシンボルともなるものと考えております。こうした観点から、私は副知事を二人制とするとともに、そのうちの一人に女性を登用し、これまで以上に県政に広がりと深みを持った経営を推進していきたいと考えております。なお、女性副知事の人選につきましては、副知事としてふさわしいすぐれた人材であることはもとより、本県における初めての女性副知事として、男女を問わず信頼をいただける人材を選任できますよう、鋭意選考を進めてまいりたいと考えております。
以上のほかの諸点につきましては、教育長並びに所管部長からお答えを申し上げます。
○石島保男議長 揚松龍治保健福祉部長。
(揚松龍治保健福祉部長登壇)
○揚松龍治保健福祉部長 難病対策についてのお尋ねのうち、小児慢性疾患・特定疾患医療費助成制度における診断書の問題についてお答え申し上げます。小児慢性疾患と特定疾患に係る医療費助成は、国の治療研究事業として実施しているものでありまして、該当疾患に関する医療の確立を目的の一つとしております。このため、患者から提出される診断書は、県において助成対象の認定に用いるだけでなく、その内容は本人の同意のもとに国の治療研究のデータとして活用されております。お尋ねの小児慢性疾患については子供の疾病であり、疾患の状態の変化が大きく、定期的に疾患の状態を把握することが重要でありますことから、毎年診断書を提出することが義務づけられているものであります。なお、県単事業として、ぜんそく等五疾患群の疾病について入院期間など用件を緩和して対象を広げておりますが、これについても国に準じた対応としております。
次に、肝炎患者・ウイルス感染者に対する差別・偏見の排除及び早期発見体制の確立についてでございますが、県内の各広域健康福祉センターにおきまして、今まで実施しておりましたB型肝炎ウイルス検査に加えまして、五月末からC型肝炎ウイルス検査を実施することとし、肝炎患者やウイルス感染者の早期発見のための体制を整えたところであります。肝炎患者やウイルス感染者に対する差別や偏見の解消につきましては、市町村や医療機関等関係機関との連携協力を図りながら、県のホームページなどの広報媒体やイベント等の機会を利用して、県民に対し、ウイルス性肝炎に対する正しい知識の普及啓発に努めてまいります。
次に、腎不全対策についてのお尋ねのうち、透析患者の通院支援についてでございますが、介護保険制度におきましては、要介護認定を受けた在宅の透析患者は、訪問介護として通院介助サービスを受けることができます。対象となりますのは、六十五歳以上の高齢者に加え、四十歳以上六十五歳未満でも糖尿病性腎症など、加齢に伴う一定の疾病によって要介護状態になった方も含まれます。また、介護保険が適用とならない方でも、一人暮らし高齢者等につきましては、市町村が地域の状況に応じて実施する介護予防・生活支援事業の外出支援サービス事業により、自宅と医療機関等との送迎サービスを受けることができます。今後とも、市町村と連携しながら、障害者に対する施策も含め、制度・事業の普及、定着を図ってまいります。
次に、ウイルス性肝炎院内感染とその事故防止対策についてでございますが、県内には六十八の透析医療機関があり、透析患者数は平成十二年末現在、三千七百四十六人となっております。県では病院等への立ち入り検査の際に、院内感染防止対策マニュアルの作成指導を行いますとともに、院内感染対策委員会の設置や研修会の実施状況を確認いたしますほか、透析室や器材の清掃滅菌状況等について調査指導をしております。また、財団法人栃木県臓器移植推進協会、昔の腎臓バンクでございますが、そこにおきまして、毎年、透析等を対象としました研修会を実施しておりますが、その中で、院内感染防止対策を研修項目の一つとしております。今後とも、県透析医会等関係機関と連携を図りながら、院内感染の防止に努めてまいります。
次に、小児を含む腎移植の普及についてでございますが、本県の腎臓移植希望登録者数は、五月一日現在、二百一名となっており、移植件数は、平成十一年八件、平成十二年四件で、昭和六十年から平成十二年の累計で百八十八件となっております。また、他の臓器の移植希望者は、全国で心臓、肝臓が各四十六人、移植件数は平成十二年度、心臓が三件、肝臓が六件となっております。次に、移植コーディネーターにつきましては、一名を専任で委嘱し、医療機関等からの情報収集を行いますとともに、講演会やイベント等で普及啓発を行うなど、積極的な活動を行っております。今後とも、移植コーディネーターや財団法人栃木県臓器移植推進協会、県医師会等関係団体との連携協力を図り、臓器移植希望者の意思を生かした移植医療を推進できるよう普及啓発に努めてまいります。
最後に、ハンセン病患者の「人間らしい生き方」の回復を目指す取り組みについてお答え申し上げます。ハンセン病に対する差別や偏見の解消に当たっては、ハンセン病が遺伝する病気ではないこと、伝染力が極めて弱いこと、治癒する病気であること等ハンセン病を正しく理解していただくことが重要と考えております。県におきましては、ハンセン病に関する啓発や療養者等への援助事業等を行う栃木県藤楓協会の運営を助成いたしますとともに、毎年六月のハンセン病を正しく理解する週間において、同協会の行う啓発事業や募金活動を支援するなどにより、普及啓発に努めております。さらに、療養所に入所している本県出身者に対する郷土訪問事業や療養所への慰問、地元紙の送付等きめ細かな事業を県藤楓協会、ボランティア等と協力して実施しております。今後とも、県藤楓協会等関係団体と緊密な連携協力を図りながら、本県出身者の支援を行ってまいりますとともに、差別や偏見の解消に取り組んでまいります。
○石島保男議長 岩崎修教育長。
(岩崎 修教育長登壇)
○岩崎 修教育長 難病対策についてのお尋ねのうち、心臓病や腎炎、ネフローゼの子供たちへの取り組みについてお答えいたします。現在、学校保健法に基づき、小・中・高校各第一学年において心臓検診を実施しております。検診結果が「要精検」の場合、医療機関で受診し、「所見あり」の場合は管理指導表が作成されます。学校では管理指導表をもとに、個々の児童生徒の状況に応じた運動量や学校行事への参加など、学校生活全般にわたって配慮しておりますほか、保健室では受診状況を記載した心臓病管理カードを作成し、小・中・高を通した継続的な健康管理ができるようにしております。また、腎炎、ネフローゼ等につきましては、各学校で健康記録表などを作成し保護者と相談しながら、その症状に応じて適切な配慮に努めております。施設面では市町村教育委員会に対し、さまざまな障害を持った児童生徒のため、バリアフリー化を基本に施設整備を図るよう指導助言をしております。今後とも、市町村主管課長会議や養護教諭などの研修を通しまして、市町村教育委員会と連携を図り、児童生徒の健康管理の充実に努めていく考えでございます。
次に、教育行政についてお答えをいたします。まず、本県の教育の現状認識についてでございますが、本県のほとんどの児童生徒は心身ともに健全であり、有意義な学校生活を過ごしていると認識しております。また、教職員は、教育の専門家として、自信と矜持とを持ち、一丸となって教育に当たっているものと考えております。しかし、一部の児童生徒において、不登校やいじめなどの問題が生じていることも事実でございます。その背景には、児童生徒が育つ環境、とりわけ少子化や核家族化、あるいは情報化の急速な進展などによる家庭や地域における人間関係の希薄化といったことが大きく影響しているのではないかと考えております。これらのことを踏まえまして、本県では、本年度からすべての教育事務所に「ふれあい学習課」を設置するとともに、二名のスクールサポーターを配置し、学校・家庭及び地域社会の連携強化を図ることといたしました。また、児童生徒をめぐる事件事故やいじめ対策につきましては、本庁に児童生徒指導推進室を設置するとともに、市町村と協力して個々の原因究明やいじめ防止対応研修会などを行っております。今後とも、市町村と協力し教育相談体制の強化や教員配置の充実を図り、一人ひとりの児童生徒を大切にしたきめ細かな指導に努めてまいりたいと考えております。教育という営みは、児童生徒及び保護者の教師に対する信頼があって初めて成り立つものであります。このことを基本に、教員がみずからの職責の重大さを自覚し、自己研鑽に努めるよう指導いたしますとともに、児童生徒の人権に配慮しながら、家庭や地域と連携協力して、本県教育の一層の振興に努めてまいる考えでございます。
次に、三十五人学級の推進についてお答えをいたします。本年四月に改正された、いわゆる義務標準法では、各都道府県が児童生徒の実態を考慮して、特に必要があると認めるときは、特例的に国の四十人の標準を下回る学級編制をすることができることとなりました。その場合、基準の引き下げにより、義務標準法による法定数を超えて新たに必要となる教員については、都道府県が独自に定数措置をすることとなります。これまで小・中学校における学級編制基準の引き下げにつきましては、さまざまなケースを想定し検討を続けてまいりました。しかし、低学年では非常勤講師の活用による複数担任制の方が効果が期待できるといったご意見もありますことから、本年度は、小学校第一学年の三十六人以上の全学級及び指導困難な状況の見られる中学校に非常勤講師を配置し、きめ細かな指導を推進しているところでございます。今後、本年度の非常勤講師配置事業の成果などを十分に見極めながら、教員配置のあり方を検討する中で、ご指摘の三十五人学級についても、引き続き研究してまいる考えでございます。
次に、教科書問題についてでございますが、公立の小・中学校で使用される教科書の採択は地方教育行政の組織及び運営に関する法律において教育委員会の権限の一つとされております。つまり、市町村教育委員会はみずから設置する地区採択協議会において、現職の教員によって組織された調査委員会からすべての選定対象教科書について調査結果の報告を受け、各学校からの採択希望調査の結果なども判断材料としながら、最終的には採択権者としての自覚と責任を持って、適正に教科書の採択を行わなければならないものであると考えます。また、教科書の採択に関する情報につきましては、行政の説明責任や採択過程の透明性を確保する観点から、原則として公開していくことが必要であると考えております。しかしながら、採択決定前に公開することにつきましては、公正・公平な教科書の採択に支障を及ぼさないよう十分配慮する必要があると考えます。このため県教育委員会におきましては、採択終了後、採択関係の文書を公開することとしております。さらに、市町村教育委員会に対しましても、採択結果や理由などの情報公開を推進するよう指導しているところでございます。
次に、不登校児への対応についてお答えいたします。不登校については、どの児童生徒にも起こり得るものであるという視点に立ち、不登校児童生徒のそれぞれの原因に応じたきめ細かな配慮や援助が必要であると考えております。そのため私どもでは、これまで適応指導教室への支援など、さまざまな対策を講じてまいりましたが、その一環として、児童生徒の心の問題などに関して高度の専門的知識・経験を有するスクールカウンセラーを順次配置し、学校におけるカウンセリング機能の充実を図ってきたところでございます。これまでの学校からの報告によりますと、教師の生徒理解及び相談技能の向上、児童生徒・保護者の心の安定、不登校の防止、解消などに効果があることなど、さまざまな成果が報告されております。今後の配置につきましては、すべての児童生徒がスクールカウンセラーに相談できるようにするため、その充実を図っていくという文部科学省の方針も示されておりますことから、本県でもこれまでの成果を踏まえ、その配置に努めていく考えでございます。
また、ソーシャルワーカーの活用についてでありますが、不登校の解消のためには、家庭環境の改善等が必要なケースもありますことから、各学校では、これまでも児童相談所や健康福祉センターなどの関係機関、民生委員、児童委員などと連携を図って対応してまいりましたが、今後とも、福祉分野との幅広い連携を一層図ってまいりたいと考えております。また、電話相談は、いつでもどこからでも相談できるという利点がありますことから、悩みを持つ子供にとって身近な相談窓口となっております。現在、「いじめ相談さわやかテレホン」などを二十四時間体制で実施しておりますが、六月一日からはさらに利用しやすいよう、小さな子どもでも覚えやすい電話番号、宇都宮六六五の九九九九に変更をしたところでございます。不登校などの悩みを抱えている子供にとって相談窓口が多様にありますことは、さまざまな角度からのアドバイスが受けられ、悩みの解決の糸口が広がることにもなりますので、それぞれの相談窓口がその特徴を生かしながら、子供を支援していくことが大切だと考えます。今後は子供たちがさらに利用しやすい電話相談となるよう、国、県、民間団体などで構成する栃木県青少年問題相談機関連絡会議などを通じ、各種相談機関との相互の連携を一層強化しながら、相談窓口の周知徹底や相談員の資質の向上のための研修の充実などを図ってまいる考えでございます。
最後に、富屋養護学校の校庭整備についてお答えいたします。近年、知的障害養護学校への入学者は増加の傾向にございまして、富屋養護学校につきましても、平成八年度前後に入学希望者が急増し深刻な教室不足の状況となっておりました。このため新校舎建設が緊急の課題となったことを受け、平成十年十月に建設に着手し、翌年十二月には完成し、これによって教室不足が解消され、学習環境が大幅に改善されたところでございます。この建設に当たりましては、従来の運動場以外に適切な建設場所がなかったため、新校舎の建設にあわせ運動場用地を確保することとし、その交渉を進めてまいったところであります。しかしながら、当該用地をめぐる民事上の問題等がございまして、残念ながら、今日まで合意を得るに至っておりません。当面、運動場がないことによる体育授業への影響を最小限に押さえるため、体育館の有効活用を図るほか、従来の駐車場の一部に仮説運動場の整備などをしたところでございます。私どもといたしましては、児童生徒の移動の安全面などから、南側隣接地がプールを含めた運動場用地として最適であると考えておりまして、関係者の合意が得られるよう、引き続き、粘り強く努力をしてまいる考えでございます。
○石島保男議長 谷博之議員。
○三十七番 谷 博之議員 知事以下ご答弁をいただきまして、ある意味ではすれ違いのご答弁もありましたし、また、要望してその実現を急いでいただく、そういう課題もございましたが、おおむね前向きのご答弁をいただきまして、心から感謝申し上げております。そんな中で、実はちょっと関連することも含めて、三点ほど再質問をさせていただきたいと思います。
まず一つは、南摩ダムの問題でありますけれども、これは知事も目を通したかもしれませんが、一昨日の、具体的には朝日新聞の県版で大きく報道されていた内容であります。思川開発事業への、十三の市町村が県に回答した水の要望量、これが特に鹿沼市が突出して多かったと。全体のトータルとして、この報道を見ておりますと〇・五三トン、こういうことでありますが、県のまとめた〇・六六トンとは〇・一五トンの差が出ているわけであります。その辺の内容について十分把握をしておられるようでしたらば、再度その内容についてご説明をいただきたい。そして、こういう数字を見ておりましても、まだまだダムの必要性について県と市町村、国と、いろいろなそういう関係セクションでぴたっと数字が合った状況の中でダムが具体的につくられようとしているところまでいっていないような気もいたしておりまして、ここら辺の状況についてどう考えているか。私は、先ほどちょっと結論を出すのは早過ぎたのではないかということを申し上げましたが、ここら辺についてもどのように考えているか、再度お聞きしたいと思っております。
二番目に県庁舎の建てかえの問題であります。先ほども私の方で触れましたけれども、平成八年に県がとちぎ総合研究機構に委託して実施した県庁舎の、いわゆる建築学的な価値についての調査報告書は非常に大きな意味を持っていたと思っております。そして、この報告書が最近になって明らかにされたわけでありますけれども、私自身もそういう内容の報告書を見ることによって、何でこの資料がその時点で公開されなかったか、非常に残念に思いますし、そのことによって、この前の二月定例県議会でも特別決議をいたしましたが、その決議の内容も若干変わってきたのではないかというふうな気持ちすらいたしているわけであります。そんな中で、聞くところによりますと、次回の検討会議の中にこの報告書を提出するということでございますけれども、この提出ということについて、いわゆる過去のこの調査報告書をそれだけ報告するというふうにするのか、あるいはこうしたことに至った経過とか、あるいは取り扱いの問題、さらには、内容が非常に重要であるということも含めて、何らかの形を加えて報告をしていくのか、そこら辺の検討会議に向けての対応をお伺いしたいと思っております。
第三点は、教育長に教科書問題についてお伺いいたします。教科書採択をめぐって、これは私の認識が違えば、そのようにはっきり言ってほしいのですが、小学校、中学校と高校の取り扱いが違うというふうに言われております。特に高校の場合は自校採択方式をとっておりまして、それに比べて小・中学校は、先ほど私が申し上げたような形をとっていると。特に両者の違いを見て感じますことは、高校の場合、教科書採択から教師が意欲的に関心を持ってより積極的に教育に当たる、そういうふうなことができる。一方、小・中学校の場合は、ちょっと離れたところで今回のように教科書が選定されてくるということになりますと、教育の基本である児童生徒への意気込み、やる気というものが若干違ってくるのではないかというふうな懸念が心配されております。そこで、こうした点について、現状はどうなっているのか。そしてまた、こういうことが事実だとすれば、なぜそういうふうなことになっているのか、そしてまた、これを高校方式のような形にとっていくことができないのかどうか、率直なそういう気持ちを持っているわけでありますが、ここらについても、その内容をもう少し聞かせていただきたいと思います。
以上で再質問を終わります。
○石島保男議長 福田昭夫知事。
○福田昭夫知事 谷議員の再質問にお答え申し上げます。大きくは二点だったかと思います。一つは、南摩ダムの問題でありますが、そのうちの一点目が、新聞報道と県の発表との違いがどこにあるのかという話であります。このことにつきましては、現在、各市町と再調整をしているところでございまして、それらのこともございまして、現在、発表がおくれている状況がございます。いずれ発表できるものというふうに思っております。二点目が、結論を出すのが早過ぎたのではないかという話でございますけれども、ご案内のとおり、南摩ダムの水没者の方々が、三十七年の長きにわたって大変な苦労をされて、苦渋の決断をされたということを考えれば、あと二年待てというのは酷な話ではないか、私は政治家というよりも人間として、早目に出すのが人間の道ではないかということで、早目に出させていただきました。
二つ目の県庁舎の報告書を、検討会にどう提出するのかという話でございますけれども、このことにつきましては、報告書をそのまま提出をさせていただきます。
○石島保男議長 岩崎修教育長。
○岩崎 修教育長 教科書採択についてお尋ねがございました。基本的には、高校にしろ、義務教育諸学校にしろ、教育委員会が採択をするということには変わりはございません。ただ、義務教育諸学校の場合には、法律に基づきまして、いわゆる市もしくは郡の区域またはこれらの区域を合わせた地域を採択地区とすると、これは義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律、いわゆる無償措置法でございます。その中でそのような形で規定がされているということで、現在では、地区採択協議会というところにおいて選定がされているのが実態でございます。また、教員の意向が反映されないということにつきましては、この地区採択協議会、いろいろ言われておりますが、この地区採択協議会に対しましては、各地区内の学校が、学校においてそれぞれの教師が教科書を研究していただきまして、それで、私どもとしてはこのような教科書がいいということを提出することになっておりまして、先ほどご答弁申し上げましたように、採択協議会はそのようなことも参考にしながら選定を行うということになっております。教員の意見も採択に反映されるものと考えております。なお、ただいまの地区採択協議会ということに関しましては、国レベルにおきましてもさまざまな議論がされておりまして、将来的には、学校単位の採択の実現に向けても検討する必要があるだろうというようなことが、今、議論がされているというのが実態でございます。
○石島保男議長 谷博之議員。
○三十七番 谷 博之議員 時間がありませんから、要望を二点させていただきます。
一つは、女性副知事の選任の問題についてでございます。先ほど知事の答弁にございましたように、その具体的な人選についてはこれから検討していくということでありますけれども、その際ぜひ要望しておきたいのは、例えば、安易に国からの人事を受け入れたり、関係者との十分な協議もしないで選任するとかということのないように、関係者との十分な協議をしてご決定をしていただくように要望したいと思うのです。各種審議会への女性の積極的な登用や女性の社会的な進出と活躍が今、一段と大きくなってきている中で、県におけるその立場を、ある意味では代表するのがこの女性副知事であるというふうに思っております。つまり、それだけの大きな存在と役割を担ったこの副知事の人選を、できるだけ慎重かつ大胆に、そして、一日も早く決定されますよう心から希望いたします。
最後に、知事に一言要望をさせていただきたいと思います。実は私の愛読書の中に、司馬遼太郎の「街道をゆく」というシリーズがあります。そして、その第四十一刊「北のまほろば」の中に、吉田松陰の記述が出てまいります。吉田松陰は長州萩の生まれで、修学のみで二十九歳の人生を終えたのでありますが、彼は全身に倫理感情をたたえ、一挙手一投足にも論理があり、その思想は明晰で一点の暗さもない、まさに澄明な気分でこの世を去っていったと、こういうように書いてあります。実は吉田松陰が、いわゆる謹慎の暮らしをしていたときに開いたのが、かの有名な松下村塾ということでありますが、しかし、松陰が亡くなった後、明治になって、実はこの松下村塾から巣立っていった若者たちが明治維新を起こし、明治の夜明けをつくっていったわけでありまして、私は福田村塾をこれからつくれということを言うわけではありませんが、少なくとも二十一世紀の栃木の夜明け、栃木の改革ということを考えたときに、それはすべては人だというふうに思っております。吉田松陰ではありませんけれども、福田知事もそういう意味でまず人を育てる、そして、その育てた人たちが後になってしっかりとこの栃木の県政の場で活躍できるような有能な職員の人たちをぜひ知事の手で発掘をしていただき、そして、その可能性をさらに伸ばしていただけますように、県のトップに立つ立場として、そういう意識的な取り組みをこれからぜひ期待をいたしております。
以上申し上げまして、私のすべての質問を終わりといたします。大変ありがとうございました。(拍手)
○石島保男議長 この際十分間休憩いたします。
午前十一時十六分 休憩
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