国会活動報告 参議院厚生労働委員会

2008年4月10日 中国残留孤児家族の年金不支給問題、障害者自立支援法の見直し問題、シベリア抑留問題、新宿地下の人骨問題

169-参-厚生労働委員会-5号 2008年04月10日(未定稿)

○谷博之君 谷博之でございます。  今日は大きく三点にわたって質問をしたいと思っておりますが、まずその第一は、中国残留孤児の老齢基礎年金、厚生年金の不支給処分の問題について御質問をしたいと思っております。  具体的な話を申し上げた方が分かりやすいかと思いますので、プライバシーがありますので実名は伏せさせていただきますけれども、中国残留孤児の方が、その方は中国の大学の准教授、助教授でしょうかね、やっておられた残留孤児の男性の方がおられました。この方が中国人の奥さんと一緒に、一九九三年二月十一日と記憶しておりますけれども、日本に帰国をいたしました。  この方が、中国人の奥様、当然これは御主人と帰国するわけですから、永住帰国ということで帰ってきたわけで、来日したと言った方が正確でしょうかね、したわけですけれども、実はこの方が二〇〇五年の十月に六十五歳の誕生日を迎える、今から約三年前ですね。いわゆる六十五歳の誕生日の前日までに永住許可ないしは帰化された者についていわゆる老齢基礎年金、厚生年金の受給を受けられるという資格が与えられると、こういうことになっているわけですけれども、このことが分かりませんでした。そして、その六十五歳の誕生日の約一か月前にこの御主人、元大学の先生だった方がそのことを聞かされまして、そして手続を取ったけれども、結果的に永住許可が下りたのが誕生日を過ぎた三か月後のことであったということで不支給になってしまいました。  このケースについて具体的にこれから質問してまいりたいと思うんですけれども、もう少し詳しく説明をいたしますと、一九九三年二月十一日に日本に帰国をして、すぐ埼玉県の所沢にあります定着促進センター、ここで六か月間、日本での生活を自立していくための様々な指導を受けたわけでありますけれども、こういうところでも年金制度については一切説明がなかったと。さらに、この定着促進センターを出た後、自分の所在地を決めて生活をしていったわけですけれども、余談ですけれども、この方は大変御夫婦で頑張りまして、約七割ぐらいが生活保護を受けられているという残留孤児の今の生活の実態の中で、自立して御自身で頑張っておられると。しかし、その居住地に移り住んだ後も自立指導員による生活指導というものがこの年金については一切なかったということですね。  この方々は、要するに日本語が大変苦手ですね、中国語でずっと育って今日までやってこられた方ですから。そういう意味では、教えられなければこのことについては分からない。唯一分かった理由というのが、この御主人が、自分の夫の、この御主人の年金のことについて問い合わせをしたときに、このことを六十五歳の誕生日の直前に知らされたと。書類をそろえて大至急申請を出したけれども、今申し上げたように、その許可が下りたのが約四か月後であったと。結果的にこのいわゆる受給資格というものが受けられなかったと、こういうことなんですけれども、この問題について、なぜこうした人たちのために中国帰国孤児定着促進センターで六十五歳前に永住許可を取ることについて説明をしなかったのか、また、居住する市の担当窓口で、請求人が六十歳のときに国民年金加入期間終了のお知らせの通知を受けたときに永住手続の説明をしてこなかったのか。これは非常に問題だと思うんですけれども、これはどのように考えておられますか。

○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。  今委員からお話がありましたとおり、中国残留邦人の方が帰国して我が国にスムースに定着するために、帰国された方、その御家族に対し、日本語教育を含め生活指導を行っているところでございます。  中国帰国者定着促進センターでは、そういった中で、生活の指導あるいは定着後の必要な知識の指導ということで、国民年金加入手続の指導など、カリキュラムとしてはないわけではございません。国民年金についても説明はしたはずでございますが、御指摘のあった六十五歳の誕生日の前日までに配偶者の方が永住許可がないと、配偶者の方は言わば中国の国籍をお持ちでございます。中国人の方でございますので外国人になるわけで、外国籍の方一般のルールとして、外国の方は、日本に移ってきて年金を受ける場合に、六十五歳の誕生日の前日までに永住許可がないと国民年金の受給権が発生しにくいと、発生しないと、そういう点まではどうも残念ながら説明していなかったということでございます。  私どもも、委員からこのケースについて御指摘いただいて、大変残念なことだというふうに思っております。今後このようなことがないように、年金制度の概要に加えまして、細部にわたる説明の徹底ということ、また、日本語が十分でないと、そういう御事情の方でございますので、例えば中国語の資料を用意するとか、そういうことを含めましてきちんとやってまいりたいと思います。  本件は本当に残念なケースであると考えております。

○谷博之君 国費によって中国から日本に帰国をして、なおかつ、中国の残留孤児に対しては、その後、様々な特殊性にかんがみて、二〇〇八年一月から、この方々に対する老後の生活を保護する新しい施策が今スタートしております。それは、この新しい施策は、結局のところ、残留孤児らによる国家賠償訴訟が提起された、その結果として、ある意味では政治的な解決ということでこういうことがスタートしているわけですけれども、そのときに福田総理自らが、この立法に当たって、皆さんの問題に気が付くのが遅くなって申し訳ないと、こういうふうなことまで発言しておられるわけですね。ですから、そういう意味ではこれは非常に私は重いことだと思うんです。  聞くところによりますと、残留邦人の方々は約六千人というふうに聞いているんですが、この配偶者の方々含めると、やはり関係者というのは相当の人数になると思いますし、こういう方々は、まず何よりも、永住の意思を持って、この方もそうですけれども、誕生日直前にその申請を出して、で、誕生日の直後に永住許可が下りている。なおかつ、この人は、将来年金が支給されることを期待して、厚生年金をいまだに納め続けているんです、六十七歳、六十八歳になっても。  つまり、そういうふうな該当者に対して、これは、もう一つ申し上げますが、今日の夕方四時から厚生労働省で厚生労働省社会保険審査会、これが開かれて、この本人が公開審理を受けることになっておりますけれども、こういう方々は、私はやっぱり法的にも遡及するなりなんなりしてこれは救うべきじゃないかと思うんですけれども、これ大臣、どう思われますか。

○国務大臣(舛添要一君) 先ほど、今度の残留孤児の方々に対する新しい制度、私も総理と一緒に立ち会いました。本当にこれ、言葉ができないんですね、日本語が。だから、私たちの国のこれからの在り方としては、外から来られる方々に対して受け入れるいろんな制度をやるべきであるというふうに私は思います。その国の国力、それから国際社会において尊敬されるということは、外国の方々であれ、特に彼らは元々日本人ですから、それに対してこういうふうにきちんと情報が行っていなかったのは、大変これは反省しないといけないというふうに思います。  それで、法的にはこれもう六十五歳の誕生日前ということになっていますから、これは例えば議員立法で何かするというふうなことも考えられるかもしれません。ただ、今委員おっしゃったように、今日もうすぐ、社会保険審査会の方に再審請求出ていますので、ここの審理をひとつ待ちたいというふうに思いますし、法的な枠組みはこういうことでありますけれども、ちょっと検討させていただいて、こういう件について、安易に何でもかんでも政治的にということであってもまたなりません。しかし、こういうケースについて十分な説明責任を国として果たしていなかったというようなことが例えば立証できるということであれば、これは、本人がきちんと説明しているのに全く無視してと、本人の方に瑕疵が多いということになると、なかなかこれはお救いするというときに説得材料が少のうございます。しかし、そうではなくて、今委員がおっしゃったように、これ経過をよく調べて、きちんと国としてのしかるべき対応をやっていなかったということであれば、例えば再審請求においてそういうことを恐らく今日きちんとお述べになると思いますから、そういうことを踏まえて何らかの対応ができないか、ちょっと検討させていただき、またこれは、こういうケースが二度とあってはいけませんので再発防止もやりますけれども、こういうことについて、これは党派を超えて国会議員の知恵で何かできるか、そういうことも含めてまた考えたいと思いますので、またその際には御協力を賜りたいと思います。

○谷博之君 いろいろとありがとうございます。  もう一つ私の方からお願いをしておきたいのは、この方の周りにたまたまこういうことについての関心を持っておられた方がおられて、そしてその方々がいわゆる永住許可申請等も含めてお手伝いというか協力した人がいたわけなんですけれども、現実にそうではない、そのことすら気が付かないというか知らないでこういう同じようなケースになっている方が私はいるんじゃないかなというふうに思うんですね。  これはこれから恐らく調べることになると思いますけれども、そこら辺に対する、先ほどの言葉の問題も含めて、文書一つ取っても、日本語が理解できないようなそういう方々に対して、やはりこういう事実があるかないか、それらに対してどういうふうな対応をしていくのか、これをやはり私は取り組む必要があるというふうに思うんですけれども、この点もどうでしょうか。

○国務大臣(舛添要一君) それは委員おっしゃるとおりでありまして、先般、中国の残留孤児の方々に対する措置をやったときも、これは与党のPTも含めまして、私も総理と検討をいたしました。そういうことを含めて、政府全体としてきちんとこういうことが伝わるように、関係省庁とも取り組んでまいりたいと思います。

○谷博之君 恐らく、私はこういうことを、しかも相当高齢で、あるいはいわゆる残留孤児の皆さん方が第二次世界大戦の戦火といいますか、その直後に中国に残留孤児として残って、そして今日までの六十数年生活をしてきたということですから、年齢的にはもう六十代中以上ぐらいの年齢になっていると思います。その配偶者も当然同じような年代。その子供さんというとそれはまたちょっと年齢的には別かもしれませんが、そういう意味での、相当やっぱりさっき申し上げたように対象者というのはいるような気がいたします。  ですから、ここら辺は、単に具体的な例を通して申し上げましたけれども、それだけではないということ。なおかつ、これはいわゆる戦後の問題のこういうところも、まだ、いわゆる特別な新しい施策を作ったけれども残っているということを是非御理解をいただいて、そして今の大臣の答弁のように、しっかりとしたこれ取組をしていただきたいというふうに思っております。その動きについてはこれからも注目をさせていただきたいというふうに思います。  実は、私は今日質問をさせていただこうと思った一番大きな柱の一つが、障害者の実は政策のことについてであります。  障害者の政策については、もうこれは前々から私どもが自立支援法の改正法案を提出をして、今の自立支援法の内容についての民主党としての思いをそこに込めているわけでありますが、一言で言えば大きく二つの柱がありまして、一つは現在の応益負担の姿を応能負担の形に戻したいと。それから二つ目は、いろいろ政策を講じておられるようですけれども、基本的に、やはり事業者の皆さん方に対する、いわゆる経営が非常に厳しくなっていることに対する、それを支援をするという、こういう二つの大きな中身になっているわけですが、そういう中で、国としてもいろいろとこの特別対策等をやっておられますけれども、中で、私どもが自立支援法の改正法案を提出した後、この自立支援法の附則にもありますように、三年たっての抜本的な見直しという、そういうことがうたわれておりますので、民主党としてもそういう立場に立って総合福祉的な法律、しかもそれは障害者の、大きな制度を改革する、そういう視点からの法律を作ろうということで今作業を進めております。  そんな中で、幾つかの問題点をお伺いしたいと思っておりますが、まず、障害程度区分の見直しについてであります。  聞くところによりますと、障害保健福祉部長の下に私的な勉強会を昨年の二月から設置して、この障害程度区分の見直し作業を進めているというふうにお聞きしておりますけれども、お手元に資料としてお配りいたしましたが、御覧をいただきたいと思います。  二枚目にとじてあると思いますが、「障害程度区分勉強会について」ということで、ここに趣旨とメンバーが出ております。このメンバーを実は見ていただきたいんでありますけれども、このメンバーの配置というのは、これ非常に私はちょっと偏っているような気がいたします。一言で言うならば、いわゆる障害八団体とか在宅で自立生活をしている障害者の当事者団体あるいは在宅の支援を行う団体等、そういう方々の代表というものがここに入っておりません。このいわゆるメンバーを選ばれた理由、どういう立場からこれを、このメンバーを選んだのか、お聞きしたいと思います。

○政府参考人(中村吉夫君) お答えいたします。  障害程度区分の見直しを行うため、平成十九年二月より、障害保健福祉部長の勉強会を六月まで六回にわたって開催をいたしまして課題の整理を行ったところでございます。その際には、今お話がございましたような資料のような形でスタートしたわけでございますけれども、その後、関係団体から意見を聴取するため、参加者を逐次拡大し、事業者団体のみならず、当事者団体からも御意見を伺ったところでございます。現在は、障害程度区分を見直すため、実態調査の実施に向けまして関係者の御意見を伺っているところでございますけれども、今後、具体的な見直しの方向性について検討する際にも、引き続き当事者団体を含めまして関係団体から十分意見を聴取してまいりたいと思っております。

○谷博之君 今お答えになった内容というのは、いわゆるヒアリング団体の対象として取り扱っているということではなくて、正式のメンバーとしてでしょうか。

○政府参考人(中村吉夫君) お答えいたします。  勉強会というのは、かなりきちっとした形で委員を委嘱してというよりは、先ほども申し上げましたように、必要に応じて御参加をいただいてお話を伺うというような形で開催をさせていただきました。  なお、先ほど開催の回数を六回というふうに申し上げたかもしれませんが、五回の誤りでございます。

○谷博之君 このいわゆる私的な勉強会で議論されている内容についても、ここに資料としていただいておりますが、例えば、障害程度区分はライフステージに応じた様々な支援の必要度を把握できるものとすべきとか、あるいは支援の必要度は障害の程度ではなくニーズと環境因子で決定すべきだということがあります。もう言うまでもありませんけれども、現在の障害程度区分というのは、かなりの部分でその当事者の身体能力、医学的なそういうモデルからスタートしている。しかも、障害者のいわゆる障害程度区分については、百七項目の項目を全部上げて、それによって程度を区分しているということについて、このいわゆる勉強会の中でも、それではちょっと現実的にそういう立場の方々に対して的確なサービス提供をしているんだろうかということになれば、これはそうではないという議論もあります。  実は私たちも今、この障害程度区分の問題については、極端なことを言えば、こういう障害程度区分というのは要らないんじゃないかというふうに考えております。特に、心身の障害状態と必要な介護の量とは別問題であると。障害程度区分はあくまで支給決定における勘案事項の一つであり、自治体では実質的に障害程度区分に準じた支給量を決めるためにこの障害程度区分というのが使われているというふうに我々は解釈せざるを得ないんです。  そこで、今後、どのように障害特性を反映させた改正をしようとしていくのか、この会議の中でどのような検討をされているか、お答えいただきたいと思います。

○政府参考人(中村吉夫君) 私どもといたしましては、現在の障害程度区分につきましては、精神障害であるとか知的障害であるとか各々の障害特性をより良く反映されるように、調査項目であるとか判定基準を見直すべきであるという意見が強いと思っておりますので、そうした意見にこたえるために、できるだけ介護給付について適切な給付ができるよう、従来の評価の軸に加えまして、行動支援の問題であるとかあるいは生活自立支援をするための軸であるとか、そういうような軸を、従来の生活介助を中心にした軸に加えて、障害程度区分の基準として作っていったらどうかというようなことで検討をしておるところでございます。

○谷博之君 大臣にちょっとお伺いしたいんですが、先ほども申し上げましたように、私たちは、この障害程度区分の廃止も含めて、人と人との協調、それからソーシャルワークを基本とした支給決定、そしてそれらを踏まえて国庫負担の基準の在り方、こういうものを見直していく時期にもうそろそろ来ているんじゃないかというふうに思うんですね。  これは障害別とか種別とか、あるいはその程度などによって、現行のいわゆる医療モデル的なそういう判定から、まさに障害者等が社会や環境との相互関係によって社会モデルを包含する統合モデルに、こういうふうにしていかなきゃいかぬだろうというふうに思っているんですが、ここら辺の見直しも含めて、大臣はどのように考えておられますか。

○国務大臣(舛添要一君) 身体、知的、それから精神障害、これ、例えば精神障害の方が外から見えにくいということでいろいろ御不便ありまして、これも今改善をしています。  それで、今百六項目の判定基準で段階を付けてやっていますけれども、本当にその障害の特性に合った調査項目であるのか、判定基準であるのか。これは、昨年末に与党のプロジェクトチームでもそういうことを反映した形で調査項目の見直し、判定基準の見直しということが必要だということの御指摘もあり、我々もそういう方向で、どの項目にするか、どういう項目を加えるか、そして判定基準をどうするかということをちょっとこれ今検討中でございます。与党とも連携を取りながら検討していきたいと思います。  ただ、そもそも区分をしないでいいのかなというときに、その段階の区分ですね、それと、それに見合ったじゃサービス水準、これをどうやるかということは、例えば介護保険についても要介護度を変えてありますですね、その状況に応じて。そちらも一つ合理的な意味があるわけですから、今委員がおっしゃる問題のポイントというのは私もよく理解できます。しかしながら、もう少し議論を深めて、できるだけ障害特性を反映し、それが判定基準とサービスの水準に上手に反映できるようなモデルというか基準、これ何とかできないかというふうに今思っております。

○谷博之君 当然これも大臣もう御存じだと思いますけれども、特にヨーロッパの、イギリスとか北欧のいわゆるいろんな形を見ておりますと、やはり、まず基本的には障害者本人の意思というものがやっぱり一番前提にあって、そこの障害者を取り巻く家族であり地域の人たちがふだんの障害者の姿というのはどういうものであるかということをやっぱり見た上で、そこで、いわゆる医学的モデルもそうでしょうけれども、そういうふうな社会的なすべても含めてサービスの提供の内容を決めていくと。それがいわゆる障害程度なんだというふうなそういう考え方、そういうものを判定するためのもちろんもろもろの条件整備はしなければいけませんけれども、そういうものが本来あるべきだというふうに思うんですね。  ですから、これは与党の今の動きをという話ですけれども、我々もそれは一生懸命議論して今検討しておりますので、そういう形のものをできるだけ早く我々も形として出したいというふうに思っていますので、これはもう是非注目して、またいろいろと我々の声も聞いていただきたい、このように考えております。  それからもう一点、障害の範囲の見直しの問題についても、これは、これまた政府内部、厚労省内部あるいは与党の内部でも検討されているということでありますけれども、いずれもこれらも含めて全部引き続き検討というふうな内容に現状ではなっているようであります。  我々は、障害の定義というものは非常にこれは難しいわけですけれども、現在の障害者手帳を中心にしたそういうふうな障害者の定義ということをもちろん踏まえつつも、それが少なくとも今問題になっている発達障害とか高次脳機能障害だとか難病の問題だとか、こういう方々に対する定義というものも含めて拡大をしていく、そういう考え方を持つべきではないかというふうに考えております。  そういうことについて、これ大臣、是非、今の障害程度区分もそうですけれども、障害の範囲の規定の問題、障害という定義も含めたその範囲の問題についてもこれはできるだけ早くその方向を出していただきたいと思うんですが、いかがでしょう。

○国務大臣(舛添要一君) これ私も同じ問題意識持っていまして、発達障害、アスペルガー症候群、自閉症、こういうのは家族から見ると物すごく大変ですね、本人も大変ですけれども。だから、これを例えば精神障害の中に入れるか。それから、高次の脳の機能障害、これも精神障害。先ほどのアスペルガーなんかは知的の入れてもいいと思いますけれども。それから難病についても、これは病気の種類によって身体障害に入れることができるかどうか。それぞれの患者の、患者って、その困っている御本人、家族の立場から見ると、是非支援の手を差し伸べてもらいたいという気持ちがあると思いますし、私はそういうことをきちっとできる社会が本当の意味での福祉先進国であるというふうに思っておりますので、引き続き国民的な議論をし、検討した上で、この障害の範囲の問題についても大変大きな問題であります。先ほど申し上げた与党のPTでもそれは議論になっていますし、今、谷委員がおっしゃったように、民主党の皆さん方も御検討くださっているということで、私は、これは柔軟に、範囲の問題についても、患者、国民、つまりそういう障害、障害というか、そういう今言った様々な発達障害、高次脳機能障害それから難病、こういう方々、そして及びその御家族、そういう方の立場に立った視点から、範囲の問題もきちんと検討していきたいと思っております。

○谷博之君 これは今後の緊急な検討課題ということで、我々もその努力をしていきたいと思っています。  続いては、今行われている特別対策の中の、障害者自立支援対策臨時特例基金の関係ですが、これはお手元に資料としてお配りしております。この基金の予算の執行見込みについてということで、これはもう言うまでもありませんけれども、この事業が平成十八年度の補正予算で九百六十億付けられて、平成二十年度末までに支出するということであります。  現在のその執行状況については、ここにありますように、十九年度執行見込みが三百五十億ということで、合計三百八十六億円支出されているということで、執行率が四〇%。これは恐らく厚生労働省側から言わせれば、随分これは努力して使ってきているよということで、二十年度末までということですから、そういうことを言うかもしれませんけれども、しかし、現実にそういう中でこの特例基金がどのように使われているのかということを考えたときに、いろんな障害者の団体からそれらに対しての意見が出ております。  その中で、特に一番切実な問題として今出ていることの一つに、重度訪問介護事業において報酬単価が非常に低いと。その結果、ヘルパーの離職率が高かったり、長時間サービス提供ができない、こういう状況があるわけです。  資料として出ておると思いますけれども、そのサービス事業者がどのぐらいの割合によって、資料としてお配りしてありますけれども、ホームヘルプの一か月の総派遣時間に対する重度訪問介護の派遣割合と一時間当たりの平均報酬単価ということで、重度訪問派遣割合が高くなればなるほど平均単価が下がるんですね。ですから、こういうことになれば、この割合が高ければ高いほど時給が安いということになれば、ヘルパーの確保が非常に難しくなる。そして、この事業者の負担も増えてくると。こういう状況の中で、ますますこの重度訪問介護の事業者の数が減ったり、ヘルパーの確保が難しくなってきているということでありまして、そういう意味では、特に、これ一つの比較ですけれども、介護保険分野での常勤職員の一年間の離職率一六・八%、この重度訪問介護のいわゆる離職率は二七%。二倍近くの離職率が出ています。  そういう意味で、この部分に、特に重度の在宅のALSなどの患者の、生死にかかわる、そういう事態を抱えておられるような方々に対し、この基金をやはり使うべきじゃないかということで、こういうお声が非常に強く出ているんですけれども、これはどのように考えておられますか。

○政府参考人(中村吉夫君) お答え申し上げます。  重度訪問介護の報酬につきましては、重度の肢体不自由の方々にとりまして、見守りを含め、長時間のサービス利用が可能となるよう報酬単価を設定するとともに、とりわけ、重度の障害の場合などには加算を設けているところでございます。  障害程度区分六に該当する方につきましては七・五%の加算でございますし、その中でも特に意思疎通に著しい困難を有する方などにつきましては一五%の加算がされております。また時間帯の加算もございまして、早朝、夜間時間帯につきましては二五%の加算、深夜の時間帯につきましては五〇%の加算になっております。  それから委員の方から御指摘のございました平成十九年度から特別対策によりまして都道府県において設置された基金を活用した事業といたしまして重度訪問介護事業所の安定的な運営のための助成等の事業を行えることとしております。この中では従業者の資質向上及び職場定着等に資する独自の取組に要する費用でありますとか、あるいはサービス体系の見直しに伴う重度訪問介護事業所の収入の激変緩和に係る経費なども対象になるわけでございます。二十年度からはヘルパーの資質の向上や人材確保の観点から障害特性に応じて必要となりますサービスについて理解するための熟練指導者の同行による研修でありますとか求人広告の費用につきましても基金を活用できることを明示したところでございます。

○谷博之君 いずれにしましても、これはそういう、この一番現場の切実な声としてそういう声があるということをしっかり理解をしていただきたい。これは現実に我々はそういういろんな事業者のところへ行ってこの部分が今最大の課題になっているということを是非、もうお分かりだと思いますが、認識していただきたいというふうに思っております。  時間がありませんので、最後に戦後処理の問題、特に先ほど、午前中、小池委員からシベリア抑留者の問題が出ておりましたが、これについて質問をさせていただきたいと思います。  まず、時間がありませんので簡潔に質問をさせていただきたいと思います、この新聞のコピーがあります。これは韓国が昨年日本政府に対して第二次世界大戦中に日本に募集や徴用などによって渡ってきた朝鮮人の人たち、ありますが、約七十万人のうち特に旧日本軍の軍人軍属となった二十四万人、この方々の名簿を韓国政府から日本政府に要請があってこれを日本政府は渡しています。しかもそれはその未払になっている賃金の詳細も含めてこれは韓国政府に報告しています。現実には七万人ぐらいというふうに書いてありますが。  これを受けて実は日本と旧ソ連、この間においてもいわゆるシベリア抑留の事実があります。で、ここでお伺いしたいんですけれども、韓国政府は日本政府にそういうことを要求して資料を提出して、なおかつ当時の一円を二百倍の金額にしてその未払賃金を補償しようとしているんです。で、日本政府は旧ソ連、今のロシアに対していわゆる当時のそのシベリア抑留された人たちの人数とかそれから労賃とか未払賃金とかという、そういうものを請求しているのかどうか。そして政府はいわゆる一般的に抑留者総数が約五十六万一千人、その中で死者が五万三千人と推定していますけれども、この事実を現ロシア政府に確認しているのかどうか、このことをお答えいただきたいと思うんです。簡潔にお願いします。

○政府参考人(本田悦朗君) お答えいたします。  戦争が終了したにもかかわらず多くの方がシベリアに強制抑留され、酷寒の地において過酷な強制労働に従事させられたことは誠に同情すべきものであると考えております。他方、賃金など未払の問題につきましては抑留者の属する我が国としていわゆるシベリア抑留者に対して労働賃金の支払を行う法的根拠が存在しておりません。したがいまして、ロシア側に対して御指摘の未払賃金に関する記録を求める必要性は認められないものというふうに思っております。

○谷博之君 日本と韓国もまさに日韓条約に基づいて一九六五年に韓国政府は請求権を協定で財産権から放棄しているんですよ。にもかかわらず、韓国政府は日本政府にそういうことを要求して、日本政府はそれに応じたわけですよ。そのことは、まさに、政府は矛盾しているんじゃないですか。韓国政府から言われたものに対してそれに応じて、そして、自分たちがロシアに対してそれをなぜやらないんですか。  それから、もう一つついでに申し上げますが、このいわゆる五十六万一千人の数と五万三千人のこの数。これは、私どもも再三再四、質問主意書でもって確認をしているんですよ。しかし、推計という域を出ないで、まさに形としては正式なものは出ていない。こういうものに対して、余りにも韓国政府と日本政府のやり方は違うんじゃないですか。  もう一つ言わせていただければ、韓国政府は戦後六十数年たって、海外で戦没したそういう人たちの遺骨収集も含めて大変な力を入れてこれに取り組んでいますよ。日本の今政府は何ですか、そういうことについて。予算もわずかしか付けない。そういうことで戦後の処理はできたと思っているんですか、答えてください。

○政府参考人(荒井和夫君) お答え申し上げます。  私どもソ連から帰還した方々からの聞き取り調査などによって、また留守家族からの情報などによって、推計積み上げシベリア抑留者の数五十六万一千人、そしてそのうち亡くなった方が五万三千人というふうに推計いたしました。そして、ロシアから提出された資料は、シベリア抑留者約四十七万人、それから死亡者四万一千人ということで差がございます。  ロシアの見解は、今まで出した資料がすべての資料だということでございます。私どもとの間に差がありますので、私たちは機会あるごとにロシア政府に対してまだ未提出の書類があるはずだと、資料があるはずだということでその提出を要求してきておりました。引き続きそういうことを実施したいと思いますし、また今後、更にちょっとやり方を変えて、具体的に、ロシアの名簿に載っていない亡くなられた方を具体的に提示して、ロシアに対して、この人はどうなっているのかというような形でいろいろな資料提出を求めていきたいと思います。  それから、私ども遺骨収集には最大限力を入れていまして、特にロシアにおいては亡くなられた方の遺骨収集が大事だと思っていますので、一体何人いるのか、それからどういう資料がまだ残っているのか、特に埋葬された場所に関する情報について相当何度も何度も繰り返し要求し、もし資料が出てきて、その結果場所が特定できれば、もうすぐにでも行って遺骨収集をしたいということで考えております。

○谷博之君 ちょっと今遺骨収集の話出ましたけれども、第二次世界大戦で、沖縄も含めてですけれども、軍人軍属の方が二百四十万人亡くなっていると言われているんですよ。そのうちの遺骨収集されている数は百二十四万人ですよ。半分近くがまだ未収集なんですよ、それが。百十六万ぐらいがまだ恐らく未収集だと思います。  そういうことを考えたときに、韓国政府の例を出しましたけれども、一日一日、時間はたてばたつほど風化していくんですよ。そういうものに対しての政府の姿勢というものが、もう戦後処理は終わったかのようなそういうふうな考え方でいくとすれば、私はおかしい。それは午前中の法案の質疑の中でも私は関係していると思うんです。  ここに主な援護施策というのがありますけれども、この中に、恩給法から始まって、戦没者の御遺族の方に対する様々な寄附金の支給行われております。そういう中にこの恩給欠格者、戦後強制抑留者、引揚者、こういう方々も二年前の国会で、いわゆる特別祈念事業というものが議員立法としてこれが成立して、そして三万円から十万円の旅行券ですよね。これはほかのいわゆる法律の内容と、この日切れに対する、あるいはこの恩欠・引揚者に対するもの率直にストレートには比較できないにしても、余りにも私はこの内容というのは整合性が取れないと思っているんですよ。そういうことを含めて、今申し上げたように、せめて歴史的に様々なそういう課題があるものに対して、政府はそういうもっともっと調べる姿勢、あるいはロシア政府に対してもっともっと強くやっぱり当たっていく、そういうことを目の前の韓国はやっているわけですから、そのことをやっぱりしっかり頭に入れてやってもらいたいと思うんですが、大臣、どうですか。

○国務大臣(舛添要一君) 今日は戦後処理の問題たくさん出てきておりますけれども、自分の国の歴史についてきちんとした認識を持たない国民は滅びる、そういうことがよく言われます。私たちは、今の繁栄、これがあるのはそういう大変御苦労なさった先人たちの犠牲の上にあるわけですから、いま一度振り返って、今委員が御指摘になったような非常に重い御指摘を受けて、私も政府の一員として今後取り組んでまいりたいと思います。

○谷博之君 時間がありませんので、最後に一点だけ簡単にお答えいただきたいんですが。  国立感染症研究所が所在するところで大量の人骨が発見をされた、約二十年前でしょうかね。これはいわゆるそこに旧陸軍軍医学校があって、そのところでそういう人骨が発見されておると。  二年前に川崎元厚生労働大臣が、元看護師の証言を受けて、ここにほかの場所にも遺骨が埋まっているということを証言して、それをできるだけ早く調査しようということになっています。簡潔に、二か所あるわけですが、今後の見通しを一言ずつお答えいただきたいと思います。

○政府参考人(外口崇君) まず、二か所のうちの国立国際医療センター戸山五号宿舎の方でございますけれども、これは現在職員が十二世帯入居しておりまして、代替の宿舎を確保するなど調査が可能となった時点において対応することとしております。  この代替宿舎の確保、現時点でまだめど立っておりませんが、確保ができた時点で調査を実施できるよう国立国際医療センターと必要な調整を行ってまいりたいと考えております。

○委員長(岩本司君) 財務省藤岡理財局次長。簡潔に願います。

○政府参考人(藤岡博君) お答え申し上げます。  お尋ねのもう一つの宿舎、合同宿舎若松住宅につきましては、現在居住中でございます。しかしながら、平成十九年六月公表の財務省の有識者会議におけます報告書における宿舎の移転・再配置計画に基づきまして、この平成二十年一月三十一日に廃止決定がなされたところでございます。ただ、今お住まいでございます。これに合わせまして、現在宿舎の入居者に対しましては、平成二十三年七月末までに退去するように要請したところでございます。  入居者の退去が完了するまでの間は、引き続き当該宿舎は宿舎として現に使われているわけでございますので埋蔵物の調査は困難でございますが、退去完了後におきまして何らかの調査を行うことを検討する必要があると考えているところでございます。

○谷博之君 終わります。



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