国会活動報告 参議院厚生労働委員会

2003年06月12日 労働基準法改正案審議(学童保育の臨時任用と軽貨物事業者の労働者性)と西ナイル熱対策について


質問から6日後、厚労省は答弁通り下記の事務連絡をつけ、研究班のガイドラインを参考図書として各自治体に発送しました。


健感発第0618002号
平成15年6月18日
各〔都道府・県政令市・特別区〕衛生主管部(局)長殿

厚生労働省健康局結核感染症課長

厚生労働科学研究で取りまとめられたウエストナイル熱の媒介蚊対策に関する参考図書の配布について

 平成14年度厚生労働科学研究において、「ウエストナイル熱の媒介蚊対策のガイドライン作成に関する研究(注)」が行われ、今般、主任研究官より報告されたところであり、国内におけるウエストナイル熱対策に一層資するため、地方公共団体を始めとし、関係機関、関係団体にも配布することとしたところである。
 ついては貴自治体においても、下記に留意の上、ウエストナイル熱の媒介蚊駆除対策の参考とされたい。
 今後とも、ウエストナイル熱の侵入に備えた地域における対策の推進をよろしく御願いする。



1 ウエストナイル熱の蔓延防止には、平素から以下のような媒介蚊対策を講じておくことが重要である。
(1)蚊のサーベイランスを実施し、地域に分布する蚊の種類、生息場所等を十分に把握すること。
(2))蚊のサーベイランスで得られた情報を素に、蚊の幼虫の育つ水たまり等の環境を改善することにより、幼虫の発生源を無くし、成虫の発生を抑制すること。

2 ウエストナイル熱の流行拡大が懸念される場合にあっても、安易な科学物質の空中散布等では十分な効果が期待できず、過剰な化学物質の使用になることから、以下に留意する必要がある。
(1)乳幼児等の家族を持つ住民の不安や環境に十分配慮すること。
(2)感染症の蔓延防止の効果と化学物質のもたらす健康危害や環境影響を十分に比較検討して対策を講じること。

(注)厚生科学研究費補助金の新興・再興感染症研究事業「節足動物媒介性ウイルスに対する診断法の確立、疫学及びワクチン開発に関する研究(主任研究官:国立感染症研究所ウイルス第一部倉根一郎部長)」における「ウエストナイル熱の媒介蚊対策に関するガイドライン作成に関する研究班(分担研究者:国立感染症研究所昆虫医科学部小林睦生部長)」

156-参-厚生労働委員会-23号 2003年06月12日(未定稿)

○谷博之君 私は、民主党・新緑風会の谷博之でございます。午前中の二人の我が党の委員の質問に引き続いて質問をさせていただきたいと思います。  労働基準法の一部を改正する法律案の審議の前に、今日的な問題について一点だけ触れさせていただきたいと思っております。  それは、御案内のとおり、今SARSの国内発症、感染の問題が依然として心配されているわけでありますけれども、そういう中で、昨年アメリカで大変流行したと言われている西ナイル熱という、ウエストナイル熱という動物由来感染の問題が、実は今年の夏日本でも上陸するんではないかということで、大変これは心配されているわけであります。  そういうことを受けまして、厚生労働省の結核感染症課では、「ウエストナイル熱媒介蚊対策に関するガイドライン二〇〇三」というものを作りまして、これ、早ければあした、全国の都道府県にこのガイドラインを配付するというふうに聞いております。  このガイドラインを見ておりますと、この西ナイル熱というのは、先ほど申し上げましたように、特に動物の由来感染、そして蚊を媒介にしてこのウイルスが人体に影響を及ぼす。人間だけではなくて、特に馬とかそういう家畜、あるいは鳥類、こういうところにも随分この病気が伝染をしているということでございますけれども、こういう意味で、この媒介となる蚊を駆除するために、いわゆる空中散布によって、殺虫剤の、そういうものによってこの蚊の駆除をしようというふうなこともこのガイドラインには入っております。こういうものに対して、化学物質過敏症の人たち、あるいはまたぜんそくなどのアレルギー疾患患者の皆さん、あるいはまた妊産婦やあるいは幼児のそういうふうな人たち、あるいはその親御さんたちから大変この空中散布について心配の念が上がっております。  したがって、この空中散布の決定はできるだけ慎重にして、その使い方についても過剰な空中散布というものは差し控えるべきだというふうな声が上がっているわけでありますけれども、これらについて、そのガイドラインの中身も含めて、どのように現在検討され、こういう方々に対してどのような答えをしようとしているのか、お伺いをいたしたいと思います。

○高原亮治健康局長 ウエストナイル熱でございますが、御指摘のとおり、蚊が媒介する感染症でありまして、米国におきましては、一九九九年にニューヨークに上陸して以来、流行がほぼ米国全土に拡大いたしました。昨年は二百八十四名死亡しておりまして、ワクチンや治療方法もないことから公衆衛生上の大きな問題となっており、日本への侵入が懸念されているところでございます。  厚生労働省といたしましては、この病気を感染症法に基づく四類感染症に指定いたしました。そういうことで、国内の患者発生に備えるとともに、国際空港におきます蚊の調査、野鳥を指標としたサーベイランス及び輸入鳥類の監視などの対策を行っております。  御指摘のガイドラインでございますが、平成十四年度の厚生労働科学研究の研究成果として報告されたものでございまして、平常時の蚊のサーベイランスや緊急時の蚊の防除方法について述べられているところでございます。  この蚊の防除方法でございますが、本質的には、不必要な水たまりを作らない、環境改善によって蚊の育つ幼虫発生源をなくす、これが最も本質的な方法だというふうに記載しております。しかしながら、ウエストナイル熱による脳炎患者が特定地域で多数発生するなどの万が一の非常事態も想定いたしまして、感染予防のために御指摘のような方法も検討の対象としておるところでございます。  厚生労働省といたしましても、ウエストナイル熱の媒介蚊対策としては、安易に化学物質の散布等を決して推奨するものではありません。また、御指摘のとおり、化学物質の使用につきましては慎重であるべきでありまして、住民の不安や環境に配慮しながら、感染症の蔓延防止の効果、リスク、そういうものを比較考量いたしまして、化学物質の使用を抑制しつつ、適正な使用が担保されるよう注意を喚起してまいりたいと考えております。

○谷博之君 都道府県にその具体的なガイドラインを配付するときに、今の局長答弁のような内容についてより徹底して指導していただきたいと思っておりますし、それからもう一つ、このガイドラインを見ておりまして、私ちょっと不思議に思いましたのは、この資料七にいわゆる噴霧器の写真入りの紹介とか、それから資料八にはその採集機具及び防除機具類の入手先とか、それから資料九には業者名、取り扱っている関連法人連絡先とか、こういうふうなものが実はこれに、ガイドラインに紹介されているんですが、これ厚生労働省結核感染症課が作成しているガイドラインにこういうふうないわゆる具体的な業者名まで入れるのはいかがなものかというふうな御批判があるようでございます。このガイドラインを作られた編集委員の中にそういうふうな農薬散布の業者とかこういう方々の代表も入っておりますから、当然そういう意味でこのガイドラインができているんだろうと思うんですが、いずれにしましても、これは政府の出す公文書としてはその適正はどうかなというふうな気もいたします。  いずれにしても、したがって私は要望しておきたいんでありますけれども、こういうふうな資料も含めて、この資料の取扱いについてはあくまで参考であるということをきちっと明記してもらいたいと思うんです。そうしないと、これが公文書として都道府県に流れていきますと、当然ここに何らかのいろんな意図的なものが推察されるような形になっては非常に問題があると思いますので、この点については是非ひとつ慎重に取り扱うようにしていただきたいと思いますが。

○高原亮治健康局長 御指摘の点につきましては、誤解を受けるといけませんので、厚生労働省結核感染症課名のガイドラインとはしないで、あくまでも研究班から提出された文書として取り扱って周知を図りたいと考えております。また、その慎重な使用というふうなことに関しましても、注意を喚起する課長通知を付けて流したいと考えております。

○谷博之君 是非じゃそのようにお願いいたします。  それでは、続きまして、この労働基準法の一部を改正する法律案についての質問に入りたいと思いますが、まず、今回の労働基準法の改正案、その中で、有期労働契約期間の上限を一年から三年に延長したということでありますが、これに関連をして、地方公務員法上の臨時任用の期間の定め、これはどのようになっているんでしょうか。

○森清総務省自治行政局公務員部長 お答えいたします。  地方公務員法の第二十二条でございますが、緊急の場合や臨時の職に関する場合などに限って臨時的任用が認められておりまして、その任期は六か月以内でございますけれども、一回の更新により最大一年まで任用できることとされております。

○谷博之君 では、具体的な話をお聞きしたいと思いますけれども、この臨時任用の雇用契約で実は働いておられる方の中で一番私はすぐ思い浮かびますのは、全国の公設公営の学童保育所の指導員の皆さん、この方々は恐らく臨時任用によって雇用契約を結んで働いておられる方が非常に多いんじゃないかと思うんですけれども、その辺の指導員全体における割合。それから、今の説明によりますと最長でも一年ということですから、当然一年が過ぎると契約が切れるということになるわけでありますけれども、そういうこの指導員の皆さん方の実態はこの地方公務員法の定めに従って行われているのかどうか、この点についてもお伺いいたしたいと思います。

○岩田喜美枝雇用均等・児童家庭局長 放課後児童クラブの児童指導員の雇用形態についてでございますが、これまで厚生労働省として調査をいたしたものはございません。  全国学童保育連絡協議会が平成十年に行った調査によりますと、公設公営における指導員の雇用形態を分類したものがございますが、正規職員、有償ボランティアを除く臨時的に任用されている職員は八千六百十三人となっておりまして、全体の職員数が一万一千六百十七人ですから、約七四%ということになっております。  また、期間満了に伴う職員の入替え等についてもお尋ねがございましたけれども、その実態は把握がされておりません。  厚生労働省といたしましては、毎年一回放課後児童クラブの実施状況の調査を行ってまいっておりますので、先生の今の御質問もございましたので、今年からは雇用形態についても把握できるような調査にしたいというふうに考えております。

○谷博之君 私もこの問題についていろいろ調査をさしていただきまして、一番身近な自分の地元である栃木県の宇都宮市の事例などもいろいろ調べさしていただきました。宇都宮市の場合にはいわゆる委託事業ということになっておりまして、指導員の皆さんはその保護者会と毎年毎年の雇用契約を結んで働いておられると、こういうふうなケースもありまして、この人の場合は、こういうふうな場合には、これは何年でも継続して雇用が続いていくと、こういうことになるわけですね。  ところが、どうも全国のいろんな調査をしておりますと、先ほども説明ありましたように、半年間、六か月間の更に再契約ということで、一年の、その契約期限が切れる直前に、一日前ぐらいに辞めて、契約を一度それを一応は破棄して、それで更にまた次の日に一年というか、更に再契約を結ぶという、こういう形で三年から五年ぐらい継続して雇用しているという、こういう形態があるように聞いているんです。  それで、実は埼玉県の鴻巣市というところで、今回の構造改革特区第二次募集で、こういう問題を何とかクリアをしたいということで、三年間こういう指導員の方々がその学童保育の指導員として雇用が結ぶことができるようにということで、こういう申請を実は出しました。総務省の方としては、これは認めるわけにはいかないけれども、しかし今の説明があったその六か月の更に再延長で一年を、これを一回のだから更新ではなくて五回までは認めましょうと、つまり五、六、三年、三年間の地方公務員法上の特例としてこの十月からそういう制度を特区の一つとして認めていきましょうと、こんなようなことを総務省としては検討し決めてきているというふうに実は聞いているわけなんですが、ここら辺の真偽と、それから、ここで実は私は聞きたいのは、こういう地方公務員の有期労働契約と民間労働者のこの問題、これは明らかに冒頭申し上げましたように上限を一年から三年に延長するというこの一つの、今度の法改正とはまた違った形で、これは当然地方公務員法という法律に基づく制度であるからだと思いますけれども、しかしそれはそれとして、私は、労基法でこれだけ議論をされているわけですから、官民の整合性をどのように考えているのか、この点についての御説明をいただきたいと思います。

○森清総務省自治行政局公務員部長 臨時的任用につきましては、先ほども申し上げましたように、緊急な場合とか臨時の職に関する場合などに限っておりまして、いわゆる競争試験などの能力実証を経るいわゆる正式任用の例外ということで位置付けておりますので、そういった趣旨から一回の任期は六か月以内というふうにしているところでございますが、ただいま御指摘の構造改革特区の臨時的任用の特例につきましても、この場合は地方公共団体の要望を踏まえまして、有資格者の後任が確保できない場合とか、あるいは特定分野の人材育成に資する場合などの一定の要件が満たされた場合でございますけれども、三年までの延長を可能とする道を開いたところでございますけれども、この場合でも臨時的任用という性格は変わっておりませんので、一回の任期は現行と同様六か月以内というふうになっているところでございます。  このように、地方公務員の臨時的任用は正式任用の例外という位置付けにしておりますし、また一般的に公務員の採用は相手方の同意を要する行政処分というふうに解されておりまして、民間の労働契約とは異なる法規制に服するものというふうに解釈されてきております。

○谷博之君 そうしますと、構造改革特区における今回のこの埼玉県の鴻巣市の例は、今の説明ですと、冒頭の半年契約を一回更新可能だというこの考え方を、それを、何というんですか、期間を、一回更新を五回まで更新を認めたということですから、当然これは、私はこの制度というのは従来のこの冒頭の説明からすると逆に矛盾があるんじゃないかという気がするんですけれども、その辺はどのように整理されておられますか。

○森清総務省自治行政局公務員部長 冒頭申しましたように、一般的な臨時的任用の規定は、地方公務員法の第二十二条ということで、六か月を一回限りという原則があるわけでございますが、今回、構造改革特区ということで、地方自治体からの要望も踏まえまして、総務省といたしましては、その地方公務員法第二十二条の例外を一定の要件、先ほど申しましたような一定の要件がある場合には満たそうということで、あくまで特区としての臨時的な措置をこれはやってみようではないかという全体の御趣旨でございますので、そのような規定を盛り込まさしていただいたということでございます。

○谷博之君 この問題と関連をして更にお伺いしたいわけでありますけれども、反面、その指導員の皆さん方の中には、三年間というふうに、例えば三年契約になったと仮定しますと、途中で自己都合でどうしても退職したいというふうなことになった場合に非常に辞めにくくなるというふうなこと、これは、民主党と与党側との修正協議で、一年目以降は自由に転職できるという、こういうふうな規定になってきているわけではありますけれども、今申し上げましたように、したがって、例えば今、自己都合による退職の問題も含めて、さらには半年の一回の更新の一年というふうなこの期間についても、これは将来、地方公務員法の改正というものがやっぱり私はどこかの時点でやっぱり考えられなきゃならないんではないかというふうに思っています。この六か月という期間が今の説明によるとそれなりの理由付けを持って決められている期間のようでありますけれども、しかし、そうはいっても、六か月を一年に、一年が二年にという期間の問題でいうと、私は、将来その臨時任用の人たちがそういう一つのポジションでそういう仕事をしていく中で、経験を積めば積むほどそういう仕事に対する順応性もでき、また成果も上がってくるというふうなことも含めれば、やっぱりそれは地方公務員法の改正等によって、ある意味で私は弾力的なそういう検討もしていいんじゃないかというふうに思ってはいるんです。  したがって、ここら辺の問題について、将来地方公務員法の改正が検討されるとするならば、今言ったような考え方についてどのようにお考えになっておられるか、お伺いします。

○森清総務省自治行政局公務員部長 構造改革特区における臨時的任用の特例措置につきましては、まだ先般国会で成立したばかりでございまして、十月一日からの施行ということでございますので、この先どうするのかと、先生御指摘のように、いわゆる一般法則化するのかどうかというようなことにつきましては実施後の評価を待つ必要があるというふうに法律上規定されておりますので、現時点において私の方からどうなるということを申し上げるわけにはいかないわけでございますが、基本的に、地方公務員の臨時的任用につきましては、先ほどから申し上げておりますように、一回の任期は六か月ということでございますので、いわゆる長期にわたる人身拘束という懸念はございませんし、また、公務におきましては、職員から辞職の申出があった場合には特に支障がない限り任命権者がこれを承認するということにされておりまして、いわゆる退職の自由についてはもう既に認められているということでございます。

○谷博之君 大臣にお伺いしたいんですけれども、今いろんな、特に学童保育の指導員の話が出てまいりましたけれども、これ今の答弁にありましたように、非常に一年交代を一つの区切りにしながらこの指導員という方々はこういう仕事をやっておられるわけですけれども、しかし、児童福祉法上のいわゆる放課後児童の健全育成という、こういう観点からすると、やっぱりそれはある程度子供と指導員との関係というのは、それなりの触れ合いというものを大事にしながら、期間を掛けてやっぱり成長しあるいは育てていくというふうな関係になるんだろうと思うんですね。  そうすると、こういうふうな指導員の問題についても、本当であれば、公設公営においては正式な職員というか正式任用によってこういうふうな指導員というものはその事業、仕事を行っていくべきではないかというふうに思うんですが、残念ながら財政の問題等についてもいろいろあって地方ではなかなかできない、地方自治体では難しいということでありますけれども、これらについてのいわゆる地方自治体に対する財政支援も含めて、今申し上げたような正式任用の方向ということを目指していくという、そういうふうな動きに対して大臣はどのようにお考えになっておられましょうか。

○坂口力厚生労働大臣 この放課後児童クラブにつきましては、今お話がございましたような職員の雇い方というのが確かにやられていることは事実でございまして、正式に勤めていただいている方もございますし、そういう方もある、混在をしているというふうに思っております。三年間ぐらいもしそこにお見えになるということになれば、そのお子さん方との間の交流ということもございますし、あるいはまた教育の一端も担ってお見えになるわけでございますから、長くお見えいただく方がいい場合もあろうかというふうに思います。  しかし、ここは今お話ございましたように公務員との関係もございますし、それから公的な施設でない施設もあるわけでございまして、それらの点も踏まえてこれから考えていかなければなりませんけれども、総括的に言えば、できれば少し長くお見えいただく方がそれはいいことだけは間違いないというふうに思う次第でございます。  ただ、定数が一応決められているものでございますから、全部の皆さん方にそういうふうになかなかお願いできないというつらいところはあるわけでございますけれども、また総務省にもいろいろお知恵をおかりいたしまして、そして長くそういうふうに勤めてやろうというふうに思っていただく皆さん方がおありでありましたら、その皆さん方のお気持ちにこたえられるように、またこちらもお願いのできるようにしていきたいというふうに思っております。

○谷博之君 是非ひとつよろしくお願いします。  それでは、もう一点、時間の関係がございまして短くなりましたが、質問させていただきます。  これは、具体的に、岡山県の一般貨物運送事業者、具体的に名前を申し上げますと、川上運輸商事株式会社というところが五十五万円の手数料を取って軽貨物運送の独立開業者を募集して、形式上、業務委託契約というものを結びながら、実際にはその会社の、運送会社の制服を着せてその会社のトラックを運転させ、その会社の取引先の荷物を運ばせていたと、こういう事実がありました。  これは、どうも内容を調べておりますと、この契約は、労働基準法の第九条によって、極めてこれは労働者性の高い、強いそういう契約だというふうに我々は見ているわけでありますが、これについて、この辺の、事前に質問通告出してありますから、どのようにこのことについて認識をされたか、手短にひとつお答えいただきたいと思います。

○松崎朗労働基準局長 労働基準法の第九条でございますけれども、ここで労働者の定義をしておりまして、「職業の種類を問わず、事業又は事務所に使用される者で、賃金を支払われる者をいう。」というふうにされております。  したがいまして、一般論で申し上げれば、この労働基準法上の労働者であるかということに関しましては、契約の形式とは関係なしに、実際に労働者性があるかどうかというところで判断するわけでございますけれども、具体的には、例えば業務に従事すべき旨、これ上司とか会社から指示があるわけでございますけれども、そういった指示に対して拒否できるかどうかといったような点、それからまた報酬が労務対償性があるかといったような点、こういったものを総合的に判断いたしまして個別具体的に判断をするということにしております。

○谷博之君 大臣に、じゃ最後にお伺いしますけれども、この会社は実は今年三月に倒産をしておりまして、未払いの労働債権、これは賃金だということで、今申し上げたいわゆる独立開業者の中には他の債権に優先をして支払を求めているという、こういう動きがあるわけです。これは、商法の第二百九十五条においても先取特権が認められているケースじゃないかというふうに私は思っているんですね。  こういうふうな具体例を踏まえながら最後にお伺いしたいわけでありますが、こういうふうな事例が私はほかにもあるんだろうと思うんです。そういうふうなことを例えば当事者が労働基準監督署に相談に行くとか、それに対して労働基準監督署がそれを受けて調査をするとか、あるいはその前に、こういうふうな問題が起こったときにどこにそれを相談に行くとか、こういうことについて極めて今のその対応というのはまだまだ分かりにくい部分があり、そしてその対応についてもまだまだ動きが敏感というか積極的ではないというふうな気もいたしておりまして、ここら辺について、その改善をどのように大臣として考えておられるか、お伺いをいたしたいと思います。

○坂口力厚生労働大臣 具体的な例につきまして私余り詳しくは分からないわけでございますが、先ほど委員のお話でございますと、業務委託というお話でございましたですね。業務委託ということになると、会社の外側、会社の外側と言いますと言い方変ですけれども、その雇っている企業とは別の企業で、そしてその中に入って同じような仕事をしてお見えになると、こういうケースでございましょうか。違いますか。

○谷博之君 形式的にはそうなんです。

○坂口力厚生労働大臣 だから、形式的にそういうことになっているということだと思うんです。  したがいまして、先ほど局長から答弁しましたように、それがいわゆる単なる形式上のそういうものであって本当はそうではないのか、それとも業務委託なのかということにつきましての御相談は、これはそれぞれの基準局でひとつ御相談に応じさせていただくということになるだろうというふうに思いますし、最寄りの基準局で是非御相談をいただきたいというふうに思いますが、業務委託であるということがはっきりすればそれはそれでその行き方がございますし、いわゆる業務委託の形を取っているけれども実際はそうではないということであればこれ非常に難しい問題を含んでいる、違反問題も出てくるといったようなことだというふうに思いますので、よくひとつ、個別問題でございますから、そこは御相談いただきたいと存じます。

○谷博之君 時間が来ましたから終わりますが、大臣の今の答弁にありましたように、形式と実態が違った場合が非常にあるというふうなことがありまして、これらについては、今、大臣の答弁のように、是非ひとつ徹底して関係機関にそうした指導をするような対応を取っていただきたいと、このように要望いたしまして、私の質問を終わります。  ありがとうございました。


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