2005年10月13日 障害者自立支援法案 理事会では拙速な採決に反対。委員会では骨幹の欠陥を質問し、反対討論を行いました。
| 参議院附帯決議(2005/10/13 自民・民主・公明) 参考:衆議院の附帯決議(2005/7/13) |
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○谷博之君 民主党・新緑風会の谷博之でございます。 早速質問に入りたいと思いますが、私は、今回の法案の最大の問題は応益負担の導入だと、このように思っております。そして、今まで厚生労働省の動きを見ますと、支援費制度の問題については、その評価を厚生労働省は、利用者は歓迎をしていると、そして財務当局はお金が掛かり過ぎると、こういう認識を持っていると思いますが、厚生労働省自身は、仕組みに問題はあったとしても、いわゆる利用の掘り起こしというのが進んでいる、こういう評価を、今までの衆参両院の答弁の中でもそういうことをかいま見ることができると思います。 今日は財務省の政府参考人にも出席していただいておりますから、まず冒頭お伺いしたいのでありますけれども、このいわゆる支援費について、知的障害者あるいは障害児のそういうホームヘルプサービス、いわゆるその利用量ですね、これが当初以上に非常に予想を上回る、そういうふうな状況になってきたということですけれども、そもそもこの支援費制度が導入された時点で、財務省は厚生労働省から制度導入後、スタート後ですね、二、三年たった先の国庫ベースの予算、大体これはどのぐらい見込んでいるというふうな説明を受けておりましたでしょうか。 ○鈴木正規財務省主計局次長 ただいま御質問いただきました支援費につきましては、制度を導入いたしました平成十五年度に最初に予算計上しておりますが、その額を十二か月分で換算いたしますと五百六十三億円でございます。これに対しまして、十七年度予算においては九百三十億円を計上しているというところでございます。 ただいまの御質問でございますけれども、当時の事情をすべて私ども詳しく存じ上げているわけではございませんけれども、我々承知している範囲で申し上げますと、例えば当時、平成十七年度予算においてこのような大きな額になるという見込みを持っておられたというふうには思われないというような状況でございました。
○中村秀一社会・援護局長 お答え申し上げます。 平成十五年度、支援費制度発足時におきます予算要求に当たりましては、私どもは、新障害者プランに基づきまして必要な量の確保を図る観点から予算要求を行わせていただきました。 支援費制度導入後、プランの伸び以上に大幅な増加があり、多くの利用、制度発足以前には利用を控えられていた障害者の方も含め多くの方の利用があったということで、初年度から、在宅について申し上げますと、五百十六億円の在宅の予算額でございましたけれども、百二十八億円という二割を超える不足を生じてしまったという経過がございます。 十六年度は、予算要求はその実績を勘案して伸びを見込みましたけれども、支援費制度の二年目であり、利用者が更に増えた結果、二百八十四億円という、これも六百億の予算に対しますと五割近い不足を生じてしまい、支援費制度としてはこのままでは続けられないという状況があり、障害者自立支援法の提案をさせていただいているというのがこれまでの経緯でございます。 私どもの大幅な見込み違いが、そういった意味では私どもの方の見込み違いがあったということでございます。 ○谷博之君 大臣にもお伺いしたいところなんですが、時間の関係がありますから私の方からはあえて、こういうふうな制度導入に当たっての財務省を説得するためにというふうな故意なそういうふうな計画、数字の挙げ方とすれば、私は、余りにも問題があるんじゃないかということを言っておきたいということです。 これからの質問の答弁は簡略にしてください。 それから続きまして、昨日の参考人質疑の中で、今回の法案の中でも一番危惧をされているALS患者の重度かつ継続のいわゆるサービスの支援の関係ですね、これは非常に一番心配をされている部分でありますけれども、そういう中で改めて私、確認したいんですけれども、例えば、そもそも支援費制度において、障害の程度と比較して必要以上の給付を受けているようなケース、こういうようなものが具体的にどういう形でどのようなものであったのかということですね、この点について簡単に答えてください。 ○中村秀一社会・援護局長 ALSの方についての御質問と承知してよろしゅうございますか。 支援費制度において様々なサービスが利用されておりますけれども、私どもが承知いたしておりますのは、委員御指摘のような、ALSのような重度の方というのは、今二十六万人ほど実態調査でありますとサービスを利用されておりますけれども、重度の方というのは、ごく数的には限られた方、千名内外の方が相当重度な方で高額のサービスを利用されている実態にあると考えております。 ○谷博之君 つまり、現行の応能負担制度においては、モラルハザードによる過剰なサービス利用というのは私どもはほとんどない、このように理解をいたしておりまして、これは財務当局にも是非この点は御理解をいただきたい、そのように理解していただいていると思うんですが。こういう部分は、私は、この法律を作る上での大前提の問題としてまずこれを踏まえていただきたいというふうに、これは強く思っております。 財務当局の方は御答弁以上で結構でございます。 それから次に、資料をお配りさせていただきましたが、ごらんをいただきたいと思います。 自立支援医療の資料、自立支援医療における自己負担の問題についてでありますが、まず資料一ということで、あなたの負担はこうなりますという、こういう資料が、これは厚生労働省が法案説明用ということで我々国会議員やあるいは審議会に配付をされております。 この右下のC、育成医療について枠囲まれたところを見ますと、いわゆる激変緩和の経過措置ということでここに書かれております。しかし、資料二を見ていただきたいと思いますが、いわゆる重い心臓病を抱える子供のいわゆる心臓手術などの場合、例えばこの階層のDの一、これを見ますと、現在の四千六百円で済んだ負担額が十一万六百円になる。激変緩和措置後でも最大二十四倍もの負担増がのし掛かると、こういうことでありました。先週の草川委員の質問によって、資料三を見ていただければ分かりますように、これが十二・一倍ということになったわけでありますが、この二十四倍が負担が増で十二・一倍が負担が軽いか、そういう議論ではなくて、これまた極めて重い負担だというふうに思っています。 そこで、まず、もう一度資料一に戻っていただきたいんですが、この右下のCのところの、医療保険の負担上限ということで点線がなされております。これは正に水平の点線として書かれておりますけれども、つまり、あたかも負担は一定額でとどまるような、こういう表示にされておりますけれども、実際は、資料四を見ていただきたいと思いますが、高額療養費還付後の負担上限、右肩上がりになっておりますね。 これは、あえてこういうふうな表示をするということは、私は、不利なデータを何か意図的にこういうふうな表示で示しているのではないかと、このように思われてなりません。その御見解をお伺いします。 ○中谷比呂樹障害保健福祉部長 御指摘のように、このグラフでございますけれども、医療保険の負担上限額といいますのは、中間所得層でいいますと七万二千三百円、高所得層でいいますと十三万九千八百円をベースといたしまして、それを超える部分につきましては、その総医療費から一定額を控除した額の一%を更に加えて自己負担の上限とするものでございます。 したがって、御指摘のグラフにおきましても、本来は一定額以上は一%の傾きとなるわけでございますけれども、この資料は、あくまでも利用者負担が各般の負担軽減措置によりまして来年の発足時点の十八年四月時点でどのように変わるか、これを分かりやすくお示ししようとしたものでございまして、また、中間層の負担上限は医療保険の負担上限額である旨を文字で明記しております。また、このように、子育て世帯につきましては、中間層につきましては負担上限額四万二百円、それから中間的な所得の方でも特に所得の低いような方については一万円という負担上限額を定めておることを明示しておるところでございます。 ○谷博之君 これに関連してもう一点ちょっと御指摘したいんですけれども、この資料の真ん中の大枠のAというところ、これは低所得者対策ということだと思うんですが、ちょっと読みますと、原則は医療保険の負担上限額まで一割負担ですが、所得の低い方にはより低い上限額を設定します、こういうふうに書いてあります。これはあくまで恒久措置ですよね。ところが、その右下のC、育成医療の関係ですが、若い世帯が多いことなどを踏まえて激変緩和の経過措置を講じます。我々は、経過措置というのは三年間と聞いているわけですが、若い世帯が多いことが何で三年間の経過措置になるんですか。 ○中谷比呂樹障害保健福祉部長 全体的に申しますと、自立支援医療につきましては、一定の負担能力のある方につきましては医療保険の負担上限額の範囲内での御負担をお願いするということが基本でございます。 しかしながら、子育て世帯への特に劇的な変化の緩和という観点からこの三年の規定を設けたものでございまして、三年という趣旨は、法案の附則第三条におきまして、この法律の施行後三年を目途として法律の規定に検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとすると、これに呼応したものでございます。 ○谷博之君 こういうことですと、例えば今少子化対策に正に逆行する、育成医療のいわゆる受診の抑制につながっていくんじゃないかなというふうな私は気がしているんですけれども、これ大臣、どうですかね、この資料のこのグラフの書き方。それから、いわゆるそういうこの時限的な措置のやり方。こういうことについて今、例えば部長答弁したような形でもしそういう説明する理由があるんだったら、そういうことをここに書けばいいじゃないですか。 だから、普通、単純にこれ並べて考えてみると、おかしいと思いませんか、今私が指摘していることについて。どうですか。 ○尾辻秀久厚生労働大臣 まず、グラフのカーブの書き方でございますけれども、これ先生言っておられるように、極めて正確に書くならば、一%でこう伸びるわけですから一%の傾斜を付けるべきであります。 ただ、まあ一%の傾斜というのを非常にこう書きづらいというか見づらいので、むしろ逆に上がるということでいえば、一%の傾斜なんてそんなこと言わずに上がりますよということを明示するように書けばいいのであってと私も思います。ですから、正確にはやはり右肩上がりにしておくのが、一%といえども上がるということを明確に示せるという意味だと思います。 ただ、まああえて申し上げますと、ここの部分は一般の医療保険の世界なものですから、今度の私どもがお願いしている自立支援医療に直接と言ったら語弊があるかもしれませんが、私どもが今度特に考えましたという部分を表すところでもないということもあって、こんなことにしたんだろうと思いますが、いろいろ私も申し上げましたけれども、やはり正確に右肩上がりに書くのが正しいというふうに思いますということは申し上げますし、今後こういう図作るときには誤解のないようにきっちり右肩上がりにすべきだというふうに思います。まず、このグラフの書き方の線については、そのように思います。今後書きますときは改めます。 それから、この激変緩和のことにつきましては、まず御理解いただきたいと思いますのは、三年後の見直しと言っておりますから、すべて見直しますと言っておるわけでありまして、じゃ三年後にやめますというふうに書いているわけでもないという、すべての見直しをしますということを言っているつもりだということは是非御理解いただきたいと思います。 ですから、いろんなことをやっぱり今後所得保障のことなども、所得保障じゃありません、所得のことなども含めて全体を考えていきたいと思っていますということを申し上げます。 ○谷博之君 三年後の見直しということでは、もう一点ちょっとお聞きしたいことがあるんですが、今回の精神保健福祉法の改正で、振り返りますと、今度の改正は前々から五年前に課題になっていた部分、これは例えば保護義務規定の見直しとか、医療保護入院の適切な運用、精神医療審査会の見直し、こういったことについては実質的な改善がされておりません。 そして、この法律の附則、五年後の見直しまでこのまま放置しておくと、結局五年五年で十年間のこういう重要な問題についての見直しが行われないということになってきます。例えば、この法律が、障害者自立支援法が例えば成立したとすると、三年後にこういうふうな問題についても見直しをされるんでしょうか。重ねてお伺いします。 ○中谷比呂樹障害保健福祉部長 今回の場合におきましても、精神保健福祉法の一部を改正をさせていただきまして、例えて言えば十一年改正の附帯決議の中に盛り込んでいただきました精神医療審議会の合議体の構成員の見直しですとか、改善命令に従わない精神科病院の公表制度の導入ですとか、あるいは法案における権利擁護の相談支援事業への位置付けですとか、このような対応を図ろうとするものでございます。 一方、医療保護入院制度や保護者制度など、いまだ残る問題もございますので、これらにつきましては関係者の間で意見が分かれていることなどもありますので、引き続き検討を深めてまいりたいと。 いずれにしましても、入院医療中心から地域生活中心へという基本的な考えに基づいて、精神障害者が地域で安心して暮らせる社会を目指して一つ一つ課題へ対応していきたいと考えております。 ○谷博之君 いずれにしましても、今幾つかの問題を取り上げましたけれども、いわゆる今回のこの障害者自立支援法というのは、言うならば全体的な包括法的な私は扱い方になってスタートするんだろうと。もちろん、内容的にはいろいろ問題があるわけですから、そういう意味ではいろんな課題がやっぱりそこに盛り込まれているということはこれはもう非常に我々は指摘しておかなきゃいけないし、したがって私は、まず何といっても基本的には現在の個別法のやっぱりきちっとした趣旨、この整備をまずしていくということが一番大事なことだと思いますし、そういうものとこの障害者自立支援法との関係もこれからいろんな立場で指摘をし合っていかなきゃいけないというふうに思っているわけです。 それで、ちょっと次に、現在の長時間介護の問題について一点だけ確認をしながらお伺いをしたいと思っているわけですが、御案内のとおり、現在、長時間介護の担い手のその多くというのはNPO法人の方々が随分取り組んでおられます。こういう方々のいわゆるサービスの水準が後退しない、こういうためにも、あるいはNPO法人に限らず社会福祉法人の団体もそうですが、こういう方々の介護の水準を後退させないためには、やはりそういう実態が非常にいろんな意味で役割を果たしているこういうNPO法人の言うならば存在といいますか、役割というものをこれから引き続きこのサービス提供の柱としてやっぱり位置付けていく必要があると、こういうふうに思っています。 と同時に、いわゆる利用者負担において個別減免を受ける際にも、社会福祉法人だけではなくて、実態をかんがみながら、こういうNPO法人のいわゆるそういう対象に加えていくということも必要なことではないかと思っておりますが、この点についてはどういうふうに考えておられますか。 ○中村秀一社会・援護局長 ALSの患者さんなどにつきましては、重度障害者等包括支援という新たな給付類型を創設いたします。その中で、ケアホームや通所施設など複数のサービスを併用される場合にサービス事業者が責任持ってこのALSの患者さんを診るというようなことですが、サービス提供事業者につきましては様々な法人の参入を促すことが必要であると考えておりますので、NPO法人などにつきましてもこういう在宅サービスについては実施していただけるという方向で、正にそれが法律の一つの柱にもなっているところでございます。 社会福祉法人の減免については、正にその名のとおり社会福祉法人の減免ということで、利用者負担の減免について社会福祉法人の方に助成するものでございますが、今ALSの患者さんのお話がありまして、他にそういうサービスを行っている社会福祉法人がない場合にはNPO法人も含めて市町村が認めた社会福祉法人以外の法人についてもこの減免を認めるということになっておりますので、委員の御指摘のようなケースについてはむしろ、なかなかこういう患者さんのサービスを担う担い手がいないということで、そのNPO法人が地域で唯一やっておられるというのが実態でございましょうから、そういった場合には社会福祉法人の減免制度が市町村が認めることになるのではないかと考えております。 ○谷博之君 ちょっと質問の順序が前後しますが、もう一点だけ、ちょっと時間がもう来ましたが、簡単に触れたいと思います。 厚労省は支援費については、先ほど申し上げましたように仕組みにまだ不十分なところがあるというふうに認めているようでありますけれども、市町村の地域格差については支援費のどこに問題があったというふうに考えておられるでしょうか。 ○中村秀一社会・援護局長 冒頭に見込み違いのように大きくなったというお話を申し上げましたが、一面では、支援費制度については、市町村がサービスの支給の決定、必要性に応じて支給の決定を行い、サービス量も決めるという、市町村に大きな役割を果たしていただいておりますが、その支給決定の必要性についての客観的な基準なりプロセスがないということがございましたので、今回、支援の必要度に関する尺度として障害程度区分を設定したり、各市町村に審査会を設置することにより支給決定の客観化、透明化を図ることとしているところでございます。 ○谷博之君 ちょっと質問が前後しちゃって申し訳ありませんでしたが、大臣、この問題について、これは支援費制度の導入の当初から市町村にサービスの必要な量の見込みを計画としてただ単に作らせる、こういう、そういうことでよかった、その状況から、結局のところは市町村格差の是正はそういうところからやっぱり格差が出てきていると。要するに、ただ単にその計画を作らせるということではなくて、やっぱり今説明がありましたように、中身を伴った計画でないと、そういう意味では形だけということになってしまいますね。
と同時に、こういうようないわゆる地域間格差の是正というのは、結局、だからといって応益負担の導入の理由には私はならないというふうに思っているんですよね。この点は問題提起としてちょっと考え方をお示ししておきたいと思います。
それから、最後になりますが、いろいろこの資料の問題等も含めて指摘をしてまいりましたが、先ほど大臣の答弁がありましたように、これからそういう正すところといいますか、訂正するところはしっかり訂正していただき、資料の不備な点についてはしっかり説明や注釈を加えながらいい資料を、誤解を招かないようなそういう資料をこれからしっかり作っていただきたい、このように考えております。
以上で終わります。 |
| 反対討論(原稿) 谷博之 ○谷博之君 私は、ただいま議題となりました政府提出、障害者自立支援法案に対し、民主党・新緑風会を代表して、反対の立場から討論を行います。 さきの百六十二通常国会に初めて提出されたこの法案は、数々の重大な欠陥が明らかになり、衆議院段階で骨幹にかかわる多くの附帯決議が付けられました。にもかかわらず、今回政府が再提出した障害者自立支援法案は、わずか四項目の形式的な与党単独修正案を反映させたにすぎず、構造的な欠陥を是正するに至ってはおりません。 そもそも、私たち民主党は、先進国の中で日本の障害者の社会参加は大きく立ち後れているという現状認識に立ち、重度の障害者でも地域で自立した生活ができるノーマライゼーション社会を実現するためにも、せっかく支援費制度の導入で利用が増えてきたサービスの質、量ともに拡大していくべきだと考えております。 その点、今回の法案は、従来、障害区分で縦割りに供給されてきた福祉サービスを一元化することにより、精神障害者も利用可能なサービスの基盤整備が一定程度促進されることが見込まれる点、そして、毎年予算の確保に頭を悩ませてきた状態が義務的経費化することによってある程度は解決する点、さらにまた、地域格差是正を目指し、市町村計画を義務付ける点などでは一定程度評価できるものと思います。しかし、それ以外の点では問題だらけであり、その詳細は、民主党がさきの国会で示した九項目の抜本的な修正項目のとおりであります。 とりわけ、十分な所得保障がないまま定率負担を求める仕組みは、財政危機を理由に支援費制度の導入、そして障害者基本法改正と続いてきた障害福祉拡充の流れを一気に逆行させるのではないかと危惧さえしております。そして、応益負担で障害者の社会参加が促進するとは到底思えず、言わば障害者自立阻害法と言わざるを得ないのであります。 もちろん、障害の程度と比較して不必要なサービス利用があるとすれば、納税者の立場からあってはならないことであり、本日の審議でも厚労省や財務当局からも、そのようなモラルハザードによる過剰なサービス利用は現行の応能負担の仕組みにおいて起きていないことの認識も示されたところであります。 また、知的障害者及び障害児のホームヘルプサービス利用が予想以上に伸びてしまったと言われておりますが、実際にはサービスを提供していない市町村は障害児で六〇%にも上り、とてもニーズにこたえたサービス供給量には至っていないことも明らかになりました。そして、これは結局のところ、支援費制度導入当時、厚労省が財務省を説得するために甘い見込みを示したということにすぎなかったのではないでしょうか。 次に、育成医療と更生医療を廃止し、自立支援医療に移行することにも断固反対します。 既に質疑で明らかになったように、激変緩和措置を講じたとしても、最大十二倍と大幅に自己負担額が増えてしまうのです。重い障害を抱える子供を養う若い世帯の悲鳴が聞こえます。子育てを国を挙げて支援していこうという時代に、正に時代錯誤の法案です。 実際、育成医療の来年度概算要求はわずか十九億円、今年度の予算二十二億円と比べて三億円も減額されており、これでは心臓病手術などの受給抑制が進むのを厚生労働省は見込んでいるのではないかと言わざるを得ません。そもそも、従来、児童福祉法の世界で手当てしてきた育成医療を強引に自立支援医療に含めてしまうことは、小児慢性特定疾患事業との整合性も付かなくなってまいります。 以上のことから、育成医療や更生医療の自立支援医療への移行は撤回するべきであります。 また、障害福祉の一元化といいますが、発達障害や難病など、従来から制度の谷間に置かれてきた人々を今回もまた制度の対象外とし、谷間に置き去りにすることも指摘せねばなりません。そして、厚労省の主張は三十年間変わらず、難病対策の法制化は定義が難しいとか今後の検討事項と先送りするばかりであります。 昨日の参考人質疑でも、同じく社会的援助や福祉サービスを必要としている国民が年齢や障害の程度、そして疾病の種類の違いによって大きな格差があることは、憲法の言う平等の原則に反しているのではないかとの重い指摘もありました。 私たち民主党は、近い将来の介護保険のエージフリー化を前提に、まず、余りに貧弱なサービス基盤の整備拡大、そして所得保障が先決であると考えます。 その上で、障害の害という文字を、いしへんに疑う、ないしは平仮名の「がい」に変えることも含めて、障害の定義を根本から改めた包括的な、総合的な福祉法の制定が必要だと考えております。 原則は、社会参加なくして負担なしであり、所得保障なくして応益負担なしであります。厚労省によれば、福祉サービスの利用者負担は現行の二百三十六億円から二百五十八億円も増えるとのことであります。先人たちの長い間の苦労と努力によってようやくここまで来た障害者福祉施策において、障害が重い人ほど負担が重くなるような仕組みを二十一世紀にもなって新たに導入することはあってはならないことと思っております。 以上、反対の理由を申し上げ、心ある委員各位の御判断を期待いたしまして、本法律案に対する私の反対討論を終わりといたします。 |