2005年10月25日 労働安全衛生法改正案について質疑、附帯決議、在外被爆者援護法案、CSS天下り事件、ハイタク問題
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163-参-厚生労働委員会-6号 2005年10月25日(未定稿) ○谷博之君 おはようございます。民主党・新緑風会の谷博之でございますが、今日は大変重要な法案の質疑ということで、いろいろ西島委員から今御質問もございましたが、そういう質問に若干重複しますけれども、立場を変えた質問などもさしていただきたいと思っております。 この法案の実は質問の前に、一点だけ今日的な問題についてお伺いしておきたいと思いますが、実は十月の五日に、私ども民主党、そして共産党、社会民主党、それぞれの野党三党で参議院に被爆者援護法の改正法案を提出をいたしました。これは大臣ももちろん目を通していただいたと思っておりますけれども。 一言でこの法案の、改正法案の骨子というのは、韓国を始めアメリカやブラジルなどで在外の被爆者がたくさんおられるわけでありますが、そういう方々が例えば在外公館などを活用して被爆者健康手帳の申請と受理ができるような、そういうふうな仕組みを整備していこうという、こんな基本的な考え方の法案だったというふうに私たちは指摘をさしていただきます。 それにつきましても、実は二〇〇二年から今日までいろんな地方高等裁判所で在外被爆者についての判決が出ております。特に九月の二十六日の福岡高裁の判決というのは非常に重要な判決であったというふうに思っておりますし、それを受けて私たちがこの法案を提出した二日後に、政府も重い腰を上げたというか、対応策について具体的に乗り出してきていると、こういうことだと思うんですけれども、しかし残念ながらそれは健康管理手当のみに限って言うならば申請を認めると、こんなような措置のように聞いているわけでありますけれども、こういう私たちの出しているこの法案について、大臣は率直にどのような感想をお持ちでございましょう。 ○国務大臣(尾辻秀久君) 今回、被爆者援護法の改正法案が民主党外野党の三党の皆さんから提出をされたことは私も承知をいたしております。ポイントは、今お話しいただきましたように、被爆者健康手帳について国外からの申請を認めるということだというふうに存じております。 この手帳でございますけれども、この審査は六十年前の原爆投下当時の個別具体的な事実関係について詳細な確認を行う必要がございますので、これまでも都道府県、市の担当者が申請された方、申請者と直接会いまして審査をいたしてまいっております。そのことが極めて重要でありますので、これを国外から申請する場合には、直接会うということが、担当者が直接会うということが大変難しいことになりますので、これを進めるということになりますとどうしても実務上の問題が出てくるというふうには考えております。 ○谷博之君 おっしゃることもあって、例えば韓国のそういう被爆者の人たちが日本に来てその申請を受けるという、こういう仕組みも、その費用も含めて取っておられることも私たちは承知をしているわけですけれども。 ちょっと別の角度から御指摘しますと、これ、小泉総理の今回の靖国の参拝で、例えば日韓の外交関係が大分心配されておりますけれども、しかしそういう中で、韓国の潘基文外交通商大臣ですか、この方が、そういう状況にあるけれども十月の二十七日に訪日をして両国の外相会談に臨むと、こういう報道記事も出ておりまして、その中に、実はいろんな課題がありますけれども、この在外被爆者の問題も議論が出てくるというふうなことが言われています。 それからもう一点は、これは韓国のいわゆる被爆者団体の関係者の中の発言ということで、日本に例えばそういうことで来てそういう手続をしたくても健康上の理由等でやっぱりどうしても来れないというもう相当高齢者の方もおられますね。こういうふうな人たちに対して、現状日本に行くということについてはもう無理だという、こんなようないわゆる手帳を持っていない被爆者が四百名を超えるぐらいの人数がいるだろうと、こんなようなこともその団体の関係者は発表しております。 そういういろんなことを考えますと、当然これは両国の外相会談でも、例えばこの健康手帳の交付申請についても在外公館の活用を検討してほしいという、こういうふうな思惑というか感想を持っておられるということになれば、やっぱりこれはもう一歩踏み込んだ、今までの政府の対応よりも更に踏み込んだ措置というものが必要になってくるんじゃないかというふうに私は思っています。 その前に、今大臣がおっしゃったように、しかしそれは面接をして実際この、例えば広島なら広島のどの地点で被爆をされたかというふうなことも含めて聞き取り調査、面接もしなければいけない、これもよく分かる。 そういういろんなことを考えますと、これ一つの、例えばの話ですけれども、広島県や長崎県のいわゆる担当者の人が一定期間を決めて在外公館に行ってそういう方々の具体的な聞き取り調査なり対応をするということができないものだろうかというふうなことを、これは当然、担当官以外にも医学的なそういう専門家が必要ということであれば、そういう医学的な関係者も含めて行って対応するような、そういう仕組みというものができないものだろうかというふうに思うんですが、この辺はどういうふうに考えておられますか。 ○委員長(岸宏一君) まず最初に、じゃ、中島健康局長。 ○政府参考人(中島正治君) ただいまの御質問でございますが、現行の法律上の運用といたしまして、被爆者健康手帳の申請に当たりましては来日していただくということが法律上必要とされておりまして、御提案のように申請者が国外にいたままで手帳の交付を受けることはできないものというふうに考えております。 厚生労働省といたしましては、先ほどお話にもございましたが、手帳取得のための来日を支援する事業を現在実施しているところでございまして、今後ともこうした施策の推進により国外にお住まいの被爆者の方々の支援をしてまいりたいというふうに考えております。 ○国務大臣(尾辻秀久君) 今局長からもお答え申し上げましたけれども、ただこの問題は、この手帳の問題は、その前にお触れいただきました手当の問題も同じでありますけれども、法律上の問題とそれから実務上の問題と、絶えずこう二つあるわけでございます。この両方を解決しないと実際にはやれないということで、手帳の場合は、まずその法律上の問題を解決しようということで法案をお出しになったという、そこはもうそのとおりでございますから、そこで私は実務上の問題を先ほどお答え申し上げたところでございます。 先ほどお触れいただきましたこの手当のことにつきましても申し上げたようにこの両面あって、そして法律上の問題は裁判の結果などもあって私どもは私どもなりの考え方もありましたけれども、これはもう御高齢になっておられるということなども、今これまた先生お話しになったとおりでありますから、そういうことも考えて、そして実務上の問題が何とか解決できるならばこれは是非そうやろうということで、御案内のとおりに在外公館を使ってやってもらうということにしたわけでございます。 今度は手帳の話になりましたときに、その実務上の問題が同じようなことでやれるかどうかということが大変私は難しいということをお答え申し上げましたら、今度は今先生から、じゃ担当者が行ったらどうだというふうに重ねてのお話でございますから、そのことに触れて申し上げますと、いろいろ状況を聞かなきゃならないものですから、担当者が一人行ってお話を伺っただけで解決できるかどうかというようなこともあろうかと思いますし、また今先生お触れになったようなその他の聞き取りの話もございますので、大変実務上は私どもは困難を伴っておるというふうには考えておるということを申し上げたいと存じます。 ○谷博之君 今大臣の方で整理していただいたので、そのとおりだとは思うんですね。私心配していますのは、先ほど局長の答弁ありましたけれども、例えばそういうことで在外の手帳を持っていない方々は、今後も日本に来ない限りはもう認めないという形の姿勢を貫いていっちゃいますと、しかも、それでこの在外被爆者の戦後処理と言うと恐縮ですが、対応はもうこれで厚生労働省としてはここまでだよという、こういう一つの姿勢が出てくると、これで事足れりということにはやっぱりならないんだろうと思うんですよね。 依然としてその人数はまだはっきり正確にはつかまれておりませんけれども、恐らく私は世界的にあちこちに手帳を持っていない被爆者の方も随分おられると思います、そんなに大きい人数ではないと思いますがね。こういう方々の私は問題というのはこれからも残っていくというふうに思うんですよね。 それを解決するのはおっしゃるとおりやっぱり法律、この法を改正するしかないわけで、そのためにも我々はこの法案を実は出さしていただいているということなんです。したがって、これは委員会の一つは、あるいは国会の問題でもあるわけですけれども、我々がこの議員立法を提出をして、本当は法案を下ろしていただいてここで議論をできれば一番いいことなんですけれども、現実はそういうふうにはまだなっていません。 そんなこともありますけれども、これはこういうやり取りを幾ら続けても多分平行線だと思いますが、いずれにしても、大臣が最後にちらっとおっしゃったように問題はまだ残っているという認識は絶対していただいて、こういうことについて当然さっき言ったように二十七日の外相会談ではこれ出るはずです。これは当然日本政府としても、いや、これで終わりましたとやっぱり言えない問題でもあると思うんですよ。そういうことを考えると、これ是非大きな課題ということで検討してこれからもいっていただきたいと、このように思っておりますので、よろしくお願いいたします。 それでは、本論の法案の質疑に入りたいと思いますが、まず十七条、十八条、十九条の関係についてお伺いしたいんですが、これは先ほどもちょっと出ましたけれども、安全委員会、衛生委員会の問題です。 この安全衛生委員会は、労使で設置しなければならない事業所というのが全国的に対象として幾つぐらいあって、そして現実にその委員会が設置されている数はどのぐらいあるのか、まずお答えいただきたいと思います。 ○政府参考人(青木豊君) 労働安全衛生法の適用のある事業場で衛生委員会の設置義務のある労働者数五十人以上の事業場数は、総務省の事業所・企業統計調査によりますと、平成十三年で十五万二千七百四十二となっております。安全委員会につきましては、一定の業種及び規模の事業場に設置義務がありまして、その事業場数は統計の制約上その総数を把握することは難しいんですけれども、約大体五万弱というふうに見込まれます。 お尋ねのどのぐらいそのうちあるのかということでございますが、そのうち安全衛生委員会等を設置している事業場については、平成十二年に実施いたしました労働安全衛生基本調査によりますと、事業場規模五十人以上の事業場のうち、そういった安全衛生委員会等を設置している事業場の割合は七四・二%というふうになっております。 ○谷博之君 これは平成十二年、十三年の言うならば調査ということですけれども、その後、直近の調査というものはやられたような話もちらっと聞いているんですが、その辺はどうでしょう。 ○政府参考人(青木豊君) 今申し上げました労働安全衛生基本調査につきましては、今年、一番直近のものは実施するということにしておりまして、これで一番最新のものが把握できるということでありますが、これはまだ現時点では集計結果出ておりませんので、お答えがちょっとできません。 いずれにしても、私どもは未設置の事業場に対しては指導を行って設置率の向上に努めていきたいというふうに思っております。 ○谷博之君 まだ集計できていないからお答えできないということですけれども、あくまでこれ推測の域というか、結論ではありませんけれども、どうもこの設置率は上がっていないというふうな話も聞いております。つまり、これは断定できる話じゃないんですが、そういうふうな話も聞いているというわけですけれども。そしてまた、設置されているところでも、この安全衛生委員会が形骸化していってほとんどその機能を果たしていないというふうな、そういう委員会もあるというふうに聞いているんですが、その辺についての調査、把握はしておられますでしょうか。 ○政府参考人(青木豊君) 今ほど申し上げました労働安全衛生基本調査によりますと、安全衛生委員会等が設置されています事業場のうち、過去一年間に一度も開催のなかった事業場というのは、委員会が開催されなかったという事業場は四・〇%ということでございます。それから、開催されたところの開催回数というものを見ても、過半数の事業場が年十二回以上開催されております。まあ、開催については一定程度確保されているんではないかというふうに思っております。 しかし一方で、厚生労働省で平成十五年に実施いたしました大規模製造業についての自主点検のこの結果を見ますと、労働災害発生率の高い事業場におきまして安全衛生委員会等の活動が必ずしも活発でない状況が見られております。単に伝達事項や現場からの報告事項が主体で意見交換など十分に行われていないなど、そんなような状況が見られます。このため、労働政策審議会、審議会の建議におきましても、「労働安全衛生法上期待されている機能も十分果たされていない状況にあることから、その活性化を図ることが必要である。」というふうにも指摘を受けているところでございます。 ○谷博之君 大変ある意味ではばらつきがあるという言い方でしょうかね。設置されているところでも、大変労使が一緒になって熱心に衛生安全、安全衛生を取り組んでいるそういう事業場もあれば、形骸的に設置だけしているというふうなところもあるということだと思うんですね。 それからもう一つは、今どこの事業場でもそうですけれども、多様な雇用形態というのが今行われております。例えばパートとか派遣とか裁量労働制、そういうふうないわゆる非正規の労働者の人たちの数も非常に増えてきております。 この安全衛生委員会というのは労使の代表が構成して委員会を設置しているわけですけれども、いわゆる労働組合のないようなそういうふうな未組織の労働者のいるような職場、たくさんおられるようなところ、こういう方々の、例えば非正規労働者がいわゆる正規の従業員と同じような仕事をしている、しかも危険性を伴うような職場で仕事をしている、こういう方々に対して、じゃそういうふうな非正規の労働者の皆さん方の代表がこの安全衛生委員会に入っているかというと、これは入っていない、こういうこともありますね。そういうふうなことになってくると、このいわゆる構成そのものも私はもっともっと多岐多様にわたるような現実はあるんではないかというふうに思うんです。 こういう労働災害の責務、責任の第一義的な立場というのは、これは事業者であります。そういう意味では、この事業者がそういうふうな多様な現場の労働者に対するヒアリング等をどこまでやっているのかということについても、これはなかなか十分であるとは私は言えないだろうと思うんですね。 そういういろんなことを考えますと、僕はやっぱり一つは、そういう様々な事業場の状況に対する助言や指針、こういうものをやっぱりそろそろ国が作っていく時期に来ているんじゃないかというふうに思うんですけれども、これらについてはどのような対応を考えておられますか。 ○政府参考人(青木豊君) 確かに、個々の職場において様々な人たちが働いているという中にあって、そこの安全あるいは衛生、そういったものの確保をしていくということは大変重要でありますし、そういう意味でこの安全衛生委員会等において労使がともに話をして、お互いに現場をよく知る者同士でその危険度をチェックし改善を考えていくというのは大変有効なものだと思っております。 そういう意味で、様々な雇用形態の人たちがだんだんだんだん作業現場に出てきておりますんで、そういった人たちの作業についてもきちんとチェックをしていくということが必要だろうというのは御指摘のとおりだと思います。ヒアリングというお話もありましたけれども、確かにそういうことも重要であると思いますし、安全衛生委員会がきちんと機能をして、そういう真に作業現場における安全衛生の確保ということになるように、私どもとしても、そういった御指摘の方策も含めまして安全衛生委員会の活性化が図られるように努めていきたいというふうに思っております。 ○谷博之君 これ大臣にちょっと要望させていただきたいんですけれども、今の御指摘のとおりです。設置率から始まって、それから先ほどの西島先生の産業医の話もそうですけれども、これは我が党の小林正夫議員からも是非発言をしてもらいたいということがあったんですが、結局、こういう委員会を設置しても労働安全衛生法そのものの知識も十分理解されていないという現場もあるということですね。 したがって、私は、この法改正をするときにもう一度そういう意味で国なり地方自治体がこういう労働安全衛生法ということについての再認識をするような、そういう措置というか対応をやっぱりやるべきじゃないかなと。ただ単に国会がこの法を改正したということだけではなくて、もちろんいろいろ努力もされておられるのかもしれませんけれども、より徹底してやっぱりやる必要はあると。そのことがやっぱり法の趣旨に照らした対応だというふうに思うんで、これは是非、この後の質問にもちょっと関係することなんですが、冒頭御要望させていただきたいと思っております。 それから次に、二十八条の二項の問題です。これは、危険性又は有害性を調査しその結果に基づく措置を行う、こういうふうな項目があります。 ここで一つ取り上げたいのは林業労働者のことなんですけれども、日本の国土面積の約七割は森林に占められていると。森林のその多面的な機能というのは非常に最近特に見直されている。環境問題を始め様々な分野での森林の果たす役割が非常に大きくなってきた。しかし、残念ながら、日本の今の森林というのは荒廃をし、そして外国との関係で非常に対応に苦慮している状況に今あるということだと思うんです。 そういうことを受けつつ、しかし、なおかつこの林業に携わる現場の労働者、こういう方々は、非常に今その事業の危険性、それから低収入、高齢化、こういう現状があって、大変な状況にあるわけであります。 政府は二〇〇三年から緑の雇用担い手育成対策事業、これを実施しておりまして、新規就業者は〇二年の二千二百十一人から四千三百三十四人に増加していると、こういう発表をしておりますが、しかし、今申し上げたように、高齢化と同時に定着率が非常に低い。なおかつ、この職場というのは、労働災害の実情から見ると、言うならば発生頻度、労働災害の発生頻度は、減少傾向はあるけれども依然として全産業中第一位というデータがあります。これはちょっと調べた資料ですが、災害の発生頻度を示す度数率については、今申し上げましたように、依然として全産業中第一位、これは規模が三十名から九十九人の事業所において平成十五年は全産業平均の十三・一倍、極めて高い発生率を示しているということです。 この辺のことについて、農水省ではどのように御認識されておられますか。 ○政府参考人(石島一郎君) 林業の労働災害についてでございますが、林業の作業環境は天候に左右されやすく、また作業箇所の多くが傾斜地でありますことなどから、労働災害発生の頻度は依然として他産業に比べて高い水準にございます。 農林水産省といたしましても、林業労働者の安全を確保することが重要な課題であると考えておりまして、事業主に対します巡回指導や現地研修の開催などに対して支援を行うことによりまして、労働災害の防止に努めているところでございます。 また、労働災害の防止のためには、安全で使いやすい機械や器具が必要でありますことから、新技術や新素材を取り入れた機械や器具の開発、改良の取組に対しても支援しておるところでございます。 今後とも、厚生労働省や都道府県と連携を図りながら、林業における労働災害の防止が図られるよう努力してまいりたいと考えております。 ○谷博之君 厚生労働省の方にお伺いしたいんですが、今そういう御答弁がありましたけれども、いみじくも話ありましたように、労働環境が一定しない特殊的なそういう職場だということでありまして、そういういわゆる特殊性を持つ林業の現場で、事業者は一体これからどう対応していくのか、何をどのように実施することが必要なんだろうかということになると思うんですが、この点はどういうふうに考えられておりますか。 ○政府参考人(青木豊君) 安衛法の二十八条の二においてリスクアセスメントといいますか、をやろうということであります。 御指摘ありましたように、林業については非常に災害率が高い、非常に危険だということであります。したがって、この二十八条の二で、具体的には、事業者は、従来から取り組んでいる危険予知活動の自主的な活動を通じて得た情報でありますとか災害事例の情報なども活用しながら、一つにはやはり木を切り倒すというのも非常に危険でありますし、そういった危険な作業における危険性、有害性を特定をまずいたしまして、それからそれらのリスクを評価をする、その評価結果に応じたリスク低減のための対策を検討するというようなことが必要だというふうに思っております。こういったことが林業においても労働災害を防止する上で非常に有効だというふうに考えております。 林業労働の特性も踏まえまして、危険性あるいは有害性の調査、そういったものに関するリスクアセスメントに関する標準的なモデルを作成をしているところでございますし、その活用を促進して林業における労働災害の防止に努めていきたいというふうに思っております。 ○谷博之君 その取組の中で、一つちょっと要望をさせていただくというか、お伺いしたいんですが、現場の実態を調査する、そしてその対応策を決めていく、そしてそれを関係者に通達を流して徹底を図っていく、こういうことはいろんなやっぱり関係者に対する当然大きな仕事になると思います。 そういう中で、一番、私は何といっても、そこに働く現場の労働者の皆さん、こういう方々が、そういう調査から、そして対応策の検討から通達の各段階においてかかわっていかなければいけないだろうというふうに思っていまして、そういう意味では、関係する例えば労働組合の皆さん方や、あるいは関係者の方々とも十分に協議してこれを行っていかなければいけないことだというふうに思っています。そういう点について是非そう行っていただきたいと思うんですけれども、その考え方がどうかということが一つ。 それからもう一つ、待ってください、この林業分野のいわゆる労災の対応ということで、労災の保険料率、これは先ほど申し上げましたように高い、高い災害リスクを背負っているわけですから、こういうことを踏まえて千分の五十九になっております。これ、非常に高い設定ということですね。この千分の五十九というのは、給料掛ける千分の五十九を掛金として事業主が納める、労災の本人負担はないということでありますが、この千分の五十九というのは非常にこれは高い設定になっています。 私が言いたいのは、この高いリスクを背負っているからこれでいいんだということではないと思うんですね。全くその逆でありまして、安全の確保は労働安全衛生法に基づく予防策を第一に進められるべきだということが、これは大前提だと思うんです。 そういうことについて、この二点、お伺いしたいと思います。 ○政府参考人(青木豊君) こういった労働災害を防止して危険を排除していくというためには、やはり実際に現場をよく知っている、そういう状況が必要であります。そういう意味では、正に御指摘になりましたように、現場関係者、当事者、そういった者の話をよく聞くということは大変重要だというふうに思っております。 私どもとしては、先ほど申し上げましたようなリスクアセスメントを進めていこうということで、その内容等を指針を作って進めていこうと思っておりますけれども、現在専門家による検討をそういった指針についても行っているところでありますけれども、一定の成案を得られた段階でパブリックコメント制度などによりまして広く意見を求めることとしております。こういった手続によりまして、労働組合でありますとか現場関係者からの意見を反映させてまいりたいというふうに思っております。 また、正に災害が非常に多くて林業については労災保険の保険料率が非常に高く設定されているところでございます。労災保険は、正に御指摘のように労働災害を発生した場合の損害を補てんするということでありますので、災害の発生率に応じて業種ごとに保険料率を設定するというのが原則であります。したがって、非常に危険で災害発生率の高い林業については、正に御指摘のように極めて高いランクの労災保険率というふうになっております。 御指摘になりましたように、災害を補償すると、事故が起きてから補償するということではなくて、やはりそれ以前に予防をして災害を未然に防ぐというのがまずやっぱり我々としても一番取るべき道だと思っておりますし、保険のことからいいましても、予防をすることによってむしろ災害が発生をしなくなり、ひいては労災保険率も下がっていくという、そういう状況が生まれることが望ましいというふうに思っております。 林業につきましては、そういう意味で労働災害防止上、重点といいますか、重点業種といいますか、でありますので、林業の事業者に対しましてまずは法令上のいろんな規制、規律を守っていただくということで監督指導を行っておりますが、そのほか、現場パトロールなど自主的な労働災害防止活動を指導、援助するというようなことによりまして災害防止を図っているところでございます。 今回、安全対策充実強化をする法改正の内容も踏まえまして、関係省庁とも連携を図って、引き続き林業における労働災害防止対策の一層の推進を図っていきたいというふうに思っております。 ○谷博之君 これまた大臣に要望になりますが、そういう今申し上げたようないろんな産業の中には、極めて危険度の高い、そういうふうな職場もありますね。それを、私たち非常にそういう現場を見ておりまして、やっぱりそういう職場に対する一つのこの対応策といいますかね、そういうことを指針としてやっぱり明確にやっぱり作っていって、それに基づく指導というものがやっぱり必要になってくるんではないかなというふうに思っておりまして、そういう取組が今の御答弁ではある程度感じられますけれども、明確に出していただくような、そういう取組にこれから更に励んでいただきたいというふうな思いをしておるんですが、これは大臣、何か一言ございますか、その辺の感想が。 ○国務大臣(尾辻秀久君) 先ほど先生がお触れになりました同じ資料だと思いますが、私の手元にもございまして、すなわち産業別死傷者年千人率という資料でございますが、これを見ましても、もう林業における災害の発生率、極めて高いということはもう確認できるところでございます。 したがいまして、特に林業についての取組につきましては局長からもお答え申し上げたところでございますけれども、林業に限らず、私どもは、労働災害というのはこれはもう防止しなきゃいけませんし、また防止することが保険についてもいい影響を与える、すなわちいい方へいい方へ、悪循環とすなわち反対の方にいい方へいい方へ転がっていくというふうに思っておりますので、これはもう全力を挙げてその対策取らなきゃいけないことだと思っております。今日の御指摘なども踏まえて、私ども努力を続けてまいります。 ○谷博之君 是非前向きに取組をいただきたい、そのように要望いたします。 それでは、続きまして六十六条の関係ですが、実は今国会に民主党がこの労働安全衛生法の改正法案を提出をいたしました。職場における歯科健診の必要性、これを盛り込んだ改正法案でありました。 その中で、提出しているこの法案の中にもありますけれども、学校を出るまでいわゆる学校保健によって培われた歯の健診、歯の健康、これが卒業していわゆる社会人になって、そこで人生の半分以上を過ごすその期間に、この歯の言うならば健診なり歯のそういう保健対策といいますか、こういうものが現状は率直に言ってちょっとおろそかになってきていると。それが結局最終のところ、いわゆる現役で働いた世代から退職した後、高齢化の段階でその影響が出てくるという、こういうことが非常に私たちは心配しています。 それで、そのいわゆる大きく言えば、老人保健における対策も含めて、この歯というのはもう食べる一番の大事な武器でありますから、これが歯が、例えば民主党は八十歳になって二十本以上の歯を持とうという、こういう一つの考え方を持っているわけですけれども、そういう状況に今ないですね。率直なところ、大変、言うならば歯の悩みを持っている方というのは非常に多いと思います、特に高齢になればなるほど。それがひいては健康をむしばむというか、健康に影響を与えてくるわけであります。 そういうことを考えると、今働いている現役の時代に歯のそういう保健あるいは健診というのは非常に重要なことではないかというふうに思うんです。そういう点から、この問題についてどのような考え方を持っておられるか、お聞きしたいと思うんです。 ○国務大臣(尾辻秀久君) 今、たしか八〇二〇運動についてもお述べになったというふうにお聞きをいたしました。お話しのとおりに、歯が私どもの健康に非常に大きな役割を果たしておる、もうそこに一番根幹の部分だと言ってもいいということはもう私もそのとおりだというふうに思っております。したがいまして、歯の健康ということのこの大事さにつきましてはもう全く否定するものじゃなくて、もうそのとおりだというふうに思っております。 ただ、今この労働安全衛生法における御審議の中で先生方の御提案もありますから、それについて触れてこの場で申し上げるようにお尋ねになったところだと思いますので、そのことについても申し上げておきたいと思います。 まずこの労働安全衛生法におきまして、歯科疾患を発症させるような有害業務につきましては、これは事業者に歯科健診の実施を義務付けておるところでございます。労働安全衛生法でもそこまでの規定はいたしております。 ただ、この有害業務以外では、業務と歯科疾患の発症との関連性、業務と歯科疾患との発症との関連性ということであくまでも申し上げておるわけでありますけれども、というふうに言いますと、どうしても希薄であると言わざるを得ないものですから、事業者の負担により、これも申し上げておりますのは、事業者の負担ですべての労働者に歯科健診の実施を義務付けるというところまでは私どもは必要ではないと判断いたしておるものですから、今労働安全衛生法で、冒頭申し上げた有害業務以外についての規定は設けていないということでございます。 ○谷博之君 私の方で尋ねようと思ったことについてお答え、先にいただきましたけれども、結局、有害業務における義務付け以外に事業主が自主的に歯科健診を実施している状況は非常に低いんだろうと、ほとんど低いんじゃないかなという気がしていますね。 それで、これはいろんな背景があると思います。歯科を入れるべきかどうかということについてのそれぞれ専門家の御意見もあるわけでありますけれども。しかし、私どもの地元の県の方で、高齢者の方々の歯科専門のそういう治療センターというものを十年ほど前に開設をさせていただいた。その当時、いろいろ記憶はあるんですけれども、お年寄りの方々の歯の治療をするというのは、これは大事なことだと思うんですね。 だけれども、そういうところになる前に歯のやっぱり健康というのを保つということは、これはさっき言ったように、何十年という勤労時代、この時代のやっぱり私は取組が極めて大事なんだということをやっぱり考えますと、これは私は、将来は避けて通れないそういう大事な課題だというふうに思っています。この次の法改正のときぐらいには是非我々のこの内容が改正できるように、ひとつ前向きの検討をしていただきたいと思っております。 それから次に、先ほど西島委員からお話、御質問ありましたけれども、自殺対策のメンタルヘルスについてでありますけれども、今度の法改正のこれは正に柱の一つでありますが、昨年の八月、過重労働・メンタルヘルス対策の在り方に係る検討会、こういう検討会から報告書も出ておりまして、国も一定程度の取組をしてきているということでありますけれども、ただ残念ながら、事業者への普及啓発はまだまだ不十分でありまして、国の更なる取組を求めているんではないかと、このようにこの報告書を私としては受け止めております。 そして、今、西島委員との質問のやり取りで地域産業保健センターのお話が出てまいりました。これは、本年の二月二十四日に、参議院の厚生労働委員会での参考人質疑の中、これは自殺予防対策についての参考人質疑において、産業医科大学の中村純教授は、心の健康の問題に対する理解について、地域産業保健センターの働きぶりに温度差があるという、こういう趣旨の発言をされておられます。 これについて、大臣、御認識でありますか。 ○国務大臣(尾辻秀久君) 今お話しいただきました地域産業保健センターでございますが、これはもう改めて申し上げるまでもございません、小規模事業場に対する産業保健サービスの提供のために設置されておるわけでございまして、労働者のメンタルヘルスに係る相談にも対応いたしておるところでございます。 度々話題にもなりますので、私も見にも行きました。そして、地域によっては精神科医や心療内科医等の専門家が少ないところも確かにございまして、すべての地域産業保健センターでメンタルヘルス相談が十分に行われているとは言えないという現状にあることは、私もそのように考えております。 まずここまでお答え申し上げればよろしいでしょうか。 ○谷博之君 一方、これは今年の七月の十九日、この参議院の厚生労働委員会で決議を行っております。これは自殺に関する総合的かつ緊急かつ効果的対策を求める決議、これを行っておりますね。この中で、決議の四に、民間団体との連携で自殺予防総合対策センター(仮称)を設立することについては、その問題について大臣は次のように答えております。 自殺予防総合対策センターについては詳細は今後検討する、自殺の予防対策や心のケア等の事後対策の取り組む地域団体や民間団体等とも連携強化を図り、総合的な自殺対策を推進、支援していきたい、このように答えているわけでありますが、まず、このその後の検討状況はどうなっておりますか。 ○国務大臣(尾辻秀久君) お話しのとおりの本委員会での御決議もございました。私どもも、関係省庁が一体となりまして取り組む体制の確保でありますとか、今まだ仮の名前でありますけれども、自殺予防総合対策センターの設置等についての検討を始めました。 そこで、このセンターでございますけれども、国立精神・神経センター内に整備するということにいたしておりまして、その具体的な機能といたしましては、これも改めて申し上げるまでもないかもしれませんけれども、申し上げますと、情報の収集、発信、調査研究の支援、対策支援ネットワークの構築、関係団体等への支援、これは先生もお触れになった部分でもございます。また、研修、政策の提案などを考えておりまして、二千二百万円の概算要求を行っております。来年度からこれをつくりたいというふうに考えておるところでございます。 ○谷博之君 実は、今質問してきた流れがございまして、そういう地域産業保健センター、そして今御説明にあった自殺予防総合対策センター、それに、都道府県に設置されておりますが、産業保健推進センター、こういういろんな機関があるわけですね。この地域産業保健センターも三百四十七か所あるわけでありますし、各都道府県にも今申し上げたような産業保健推進センターがあります。今度つくられる自殺予防総合対策センター、こういうそれぞれの機関は相互連携を持って活動していかなきゃならぬ、そういう機関だと思います。 と同時に、これはいわゆる労働現場のメンタルヘルス対策が自殺予防に極めて重要である以上、厚生労働省の中でも障害保健福祉部に縦割りで任せるという、こういうことではなくて、安全衛生部も検討段階からしっかり関係していく、こういう横の連携も必要なんだろうというふうに思うんですが、こういう事柄について、それぞれお考えをお聞かせいただきたい。 ○国務大臣(尾辻秀久君) 十分連携を取って進めるようにという御趣旨のお話だというふうに存じます。 今申し上げましたように、自殺予防総合対策センターの設置につきましては概算要求をいたしております。その概算要求どおりに予算が獲得できますと活動を開始させるということになりますけれども、その際には、特に産業保健推進センターなど、こうした産業保健サービスを提供するための機関もございますので、こうした関係機関との連携というのは、御指摘いただきましたように、十分効果的に図られるようにしながら実施してまいりたいと考えております。 ○政府参考人(青木豊君) もう一つ、自殺予防対策について、障害保健福祉部と安全衛生部も十分連携して事に当たれと、こういうお話でございました。 自殺予防対策は非常に重要な課題ということで、これまでもマニュアルを作成したりして普及啓発を図ってきておりますけれども、省内において自殺予防対策を総合的に推進するために設置されました自殺対策の推進に関する省内連絡会議、これは正に委員御指摘になりましたように、障害保健福祉部長、安全衛生部長の下で、国立精神・神経センター精神保健研究所長そのほか関係の責任者を集めまして会議をして総合的に対策を推進しようというものでありますが、こういったものをつくりまして、省内の施策の検討段階から連携してやろうということでやっております。 さらにまた、委員は障害保健福祉部、安全衛生部という省内のお話、御指摘でございましたけれども、さらに政府全体としても内閣官房の下に設置されました自殺対策関係省庁連絡会議に障害保健福祉部とともに安全衛生部も一緒に厚生労働省から参画をいたしまして、政府全体としての対策の検討にも関与してきております。今後とも密接な連携を図って予防対策に推進していきたいというふうに思っております。 ○谷博之君 もう一点、この分野ではNPOとか民間団体が非常にメンタルヘルスの各種相談とか研修講座、こういうのを取り組んでいる事例がたくさんあります。今後、国の施策と有機的な連携が十分にこういう団体と図られていかないといけないんじゃないのかなというふうに思っているんですが、今後具体的にどのようなそういう連携を取ろうとしているか、短くひとつお答えください。 ○政府参考人(青木豊君) メンタルヘルス対策については、正にいろんな団体、もちろん事業者団体とか医療関係団体など関係する様々な団体と連携することが必要だというふうに思っておりますし、御指摘になりましたNPO法人などそういった民間団体も含めた機関については、まずこういった調査研究を行いまして、その調査結果を踏まえて活用方策について研究、検討していきたいというふうに思っております。 ○谷博之君 是非よろしくお願いしたいと思います。 時間が大分迫ってきました。ちょっと急ぎ足で次の質問をしたいと思いますが、中央労働災害防止協会、いわゆる中災防の問題についてお伺いしたいと思いますが、これは職場の管理とか監督者といういわゆるキーパーソンに対する教育啓蒙活動において、現在約二億六千八百万円の国の委託事業が全額この中央労働災害防止協会という特殊な民間法人に全額委託されております。 これはいろんな研修事業を行っているわけですが、例えば私の県の栃木県では、昨年度の例を見ると、実績はわずか一回開催をし、受講者数は四十九名だったと、こういうふうな数字も出ております。 本来、こういう事業は、先ほど申し上げましたように、この中災防だけではなくてNPO法人等々の活力を生かせるように、産業現場のメンタルヘルスの分野で委託や補助事業を積極的に行っていくべきだと、このように思っておりますけれども、そういうことを前提にしながらこの中災防についてお聞きしたいんですが、この団体は実は日本経団連の会長が会長を務めておりまして、事業者の自主的な団体ということであります。 ただ、決定的な問題が幾つかございまして、一つは、この中災防は天下りの実態が非常にあるということですね。有給役員七名のうち四人までが霞が関からの天下り、特にそのうち理事長、専務理事、常務理事の三名、このトップスリーは厚生労働省出身であるということ。そして、この自称民間法人は、実は社団、財団でもなくて、労働災害防止団体法という、これ昭和三十九年にできた法律、これに基づいて成り立っている特殊法人でありまして、厚生労働省から多額の補助金とか委託金を受けている団体だと、こういうことであります。この団体は、一九九七年の橋本行革の際には行政改革の対象になっておりまして、民間法人化が閣議決定をされて、二〇〇〇年六月にその定款を変えて民間法人化をしております。 ただ、このいわゆる民間法人の定義というのは、政府の定義によると、制度上業務独占がないことや役員の選任が自主的に行われていること、そして国の補助金などに経営経費が依存していないこと、このようにされておりますけれども、しかし今の中災防は、その実態は、補助金の額をなくすために単に補助金を委託金に付け替えたにすぎず、厚生労働省からの天下りの引受けと引換えに、毎年多額の補助金、委託金をもらっているんではないか、こういうふうな指摘がなされております。 しかも、この天下り人数も補助金も委託金も年々減少してきているとはいえ、今年度も補助金及び委託金の総額が六十億円にも上って、全収入の約五二%、これを占めています。そして、設置法である労働災害防止団体法もそのままに現在に至っていると。こういう意味ではこれは民間法人と言えるんだろうかというふうに我々は強く指摘をしたいと思うんです。 それを踏まえて、昨年の十二月二十四日の閣議決定で、この中災防について、今後の行政改革の方針に沿って今年度末までに、先ほど申し上げた労働災害防止団体法の改廃も含めて厳格な見直しを行う、このように出されておりますけれども、厚生労働省はこの中災防についてどのような方針を年度末までに内閣官房行政改革推進室に行おうとしているのか、お答えいただきたい。 ○政府参考人(青木豊君) 今御質問のありました中央労働災害防止協会でございますけれども、これは委員が御紹介ありましたように、平成九年に、民間法人化するということで補助金の縮減等を行いまして、あるいは定款を変更して自主的団体であるというふうなことを明確化して、政府としては民間法人化をしたということでございます。しかし、今正におっしゃいましたように、昨年の十二月二十四日に、特別の法律により設立されるこうした民間法人についても、見直しを十七年度末までに行うという閣議決定をいたしたわけでございます。 これについてでございますが、この昨年の十二月二十四日の閣議決定を踏まえまして、官民の役割分担、規制改革あるいは国の関与等の明確化、合理化、そういう観点から見直しを行うということにいたしております。今後のこういった考え方も踏まえまして、九年の閣議決定で民間法人化されたところではありますけれども、更なる見直しをするということにいたしているところでございます。現在、そういうことで検討中ということでございます。 ○谷博之君 この中央労働災害防止協会も、先ほどの私指摘したことと同じなんですけれども、これはある意味では独占体のような形になっているわけでありまして、いわゆる完全な民間法人化することで、この分野における他の民間団体の協調といいますか、連携というものを取っていく必要が出てきているんじゃないかというふうに思います。 そのことと、もう一つは、この中災防のいわゆる役員構成を見ておりますと、多数の役員が列記されておりますけれども、そういうものの中に労働者側の代表というのが全くこれ入っていませんね。そういう意味で、これは事業者の団体であるけれども、しかし、実際その当事者である労働者の代表という者が当然この中災防の中にも役員として入るべきではないかというふうに思っておりますが、この辺はどのように考えておられますか。 ○国務大臣(尾辻秀久君) 中央労働災害防止協会は、これはもう先生今お述べになったとおりでございまして、事業主団体を会員といたします自主的な団体でございますので、役員についても八割は民間企業の経営者などから構成されておるところでございます。 したがいまして、組合関係者は役員の中に含まれておりませんけれども、別途法律の規定に基づき、業務運営に参与いたします参与の制度が設けられております。この参与として労働組合の関係者が参加しておられるところでありまして、この制度の活用によりまして、労働組合の関係者の意見を取り入れた運営がなされているというふうに考えております。 ○谷博之君 この中災防は、現在、アスベストの問題とか、あるいはまた様々な活動をされておられまして、その実績について私たちはそれなりに評価をさしていただいておりますけれども、あえて申し上げれば、その取り組んでいる内容についてのいわゆる説明といいますかね、啓蒙宣伝というのが非常に不足しているような気もいたしておりまして、いろんな事業をやっておられることは分かっておりますが、これもう少しこう存在感を我々の前に見せていただきたいという、こういう希望を非常に持っております。 それから、どんどん次の質問さしていただきますが、法案以外のこの労働関係の質問になるわけですが、今年の六月七日の本院の決算委員会で、私どもの同僚の松井議員がシー・エス・エスの問題について、天下り問題について取り上げております。 これは、簡単に申し上げますと、職業安定局の担当者が多額のコンピューターシステムの随意契約を交わしているシー・エス・エスという会社に天下りをした件でありますが、これについて、松井議員の質問に対し人事院は、これが事実とすれば国家公務員法第百三条違反であって、懲役一年以下の刑事罰の対象になり得ると答弁しております。総理も最後に厳正な対応をしたいというような意味の答弁もしておりますけれども、その後これはどういう経過をたどっておられるでしょうか。 ○委員長(岸宏一君) 鈴木職業、あっ、失礼。いいですか。じゃ、後で大臣お答えを。 ○政府参考人(鈴木直和君) 今御指摘のシー・エス・エスの関係の問題でございますが、この事案につきましては、先般人事院から、本件事例が惹起するに至った事実関係を十分に把握し、その事実関係を踏まえた上で、この就職事案にかかわった人事担当者それから管理監督者等の責任について的確な判断を行い、懲戒処分その他の措置により厳正に対処するよう求められたところでもありますので、現在もその事実関係の十分な把握に努めているところでございます。 その上で、具体的な措置につきましては人事院とも十分相談しながら早急に対応していきたいと考えております。 ○委員長(岸宏一君) じゃ、尾辻大臣お答えになりますか。 ○国務大臣(尾辻秀久君) 今局長からもお答え申し上げましたけれども、いずれにいたしましても厳正な処分をいたします。 ○谷博之君 今日は人事院の職員福祉局長もお見えいただいておりますから重ねてお伺いしたいんですが、公務員が公務員法を知らなかったということで済まされる話ではこれはないと思うんですね。そして、そういうことがもしまかり通ればだれも法律なんか守らないですよ。これが現実です。人事院はそれでよしというふうにしているのか、本人の処分を行わない方向で了解するということなんでしょうかね。 厚生労働省が刑事告訴しないならば、これは民主党、我々としてもやむを得ないというふうな認識も多少はしておりますけれども、しかし、人事院としてこれはどう対応するかについて、刑事告訴も含めて考えるべきじゃないかというふうに思うんですが、いかがですか。 ○政府参考人(関戸秀明君) お答えいたします。 今般の御指摘の厚生労働省の退職者が十五年四月二日でございますけれども、株式会社シー・エス・エスに就職していた事例というのは、先般総裁からもお答えしましたように、国公法百三条に違反しているという事案であるというふうに認識しております。 このように、公務に対する信頼を裏切るような違反事案が明らかになったということは極めて我々としては遺憾であるという認識を持っております。そのため、こういう事態がまた再発するということは許されないということで、指導を強化していかなきゃいけないということを考えておりまして、具体的には今年の人事院勧告の際、八月十五日でございますけれども、の報告の中で本件事例について言及をいたしております。各府省において改めて関係者に、制度を知らないということは許されないわけでございます。制度の徹底を図るなど適切な対応を求めたところでございまして、さらに厚生労働省につきましては、今局長からの答弁にもございましたけれども、事実関係を踏まえた上で、しっかり事実関係を把握して、事実関係を踏まえた上で関係者の責任について厳正に対処をしていただきたいということと、把握された事実関係を踏まえまして、国家公務員法に違反するような今回のような違法な再就職が再発されないように、その防止策の策定、実施を徹底していただきたいということをお願いしているところでございます。 今、今答弁にもございましたように、我々も相談に応じていますけれども、事実関係の最終的な段階に行っていると思いますけれども、整理をしていただいているところでございまして、すべてその事実関係が判明してから検討をする問題であろうかと思っております。 ○谷博之君 まあ、そういう御答弁ですから、我々はこれからも厳格にこの動きを注目さしていただきたいと思っています。是非ひとつ、大臣答弁もありました。それから今もお話ありましたが、そういう対応をしていただきたいと思っています。 最後に、時間が来ましたが一点だけ、今まで委員会でも一般質疑でも触れられていますが、タクシー運転手の問題ですね、この労働問題。 労働基準法の第二十七条、これは出来高払制の保障給というこれは条文でございますが、これは戦後、タクシー運転手の実態を念頭に入れて作られた条文だと聞いております。この条文については、労働法の専門家の菅野和夫先生が解説書で書かれておりますが、出来高払制下にあるタクシー運転手などの労働者の実収賃金が、客不足などの労働者の責に帰すべきでない事由によって著しく低下するのを防止するための規定としてこの条文が作られている。つまり、この条文は「出来高払制その他の請負制で使用する労働者については、使用者は、労働時間に応じ一定額の賃金の保障をしなければならない。」、こういう条文であります。 ところが、これに対して、これは一つの例ですが、本年四月十三日北海道新聞に出ておりますけれども、増車規制緩和後の経営について、あるタクシー会社の経営者は、経営は簡単ですよとコメントして、二年前に給与の最低保障を撤廃し、完全歩合制に移行したと。月給やボーナス、燃料手当などを含めた運転手の取り分を売上げの六割に固定したと書いている。こういうふうなことで、正に丸投げですよね。そして、この二十七条に違反するような、賃金の保障など一切しないでいる。こういう現実が今のタクシー業界にまかり通っているんですよ。これは北海道の事例だけではありません。 こういうことを考えると、再三再四このタクシー運転手の問題については当委員会でも議論が出ておりますけれども、私は、労働監督行政の立場からすると、この条文の今日的意義というのは完全にもう空文化していると、このように言わざるを得ないと思うんです。この点について、大臣、どう考えます。 ○国務大臣(尾辻秀久君) これはもう今お話しいただいたとおりでございまして、労働基準法第二十七条は、出来高払制その他の請負制で使用される労働者の賃金については、労働者が就業した以上は、仕事した以上は、たとえその出来高が少ない場合でも、労働した時間に応じて一定額の保障を行うべきことを使用者に義務付けたものでございます。 これは、必ず守ってもらわなきゃならない正に法律でございますから、私どもはその立場で適切な監督指導を実施し、法違反が認められた場合には厳正に対処もしてまいりたい、厳しく監督指導を続けてまいりたいと存じております。 ○谷博之君 時間が来ましたのでこれで終わりますけれども、私も、民主党のハイタク政策議員懇談会という会がありまして、その事務局長もさせていただいておりまして、全国のあちらこちらの実態を調査しています。そういう中で、我々もまたそういう現場を踏まえた具体的な問題点なり提言をさせていただきたいと思っておりますので、この部分については非常に大きな問題だということを是非お互いに認識をし合いまして、今後、対応を是非していただきたいと思っています。 以上で私の質問を終わります。 ○谷博之君 私は、ただいま可決されました労働安全衛生法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党及び社会民主党・護憲連合の各会派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 労働安全衛生法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。 一、労働時間に着目した健康確保対策の実行に万全を期するとともに、賃金不払残業への厳正な対応や時間外限度基準の遵守の徹底に取り組むこと。また、始業・終業時刻の把握等労働時間管理の徹底を指導するなど、重点的な監督指導を行うこと。 二、面接指導制度は、事業者に法的に課せられたものであることにかんがみ、その適切な実施を図るため、義務規定に違反している場合又は努力義務規定の趣旨を満たしていない場合において、事業者に対し必要な指導等を行うこと。また、労働者の意思を尊重しつつ、確実に申出を行うことができるよう労働者が時間外労働時間数を確認できる仕組みの整備、申出手続の整備及び労働者に対する実施体制の周知並びに個人情報の保護の徹底などについて事業者を指導すること。さらに、メンタルヘルス対策として、地域産業保健センターや精神保健福祉センターにおいて、労働者の家族を含め、相談をしやすい体制を整えること。 三、過重労働対策・メンタルヘルス対策を衛生委員会等の調査審議事項に追加するなど、衛生委員会等の機能強化に努めるとともに、小規模事業場における安全衛生管理体制を強化するため、その在り方について調査検討を進めること。また、中小企業に対し過重労働対策・メンタルヘルス対策の必要性について周知徹底を図るとともに、地域における労使の参加と協力を進め、地域産業保健センターの機能と活動の強化を図ること。 四、製造業における元方事業者等を通じた請負事業者との安全衛生管理体制に関しては、製造現場の実情を踏まえ、元方事業者による安全衛生協議会の設置や作業場巡視、教育指導と援助、安全衛生管理指導等一体的な管理体制の普及について、所要の措置を講ずるよう速やかに調査検討を進めること。 五、労働時間等設定改善指針の策定に当たっては、育児・介護、地域活動、単身赴任、自己啓発等を行う労働者の実情に応じた労働時間等の設定の改善を促進するものとなるよう留意するとともに、年次有給休暇の取得率向上に向けて、計画的付与制度や長期休暇制度の普及促進等実効性ある施策を推進し、一般労働者の労働時間短縮対策に尽力すること。 六、労働時間等設定改善委員会の設置を促進するよう周知徹底を含め実効性ある施策を図るとともに、一定要件を満たした衛生委員会を労働時間等設定改善委員会とみなすに当たっては、法に定める要件が遵守されるよう、制度運用に万全を尽くすこと。 七、複数就業者に係る労災保険給付基礎日額の算定方法については、その賃金の実態を調査し、早期に結論を得ること。 八、建設業等の有期事業におけるメリット制の改正に当たっては、いわゆる労災かくしの増加につながることのないよう建設業関係者から意見を聴く場を設けるなど、災害発生率の確実な把握と安全の措置を図るとともに、建設業の元請けの安全管理体制の強化・徹底等の措置を図り、労災かくしを行った事業場に対しては司法処分を含め厳正に対処すること。また、労働安全衛生マネジメントシステムの導入拡大による労働災害の予防を図るとともに、導入企業に対する公共事業の企業評価における優遇措置など導入促進を図るための多様なインセンティブを与える具体策について調査検討すること。 九、企業間競争の激化や働き方の多様化が進む中で、労働者の協力・参加の下で行う事業者の自主的な安全衛生活動の役割が一層重要となることを踏まえ、その促進に向け格別の配慮を行うとともに、学校教育の場においても労働安全衛生の必要性について指導の徹底を図ること。 十、本法の内容と密接に関わるILO第一五五号条約の早期批准に向けて、検討を行うこと。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ、委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
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| ○谷博之君 私は、ただいま可決されました労働安全衛生法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党及び社会民主党・護憲連合の各会派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 労働安全衛生法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。 一、労働時間に着目した健康確保対策の実行に万全を期するとともに、賃金不払残業への厳正な対応や時間外限度基準の遵守の徹底に取り組むこと。また、始業・終業時刻の把握等労働時間管理の徹底を指導するなど、重点的な監督指導を行うこと。 二、面接指導制度は、事業者に法的に課せられたものであることにかんがみ、その適切な実施を図るため、義務規定に違反している場合又は努力義務規定の趣旨を満たしていない場合において、事業者に対し必要な指導等を行うこと。また、労働者の意思を尊重しつつ、確実に申出を行うことができるよう労働者が時間外労働時間数を確認できる仕組みの整備、申出手続の整備及び労働者に対する実施体制の周知並びに個人情報の保護の徹底などについて事業者を指導すること。さらに、メンタルヘルス対策として、地域産業保健センターや精神保健福祉センターにおいて、労働者の家族を含め、相談をしやすい体制を整えること。 三、過重労働対策・メンタルヘルス対策を衛生委員会等の調査審議事項に追加するなど、衛生委員会等の機能強化に努めるとともに、小規模事業場における安全衛生管理体制を強化するため、その在り方について調査検討を進めること。また、中小企業に対し過重労働対策・メンタルヘルス対策の必要性について周知徹底を図るとともに、地域における労使の参加と協力を進め、地域産業保健センターの機能と活動の強化を図ること。 四、製造業における元方事業者等を通じた請負事業者との安全衛生管理体制に関しては、製造現場の実情を踏まえ、元方事業者による安全衛生協議会の設置や作業場巡視、教育指導と援助、安全衛生管理指導等一体的な管理体制の普及について、所要の措置を講ずるよう速やかに調査検討を進めること。 五、労働時間等設定改善指針の策定に当たっては、育児・介護、地域活動、単身赴任、自己啓発等を行う労働者の実情に応じた労働時間等の設定の改善を促進するものとなるよう留意するとともに、年次有給休暇の取得率向上に向けて、計画的付与制度や長期休暇制度の普及促進等実効性ある施策を推進し、一般労働者の労働時間短縮対策に尽力すること。 六、労働時間等設定改善委員会の設置を促進するよう周知徹底を含め実効性ある施策を図るとともに、一定要件を満たした衛生委員会を労働時間等設定改善委員会とみなすに当たっては、法に定める要件が遵守されるよう、制度運用に万全を尽くすこと。 七、複数就業者に係る労災保険給付基礎日額の算定方法については、その賃金の実態を調査し、早期に結論を得ること。 八、建設業等の有期事業におけるメリット制の改正に当たっては、いわゆる労災かくしの増加につながることのないよう建設業関係者から意見を聴く場を設けるなど、災害発生率の確実な把握と安全の措置を図るとともに、建設業の元請けの安全管理体制の強化・徹底等の措置を図り、労災かくしを行った事業場に対しては司法処分を含め厳正に対処すること。また、労働安全衛生マネジメントシステムの導入拡大による労働災害の予防を図るとともに、導入企業に対する公共事業の企業評価における優遇措置など導入促進を図るための多様なインセンティブを与える具体策について調査検討すること。 九、企業間競争の激化や働き方の多様化が進む中で、労働者の協力・参加の下で行う事業者の自主的な安全衛生活動の役割が一層重要となることを踏まえ、その促進に向け格別の配慮を行うとともに、学校教育の場においても労働安全衛生の必要性について指導の徹底を図ること。 十、本法の内容と密接に関わるILO第一五五号条約の早期批准に向けて、検討を行うこと。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ、委員各位の御賛同をお願い申し上げます。 |