HOME > 活動報告 > 国会活動報告 参議院厚生労働委員会 2011年4月12日

雇用能力開発機構法案に関し職員の雇用問題と地域障害者職業センターについて質問

177-参-厚生労働委員会-005号 2011年04月12日(未定稿)

○谷博之君 おはようございます。今日は質問の機会をいただきまして、心から厚くお礼申し上げます。
 冒頭でございますが、去る三月十一日の東日本大震災、もう一か月が経過をいたしましたが、今なお続く余震、それから被災された方々の現状などを見ておりますと、本当にまだまだこの震災は続いていると、こういう思いでいっぱいであります。
 そういう中で、被災された方々の、心からお見舞いと、尊い命をなくされた、犠牲された方々に心から哀悼の意をささげたいというふうに思っております。
 さて、そういう大変未曽有の災害の中で私は思い出すんですけれども、あの阪神・淡路大震災のときに、当時の機構が全国から職員を多数兵庫県に派遣をして、そして緊急の対応のいわゆる訓練を展開したわけですね。その訓練を受講された方からもいろんな御意見、感想が出ているわけですが、そのときの受講者の一人の声ということで、明日の見えない不安な中で職業訓練の受講は不安を和らげることができた、希望を持ってこの受講をすることができた、心のケアも含めた熱心な訓練の指導や就職相談にも乗っていただいて本当に感謝をしている、今でも感謝していると、こういう感想も寄せられたわけですね。
 今回のこの東日本大震災、これは阪神・淡路とその状況については格段の違いがあるのかもしれませんけれども、だからこそ、なおかつ長期化するというこの今の状況の中で、この阪神・淡路の大震災で経験したそういう機構の職員の方々のそういう経験とノウハウというのは非常に今回もそれを生かすことができるんじゃないかというふうに思っております。
 したがって、そういう新しい雇用の創出とかあるいは雇用のいわゆる継続とか、こういうふうなことをこれから行っていく中で、被災地の皆さんやあるいは避難をされたその先でのそういうふうないわゆる雇用に結び付いていくために、こういうふうな過去の経験をしっかり生かして、そのノウハウを、あるいはそのモチベーションをしっかり高めていくような、そういうふうな取組を是非この機会に検討していただきたいと思いますし、なおかつこの法案が通ることによってそれが後退しないように是非これは強く要望させていただきたいと思っております。
 それらを踏まえながら早速その質問に入ってまいりますが、まず職員の雇用の問題でございますが、何点か質問させていただきたいと思います。
 まず、この法案、いわゆる新しい法人、新法人の名称、これは独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構、こういうふうな名称であります。
 どうも私自身、これ考え過ぎかもしれませんが、求職者雇用支援、こういう名称が付いてまいりますと、どうもそちらにウエートを置いたような、そちらに特化したような法案のような内容に受け止められがちなんですけれども、実際は職業能力の開発事業、これを充実させていくというのが一番大切なことであり重要なことだと思っております。
 今後、都道府県等に移管をするこういう業務についても、したがってこういう大事な部分ですね、大切な部分、こういうもののサービスが低下することがないようにしていくべきだと思っておりますが、その辺のお考えをお聞かせいただきます。

○政府参考人(小野晃君) お答え申し上げたいと思います。
 法人の名称につきましては、職業能力開発業務の移管先であります高齢・障害者雇用支援機構が施策の対象者を列記する名称としているということがございますので、職業能力開発業務の主たる対象者が求職者であることに鑑みまして、法人の名称は高齢・障害・求職者雇用支援機構とすることとしたところでございます。
 もとより、職業能力開発業務の移管後も引き続き、今行っております離職者に対する訓練はもとよりのこと、在職者訓練、学卒者訓練はしっかりと実施をしていきたいと思いますし、充実もしていきたいと思っております。今後とも、雇用のセーフティーネットとしての職業訓練、成長分野や高度な物づくりを支える人材育成などの職業能力開発施策の充実に取り組んでまいりたいと思います。
 それから、お尋ねのポリテクセンターの都道府県への移管についてでございます。
 法案にも盛り込まれておりますけれども、今後、都道府県においてポリテクセンター等の機能を維持していただくということを前提といたしております。このため、都道府県に譲渡されるポリテクセンター等につきましては、財政支援を行うほか、職業能力開発総合大学校における職業訓練指導員のスキルアップ訓練の実施ですとか、訓練カリキュラムのノウハウの提供などの取組を行いまして、ポリテクセンター等の機能が維持されるよう必要な支援を積極的に行ってまいりたいと思います。

○谷博之君 私が考えていることが心配ないというふうな形で進んでいっていただくように、是非よろしくお願いしたいと思っておりますが。
 その中で、職員の雇用の問題ですけれども、これは雇用を承継しないと、こういうふうな考え方になっております。つまり採用方式ですね、そういうふうな考え方でこの法律案はできているわけでありますけれども、これまで懸命にやっぱり努力してきた、そういう職員の皆様方、そして業務に取り組んできたその姿、こういうものを考えたときに、その職員の立場に立てば問題があるのではないかというふうな考え方を私はしておりますが、この点についてはどうお考えでしょうか。

○政府参考人(小野晃君) お答え申し上げます。
 雇用・能力開発機構につきましては、これまで私のしごと館などの施設の設置、運営の在り方等の問題につきまして、与野党を問わず、また国民の皆さんからも厳しい批判をいただいてきたところでございます。
 このため、今般の見直しにおきましては、雇用・能力開発機構を廃止いたしますとともに、第一に、ポリテクセンター等の能力開発業務を高齢・障害・求職者雇用支援機構に移管をして、更に条件が合う場合には都道府県に移管をすること、また、事業主への助成金の支給等の業務につきましては国であります労働局に移管をする、また、私のしごと館等の施設は廃止するなどの組織を抜本的に見直しまして、解体的出直しを行うこととしております。このため、職員の労働契約につきましても採用方式を取るということにしたものでございます。

○谷博之君 今言った、そういう機構の事業に対するある意味では批判ですね、そういうものを責任をどう取っていくかということも一つの大きな問題だと思いますが、それを一人一人の職員が全てそれを有していると、責任を有していると、それはそういうことなのかもしれませんけれども、しかし、必ずしもそれは全てそうではないなというふうにも思います。
 これはやっぱり機構全体の問題であると同時に、そこに懸命に働く職員の方々からすれば及ばないところもあったかもしれません。そういう流れの中で、やっぱり一人一人の職員が今後もそのモチベーションをしっかり持ちながら、維持していきながら、更に懸命に頑張る、そのいわゆる環境整備、それが今後ともより必要になってくるんではないかというふうに思いますが、この点についてはいかがでしょうか。

○政府参考人(小野晃君) 雇用・能力開発機構の廃止に当たりましては、平成二十一年に閣議決定をされました独立行政法人の抜本的見直しの中において雇用問題への配慮が求められているということもありますし、そういう観点から、意欲や能力のある雇用・能力開発機構の職員の方につきましては雇用問題が生じることのないように雇用に最大限の配慮を行ってまいりたいと思っております。
 具体的には、職業能力開発業務などが移管される法人において業務を的確に実施するための人員枠を確保しますとともに、スリム化による職員の削減につきましては、定年退職者の不補充による自然減などにより対応するということにしておりまして、意欲や能力のある職員について雇用問題が生じることはないというふうに考えております。

○谷博之君 大臣にちょっとお伺いしたいんですけれども、今回のこの法案、これは労働契約を承継しない、こういうふうなことが原則になっている法案だと思いますが、これは過去に前例はあったかどうか私もはっきりしませんが、こういうのはいわゆる雇用というものについての承継というのが基本的にその流れになっているんだろうと思うんですが、今回のこの法案には条文上そういうものは明記されていないということでありまして、こういうふうな法案がもしも今後の他の独法改革の例えば統廃合の前例となってはならないというふうに私は考えるんですが、この点については大臣はどのように考えておられますか。

○国務大臣(細川律夫君) 組織が統合する場合あるいは統廃合する場合、そのときにその職員がどういうふうに移籍をするかということにつきましては、いろいろ方法がありますけれども、承継法人に包括的に承継させる方式というのと、それから、そうではなくて採用して決めるというような様々な方式がございます。
 ただ、今後の独法改革に際しましては、私は、そのときそのときの法人の置かれたそういうときの状況を踏まえて個別に判断すべきものだというふうに考えておりまして、今回の雇用・能力開発機構のケースが今後の他の独立行政法人を統廃合する場合の前例にはなるものではないというふうに考えております。

○谷博之君 今の御答弁のとおり、前例になるものではないと、こういうことで受け止めさせていただきたいと思います。
 もう一度、大臣に重ねてお聞きをしたいんですが、改めて職員の雇用問題について大臣の前向きの御答弁をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○国務大臣(細川律夫君) この雇用・能力開発機構の廃止に当たりましては、職業能力開発業務等を高齢・障害・求職者雇用支援機構の方に移管すると、こういうことになっておりまして、機構の職員にはこれまで職業訓練の実施には本当にそれぞれ一生懸命取り組んでいただいておりまして、私としては、意欲や能力のある職員につきましては雇用の問題が生じるということがないように雇用に最大限の配慮を行ってまいりたいというふうに考えております。
 具体的には、新法人等におきましては、職業能力開発業務等を的確に実施をするための人員枠を確保するとともに、スリム化によります職員の削減については定年退職者の不補充ということで自然減等によりまして対応をすることとしておりまして、意欲や能力のある職員については雇用問題が生じないと、生じることがないというふうに考えております。
 また、厚生労働省といたしましては、職業能力開発業務の移管先であります今度のこの高齢・障害者雇用支援機構等に職員の雇用問題が起こらないように最大限配慮するようにと、こういう要請も強くしてまいりたいというふうに考えております。

○谷博之君 今の御答弁聞いておりますと、職員の雇用問題については政府が責任を持って取り組むと、こういうことでよろしいんでしょうか。どうぞ、もう一度。

○国務大臣(細川律夫君) おっしゃるとおり、国が責任持ってしっかりやってまいりたいと考えております。

○谷博之君 職員の雇用問題についてはこれで終わりまして、もう一点だけ、今回、新しくこの新法人に移る独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構、こちらの特に障害者の関係する問題について、二点ほどお伺いさせていただきたいと思います。
 この新しく移られるいわゆる高齢・障害・求職者雇用支援機構、これはいろんな事業を現実にやっております。もう言うまでもございません。高年齢者や障害者の雇用促進に向けた事業主への相談、支援、そのほか障害者に対して地域において職業リハビリテーションを実施するための地域障害者職業センターの設置、運営、こういうふうな事業が取り組まれているということであります。
 この地域障害者職業センター、これについてちょっとお伺いしたいと思うんですけれども、これは専門のカウンセラーが職業評価を通じて個々の障害者に対し準備支援や精神障害者に対する職場復帰支援など、障害者の雇用促進、雇用継続に必要となる様々な支援を実施していると、こういうことであります。
 それで、最近というか近年、特に精神障害者の皆様方が非常に人数的にも増えていると。あるいは、発達障害児の子供さんの成人、大人になることによって、そういう方々の就労支援、こういうものが非常にその要望、要求が高まってきているというふうに言われております。こういう中で、この地域障害者職業センターの運営、これは極めてこれからその役割は重要になってくると思うんですけれども、これらについての今後の方向性ですね、これをどのように考え、取り組んでいこうとしているか。小林政務官の方からお答えください。

○大臣政務官(小林正夫君) 谷先生の御質問、今後の地域障害者職業センターの方向性、運営の方向性、こういう問いでございます。就労の特に困難な障害者に重点化して支援を行っていくべき、結論的にはそのように考えているところでございます。
 少し経過と考え方について述べたいと思います。
 今先生おっしゃったように、地域障害者職業センターの現在までの行ってきている内容については、専門的な職業リハビリテーションを実施している、先生が先ほどおっしゃったとおりでございます。
 一方、平成二十一年四月から、地域障害者職業センターの業務として、地域の就労支援機関に対する職業リハビリテーションについての助言、援助を行うこと、このように法律改正に伴って平成二十一年四月から実施をしております。これに基づき、就労支援のノウハウが蓄積された障害者に関しては、そのノウハウを地域の就労支援機関に提供して機能強化をしていくことが重要であると考えております。
 今後は、こうした蓄積したノウハウを民間等に提供するとともに、近年増加する精神障害者や発達障害者、高次脳機能障害者など、いまだ就労支援のノウハウが十分確立されているとは言い難い、就労の特に困難な障害者に重点化して支援を行っていくべき、このように考えております。事業の効率化等を通じてより多くの就労の困難な障害者に対するきめ細かな支援をしていくことに努めていきたい、このように考えております。

○谷博之君 今御答弁いただきましたように、障害者の皆様方の雇用の促進というのは、今後ともしっかりと、障害者の様々なニーズを踏まえたきめ細かな対応というのが必要になってくると思いますので、この点はより一層の取組をいただきたいというふうに思っております。
 冒頭申し上げましたように、今回の東日本大震災、これによって被災地域では壊滅的な被害が生じており、生活インフラの整備や支援物資等の供給などの生活面での支援に加えて、今後はますます被災者等への就労促進、雇用創出が重要となってくると。
 こうした中で、政府は、三月二十八日に小宮山副大臣を座長として被災者等就労支援・雇用創出推進会議、これを設置して、そして関係省庁が連携の下に、被災者のいわゆる方々への就労支援について総合的な対策を強力に推進すべく検討を行っていると、こういうことだと思います。そして、四月の五日には、当面の緊急総合対策として、「日本はひとつ」しごとプロジェクトの第一段階を取りまとめて、ハローワーク機能を拡大して被災者や事業主への各種相談やマッチング支援などに幅広く応じていただいていると。大変こういう意味ではお取組を早々に始めていただいているということだと思います。
 そこで、このような被災後の状況については、とりわけ障害者などの就労困難な方は極めて厳しい状況に置かれているのではないかと懸念されておりますけれども、この障害者の就労支援や雇用継続に対する支援は、先ほどの地域障害者職業センターでその果たす役割が非常に大きいと思うんですが、現在どのように対応されているのか、お答えいただきたいと思います。

○国務大臣(細川律夫君) 今回のあの震災におきまして被災された方はたくさんおられるわけでありますけれども、その中には障害者の方もおられまして、その障害者の方の就労支援というのを、これをしっかりやっていかなければというふうに考えております。
 現在、障害者に対する就労支援につきましては、この震災におきまして障害者が仕事を辞めざるを得ないというのをできるだけ防止をするために、地域障害者職業センターにおきましても、四月四日から特別の相談窓口を設置をいたしまして、被災後の雇用の継続等に関する相談業務を実施をいたしているところでございます。その相談の下に、仕事内容などが変更いたしまして罹災されたその障害者の職場適応が困難になる場合には、事業所の方に出向きまして、障害者職業カウンセラーによりますカウンセリングや、あるいはジョブコーチ支援というものを実施をいたしているところでございます。
 また、事業再開までに障害者が自宅待機となるような、そういうケースもあるわけでございますけれども、そういう者に対しては、そういう障害がなくなったときに円滑に職場に復帰できるようにするために、地域障害者職業センターにおきまして、通勤をしっかりできるように生活リズムを維持するための職業準備訓練というようなことも実施をしているところでございます。
 今後とも、全国のハローワークに設置いたしました震災特別相談窓口とそれから地域障害者職業センターの特別相談窓口とが緊密な連携を図りまして、引き続き被災された障害者の皆さんへの就労支援に全力で取り組んでまいりたいと、このように考えております。

○谷博之君 どうもありがとうございました。
 それで、これは最後に私のちょっと感想なり私自身の取組、ちょっと紹介させていただきたいと思いますが、障害を持つ当事者、そしてそれを支援する方々でつくられているJDF、日本障害フォーラム、これがいち早くこの東日本の大震災に対しての対応を取り組んでおります。東日本大震災被災障害者総合対策本部、これを立ち上げて、仙台市内と郡山市内にそれぞれ被災地障がい者支援センター、これを開設して今その活動を始めております。当然そういう中で、国、厚生労働省としても、こういう団体との協力、各県の既設の難病相談・支援センター、こういうものも含めて、当事者団体との連携をしっかり取っていただきたいなというふうに思っております。
 あしたの国会、本会議なければ、今晩からあした、あさってにかけてこのセンターを、私も行きまして、物資の支援なども持って訪れようといたしております。そして、その皆さん方の現場の様々な声を聞いてまいりまして、また御相談等をさせていただくものがあれば御相談をさせていただきたいというふうに思っておるところでございます。そういう中に、今申し上げましたような一番今現地で求められていることを、我々が何をなすべきかを、これはもう本当に緊急事態ですから一体となって考えながら、その克服や乗り越えていくための努力をしていきたいなというふうに思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 それから、最後になりましたが、資料をお配りさせていただいておりました。これは説明がちょっと不足いたしましたが、先ほどいわゆる雇用・能力開発機構が様々な事業を行ってきた、この事業の一つの結果を表した資料でございまして、特にこの中で一枚目の棒グラフの資料が出ておりますけれども、これは平成二十年度までの資料ということになっておりまして、ちなみに平成二十二年はこの施設内の訓練については八一・四%まで高まっているということで、いずれにしましても、こうした訓練の成果、実績が再就職等に結び付いているということは非常に大きな私は役割を果たしていることだということだけこの資料の説明として申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。



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