2004年4月13日 放射線被害防止法案について
159-参-文教科学委員会-10号 2004年04月13日(未定稿)
○谷博之君 おはようございます。私は、民主党・新緑風会の谷博之でございます。 先ほど有馬委員から専門的ないろんな質問がございまして、その質問とも若干重複する部分もありますけれども、この法案の改正内容の問題点について順次質問をさせていただきたいと思っております。 まず、質問に入る前に、私の基本的な考え方を冒頭申し上げさせていただきたいと思いますが、我が国の原子力安全の規制をする法体系というのは原子力基本法というものが根幹にあって、そして原子炉等規制法、いわゆる略称の原子炉等規制法、更にまた本法の放射能被害防止法、これは昭和三十二年に制定されておりますけれども、こういう法律が一つの柱になって現在の原子力の安全性といいますか、対応というものが制度化されているというふうに思っております。そして、今回はそのうちの放射能被害防止法に関する法改正ということであります。 文部科学省の原子力安全課の説明資料を見ておりますと、今回のこの法改正の趣旨、目的についてはこのように書いてあります。 国際原子力機関、IAEA、世界保健機関、WHO等の定めた国際標準値、これは括弧して規制対象下限値というふうに言っておりますが、この導入に伴って数量及び濃度の小さい放射性同位元素RI、ラジオアイソトープの規制を合理化する等所要の改正を行うことを目的としていると、こういうふうに指摘しております。 この目的、趣旨というものを見ておりますと、これまで日本は日本独自の基準で行ってきた放射性物質のこうした規制というものを国際基準に合わせるということですから、これは極めて当たり前のもっともな改正だというふうに普通は思われます。ただしかし、もう少し考えてみますと、今回の法改正はいわゆる次のステップとして放射性物質の廃棄基準であるクリアランスレベルの導入あるいはまた原子炉等規制法の改正に向けて、どうもそこにリンクしたそういうふうな露払い的な法改正ではないかというふうに我々は見ざるを得ない。そういう意味で、今日は文部科学大臣並びに関係各省庁の皆さんに質問をさせていただく機会が与えられましたので、私は次の二つの視点を前提にしてお伺いをしてまいりたいというふうに思っております。 そのまず第一点は、世界唯一の我が国は被爆国でありまして、そして半世紀以上の独自のいろんな取組をしてきた、そういうふうな思いがあるわけでありますから、これらを踏まえた慎重な議論、検討というものがなされるべきであるということが一つ。 それからもう一つは、いかなる法制度も、少なくともその法律を広く国民が理解をしないとその法律はいわゆるざる法になってしまいます。ましてや、とりわけ高度な科学技術を求められるようなこのRI法の改正、こういうふうな問題については、特に具体的な平易な分かりやすい説明、広報というものが必要であるということを考えておりまして、これらの前提を是非踏まえながらいろいろ質問をしてまいりたいと思いますので、お答えをいただきたいというふうに思っているところでございます。 そのまず第一点は、先ほど有馬委員からも御指摘がございましたけれども、規制免除レベルの国際標準値の問題であります。 これは、国際原子力機関、IAEA並びに世界保健機構、WHO等が定めているこの国際標準値というこの言葉なんですけれども、この言葉については国際免除レベルとかあるいは規制免除レベルという、こういうふうな言葉も使われているわけでありますけれども、今回、文部科学省はこの法改正に当たってこの言葉を国際標準値ということで統一をされました。この問題についての矛盾は若干後で私は指摘をしたいと思いますけれども、そういうふうなことの中で、一方、これとは別に、先ほど申し上げましたクリアランス、このクリアランスレベルというものがあって、当然、規制の範囲内にある放射性物質やあるいはその放射性物質を装備した機器などの本格的な導入に対しても、現在、原子力安全委員会で導入が検討されていると、こういうふうなことがあるようであります。 そういうふうな中で、現在、このクリアランスレベルと規制免除レベルのこの整合性について検討がされていると、随分いろんなところで議論がされているというふうに言われておりますけれども、特にそのIAEAではクリアランスの対象物質の種類や大きさによってそのクリアランスレベルが規制免除レベルより高くならないように規定をしているというふうに聞いておりますが、もしそうだとすれば、例えば医療や産業研究の現場から生じてくる廃棄物、あるいは原子炉のいわゆる施設の解体廃棄物、こういったつまり規制や物量の異なるクリアランスについてもIAEAの定める規制免除レベルよりも高くならない値に設定されているんでしょうか。まず、お答えいただきたいと思います。
○政府参考人(広瀬研吉君) 今先生、免除レベルとクリアランスレベルの整合性について御指摘がございました。 免除レベルは、人の健康への影響のリスクが無視できるほど小さいので放射線防護の規制の対象に入れないものを言います。一方、クリアランスレベルでございますが、いったん放射線防護の規制の体系に入っておりましたものを、人の健康への影響のリスクが無視できるほど低いので放射線防護の規制の体系から外していいというものをクリアランスレベルと言っております。 先生御指摘のように、国際的な安全規制の考え方によれば、クリアランスレベルは免除レベルと同等又は下回るものというふうにされております。
○谷博之君 そうしますと、この規制免除レベルを単に国際標準値と呼んでしまうといわゆるクリアランスレベルの国際標準値と区別が付かなくなってしまうというふうに思うんですが、その点はどうでしょうか。
○政府参考人(有本建男君) 私どもの今御提案を申し上げております法律、法案の提案理由説明の中で書き込んでおりますように、放射性同位元素の核種ごとの規制下限値の国際標準というものを、どういうんでしょうか、全体として書き込んでございまして、国際標準値という言葉を説明では時々使っておりますけれども、詳細に申し上げますと今申し上げたような言葉を使っておるわけでございます。 いずれにしましても、クリアランスレベルというものにつきましては、現在、IAEAあるいは原子力安全委員会におきまして、この国際標準どうあるべきかということが検討されておるわけでございまして、今回の法律改正とは直接的な関係はないわけでございます。
○谷博之君 それはおっしゃるとおりだと思いますけれども、そういう中で、今回のこの法案の中身を見ておりますと、この法案の中にどこにも規制免除レベルの国際標準化という言葉が書かれておりません。規制内容だけを改正することになっているわけでありますけれども、私たちは、この内容を見ておりまして、この施行時に大臣告示の数値表を単に差し替えると、こういうことになっているように考えているわけですけれども、それではこうしたいわゆる将来の規制免除レベルが国会でこういう議論をしなくても更にこの数値が変えられていくという、いわゆる数値を緩和されてしまう、そういうふうな懸念が非常に起きるわけでありますけれども、そこで、こういう国際標準化すること自体を法案に明記すべきではないかというふうに思うんですが、その点はどうでしょうか。
○政府参考人(有本建男君) 今回導入いたしますいわゆる国際標準値でございますけれども、これは七百六十五種類の放射性同位元素の核種につきまして、その規制が必要となります放射能の濃度あるいは数量と、こういったものを取りまとめたものでございます。これは非常に莫大で技術的な内容になっておりますので、従来からこういったその規制の数値というものは文部科学省の告示という形で定めてございます。 このため、今回の法律改正におきましても、具体的な数値自体は文部科学省告示ということで定めることといたしてございます。が、専門家の委員等では国際標準値等を導入することを前提に検討を行っておりまして、導入に伴う規制の合理化等の法律として規定すべき点について法律の改正を行ったものでございます。 なお、こういったその七百数十種類の核種につきまして、今後この法律を御了解いただきますと、放射線審議会で公開の場でこの核種はこういう濃度上限値を取ろうということを御議論をいただきまして、告示として最終的に決定、公表するということになってございます。
○谷博之君 ここでちょっと原点に返ってお聞きしたいんですけれども、いわゆるこの国際標準値という、このいわゆる基準値ですけれども、これは、IAEAで設定しているこの基準値というのは、英国の、イギリスのいわゆる数値を基に定められて、欧州を中心に普及しつつあるというふうに聞いておりますけれども、一方では米国の、経済的な力のある貿易大国の独自の基準というものもあるわけでありまして、こういうふうなこの基準値の取り入れに当たっては、どこの国もそれぞれ自分たちの特有の事情や体質というものを持って検討され、決めてきているというふうに考えられます。 そこで、先ほども何回も申し上げましたけれども、世界で唯一の被爆国としての日本が、今急いでこのいわゆるIAEAの国際標準値というものを取り入れる、そして、しかも濃度で百六十五核種、放射能で二百八十二核種もの規制緩和をするという、こういうところの理由は一体どこにあるんだろうかということを私たちは若干疑問に思うわけでありますが、これは大臣、どういうようにお考えですか。
○国務大臣(河村建夫君) 谷委員も御指摘のように、今回の法律改正がIAEAあるいはWHOやILO、国際機関が科学的な見地から提唱をしております放射性同位元素の規制下限値、これの国際基準、国際標準、これを我が国に導入するために今回の放射性同位元素の規制を見直すと、こういうことにしておるわけでございます。 これを導入する、国際標準値を取り入れる、これについては、原子力安全委員会あるいは放射線審議会等の専門委員会、これは幅広く協議を、御議論をいただいて検討をいただいたわけですね。それの報告書によりましても、原子力安全委員会あるいは放射線審議会においても、これを安全基準免除レベル、国際標準を国内法令に取り入れることは適切であると、適切な措置であると、こういう報告をいただいて、その妥当性が示されておるところでありまして、その点を踏まえて、アメリカではまだ取り入れていないんでありますが、欧州、それからイギリスやドイツ、フランス等の主要国、アジアの中国、韓国、既に取り入れておりまして、国際貿易における整合性あるいは科学的な、合理的な規制を構築する観点、こういう点から考えますと、今回の国際標準値の導入は妥当なものであると、このように考えて、この法案に、提出させていただいておるわけであります。
○谷博之君 ちょっと質問通告には若干出していないんですけれども、大臣にちょっと重ねてお考えあれば聞かせていただきたいわけでありますけれども、こういうふうに国際標準化がされることについては非常に広範なものが対象となるということで、これ、いいことだというふうに基本的には思うわけですけれども、ただ、国際免除レベルの導入によって規制が緩和される核種、こういうものについては、当面、現行の基準を維持していってほしいという声があるわけでありますが、この点について、どのように考えておられますか。
○国務大臣(河村建夫君) 国民の皆さんにとってはこれが健康上どういう影響があるかということについては非常にセンシティブになっておられるわけでありますから、この点についてはどういう観点からこれが免除されたのか、その安全基準がどうであるかということをやっぱり国民の間に徹底をする必要があると思いますね。その上に立って、こういう形で免除していくんだということを周知徹底した上で導入する、法律通りましたらそのことをやっぱりしっかり徹底しなきゃいかぬだろうと、こういうことで国民の皆さんの安心感といいますか、そういうものをきちっと醸成していく、これはやっぱり我々の責任の観点からも必要であろうと、こうも思っておりますし、特に国際標準値の導入については、我が国の放射線審議会においても地下水の飲用とか、小児、子供たちの評価、こういうことも独自のやっぱり調査、審議をやるべきだと、こういう指摘もありまして、この結論も得てこの免除規定を導入していくと、こういう考え方に立って進めてまいりたいと、このように思っております。
○谷博之君 最後の点については私の方からも強く要望という形で意見を申し上げておきたいと思います。 それから、続きまして、いわゆるRI、ラジオアイソトープを利用した様々な機器の問題について幾つか具体的にお伺いをいたしたいと思いますが、そのうちの一つは、いわゆるオフィスの天井などに使われている煙感知器の問題をまず一つ取り上げてみたいと思います。 これは、この煙感知器の今実態がどのようになっているか、つまり国内でいつごろからこれが販売をされ、現在何台ぐらい利用され、そしてその廃棄はどのようになっているか、お答えいただきたいと思います。
○政府参考人(有本建男君) 先生御指摘の放射性同位元素を使用いたしました煙感知器でございます。これは現在は規制対象外の機器でございます。そういった意味で正確な数字は把握はいたしてございませんけれども、関係の企業等のいろんな情報というものを合わせますと、昭和四十年に日本で最初に開発をされまして、消防法、火災を消すという消防法の認定を受けまして、国産品としてこのころから販売が始まったものというふうに承知をいたしてございます。 この業界につきましては社団法人の日本火災報知機工業会という工業会がございまして、そこの調べによりますと、昭和四十四年から平成十年までに九百五十万台程度が生産をされまして、三百二十万台が回収をされており、およそ現在六百万台程度が使用されているのではないかというふうに理解をいたしてございます。 最近では、放射性同位元素を使用しない、光電式と言っております、光の電気と言っておりますけれども、光電式の煙感知器というものが日本国内では主流になっておりまして、昭和五十九年度以降はこの放射性同位元素を使いました煙感知器というものは減少傾向を示してございます。 それから、先生御質問のこの煙感知器の廃棄でございますけれども、先ほど申しました工業会、ここが自主規制の形で、建物等が解体される場合には不要な機器の回収あるいは放射性物質の標識の表示、返却方法の周知、こういったものを行いまして、一般ごみの廃棄の防止ということに努めてございます。そういった意味で、ほとんどの使用済みの煙感知器が適切に回収処理されているというふうに理解をいたしてございます。
○谷博之君 いろんな細かい点で重ねて質問もしたいわけでありますが、そういう実態の中で、相当数このRI利用の煙感知器から光電式の煙感知器の方に移ってきていると、こういうことであります。そういう中で、放射能の程度は小さいけれども、そういう機器についても新たに規制対象とするということでありますよね。 そういうことになってきますと、これは一つの技術の進歩の問題だと思うんですけれども、そういう意味では、RI使用の、あるいは使われていないそういうふうな煙感知器にどんどん生産が増えている。しかし、そういう中で、こちらの基準が、規制があるにしても、非常に低レベルでの規制ということで対象となってくるということになってくると、むしろそれは流れが進んでいったものが逆に行く可能性はないのかということを我々は心配をいたしておりまして、つまり、少なくとも、国民からすると、微弱でも放射能を浴びないいわゆるそういうふうな機種の方が安心して使えるという、一般的なそういう潜在的な意識があります。それに対して、いや、しかし、これぐらいの基準だったら大丈夫なんですよということで安全が確保され、保証されますと、もう一回そういうもののところにそういう機種を作り替えていこうというふうな逆の作用が起きてくるような気もしないでもないわけでありますけれども、これらについては大臣はどのように考えておられますか。
○国務大臣(河村建夫君) 今回の法律改正でこれは国際標準値を導入いたします。そうすると、従来規制対象外だった放射性同位元素の数量あるいは濃度の小さい機器、こういうものも新たに規制対象となっていくわけで、このため煙感知器についても新たに規制対象になってくるものがございます。そうすると、この規制に基づいて業界はきちっと、廃棄についてこの規制に応じて対応をやると、こういうことになっていくわけでございます。 現在、先ほど説明ありましたように、煙感知器についてはどのような方式をやるか、いわゆる光電式のやつ、これがあるわけでございますが、これは業界側がやっぱり経済的な利点というものを考えて、様々な条件がありますから、これにのっとって作っていくわけでございまして、この法律改正によって、この点、これまでの、光電式、そしてRIを使ったもの、この普及の問題について特に大きなこれによって影響が出るとは私は考えにくいと思うわけでございます。これはあとは、業界側とそれから国民側の利用の利点、こういうものから今回の規制がどういうふうに影響していくかということ、これ、もう消費者側とそれから業界といいますか、そういうものの判断、これにのっとってやっていただければいいと思っております。 ただ、規制は規制としてきちっと、今回法律によって廃棄等々についてもそれにのっとってちゃんとやっていただくことが国民から見ても安心であろうと、このように考えておるわけであります。
○谷博之君 私がちょっとくどく申し上げましたのは、時計の振り子ではないんですけれども、要するに全体として業界が光電式のそういういわゆる煙感知器の方に生産が移っていたと。しかし、それが緩やかな規制でいいよということになると、その振り子がまた戻ってくる可能性があるわけでありまして、ここら辺の問題を実は指摘をしたかったわけでありますが、今後のそういうふうな推移については、大臣の答弁を受けながら注意深く見ていきたいというふうに思っております。 次に、ガスクロマトグラフ用のECDの問題、これは大気や水中の中に微量にある有害物質を検出するための機器でありますけれども、これは研究現場やあるいは行政の現場で随分この機器は使われております。この機器の中には、ニッケル63というRIの一つがこれに使用されております。 具体的に質問を申し上げたいわけでありますけれども、このECDの製造業者は、これまで一つ一つ生産した製品については、全量設計図どおりその製品ができているかどうかということを指定機関に全部確認をしてもらう必要があったわけなんですね。この具体的な指定機関というのは一体どこで、この指定機関、この法人は理事長以下文部科学省から何人の天下り職員が派遣をされているか、そして一回の手数料は幾ら取られているか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(有本建男君) 先生御指摘の機構確認業務でございます。 これは現在、財団法人の原子力安全技術センターが指定機関ということで業務を行ってございます。この財団法人は、この機構確認業務のほかに試験、講習、検査業務等の放射線障害防止法に基づく指定業務、あるいは原子力の防災、あるいは原子力安全の確保に関しますいろんな試験研究、講習等を行っている団体でございます。 同センターの文部科学省OBの人数は、現在、平成十六年の四月現在で七名でございます。全体の職員数が百二十一名というふうに理解をいたしてございます。 それから、先生御質問の機構確認の手数料でございますけれども、これは現在、一台につきまして四万一千円を原則としております。 以上でございます。
○谷博之君 この部分が実は今回の法改正で、これがいわゆる設計認証に変わってまいります。 これは具体的にだから全量確認というこのシステムを取らなくなってきているわけですね。製造業者にとっては当然コストが掛からなくなる、安くなるというか費用がそれだけ掛からなくなるわけですから、そういうことになってくるわけですが、どの程度のコスト負担が楽になるというふうに考えておりますか。
○政府参考人(有本建男君) 現在の先生御指摘の機構確認の制度を廃止いたしますと、先ほど申しましたように、一台当たり四万一千円の手数料が、負担軽減がなされるわけでございまして、平成十四年度の機構確認の台数の実績が六百六十四台でございますので、総額では約二千二百万程度になろうかと推定いたしてございます。
○谷博之君 そうしますと、この財団法人の原子力安全技術センターというこのセンターで、いわゆる全量を確認する、昨年でいえば六百六十四台のこの業務が実はなくなってくるわけですね。そうすると、今後のそういうふうなこのセクションといいますか、その部分の人員の配置の問題とか、あるいはこれが廃止されることによってそういう人たちが今後どういうふうな形になるのか、そして新たな業務をどこかで担うという形ができてくるのか、この点についてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(有本建男君) 現実に、先生御指摘のとおり、この業務が減るわけでございます。今回の法改正では、指定機関の制度というものから登録機関制度というものに改めまして、一を指定する、あるいは法人を指定するというところから、学会、あるいは場合によりましては民間の一定基準での参入ということができるような制度になるわけでございまして、そういう意味で、この登録機関制度というものは、行政の裁量の余地のない形で、国により登録された機関が検査等の業務を行うという制度になるわけでございます。 今後のこの原子力安全技術センターの経営でございますけれども、この法改正によりまして、定められております登録機関の要件を踏まえて、登録機関として申請を行っていただくかどうかということは、当然ながらこの法人の御判断ということになろうかと思いますけれども、もう一つは、この法人として経営がどうなるのかということにつきましては、それぞれの法人の御判断、それからこの法人が先ほど申しましたように非常に広く原子力防災等の業務もやっておりますので、そういった総合的な観点からお考えになるものというふうに理解してございます。
○谷博之君 大臣にちょっと一つ要望しておきたいんですけれども、こういう一つの法改正によって、そしていわゆる業務が縮小なり廃止をされてくるということになりますと、当然そこに携わっていた人たちというのは他の業務にその機構の中で移っていくということになるわけですけれども、端的な形でいえば、この業務が縮小、廃止されたからといって、別の業務を新たに作って、いわゆる言葉悪く言えば火事場の焼け太りのような形になっちゃいけないと思うんですよね。これも是非、今後の推移は私、見ていきたいと思いますが、こういった業務が今後どういう形で移行していくのかについては是非、いろんなそういう視点があるということを踏まえて対応をしてもらうような指導をしていただきたいというふうに思っております。 それから、同じくRIを利用した医療機器の問題について、これは先ほど有馬委員からもいろんなお話がございました。最近の具体的な事例というものもあったわけでありますが、いずれにしましても、このRIが医療の分野で今後とも大きな需要が見込まれるということは、もうこれは火を見るより明らかなことでありますけれども、具体的には、エックス線のものだけではなくて、がんの治療なんかにも使われておりますし、医療現場ではその利用と、あるいは廃棄における規制についてのいろんな不満もあるということも聞いております。その不満のうちの一つということで、いわゆる規制免除レベルが厳し過ぎるんではないかということが言われておりまして、その結果、今年の三月末に発したがんの診断用装置に関する政省令というものは一体どのようになってきているのか、お答えいただきたいと思います。
○政府参考人(有本建男君) 先生御指摘のがんの診断等に用いられます陽電子断層撮影、いわゆる最近はPETと、PETでございます。こういう言葉がよく使われますけれども、PETで発生いたします廃棄物の取扱いにつきましては、御指摘のとおり、本年三月に放射線障害防止法の省令及び告示の改正を行いまして合理化を図ったところでございます。 具体的に申し上げますと、このPETの診断に伴いまして発生いたします放射性廃棄物、これは具体的には注射針でありますとか、それから手袋、ろ紙等でございますけれども、こういった廃棄物は含まれております放射性同位元素、これは弗素とか窒素、炭素、こういったものでございますけれども、こういったものの放射性同位元素の半減期が極めて短いということがございます。最長でも四・三日という半減期でございますけれども、こういった形で急速に放射能がなくなるわけでございまして、従来ですとこういったものをこういう前提を経ずに放射性廃棄物ということで保管をするということを求められていたわけでございます。 これにつきましては、こういった科学的、現実的なところを踏まえまして、告示で指定をいたします種類、量を指定をいたしまして、これを限定した上で、放射能が余裕を持ってゼロになる一週間の保管をしたものにつきまして、放射性廃棄物としては取り扱わないという措置をいたしたところでございます。 ちょっと補足をいたします。先ほど、最長は四・三日と申し上げましたけれども、ほとんどのものは半減期が十分から二時間程度というふうに理解をいたしてございます。 以上でございます。
○谷博之君 現場でいろんな不満があるということで申し上げましたけれども、もう一つの実は不満は、いわゆる現場の中で、医療法や薬事法上の規制と、それとこの本法が二重に規制がかぶっているという、そういうことを指摘をしております。当然、今回のこの法改正をするということになれば、医療法や薬事法上のその部分についても改正をする必要があるんじゃないかというような声が上がっているわけでありますが、しかし、医療法や薬事法上の対応は、法改正は不要で政省令マターで行うことができる、こういうふうに言われております。 しかし、このままでは規制免除レベルが二重規制のまま更にちぐはぐになってしまうこともあり得るというふうに思われるわけでありますけれども、なぜ医療法や薬事法上の政省令の改正をこのRI法改正と同時に行わないのか、この点についてもお伺いしたいと思います。
○政府参考人(岩尾總一郎君) 公共の安全の確保を目的とした放射線障害防止法と、医療の現場の特殊性を踏まえて、施設の構造、管理者の責務に関する医療法の規制というものが二重にあることは事実でございます。しかし、従来より、両者の規制を調整する仕組みが設けられております。 放射線障害防止法施行令第一条三号の規定によりまして、厚生労働大臣と協議して文部科学大臣が指定するものについては、同法の適用が除外され、医療法により必要な規制がなされております。最近の例では、平成十五年七月、前立腺がんの治療のため体に永久的に挿入された線源を文部科学大臣が指定し、その結果、放射線障害防止法の適用が除外されて、放射線区域外に退出、つまり病院からの退出が可能となり、その一方で医療法に基づく基準を定めております。 先生御指摘のように、医療法では規制対象の具体的な範囲を省令で規定しております。今回の放射線障害防止法の改正による規制対象となる放射性物質の範囲が変動することに伴っては、私どもの医療法施行規則など厚生労働省所管の省令についても、今後、改正法の施行に向けて整合的に改正を行うことにしております。
○谷博之君 今後改正するということでありますので、本来であればこれは同時に整合性を図るということが必要かというふうに思いますが、そのような現場の声をしっかり受け止めていただきたいというふうに思っております。 それから、先ほど有馬委員からも御指摘ございましたモナザイトの話でございます。これは最近、四月の六日の新聞にも報道されておりましたけれども、いわゆる自然放射性物質のモナザイトを使用した自動車の排ガス低減装置、これが現在全国でバスやいわゆる乗用車など約五千台ほどこの装置を付けた車が使用されているということでありまして、そのうちの特に熊本県の熊本市営バスは、この装置を使っている十八台のバスを、この装置を取り外した、そしてこれを廃棄処分にする、こういうふうな報道がされております。それ以外にも、全国の公営バスにも、このいわゆる装置が付けられたバスも走っている。 専門家の話を聞いておりますと、具体的には京都大学の丹羽太貫教授などの話もそうでありますが、いわゆる走行中にこの装置が摩耗したり破損すれば粉塵となって人体に被曝するおそれがある。あるいはまた、今回の放射能レベルならばこうした装置に近づかなければ心配はないだろうが、しかし、粉塵を大量に吸い込んだり、至近距離に長時間いた場合、発がんのリスクはゼロとは言い切れない、適切な措置がなされるべきだ、こういうふうなことも指摘しています。 つまり、一番この装置に近いところにいる運転手や助手席に座っている人たちというのは、かなりこの装置による排ガスの影響を受けるということも考えられます。また、もう一方、モナザイトというのは、振り返っていただけばお分かりかと思いますが、平成十二年の五月にこのモナザイトの粉末が首相官邸に送り届けられまして騒ぎになったことがあります。このいわゆるモナザイトの大量放置が千葉県や埼玉県や長野県で見付かったというふうなことがあって大変これは問題になりました。 当時の新聞記事、私もたくさん持っておりますが、こういうふうな自然放射性物質、これについて幾つかの御質問をさせていただきたいと思いますが、今回のこの排ガス低減装置から検出された放射能の程度はどのくらいで、そして国内における現在の規制免除レベル、そして国際基準値はそれぞれ幾らになっておりましょうか。
○政府参考人(小田公彦君) お答え申し上げます。 今回の排ガス低減装置のモナザイトに含まれるトリウムの放射能濃度は、専門機関の分析によりますと、当方で確認したものによりますと一グラム当たり約三十ベクレルであると承知しております。また一方、このモナザイトなどにつきましては、ウラン、トリウム鉱石につきましては核原料物質ということで規制されておりますが、核原料物質につきましては、固体の放射能濃度が一グラム当たり三百七十ベクレルを超えて、かつその中に含まれるトリウム量が九百ベクレルを超えた核原料物質を使用する者は、原子炉等規制法に基づきましてその使用の届出が義務付けられ、更に放射線の安全についての技術上の基準が課せられているところでございます。 今回の天然のトリウムにつきましては……、以上でございます。失礼しました。
○谷博之君 今数値を挙げていただきましたが、結局、現行法上、規制対象外の微弱なものであるということを言いたいのだろうと思いますけれども、熊本市は、先ほど申し上げましたように、バスからこの装置を取り外して、そしてそれをいわゆる普通の廃棄物として処理をしようとしております。しかし、もしもそういうことで取り外した装置が廃棄物の現場に行って鉄材となってリサイクルされる可能性があると仮定しますと、そういうものが将来我々の台所のフライパンや、あるいはこういう缶ジュースの缶になったり、化けていくというふうなことも考えられるわけですね。 ですから、こういうふうなことからすると、これは単に熊本市営バスだけの問題じゃなくて、全国のいろんなそういうところでこういうふうな疑問や、あるいは心配が多分寄せられることもあるんだろうと、新聞に堂々と出ていますから。そういう場合に、文科省としては、全国の自治体から現行規制上野放し状態にあるこうした装置の利用と廃棄についての助言を求められれば、どのような対応をいたしますか。
○副大臣(稲葉大和君) 確かに今、谷先生御指摘になられたような心配、不安というものはなかなか払拭しづらいものがあるかとは存じます。しかし、我々としましては、その基準値については、十分数値としてこれを下回っているものと、そう承知しておりますし、届出を必要とする限度以下のものである、こう申し上げて差し支えないかと思っております。したがって、今までの適正な管理下の下においてであれば、通常の廃棄物の場合と同じような処理、処分が可能、こう考えております。 なお、自治体からの問い合わせ、あるいはこれからの更なる住民の皆さんに対しましての意識の確認あるいは知識の向上、こういうことについても、適正な方法で各方面と検討をしながら更なる理解を深めてまいりたい、このように考えております。
○谷博之君 答弁はそういうふうな形の答弁になるかと思いますが、しかし、ちょっと振り返っていただきたいんですが、先ほど私申し上げましたけれども、平成十二年の先ほど申し上げたモナザイトの事件に関して、当時の新聞記事などを拝見しておりますと、どうもその時点から、文部科学省はこのモナザイトを利用した排ガス低減装置の車が走っていたということは何か知っていたような感じがいたします。 しかも、これは大量のモナザイト、先ほど不法に投棄されたという話しましたけれども、この平成十二年の事件で不法に投棄されたこの大量のモナザイトについては、原子炉等規制法上にこれは抵触する量なんですよね。こういうふうな量が、実は一体どこに行っちゃったのかということだと思うんです。どうも半年間ぐらいは、文部科学省がその不法投棄されたやつを集めて、そしてこれを管理していたようでありますけれども、その後このモナザイトは一体どこへ行きましたですか。その後の話についてお答えいただきたい。
○政府参考人(小田公彦君) お答え申します。 ちょっとその前に、先ほど私の答弁でトリウムの規制値が九百ベクレルと、こう言ってございますが、ちょっと訂正させていただきまして、トリウム量が九百グラムを超えたということで訂正させていただきます。 ただいまの先生の御指摘でございますが、平成十二年にモナザイトの放置事件が起きたわけでございますが、その平成十二年の当時につきましては、文部科学省といたしましては今回問題になりました排ガス低減装置自体の存在は承知していないところでございます。 ただ、なお、同様の機能を有するものといたしまして、平成十二年の十月ごろに、核燃料物質の使用届出の事業者、これは岐阜県の加藤顔料化学でございますが、これが自動車の燃費効率を高める触媒の生産を計画したということは承知してございます。これは、使用の届出におきましてありましたので、そういう計画があったということは承知してございます。 それから、先ほどの平成十二年に放置されたモナザイトはどこに持っていかれたのかという御指摘でございますが、当該モナザイトにつきましては、平成十四年七月七日に、文部科学省より原子炉等規制法に基づく核燃料物質の届出事業者でございます愛知県瀬戸市の有限会社山口耐火に搬出されました。 なお、これらのモナザイトにつきましては、同社への搬入の前後に、現場が安全管理上問題ないことを当省職員が確認しているところでございます。 以上でございます。
○谷博之君 いわゆるその業者にモナザイトが渡ったその先は分かりませんか。
○政府参考人(小田公彦君) 以上、御説明ちょっと短絡でございましたが、ちょっと時系列に簡単に御説明させていただきますと、平成十三年の六月にモナザイトの所有者が原子炉等規制法に基づきまして山梨県塩山市で一括保管したわけでございますが、その年の七月十日に千葉県勝浦市に移動しようとしたところ、移転先で受入れを拒否され、搬入を断念し、緊急避難的な措置として、平成十三年の七月十一日に文部科学省における一時的な持込みを認めたわけでございます。さらにその後、平成十四年七月七日に、先ほど御説明しました文部科学省に一時保管されていましたこのモナザイト鉱石を愛知県瀬戸市の山口耐火に全量搬出したという次第でございます。
○谷博之君 こういう事件は、大変その事件が起きたときには新聞報道されるわけですけれども、その先は、半年、一年たった先については、まあこれだけ目まぐるしい世の中ですから、報道機関も結局その後の追跡はなかなかすることが少ない。結果として、そういう、今の説明を聞いた範囲では問題がなかったというふうな答弁だと思いますけれども、我々としては、こういう事件やこういう記事を見るたびに、やっぱり速やかな対応というものが、やっぱりこれは国の機関がきっかりやらなきゃいけないというふうに思っておりまして、この点は、時間がありませんからこれ以上は突っ込みませんけれども、是非そういう視点から、こういう事件を教訓にした対応をこれから進めていただきたいというふうに思っております。 それからもう一点、放射性廃棄物の埋設処分とリサイクルについての問題について若干聞いておきたいと思いますが、こういう放射性物質の、特に全国の産業廃棄物処分場に原子力発電所から出た放射性廃棄物、こういうふうなものが普通産業廃棄物として一緒に混入されるということについて、またそのものがリサイクルにされてしまうんじゃないか、これはもちろん一定基準以下のそういう廃棄物がですが、そういうことになったときに、それでもなおかつそこに働く、清掃業務に当たっている現場の行政職の職員の人たち、こういう方々は大変その業務そのものについて不安を感じておられます。これは自治労という組織がございますが、自治労のそういう現業職の職場の人たちもこの問題については非常に注目をされておられます。当然また一般の消費者についても同様だと思います。 したがって、こういうことについての、まあ来年か、いつになるか分かりませんけれども、次回の原子炉等の規制法の改正のときに、クリアランスレベルの導入のときに、こういう作業を行う労働者の皆さん方の意見とか、あるいはリサイクル製品を利用する消費者の皆さん方の意見をしっかり聞くということは大事なことだと思いますが、この点についてのお考えを聞きたいと思います。
○政府参考人(片山正一郎君) 御説明を申し上げます。 先生御指摘のとおり、現在、クリアランス制度、これの規制の制度化、こういうものについて検討を進めているところでございます。クリアランスということにつきましては、既に御説明がありましたとおり、自然界の放射線のレベルと比較して十分に小さく、また人の健康に対するリスクが無視できるようなレベル、そういう場合に、こういう当該物質を放射性物質として扱う必要がないもの、こういうこととして放射線防護の体系から外すという概念であるわけであります。 原子力安全委員会において御検討をいただいたところでございますが、クリアランスレベルの算定に当たっては、自然界から年間の被曝の線量の百分の一以下、こういうようなものを目安の線量として、原子炉施設から発生する金属やコンクリートなどの固体廃棄物、これを対象に再利用、そして廃棄物としての埋立て、こういうものに関する様々なシナリオについて放射性核種の濃度を計算をして、その結果のうち最小の濃度、こういうものをクリアランスレベルとしているところでございます。 このシナリオ、様々に検討したシナリオの中には、金属を処理して消費財として再利用する場合、あるいは埋立地で作業する作業員の方の被曝、こういうものについても十分考慮された上で評価をしているところでございます。この結果、健康への影響というものは十分低いというふうに評価をされているところでございます。 原子力安全・保安院といたしましては、今後本格化する原子力施設の廃止に伴って発生する廃棄物の安全かつ合理的な処理、処分のために、現在、総合資源エネルギー調査会原子力安全・保安部会廃棄物安全小委員会におきまして、原子力安全委員会の報告を十分踏まえ、技術的、制度的検討を行っているところでございます。 今後、この小委員会での審議を重ねた上で、パブリックコメントによってより広く様々な国民の皆様の御意見を聞きながら、これを踏まえて報告書を取りまとめていくと、そして、それを基にクリアランスレベルの制度の法制化について検討をするということとしているところでございます。
○政府参考人(広瀬研吉君) 原子力安全委員会のクリアランスレベルの検討状況を御説明をさせていただきます。 近年、放射性廃棄物の埋設処分や原子炉廃止措置に関する計画実施が進んできておりまして、原子力安全委員会は、原子力利用に伴い発生する放射性廃棄物等の安全かつ合理的な処理、処分などの観点から、放射性物質として扱う必要がないレベル、いわゆるクリアランスレベルを制度化する際の基礎となる数値を示すことに取り組んできております。 具体的には、先ほど先生から御指摘もございましたが、国際原子力機関等が示すクリアランスレベルは、自然界の放射線レベルと比較しても十分に小さく、また人の健康に対するリスクが無視できる水準のものとなることなどの考え方に基づきまして調査検討を行ってきております。また、施設によって廃棄物の量や放射性物質の種類が異なるという特徴を踏まえまして、発生源別に調査検討を進めておりまして、現在までに原子炉施設や一部の核燃料施設、使用施設から発生する廃棄物についてのクリアランスレベルの算出を行ってきております。 原子力安全委員会といたしましては、今後とも、RI施設など他の原子力施設のクリアランスレベルについて引き続き調査検討を進めてまいりたいと考えております。
○谷博之君 重ねて、一点だけちょっとお伺いしたいと思いますが、膨大な量がこの廃棄物の処分場には入ってくるわけですけれども、そういう廃棄物の放射線の測定を現場でするということになれば、これはもう大変な作業になると思います。もちろん、クリアランスレベルの話もありました。国際基準値の話もありました。いろんなそういう放射性物質についての、もちろん基準の問題も、程度の問題もあると思いますが、こういうようなものをもしやるとすれば、膨大な時間とコストが掛かって余りにも、例えばそのものを再利用するにしても高価なリサイクル商品になってしまうということであります。 したがって、これは一つの考え方なんですけれども、単にそういう粗っぽい、現在、例えば抜取り検査をしようということで、そういう対応をするということではなくて、原子力発電所から出るあらゆる廃棄物は、一般の産業廃棄物に混ぜるのではなくて、特別の施設で埋設処理をするという、そのぐらいのことを考えてもいいんじゃないかと思うんですが、この点はどうお考えになっていますか。
○政府参考人(片山正一郎君) 御説明をいたします。 御指摘の点でございますが、まずクリアランスレベルでの、以下であるかどうかということについては原子力安全委員会で御議論をいただいたところでございますが、原子炉施設におけるクリアランスレベルの検認のあり方、こういう基本的な考え方が示されておるわけでございますが、これを踏まえてどのような形で原子力事業者がそれを計測するのか、そしてそれが関与していく、国がどう関与していくのか、このような技術的事項、そして規制等、国の関与の在り方、こういう方法について現在、先ほど申し上げました原子力安全・保安部会で審議をしているところでございます。 これによって、これらの結果を踏まえて、高い信頼性を有して、かつ合理的に運用できるクリアランスレベルの検認制度というものをまずきちっと構築をするということとしているところでございます。 また、クリアランスレベル、クリアランスそのものについてのお話は繰り返しませんが、先ほど申したとおり、再利用あるいは廃棄物としての埋立て、こういう様々なシナリオの中で最小の濃度をクリアランスレベルというふうにしているわけでございます。埋立地での作業員、あるいは埋立地での栽培された農作物の摂取、あるいは地下水に移行した井戸水の飲用、こういうものを十分考慮された上でクリアランスレベルが設定され、そして、先ほど申したとおりきちっと検認がされていると、このような制度というものを考えているところでございます。 したがいまして、原子力施設から廃棄物、原子力施設からの廃棄物で、その放射性核種の濃度がクリアランスレベル以下であることが合理的そして信頼性のある検認制度によって確認されたものについては、一般の産業廃棄物と同様の扱いが可能であるということから、専用の廃棄物処分場を設ける必要はないというふうに考えているところでございます。 しかしながら、いずれにせよ、クリアランスの実施、こういうものに当たりましては、国民の理解、社会の十分な理解、こういうものが是非とも重要でございます。そのためにも、国としても、関係省庁連携を取って、正確な分かりやすい情報の提供等、こういうものに努めていくということとしたいというふうに考えておるところでございます。
○谷博之君 だからこそ、やっぱりそのクリアランスレベルの基準値というものは大事だと思うんですよね。 要は、その基準値、数値を信じて一般廃棄物の処分場に廃棄物を処分をする、あるいは、それをまたリサイクルで再利用するということになってくるわけですから、我々は、そういう意味では、その一番前提となる基準というか柱、これがいかに大事かということを我々は非常に注目をしているわけで、その基準値というのは、単にIAEAの基準値ももちろんあるでしょう、WHOの基準値ももちろんあると思いますけれども、それらはやっぱり国内の、日本の国でその基準値というものを、国情に合った、国民の意見を聞いて作っていくというのが私は本来の姿であろうというふうに考えておりまして、この点は私の意見として申し上げておきたいと思います。 それから、時間があとわずかしかありません。簡単に残った質問をさせていただきますが、原子力の問題ということになれば当然、何度も申し上げますが、日本は世界で唯一の被爆国でございまして、現在たくさんの原爆被爆者の方々が日本に、我々の周りにもたくさんおられます。これらの被爆者の人たちの声を若干お伝えをして、国の見解をお伺いをいたしたいと思いますが。 まず一つは原爆症の認定の問題ですけれども、申請については医師の意見書が必要というふうにされております。ところが、この医師の意見書といいましても、全国津々浦々の、地方にあっては専門のお医者さんというのは非常に少ないわけでありまして、ほとんどこの意見書を書いてもらうのに大変な御苦労をされているということであります。厚生労働省は、年に一回広島に各県の代表の医師の方に集まっていただいて講習会を開いているということですけれども、私どもの地元の栃木県でも、この指定機関はたった三か所しかありません。そういう中で、高齢の被爆者にとっては最も身近な医療機関で意見書を書いてもらうということがなかなかできないということが意見として出されております。 したがって、これが十分でないというふうに、これが十分でないと原爆症の申請ができないというふうに認識をされておられるわけですけれども、この点について厚生労働省はどのように考えておられますか。
○政府参考人(田中慶司君) 被爆者への医療の給付、つまり治療でございますけれども、これは指定の医療機関に加えて一般の疾病医療機関でも実施しているところでございます。こうした医療機関の医師には、当然被爆と疾病に関します一定の知見はあるものと考えているところでございます。原爆症の認定申請時には、指定の医療機関に加えて、こうした一般の疾病医療機関を活用することによりまして被爆者の方々の利便に資することができるというふうに考えております。 しかし、確かにすべてのその一般の疾病医療機関のお医者様がある程度の専門的な知識が習得されているかどうかということについては多少の疑義があるところではございます。国としましては、先生今御指摘ございましたけれども、研究会を実施しておりまして、指定の医療機関以外の病院の先生方にもこの参加を促す等によりまして、こういう取組への一層の推進に努めてまいりたいと思っております。
○谷博之君 この認定申請の問題と、もう一つは、健康診断というものを行っておりますけれども、これは年一回、指定の医療機関で健康診断を受けるということですけれども、それ以外にも、年二回、保健所でもこの健康診断が実施されております。 ただ、この保健所の健康診断というのはほとんど血液検査程度の検査でございまして、一番被爆者の皆さん方は、がんについてのやっぱり関心を持っておられますが、放射線障害を調べるための血液検査以外の検査方法、例えば、具体的には心電図とか前立腺肥大の検査、こういったものをもっと取り入れてほしいということが言われておりますが、この点についてもお伺いしたいと思います。
○政府参考人(田中慶司君) お答え申し上げます。 被爆者健診につきましては、原爆放射線による健康被害に係る健診ということでございますので、原爆放射線と疾病との間の因果関係の程度を考慮しまして、放射線を浴びることによりまして発生する蓋然性が高い疾病に係る検査項目をその対象項目としているところでございます。 これらの検査項目につきましては、こうした放射線と疾病との因果関係につきまして、新たな科学的な知見の蓄積あるいは研究成果等によりまして従来の考え方を変えるような状況が生じました場合には適宜見直しをしていくべきだというふうに考えておりまして、こうした観点から個々の検査項目の必要性を勘案し、今後とも適切に対応をしてまいりたいというふうに考えております。
○谷博之君 現場の声はいろいろ立場からお聞きしていると思いますけれども、先ほど申し上げましたように、何とか医師の意見書を書いてもらっても、そして認定申請をしても、ほとんどがそれが却下されているという現状もございます。国は原因確率という考え方に基づいて、それを根拠にしているようですけれども、この半世紀を生き抜いてきたこういう原爆被爆者の皆さんが、特に最後にがんになった被爆者の方々からすれば、被爆時の爆心地からの距離とか残留放射線の問題など、原因確率に懸念を抱いておるわけでありまして、しかも多くの方々が高齢者となった今、是非原爆被爆者の生の声を、率直な声を十分に聞いて今後の国の施策に反映をし改善をしていただきたいと、このように強く要望しておきたいと思います。 それから最後になりましたが、本法とは若干法案の中身は違いますけれども、廃棄物行政ということで一点だけ関連するという立場からお伺いさせていただきますが、学校で教育に利用されている生物の野外放逐の問題について若干お伺いしたいと思います。 廃棄物行政に関連して、学校教育の現場で活用した外来生物の処分方法ということでお伺いしたいと思いますが、現在、学校現場では、自然教育とか環境教育を目的に、飼育生物を用が済んだとして安易に野外に放逐をするということが起きております。例えば、九州のある小学校で、そこの学校のわきにホタルが生息していると。このホタルを、姉妹校の関東の学校にこれを贈って、そちらでそのホタルを飼育する、こういうことはよくある話だと思うんですが、実際は現実に九州のホタルと関東のホタルは遺伝子が違うんです。これは川のアユなんかもそうですけれども、今全国のアユのほとんど九割が琵琶湖のアユに統一されてきているという、こういうふうな実態もありますけれども、こういう安易に動物や昆虫の交流というものが果たしていわゆる交流教育、環境教育のすべてであるのかということの疑問点も今専門家の中で出ているわけです。 そういう中で、そのことと、あとはもう飼育しなくなったいわゆる動物を野外に放ってしまう、こういうことが非常に学校現場で起きているわけですけれども、私たちはこういうふうな野生生物を安易に野外に放逐する習慣をやっぱり正さなきゃいけないというふうに思うんですが、こういうことについての文科省の学校現場における指導はどうなっているか、どのようにしようとしているか、お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(河村建夫君) 学校で動物を飼っております、確かに。自然あるいは生物を大事にする、命を大事にする、こういう観点からもこれは非常に意義のあるということだし、地域や学校の実情において動物を飼育する、あるいは植物栽培する、まあ学習指導にも役立たせているのが現状でございますが、今、谷先生御指摘のような問題、これ安易にそういうことをやると地域の生態系を狂わせるとか、やっぱりそういうことを配慮をしなきゃいけない課題で、果たしてそこまで思いがいっているかということについては、今先生御指摘をいただきましたので、十分これ配慮しなきゃいけない問題だと思いますが、これまでは地域の獣医師の方の御協力をいただいて、そうした動物を飼う場合の教師用の手引も作っておりまして、去年四月に全国のすべての幼稚園、小学校それから盲・聾唖・養護学校ですか、そういったところにもこれを配布しておりまして、研究するようにいたしております。 さらに、環境省の告示の中にも家庭動物等の飼養それから保管に関する基準というのがございまして、動物が逃げ出すとか、あるいは放し飼いによって野生動物への圧迫の防止、これは飼う方の責任も学校で果たすようにしてもらいたいと、こういう説明をいただいておるところでございますが、今御指摘の点も踏まえながら、動物飼育が適切なものになるように、さらに注意をしてまいりたい、また教育委員会、学校を指導してまいりたい、このように思います。 ありがとうございました。
○谷博之君 以上で終わります。