2008年4月24日 障害者自立支援法及び児童福祉法の一部を改正する法律案提案理由説明
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平成十八年四月に施行した「障害者自立支援法」により、それまでの「支援費」制度で障がい者の負担能力に合わせたサービス利用体系が大きく損なわれてしまいました。障がい福祉サービスの定率一割負担といういわば「応益負担」という概念が取り入れられ、障がい者の負担増の影響でサービス利用の中止や利用制限が起き、障がい当事者の自立と社会参加が損なわれるという弊害が生じています。 そもそも障がい福祉制度に、あるいは障がい当事者が利用する福祉サービスに「応益負担」という概念は、相容れない概念であります。現行制度下では障がい者は低い額の年金や諸手当しか受けておらず、一般就労が極めて困難な状況にあるため、他の制度と同様の定率負担、すなわち応益負担を課すこと自体に無理があると言わざるを得ません。したがって、障がい当事者の負担能力に応じた「応能負担」という概念を明確にする必要があるのです。 また、障がい福祉サービス事業者等は、日割り制の導入と報酬単価の引き下げにより、急激な収入減が生じ、その結果として、人員削減や給与引き下げ、施設閉鎖や新規計画の頓挫を余儀なくされており、このままでは障がい福祉サービスが円滑に提供されない事態が危惧されます。 さらには、障害者自立支援法における検討条項のうち、障がい者等の所得の確保に係る施策の在り方の検討が極めて重要であるにもかかわらず、今日に至るまでほとんど行われていないなど、障がい者の福祉に係る法制度の見直しが急務となっていることも挙げなければなりません。 民主党は、このような自立支援法によって生じた障がい福祉の危機的状況に対する緊急避難的措置として、この法律案を提出し、障害者自立支援法施行後三年の見直しを待つことなく、障がい者等がより安心して地域で生活し社会参加ができるよう制度改正を行うことといたしました。 次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。 第一に、介護給付費又は訓練等給付費の額に関する暫定措置であります。障害者等が障害福祉サービス等を受けたときに支給する介護給付費等の額は、障害者等の経済的負担の軽減を図るため、当分の間、障害福祉サービス等に要する費用の額から、障害者等の負担能力に応じ厚生労働大臣が定める基準により算定した額を控除して得た額とすることとしております。 なお、障害者等の負担能力に応じ厚生労働大臣が定める基準は、この法律による改正後の障害福祉サービス等に要する費用に係る障害者等の自己負担の額が、障害者自立支援法による改正前の身体障害者福祉法等の規定に基づく障害福祉サービス等と同様のサービスに要する費用に係る自己負担の額を超えないように定めるとともに、現行法の規定により算定された自己負担の額をも超えないように定めるものとしております。 第二に、指定障害福祉サービス事業者等に対する支援に関する暫定措置であります。国及び地方公共団体は、当分の間、障害福祉サービスの円滑な提供の確保を図るため必要があると認めるときは、指定障害福祉サービス事業者及び指定障害者支援施設の設置者に対し、財政上及び金融上の支援を行うものとしております。 第三に、障害者自立支援法の附則の検討条項の改正であります。まず、障害者等の所得の確保に係る施策の在り方の検討については、早急に行うものと改めております。 また、障害者自立支援法の施行後三年を目途として行う検討については、二年を目途として行うものと改めるとともに、障害程度区分及びその認定の在り方、指定障害福祉サービス等に要する費用の算定の単位となる期間の在り方並びに地域生活支援事業に関する費用負担の在り方を検討対象として追加し、検討を行うに当たっては、障害福祉サービスの利用の実態等について調査を行うものとしております。 さらに、政府は、これらの検討等を行うに当たっては、障害者等、障害福祉サービスを行う者、自立支援医療を行う者、学識経験者その他の関係者による協議の場を設け、その意見を聴くものとしております。 なお、この法律は、平成二十年一月一日から施行することとしておりますが、この施行期日を経過してしまいましたので、改めて施行期日を定める等の規定の整備を行いたいと考えております。 以上が、この法律案の提案の趣旨及び主な内容でございます。 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。 |