国会活動報告 参議院厚生労働委員会

2003年7月3日 次世代育成支援推進法案と児童福祉法改正案について
 

156-参-厚生労働委員会-26号 2003年07月03日(未定稿)

○谷博之君 私は、民主党・新緑風会の谷博之でございます。  今日は、今議論をされております二つの法案について質問させていただきたいと思いますが、特に民主党は、今年度の予算編成の過程でチルドレン・ファースト予算ということで、私たちの後に続く子供や孫の世代のことを第一義的に、中心に据えたそういう予算の編成をしようということで、そういうふうなことで具体的な提示もさせていただきました。  そういう視点から質問をさせていただきたいと思いますし、なおかつまた、先日は本会議で質問の機会も与えていただきました。そのときの質問で触れられなかった具体的な問題等についても重ねてお伺いをしたいと、このように考えております。  まず第一点は、先ほども質問出ましたが、行動計画の問題です。  特に、まず一般事業主の行動計画の策定、実施そして届出、これについて具体的に幾つかお聞きしたいと思っておりますが、三百名以上の企業についてこうした策定やあるいは実施や届出等が義務付けられたということであります。端的に申し上げまして、こういうふうな義務付けられたわけでありますが、もしその義務を履行しなかった場合、この場合に企業名を公表するというようなことはあるんでしょうか。

○政府参考人(岩田喜美枝君) 企業名の公表は考えておりません。  しかしながら、三百一人以上の労働者を雇用する一般事業主が計画を策定しない、届出をしないということがございますと、現在の法案では、厚生労働大臣は相当の期間を定めて届出すべきことについて勧告することができるというふうになっております。この規定は非常に強いものでございまして、単なる助言、指導ということではない、一定の期限を定めて、それまでに作成、届出をしろという勧告でございますから、この勧告をすることによって履行されるというふうに考えております。

○谷博之君 実は私の手元に障害者の法定雇用率に応じない社名を公表したというこういう記事があるんですが、これは六月の二十七日、厚生労働省が、いわゆる障害者雇用促進法で定められた法定雇用率、つまり従業員五十六人以上の民間企業で一・八%、これを達成していない企業のうちの、特に雇入れ勧告や特別指導などに従わなかったとして、成田空港で航空機の清掃などをしている日本空港サービスの社名を公表したと、こういうような記事が出ております。  これは、もちろん法律が違うわけですから横並びということにはなりませんけれども、ちょっと質問通告には出していないんですが、こういうケースと今度の次世代育成支援対策推進法に基づくこの行動計画の義務付けの違いというのは、ここにも出ていますが、社会的制裁の意味を持つ意味合いが強かったというふうに、こういうふうに書いてありますが、そういうことでこちらは公表する、もう一つの今問題になっている法案については公表しないと、こういうふうな解釈でいいんでございましょうか。

○政府参考人(岩田喜美枝君) ちょっと厳密に比較はいたしておりませんけれども、私の理解では、この次世代育成支援対策推進というのは、規制的な手法で進めていくというよりは、むしろ企業の自主性、自発性を尊重しながら、企業の実態に合った形で取り組んでいただく、そのことを促進するという性格のものであると考えております。したがいまして、制裁的な色彩のある企業名公表ということはなじまないんではないか。先ほど申し上げましたように、大臣に勧告権がございますので、それを行使することによって十分対応できるというふうに考えております。

○谷博之君 この論議はちょっと後ろ向きの論議ですから、余りそれ以上のことはお聞きすることはないと思いますが、そういう点では、この義務付けということについての中身の問題として非常に、もしもというようなことをやっぱり考えたとき、想定したとき、どういうことになるのかということでお聞きをさせていただいたわけでありますが。  引き続いて、ちょっとお伺いしますけれども、そうすると、今度は三百人以下の俗に言う中小企業の一般事業主の皆さん方に対するこの行動計画、これについては努力規定というふうなことになっておりますけれども、まあその努力規定ということになると実効性の問題はどうなのかなというふうなことが一つすぐ我々浮かんでくるわけですが、その点についてはどのようにお考えになっておられましょうか。

○政府参考人(岩田喜美枝君) この次世代支援推進のための取組は、企業の規模にかかわらず、すべての事業主に取り組んでいただきたいというふうに考えております。しかしながら、現実的な問題として、事業主の負担のこともございますので、その点を考慮して三百人以下の事業主については努力義務にいたしたわけでございます。  努力義務にして何もしないということではございませんで、我々行政もその必要性について中小企業にも十分御説明してまいりたいというふうに思っておりますし、またこの法案に基づいて大臣が指定をすることになっております次世代育成支援対策推進センター、これは事業主の団体を予定しておりますけれども、ここが個々の中小企業などに対して計画の策定や実施についていろいろ助言、支援していくという仕組みにしたいというふうに考えております。  したがいまして、大企業だけを念頭に置いた政策にならないように、中小企業にもできるだけ計画を策定していただけるように、センターの力もかりながらやってまいりたいというふうに思います。

○谷博之君 そのセンターの問題はちょっと次にお伺いしたいと思いますが、その前に今の三百名以下の一般の事業主の関係ですが、これまた最近、法が施行されました健康増進法の関係ですね、まあこれ比較するのも横並びじゃないのかもしれませんけれども、この二十五条に、「多数の者が利用する施設を管理する者は、」「受動喫煙を防止するために必要な措置を講ずるように努めなければならない。」という、これもやっぱり努力規定だと思うんですね。多数の者というのはしからばどういうことかというと、いわゆる劇場だとか、あるいは集会場とか展示場だとか百貨店とか飲食店とか、いろんなそういう人が集まるところだと思うんですけれども、こういうふうなことが、五月一日からこの法が施行されましたけれども、果たしてどのぐらい今、まだ一か月ちょっとで、二か月ですか、たったぐらいですから期間はそんなにまだたっていないわけですが、取組はされているんだろうかなというふうに考えたときに、これは単なる努力規定で終わっては、努めなければならないという言葉だけで終わってしまっては、何のための法律なんだということになりかねないわけですね。  ですから、その健康増進法と今度の法案とはまた具体的にその性格も中身も違うわけですけれども、そういう意味で、努力規定というのはあくまで努力であって、それが具体的にどういうふうに現実に担保されてくるかというのは、これはまた次の段階の話になってくるわけですね。  ですから、それを確保するために次世代育成支援対策推進センターという、ここがおっしゃるように指導するというか、あるいは助言をしていくと、こういうことになってくると思うんですが、このセンターのことについてお伺いしますが、先ほどの説明にもありましたけれども、事業主団体等に指定をするというかお願いをするということになっておりますが、まずそのセンターは何か所ぐらい全国で指定する予定になっておりましょうか。

○政府参考人(岩田喜美枝君) これは法律が成立、施行されましたら、なるべく速やかに事業主団体、全国レベルの事業主団体、あるいは業種別団体、地域にあります地域別の事業主団体、そういうところに幅広く呼び掛けまして、御協力をいただけるところはもうどんどん入ってきていただいて、このセンターとしての指定を受けていただきたいというふうに考えております。  したがいまして、自主的に御協力をいただける団体であって、若干の基準はございますけれども、業務を適切かつ確実に行うことができる団体であれば、数は幾つまでということではなくて指定をしていきたいというふうに思っております。イメージとしては五十とか百とか、あるいはそれを上回るようなそういう団体に御協力をいただくことになればいいなというふうに考えております。

○谷博之君 そういうふうなお願いをする団体の一つに、例えば事業主団体の一つである全国中小企業団体連合会等々もあると思うんですね。こんなような団体が例えば指定を受ける、そしてそこで相談体制や指導体制を作る、さらにまた講習会等なども開くと、こういうふうになってくるわけですが、よく見ますと、今年度の予算のこれ、全くゼロなんですね。そういう状況の中で、これ果たして受けてもらえるだろうかというふうな私、逆の危惧もしているんですが、その辺はどういうふうに見通しをされておられますか。

○政府参考人(岩田喜美枝君) まだ団体と具体的な御相談はいたしておりませんけれども、団体の中には、財政的な支援を別に期待しているわけではなくてむしろその民間の活力で自由にやらしてもらいたいと、こういうふうにおっしゃる団体もございますし、また若干の支援があった方がこのセンターとしての事務を、業務をやっていただきやすくなる、そういったようなところもあろうかというふうに思います。  今年度は、法律が成立、施行になりましたら、まず広く団体に呼び掛けてその団体を指定をすると、そして指定された団体にいろいろ事業の計画をしていただくというところまでかなというふうに思いますので、本格的な活動は十六年度に入ってからではないかというふうに考えております。  十六年度以降のセンターに対する支援の在り方については、予算の編成の過程で検討していきたいというふうに考えております。

○谷博之君 ちょっとそういう答弁だと確認をしたいわけなんですが、この法律はいわゆる公布後即施行されるというふうに我々は考えているわけですが、とすれば、そのセンターの設置についても当然施行後すぐ設置されるというふうに我々は考えているんですが、その辺はどういうことなんでしょうか。

○政府参考人(岩田喜美枝君) センターの大臣の指定は、施行即実施ということになります。

○谷博之君 とするならば、今の答弁だと実質的には平成十六年度からというふうなことですが、現実には今年度からこの事業というのはスタートするわけですよね。とすると、やっぱりそこら辺で私は、そういうふうな受け入れてくれるだろうといわゆる想定される団体に対して、これからお話をするということのようでございますが、やはり私はこの法案の成立の過程で、あるいは議論の過程でやっぱりそれはしっかり受けてもらう、受け止めてもらうという、そういうことはしなくてはなかなか難しいんじゃないかというふうに思うんですね。  それと同時に、来年度の必要な予算については検討するということでありますけれども、例えばそういう意味で、これは全く予算がなくて、すべて相手側の団体に必要経費を出していただくということに私いかないと思うんですよね。そういうふうなことも含めると、これは当然今年度に補正予算を組むような形も想定されるんではないかというふうに思うんですが、この辺の関係はこれから検討されるということなんでしょうか、そうすると。もう一度御答弁ください。

○政府参考人(岩田喜美枝君) 法律のスケジュール、施行のスケジュールの関係でございますが、企業が行動計画を策定するのは十六年度末までに策定をしていただいて、十七年度の四月から一斉にスタートしようということになっております。  この法律が施行になりますと、まずやるべきことは、国が行動計画策定のための指針を作るということがございまして、その指針をまず国が策定する、そして今申し上げましたようにセンターの指定はすぐできますので、幅広く呼び掛けて事業主団体を推進センターとして指定させていただく、こういったことが十五年度の中心的な業務ではないかというふうに思います。各企業が具体的な行動計画の策定の作業に入るのは、もちろんなるべく早く入っていただきたいというふうに思いますけれども、十六年度が中心になるんではないか、したがって、センターの事業主に対する活動についても、十五年度から始まりますけれども、本格的には十六年度からかなというふうに思っております。  なお、必要な予算の確保につきましては、これからどういうチャンスがあるのか、そして十六年度の概算要求、どういう形でできるのか、努力をして検討してみたいというふうに思っております。

○谷博之君 ちょっと重ねてくどいようなんですが、そうすると、平成十五年度はセンターの指定までをやるというふうなことであって、いわゆる行動計画については、事業主に対する行動計画の策定については平成十六年度と、こういうふうな整理でいいんでしょうか。

○政府参考人(岩田喜美枝君) おおよそのイメージはそういうことかというふうに思いますけれども、すべてなるべく早く取り組んでいただくということは大変大事かというふうに思います。  そして、事業主団体の行う事業も、事業主団体、基本的には事業主団体自らが自分たちの問題として次世代育成支援の対策の推進に当たっていただきたいというふうに思っておりますので、国の事務をお願いするというような形の予算の付け方ということではないというふうに考えております。力があるところはどんどん、国の予算を当てにすることなく団体独自の活動としてやっていけるところも多くあるというふうに思いますが、なお中小の団体などについては支援ができないかどうか、これは繰り返しになって恐縮でございますが、十六年度の予算で検討してみたいと考えております。

○谷博之君 これ以上申し上げませんが、いずれにしても全国で六百万社以上あると言われている中小企業の皆さん方が、この次世代の法案を実際にいわゆる取り組んでいくというふうな努力規定にしても、その場合にやっぱり私は企業の側から国が求めているような形で即すぐそういう計画が立てられて、そういう体制を取り組んでいけるかという、取り組み体制ができるかということについては、やっぱり私はかなり時間も掛かるし、いろんな障害を、壁を越えなきゃいけないだろうと思うんですね。  したがって、そういう意味で、申し上げたように法律を今度、こういうふうな法律が実際にスタートするとすれば、やっぱりそれを実効性あるものにするためには、今申し上げたように、指定を受けたところに対するしっかりとしたそういう財政的な支援も含めて対応をしていただくというふうなことにしないと、なかなか僕は難しいんじゃないかというふうに思っておりまして、そういうことから、今の御答弁、いろいろあるようでありますが、是非、今年度から来年度に向けてそういう体制で、いわゆる中小企業の当事者の皆さん方の立場に立ったそういうふうな対応ということで、そこのところをしっかり念頭に入れて、この法案の実効あるものに努めていただきたいと、このように要望しておきたいと思います。    〔理事中島眞人君退席、委員長着席〕  それから、いわゆる今は一般事業主の話でありますが、今度は地方自治体ですね、自治体の行動計画、これについてもちょっとお伺いしておきたいんですが、いろんな厚生労働省からの資料を拝見しておりますと、事柄が網羅されております。  私たちは、子育て支援の施策として、職場と住まいが接近しているといういわゆる職住接近、あるいはまた親世代の居住地に近いところに就職の機会を与えていただくような環境を作る、こういうふうなことが必要だということで、一般の事業主計画には、行動計画にはそういうことも盛られているということでありますけれども、これは到底しかし、一般事業主だけがこういう計画を立ててもなかなかこれは実行できないんだろうと思うんです。当然そこには地域がやっぱり問題になってくるわけでありまして、そういう意味で、自治体の取り組む課題も大きいんだろうと思うんです。  ところが、自治体の行動計画には、単に良質な住宅の確保、こういうふうなことは触れられているわけですが、今申し上げたように、職住接近とかあるいは親世代の居住地に近いところに住んで近くに就職する、こういう環境作り、こういうことについてはどうも触れられていないような感じがいたします。  そこで、自治体の行動計画について、この労働の観点から、あるいは雇用の確保という立場から、この行動計画にどのように盛り込もうとしているのか、お伺いをいたしたいと思います。

○政府参考人(岩田喜美枝君) 今、委員が言われましたように、職住接近あるいは親世代との近居というのは、共働き世帯にとっても、あるいは専業主婦世帯にとっても、子育てをしながら仕事をするという上では大変重要なことではないかというふうに思っております。  自治体の行動計画についての指針は今検討中でございますけれども、良好な居住環境を確保するという観点から、特に大都市地域においては、今、先生が言われましたような職住近接型の市街地住宅の供給など盛り込んでいくことができれば大変望ましいことではないかというふうに思いますので、この辺りについては、国土交通省の方ともよく御相談しながら、国が策定します指針にどういう形で位置付けることができるか検討してまいりたいというふうに考えます。

○谷博之君 今まで行動計画の関係についてお伺いしてまいりましたが、次に、次世代育成支援対策地域協議会の関係について次にお伺いしたいと思うんですが、地域協議会は、特に自治体に設置する義務はなくて、いわゆるだれでも任意に設置できるというそういう扱いになっているようでございまして、これはある意味では、民間のいろんな動きをそこに生かすという意味では大事なことだと思いますけれども、しかし法律の趣旨からすると若干漠としているような気がいたします。  これもまた、厚労省の説明資料を見ますと、例えばということで、どういうふうな人たちなり組織がこの協議会を作るかということで、その具体的な事例ということで、県や市町村あるいは労働組合あるいは子育て支援NGOあるいはまた教育関係者、こういうところが作ったり設置することができると、こういう例示を出しているわけですけれども、これは当然、予算措置を伴わない、そういう協議会ということになっているんだと思いますが、そこで、こういう協議会の、地域協議会のこういうことについて、今度の法律になぜこれを入れたのか、その法制化の根本的な理由というか考え方というのをお聞かせいただきたいと思うんですが。

○政府参考人(岩田喜美枝君) この目的は、言わば次世代育成支援対策を国だけがやるとか地方自治体だけがやるということではなくて、社会のすべての構成員がこぞってやっていこう、言わば国民運動的に非常に大きな取組が展開できないかという思いを持ってこの条文を規定をいたしております。  条文自体は緩やかであるわけですけれども、様々な形の地域の協議会が可能だというふうに思いますので、本当に、国民的な広がりを持った取組になる一つのツールとしてこの協議会が活用できればというふうに考えております。

○谷博之君 こういう、地域の協議会というこういう組織は、当然、今おっしゃるように、上から下に作られるものではなくて、やっぱり下から上に作るという、そういうふうな認識も非常に大事だと思うんですけれども、ただ、こういう協議会の、将来、活動の発展といいますか育成というか、そういうことを考えたときに、ただ法律にこういうふうな地域協議会のことを規定をし、そして作るということだけでいいのかな、それを更にどう育成支援をしていくのかという、やっぱりこういう観点からすると、当然またこれ財政的な支援ということが出てくるわけですが、こういうふうな面についても予算措置というものをやっぱり考えるべきじゃないかなというふうな気もいたしているんですが、この点、大臣、どう思われますでしょうかね。

○国務大臣(坂口力君) この次世代育成支援対策地域協議会といったような問題は、これは本来、自主的にと申しますか、市町村が主体的に本当はやっていただくものだというふうに思いますけれども、意識改革をやはりやっていただかなければならないというふうに思うんです。  先ほどの、企業におきましてもこの市町村におきましても、やはり今までの意識、今までの形だけではなくて、もう少し、より積極的に、何が問題かということをひとつよく考えてくださいよという、そうしたことを意識を持っていただくということが随分大事なことだというふうに思っておりまして、そういう意味で、義務化ではありませんけれども、ここで提案をしたということでございます。  よくここは御理解をいただいて、そして、それぞれ都道府県なり市町村、この場合、市町村、そのお取り組みをいただきたいというふうに思っておりますが、そうしたことをやりますときに財政的な問題が一体どうなるのかということを、これは取り組み次第によって様々変わってくるんだろうというふうに思います。  この協議会が中心になりまして、それぞれの地域で何かこういう運動を展開をしていこうとか、あるいはこういう取組をしていこうというようなことが起こってくるということになれば、それを一体、すべてを市町村にお任せをしていいのか、あるいはまた、少し交付金等でこれは支援をしなければならないものなのかといったようなことも起こってくるだろうというふうに思っております。  今後、そういう意識改革をしていただきながら、そしてこれ、そう簡単にできる話ではないと思いますので、多少時間掛かりましても、徐々にここが発展的になっていくようにどうしていくかということを私たちもあるいはよく見守りたいというふうに思っておりますし、その過程におきまして、必要ならば必要な措置を取っていくということをしなければならないというふうに思っております。

○谷博之君 是非そういう方向で御検討いただきたいと思います。  ちょっとこの地域協議会に関連して文部科学省の方にお伺いしたいと思っておりますが、先日の本会議で遠山文部科学大臣も御答弁いただきましたが、この地域協議会にいわゆる学校の現場の先生方がどうかかわっていくのかという問題だと思うんですね。大臣の答弁で、教職員が専門性を生かして子育て支援や地域福祉計画の策定にも積極的に参加していくことは有意義であり、今後とも、教職員が主体的に子育て支援などにかかわっていくよう、教育委員会を通じて働き掛ける、こういう答弁をしていただいているわけです。  この答弁に関連して、じゃ具体的にどのような取組をしようとしているのか。特に、重ねてお伺いしますと、昨年三月に例の学校の完全週五日制に当たっていわゆる事務次官通知が出ておりまして、これには教員は地域子育て支援にボランティア参加することが期待されていることに留意すること、こういうふうな通知の内容が出ているわけでありますが、こういう表現が非常に回りくどい面もありまして、特にこういう今回のこの法案がスタートするということに当たって、改めて文科省として、この地域協議会等への参加も含めて通知を出すお考えがあるかどうか、この点についてお伺いしたいと思います。

○政府参考人(矢野重典君) 地域における子育て支援には幅広い人々の協力を得ることが不可欠でございまして、教職員もまた地域社会の一員としてスポーツ、文化活動等の様々な活動に自主的に参加することが期待されているところでございます。  各地域における活動事例といたしましては、例えばでございますけれども、週末に学校の教室におきまして教職員等が体験型の学習講座を実施している、そういう例でございますとか、あるいは障害を持っている子供たちの学校外活動を教職員等から成るボランティアスタッフが支援している例など、様々の今日事例があるわけでございます。  教職員のこうした活動への参加につきまして新たに通知を出すということは考えておりませんけれども、今後ともこうした事例を紹介しながら、教職員が自主的に子育て支援や地域福祉計画の策定などにかかわっていくように教育委員会の関係者を集めた会議等の場を通じて働き掛けてまいりたいと思っております。

○谷博之君 是非、そういう意味では地域における学校の存在の大きさというのは非常にあるわけでありますし、何といっても子育て支援の一つの拠点として学校というものは位置付けられているということで、そこにまた専門性を持った校長先生以下先生方がたくさんそろっておられるという、これはいろんな都会と地方とによって違い、つながり等についての現実的な違いは若干あるかもしれませんけれども、基本的にはそういうことだと思うんですね。ですから、そういう意味で、通知を出さないということでありますが、しっかりとしたやっぱり指導をしていただくようにお願いをいたしたいと思っております。  次に、幼保一元化の問題についてちょっとお伺いしたいと思いますが、冒頭この幼保一元化について具体的な全国の事例を若干私なりに調べたことを申し上げたいと思うんですが、まず一つは、私の地元の栃木県の西方町というところがございまして、ここは町立の保育所と幼稚園の施設を合築をいたしまして、そして現在いろんな行事についても一緒にやっているということですね。  当然、しかし国の補助金の制度の違い等もあってカリキュラムは別だと。縦割りでその部分はやっているということですね。したがって、いろんな問題が出てくる。具体的な例の一つとして、幼稚園児は通常、お昼を食べて、お昼の後午後も教育カリキュラムがあって、二時ごろ大体帰るかあるいは送迎されるということですが、保育所はお昼を食べたその後お昼寝するんですね。午睡になります。そうすると、いわゆるスタッフの皆さん方は、送迎をする人たちとそれからお昼寝をする方と一緒に重なっちゃって大変これは混乱をして非常に合理的じゃないという、こういう具体的な事例がございます。  それからまた、そういうことを何とか克服しようということで、東京の千代田区にいずみこども園というのがございまして、御存じだと思いますが。この園では、保育に欠ける条項を弾力化をして、そして新たに保育が必要な度合いを基準にすることで、二歳までは保育所、三歳から五歳は幼稚園ということで切り分けることで、年齢別カリキュラムというものを作って一元化に成功しているという、こういう事例を我々は聞いている。  それからもう一つの例としては、岩手県の一関市。ここでは保育所に入りたいという児童が多くて、待機児童がいる。一方では幼稚園は定員割れをしている。こういうことの解消のために、幼稚園で早朝保育とか六時までの延長保育とか、あるいは二歳児以下の受入れなどを行っている。こういういろんなケースがこの幼保一元化をめぐって、既に全国の自治体でいろんなそういう動きに取り組んでいるわけですね。  今申し上げた千代田区にしても一関市にしても経営の合理化にかなりこれはつながっていくわけですが、早朝から預けられたその対象となる子供、二歳や三歳の子供に対し、カリキュラム上お昼御飯の後も引き続いて幼稚園教育というものを行っているという。普通、小さい二歳、三歳の子供というと、もうお昼寝したい時間だと思うんですが、起こされてそういう幼稚園教育というのを受けているというふうな、こういう事例もございまして、いずれにしましても、こういう動きの中で、この骨太の方針で打ち出された新たな総合施設、先月末に発表された骨太の方針の中に新たな総合施設、こういうふうなものが提起されておりますけれども、実際の現場で取り組むこういう様々な一元化の取組においても、保育所の保育指針と幼稚園の教育要領という縦割りのシステムを別々に現在は運用せざるを得ないために、こうした運営に当たって合理化につながらなかったり、子供たちに対してしわ寄せが来るようなことになっているのではないかというふうに我々は懸念をいたしております。  したがって、先ほど申し上げましたように、我々民主党は、チルドレンファーストの視点から一元化の年齢別カリキュラムの策定など、こうしたものを早急に厚生労働省、文部科学省で、両省で検討すべきではないかというふうに考えております。例えば、朝七時半から預けられた三歳児に対して、お昼御飯の後も休息なしに二時近くまで幼稚園教育を行うのは保育の観点からは望ましくないのではないかというふうなことも考えておりまして、ここら辺の御見解について御答弁をいただきたいと思います。

○国務大臣(坂口力君) 幼稚園と保育所の一元化のお話はもう叫ばれて久しいわけでございますし、最近、この二、三年の間に大変一元化の方向に進んできたというふうに思っている次第でございます。  今まで考えられなかった様々な壁が取り払われまして、そして一元化の方向に来ているわけでございますが、しかし先ほどから御指摘ありますように、一元化の方向にはだんだんと近づいてはきておりますけれども、生まれ育ちまで変えるわけにはいかなかったということでございます。これはもう厚生労働省で生まれたものと、そして文部科学省で生まれたものと、その生まれたところまで変えるところまでは至っていないと、ただし限りなく近づくように努力をしていると、こういうことでございます。しかし、限りなく近づけていけばいくほど双方の違いというものも出てまいりまして、お昼寝をしたりしなかったりというようなこともあったりするわけでございます。  今回、骨太の方針で打ち出されましたのは、そうした、限りなく近づけましても生まれた場所が違うといったようなこともございますので、改めて、そうした文部科学省あるいは厚生労働省のやっております、所管をしております今までのものとは違った立場で、最初からひとつもう同じものを作っていこうということでございまして、それはまた新しい立場からそうした方向に進んでいけば、先ほど御指摘になりました千代田区のこども園のようなところ、私も拝見させていただきましたが、ああいったところはそうした方向ができれば非常にスムーズにいくのではないかというふうに思っている次第でございまして、今後そうした動きがまた活発化してくるというふうに思いますので、今後更に整理をしていきたいというふうに思っているところでございます。

○政府参考人(矢野重典君) 私どもの立場から先ほどの御質問について考え方を御説明させていただきたいと思っておりますが、幼稚園と保育所、これはそれぞれの特色を生かしながら、地域や保護者の多様なニーズにこたえるために私どもと厚生労働省はその連携を強化するよう努力してまいってきているところでございまして、御指摘がございましたような幼稚園と保育所の教育内容あるいは保育内容につきましても、幼稚園教育要領、保育所保育指針双方の整合性の確保にこれまでも努めてまいったところでございまして、このために、先ほど御紹介がございましたような幼稚園と保育所を一体的に運営する施設におきましては、幼稚園教育要領と保育所保育指針の双方を踏まえたカリキュラムを策定して、地域の実情や幼児一人一人の発達状況に応じた教育や保育を適切に行うことが可能となっているというふうに私どもとしては考えておるところでございます。  なお、先ほど、これも御紹介ございました基本方針二〇〇三において検討することとされました総合施設につきましては、私どももまた、教育内容や保育の内容が地域の実情、また幼児一人一人の発達状況について十分配慮したものとなりますように、厚生労働省とも十分連携をしながら今後検討してまいりたいと思っております。

○谷博之君 それぞれお答えをいただきまして、一言これについてはまた付け加えさせていただきたいんですが、現実、こういう施設でスタッフとして働いておられる方々の話を聞いていますと、現実に預かっている子供たちというのは地域の子供であり、そして同じ乳幼児の子供たちですね。しかし、今申し上げたように、二つの施設が合築されていてもその中身が違うということになると、これ何だろうというふうな普通は思いをするわけですね。  将来、確かに生い立ちが違うわけですから、これはどこでできるだけうまく一体化させていくかということになるわけですけれども、是非私は、全国でこういう御苦労されているところというのはほかにもたくさんあるんだろうと思うんですね。こういうことについても一度、当然実態調査等もしておられると思うんですが、どういう方法がより具体的に、千代田区の例も申し上げましたが、可能なのかというようなことも含めて、この幼保一元化については是非前向きに踏み込んだやっぱり検討をこれからしていただきたいなというふうな感じもいたしておりまして、是非これは要望ということでお願いをいたしておきたいと思います。  それから、大臣にちょっとお伺いしたいんですが、これまた本会議の質問に関連して恐縮なんですが、いわゆる税源移譲の、地方への税源移譲の問題に関連をして、財務大臣、二割の削減の話の中で、保育所の予算の二割削減というのは一体どういうところに求めていく可能性がありますかとお聞きしましたときに、公立保育所の人件費の問題、特に人の問題について、塩川財務大臣は削減、二割削減できるんではないかというふうな趣旨の答弁をされたと思うんですが、これについて坂口大臣はどのようにお考えになっておられますか。

○国務大臣(坂口力君) 財務大臣は財務大臣としての立場からお話しになっているんだというふうに思いますけれども、この保育所の問題に限らず、これから様々な問題が出てくるわけでございまして、高齢者の問題もしかりでございますけれども、現在やっておりますものをこれを八割でやれと言われましても、そう急にできるわけのものでは決してございません。ずっと先の話で、大体そのような見当でひとつ努力をしてくれという話なら、それはまあまた努力の仕方もございますけれども、今年言って来年から八割だぞと言われてもできることではない、そういうふうにはっきりと申し上げる以外にございません。

○谷博之君 これまた財務省が六月二十七日に予算執行調査というのを発表しておりまして、予算執行調査で無駄や問題点を指摘された主な事業というのがここにあります。厚生労働省の中には、例えばということで、厚生保険特別会計の福祉施設百二十七億円、これは保育所とは直接関係ありませんが、百七施設のうち累積赤字を抱えるのが五十七、売上高人件費率が民間よりも高いと、こういう指摘もされているわけで、厚生労働省の所管の施設の中にはこういうふうな視点で財務省が見ておられる部分もあるのかなというふうに私は思いますが、今、大臣、御答弁ありましたように、どういう人件費なり人が要るかというふうなことだと思うんですね。やっぱり必要であり、そしてどうしてもそこで対応してもらわなきゃならないそういうふうなスタッフあるいは関係者に対して、それを人数を切ってまで、あるいは待遇を後退させてでも、これで済むのかという、単に予算なりお金の問題、その視点、切り口からだけ見られていると、これはいかがなものかなというふうに私も若干個人的には感じております。  そういうことで、是非今の御答弁を尊重したいと思いますので、大臣もひとつ頑張っていただきたいと思っています。  それから、時間が大分迫ってまいりましたので最後に一、二点お伺いしますが、一つは、今は保育所、幼稚園の話をしましたが、今度は小学校に行って、学校に入った後のいわゆる放課後児童対策と全児童対策の問題ですね。  今回のこの児童福祉法が保育に欠ける児童対象からすべての児童の健全育成を図る法律へと脱皮したというふうに我々は見ております。ところが、この法律の六条の二の第十二項に放課後児童健全育成事業のこういう定義がありますけれども、ここには保育に欠ける旨の規定が削除されていない、従来どおりです。当然、この放課後児童健全育成事業というのは、私どももこれからも更にこの事業を拡大していただきたい、充実してほしいという考え方を持っておりまして、この点は非常に尊重したいと思いますけれども、一方では、学童保育の関係者から、例えば川崎市の全児童対策で、わくわくプラザというのがあるんですが、これが、これから行われようとしている全児童対策によって、どうも学童保育の、何ていうんですかね、学童保育つぶしと言うとちょっと言葉強いんですが、そういうふうになっていくのではないかということで、非常に危惧をしているわけですね。  そういう意味で、この放課後児童対策と全児童対策のこれからの関係、これをまず御説明いただきたいと思うんですが。

○政府参考人(岩田喜美枝君) 小学校において、校庭などを利用しまして放課後にすべての児童を対象とする事業が幾つかの自治体で取組が始まっているというふうに伺っております。これは、遊びの場が必ずしも十分じゃない地域もありますので、遊びの場を提供して、そして何よりもいいことは、異年齢の子供たちが交ざって遊ぶという、そういう事業は大変有意義であるというふうに思っております。  一方、厚生労働省は、児童福祉法に基づいて留守家庭対策として放課後児童健全育成事業を実施しているわけでございますが、これも今、委員が言われましたように、この放課後の全児童対策をやれば留守家庭対策としての放課後児童健全育成事業が代替できるというふうには思っておりません。これは別のものとして、引き続き別のものとしてしっかりやっていただくか、あるいは全児童を対象とした放課後事業の中でしっかり放課後児童健全育成事業の要素を位置付けてといいましょうか、はめ込んで現在の放課後児童健全育成事業と同じサービスが受けられるといったようなことがある場合については、同時に一緒に実施するということもあり得るかなというふうに考えているところでございます。

○谷博之君 私も基本的には同感でございまして、ともかく、あえてまた希望を申し上げますと、現在のいわゆる放課後児童対策については、基本的には保育に欠ける児童を対象ということで行っているわけですが、つまり両親が共働きとか、そういうふうな家庭の子供を預かって事業を行っている。しかし、保育に欠けなくても、例えばその家族の中に介護をするお年寄りがいて在宅介護をするような家庭とか、あるいは親が生涯学習で何か自分で自分の趣味を生かすそういう勉強をしてみたい、こういう親の多様なライフスタイルとか、あるいはまた近年の治安の悪化によって、やっぱり子供を独りでいてうちに、放課後、学校から帰ってきているということについてのそういう問題等もあって、いろんな事由があって、この保育に欠けるというこの条件はやっぱり見直しをすべき時期に来ているというふうに思っていまして、これは全国的にはそういうことで緩やかに取り扱っているそういうふうな事例もございますけれども、そういう中で、やっぱり結論は、この放課後児童対策というものは今後とも市町村に単に任せるのではなくて、国もしっかりそういう事業を責任を持って取り組むという、こういう姿勢をやっぱり明確に出してこれからも取り組んでいただきたいというふうに思っております。これは要望ということでお聞きいただきたいと思います。  最後になりますけれども、ちょっと視点を変えまして、外国人登録を行っている子供の医療保険の適用についてということでございます。  これは、法務省のちょっと調査によりますと、二〇〇一年の調査で、在留外国人統計によると五歳未満の無国籍児童数は二〇〇一年で五百五十五人いると言われています。この数の中には、不法滞在の母親から生まれたなどの理由で外国人登録を行っていないいわゆる無国籍状態の児童は含まれておりません。  こういう支援活動をしている方々のお話を聞きますと、そういう無国籍状態の児童が全国で約一万人、私たちの地元宇都宮でも百人を超える子供たちがいるだろうと、こういうふうに言われているんですが、こういう子供たち、児童の就学に制限を課されているのかいないのか、この点についてまずお伺いしたいと思います。

○政府参考人(矢野重典君) 日本国内に居住する外国人の児童生徒につきましては、これは国際人権規約A規約あるいは児童の権利条約におきまして、希望する者に対する無償の義務教育の機会を保障するということが求められているところでございまして、この趣旨を踏まえまして、それぞれの市町村教育委員会におきましては、公立の義務教育諸学校への入学を希望する外国人に対しましては、外国人登録の有無にかかわらず、基本的にはその入学を受け入れることといたしてきているところでございます。

○谷博之君 当然そのとおりだと思うんですね。  ただ、今お話しありましたように、希望すれば学校教育というのは受けられるわけですけれども、一方、国民健康保険にはこれは加入できないということですね。結論から先に申し上げましたらそういうことでありまして、したがって、病気になればその医療費についてはすべて自己負担ということになります。  ところが、現実にこうした外国人の人たちが経済的に非常に厳しいということになれば、なおかつ命に非常に危険があるというふうな状態になったときに、これは医療機関に行きます。お金がないからといって、じゃその医療機関の皆さん方が帰ってくださいと言うわけにいかない。当然それは、人の命は地球より重いわけですから、そういう医療行為をするということになります。そうすると、そのお金が払えない、医療機関がそれを立て替える、こういうケースが過去に随分ありました。その結果として、各都道府県では外国人未払医療費対策事業というのを行ってきたんです。  これは具体的な例ですが、私たちの栃木県でも、平成十四年から二千万円の予算を付けてこの事業をスタートさせています。私も昔、この問題については随分県の方で質問もさせていただいた経過があって、その前までは行路病の方の規定を運用しまして、旅の途中にけがをして病気になって倒れた人に対して地方自治体がその医療費の負担をするという、こういう苦しい扱いなどもしながらそういう適用を迫ったこともあったわけですが、現実にはそういうふうになってきている。  そういう中で、いわゆる福祉の問題でいうと、こういう子供たちは、児童福祉法上の入院助産制度や育成医療の適用や、あるいは母子保健法上の未熟児養育医療の給付、こういったものは福祉の対象になるんですが、なぜ国民健康保険の対象にならないのか、ここのところをお伺いしたいと思うんですが。

○政府参考人(真野章君) 国民健康保険制度は、市町村に住所を有します方々を被保険者として強制的に保険に入っていただく、そうしまして地域住民の相互扶助で成り立つ社会保険制度ということでございまして、被保険者はその市町村に生活の本拠を有することが前提ということになっております。したがいまして、今、先生御指摘のような方々の子供さんというのは、我が国に適法に在留し、生活、活動する法的地位を有していないということから、国民健康保険法の適用を認めるということは難しいというふうに考えております。  また、今御指摘の児童福祉法なり母子保健法の御議論がございました。言わば福祉的な措置として在留資格の有無にかかわらず措置が行われているわけですが、医療の分野でまいりますと、社会福祉法人等が行っております無料低額診療というのがございまして、これは言わば在留資格の有無に関係なく医療が行われるということで、社会福祉の方でいろんな対応をしているということでございます。

○谷博之君 今のそういう御見解は見解としてお聞きをいたしましたけれども、もう少し突っ込んで考えていきますと、例えば私どもの県の栃木県が二千万円の、県からそういうふうな自治体が負担をしているという、現実にその満額使っているかどうかは別ですが、毎年そういう予算を組もうとしている。そういうふうな自治体の負担、これは果たしていいのかどうかという話がありますね。  そして一方では、希望者に、希望者の外国人登録、希望者には外国人登録の有無を問わずに加入を可能にした方がいわゆるそういう財政的にも財源的にもこの国民健康保険制度上、持ち出しという意味からすると都合がいいのではないかというふうに思うんですが、今の御答弁だと、その前のお立場の御答弁のようにお伺いしたわけでありますけれども、この点についての全国のそういう自治体のそういうふうな動きと絡めて、現実にそういう国民健康保険への希望者の加入については全く見通しがないのかどうか、検討されておられるのかどうか、その辺ちょっと重ねてお伺いしたいと思うんですが。

○政府参考人(真野章君) 先生も大変お詳しいわけでありますが、平成七年に、実はこれらの問題につきまして、外国人に係る医療に関する懇談会、加藤一郎先生に座長になっていただきまして、懇談会を開きました。言わば、その当時、厚生省でございましたけれども、持っておりますいろんな手段、私ども、保険だけではなくて、今申し上げましたような福祉的な手段も含めまして御議論をいただきました。  その議論の報告書におきましても、国民健康保険として、公的な医療保険制度として、我が国に適法に滞在されない方に法を適用するというのはいかがなものかという御意見でございました。ただ、それに対して、先生も御指摘のありました人道上の対応と応招義務ということに対する医療機関に対しての対応というのも議論になりました。  救命救急センターにおきまして重篤な外国人救急患者の救命医療を行いまして、その費用の回収に努力したにもかかわらず回収できない未収金に対しまして、救命救急センター運営費補助金の基準額に加算をするというような制度を設けまして、言わば、適法に我が国に滞在されていない方々に対する医療というものについて、今先ほど申し上げました無料低額診療に期待をするなり、また医療機関が救急対応をすることに対しての助成というような対応を取ってきているわけでございまして、国民健康保険におきましては希望者だけでも加入させたらどうかという御意見でございますが、これに対しましては、やはり強制保険という仕組み上、希望者だけを加入させるということは、かえってまた逆選択にもなるんではないかというようなことから、大変難しいんではないかというふうに思っております。

○谷博之君 そういう見解があるということを承知しつつも、現場の実際の問題としてはそういうことが依然としてあるということはひとつ御理解をいただきたいと思っています。  時間がありませんが、一点だけ、簡単に質問しますので簡単にお答えいただきたいと思います。  児童養護施設の年齢制限についてでありますが、御案内のとおり、十八歳で児童養護施設というのは出ることになっています。ところが、出た後、就職等々で、高校を出て、出た後自立できないケースが結構あるわけで、そういうふうな意味での受皿となって、この児童養護施設というのはこれからも対応していく必要があると思いますけれども。  この十八歳という年齢制限を二十歳まで引き上げることができないかどうか、この点についてお伺いをいたしまして、私の質問をすべて終わりといたします。

○政府参考人(岩田喜美枝君) 児童養護施設に入所させる子供の年齢ですが、原則十八歳未満の児童とされておりますけれども、特別な場合には二十歳まで引き続き施設に在所させることができる扱いとなっております。  例えば、高校の卒業の年齢がそれより高いとか、あるいは高校を卒業してから就職するまで少し時間があるとか、そういったような特別なケースについては児童相談所が判定して、例外的に二十歳までであれば入所の期間を延長することができるということとされております。  一方、平成九年の児童福祉法の改正で初めて児童自立生活援助事業というものが規定されました。いわゆる自立援助ホームと言っているものでございまして、これは児童養護施設などを退所した者が自分で独立してアパートに住むとか社宅に住むといったようなことの、何というんでしょうか、それとの中間的な位置付けでといいましょうか、共同生活を、そういった子供たちが共同生活を営みながら円滑な自立を目指す、そういうものでございます。  厚生労働省におきましては、実は児童虐待の子供の受皿に児童養護施設がなっているというようなこともございまして、本年五月に社会的養護のあり方に関する専門委員会を社会保障審議会児童部会の中に設置をいたしております。この中で、例えば自立援助ホームの充実の問題ですとか、今、委員が言われましたような十八歳を過ぎた十八歳、十九歳という年齢の子供たちの自立支援の在り方について検討していくことといたしておりますので、その検討結果も踏まえて、こういった年長児の自立支援対策の充実を図りたいと考えております。



谷博之のメールマガジンはこちらからご覧いただけます。


           ホームページへ戻る