国会活動報告 参議院厚生労働委員会

2003年5月22日 食品衛生法改正の審議にあたり、60分の質問を行い、採決に際しての附帯決議の案文には、私が提案した下線部分が盛り込まれ、全会一致で可決されました。
   食品衛生法等の一部を改正する法律案及び健康増進法の一部を改正する法律案に対する附帯決議
                                    平成十五年五月二十二日  参議院厚生労働委員会
政府は、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
一、食品の安全性の確保のため、リスクコミュニケーションを通じて消費者の意見を十分に反映させるよう努めるとともに、政策立案過程において、消費者が意見を表明し討議する場を確保するなど、消費者である国民の意見が十分に反映できる政策決定過程の確保を図ること。

二、食品衛生上の危害の発生を防止するため必要がある場合は、予防の観点から、科学的知見の確立が十分でない段階でも、国民の健康の保護が最優先されるよう、食品の安全性の確保のために必要な措置を機動的に発動するとともに、消費者に対し適切な情報提供を行うこと。

三、食品の安全性の確保の観点から、農畜水産物の生産段階におけるリスク管理を強化すること。また輸入食品については、食品輸入の現状に対応した食品衛生監視員の増員等、検疫所の体制強化及び登録検査機関の検査精度の確保を図り、水際の食品安全監視に万全を期すとともに、輸出国における生産段階から安全性の確保が図られるよう、国際的な協力を推進すること。

四、都道府県等食品衛生監視指導計画に基づく監視指導の実施に当たっては、都道府県等の監視指導体制強化のため必要な支援を行い、監視指導水準の一層の向上を図ること。なお、食品衛生に係る諸規制については、適宜その必要性について検証を行い、過剰な事前規制については速やかな見直しが図られるよう努めること。

五、食品添加物の指定及び農薬等の残留基準設定については、国際的基準との整合性を考慮しつつ、厳密なリスク評価に基づく指定等を行うこと。また既存添加物の安全性評価及び残留基準未設定の農薬等に係る基準設定を一層促進すること。

六、食品の表示制度については、消費者等の意見を十分に聴きながら、厚生労働省及び農林水産省等の緊密な連携の下、表示項目、監視体制等についての見直しを行い、その結果に基づき消費者の参加の仕組みを含めた組織体制の整備に努めること。

七、食品安全委員会、厚生労働省、農林水産省及び地方自治体関係部局など食品の安全性の確保を担う各行政機関の所有するデータ・情報の共有化を図る等の措置を講ずることにより、各機関相互の連携・協力が的確に働くよう努めること。

八、食品安全委員会設置後も、厚生労働省が迅速かつ的確なリスク管理機能を発揮できるように努めること。

九、いわゆる健康食品の安全性の確保方策や表示の在り方についての検討を早急に行うこと。また、その検討の際には、保健機能食品制度等の現行制度についても、その必要性を含め、幅広く見直しを行うこと。

右決議する。

156-参-厚生労働委員会-15号 2003年05月22日(未定稿)

○谷博之君 民主党・新緑風会の谷博之でございます。  引き続きまして質問をさせていただきたいと思いますが、先ほど浅尾委員からもSARSに関係をする質問が出されました。私も、冒頭、直近の問題について幾つかお伺いをいたしたいと思います。  今も御指摘ございましたけれども、台湾人医師のSARS感染問題についてでありますが、経過については、これは報道等もされておりますから省略をいたしたいと思いますが、特に一、二点、大臣にお伺いしたいと思いますが、一つは、新聞報道によりますと、十七日に大阪府の太田知事が記者会見をいたしております。その中で、いわゆるその感染者の滞在の、滞日の可能性が分かった段階で厚生労働省が人を派遣して、一元化された事務局を作って作業をするというのが本来の姿ではなかったのか、こういうふうなことで、しかし実際は、消毒も含めて既にそれぞれの自治体がこれを対応した、こんなことで、若干厚生労働省に、批判めいたと言うとおかしいですが、そういうふうな感想を漏らしておられるわけですね。  また、新型肺炎の二次感染者が出てきたときに今後どうするかということで、統一的な解釈とか調査を行うための関係自治体と国とのそうした指揮本部というものを現地に設置すべきではないか、こんなようなこともコメントとして出されているわけでありますけれども、これらについて、大臣、どういうふうにお考えになっておりますか。

○国務大臣(坂口力君) 各都道府県に対しましては、既にアクションプログラムを作って、そしていかなる事態になろうと万全を期すことができるようにしてもらいたい、こういうことを既に申し述べているところでございます。  今回の場合には大阪だけではなくて他の都道府県にもまたがったものですから、大阪だけにゆだねておくというわけにはまいりませんから、厚生労働省がすぐ現地に参りまして、各関係する都道府県の皆さん方にお集まりをいただいて、そして対応を皆さんとともに協議をするということを行ったわけでございます。これは迅速に行ったというふうに思っております。  ただ、例えば大阪なら大阪だけで起こったというようなときには、これは大阪ぐらい大きいところでありますから、それぞれ国から来ていろいろ言ってもらわなくてもこちらでやると言ってもらうぐらいに私はならないといけないというふうに思っている次第でありまして、各都道府県の奮起を促したいというふうに思います。  ただ、都道府県でなかなかできないというようなことがあれば、これはすぐいかなる日本の中の地域におきましても派遣ができるように人員等も既に決めまして、そして対応できるように準備はいたしております。大学の先生等も含めまして、特に公衆衛生等の専門の先生方に対応をしていただくように準備はいたしておりますが、それぞれの地域にもやはり応分のそれは御努力をいただかないといけない、すべてのことを国におんぶにだっこするようなことではいけないというふうに思っております。

○谷博之君 今回の例にも出ておりますけれども、例えば感染者が一か所にとどまって移動しないということは普通あり得ないわけですね。そういう意味では、今もお話ありましたように、非常に広域的に移動しているというようなことで幾つかの県にまたがっているというふうなことになってまいります。それであればあるほど、私は国が統一的にその対応をするということは非常に大事なことだというふうに思っておりまして、これは何も大阪府知事の御指摘していること、それから国が、今大臣が答弁したこととが食い違っているわけじゃないと思いますけれども、やっぱりそれは国は国なりのそういうきちっとした責任というか、対応はしていただきたいというふうに思っております。    〔委員長退席、理事中島眞人君着席〕  これにちょっと関連をして、これは通告にちょっと出していないことなんですけれども、今日の新聞など拝見しますと、あしたの二十三日には安全宣言を出す、こういうふうなことが出ておりますですね。これは分かってから十日たって、そういう経過したから安全宣言を出すというようなことなんだろうと思うんですけれども、しかしそれは、その気持ちというか、その立場は分かります。そういう裏付けもあってそういうふうにされるんだろうと思うんですが、その前に、あした二十三日に安全宣言を出すということでよろしいんでしょうか。

○国務大臣(坂口力君) このSARSという病気の潜伏期間、罹患をいたしまして発病いたします潜伏期間が大体十日以内ということになっておりますから、この台湾の医師が日本を離れられたのが十三日でございますので、明日はもうその十日を過ぎるわけでございます。したがいまして、この台湾の医師にかかわりますところのSARS問題につきましては安全宣言を出していいのではないかというふうに思っております。  しかし、これは、SARSの問題は台湾の医師だけの問題ではございませんで、多くの問題を含んでいるわけでございますから、これを出すからといってすべての問題が解決するわけでは決してございませんで、これからも十分に警戒をしていかなければならないというふうに思っている次第でございます。

○谷博之君 大臣のそういう御決意というか考え方は分からないわけではないんですけれども、例えば最近の事例の一つということで、例のO157訴訟のカイワレダイコンの業者の訴えた東京高裁の判決がございましたですね。これは、公表方法に過失があったというふうなことで、国に千六百九十一万円の賠償命令が出たわけでありますね。こういうふうなこと。これは実際そうではなかったというか、特定できなかったというふうなことがあったんだろうと思います。これを発表したことが早かったか遅かったか、これは問題がありますけれども、こういうふうなことが過去にはあった。  あるいはまた、狂牛病、BSEの安全宣言の不手際なんかも、これは農水の方がこれは所管でありましたけれども、こういうこともあった。  したがって、十日丸々たったから安全なんだということで果たして断定できるかどうかというところが私は若干不安に思うところがあるわけなんですけれども、この点については、大臣の答弁でそういうことなんだということですからそれ以上のことを申し上げませんけれども、宣言を一つ出すにしても、そのことによって国民の皆さんがそのことを信じて、そして対応するということでありますので、是非、いわゆる逆の意味では風評被害というものがありますね、そういうことを考えたときに、是非、そのことを信じたいと思いますが、今後とも慎重な対応をしていただきたいというふうに思っております。  それから、先ほど浅尾委員からもちょっと質問が出ましたけれども、例えば、これは出てはならないことですけれども、国内に感染者が出てきたということになったときに、こういう方々については、今回は台湾の医師の問題でしたけれども、非常にこれはその感染者本人の名前とか住所とか、そういういわゆる個人的なプライバシーにかかわる問題、そしてその人がどういうふうな行動を取っているかというふうなことについて、これはある意味では厚生労働省としてはその事実を発表しなきゃいけないと思うんですね。  そうすると、これがいわゆる個人のプライバシーにかかわる問題との関係で、どこまでそれを具体的に公表するかということが、これはあくまで仮定の話でありますよね、そういうことがなければいい話ですが、万が一出たときにはそういうことも当然考えなきゃならないということだと思うんですが、こういうことについては検討されておられますか。

○国務大臣(坂口力君) 先ほど御答弁も申し上げたとおりでございますが、一応のルールは決めているわけでございます。それは、お名前だとかその方の住所というのは発表はしない。ただ、どこの都道府県の方であるとか、あるいはまた年齢、性別、あるいは国籍等々、あるいはまたどこに旅行をされた後出た方でありますとか、そうしたことにつきましては発表させていただきたいというふうに思いますし、そして今までの経過からいって、その方が感染をして発病をされるその過程で、あるいはまた発病された後その方がどういう方と接触をされたかというようなことについて、分かっております以上、そこの分かったことにつきましてはその方々に注意をしていただくように喚起をしなければならないというふうに思っております。  ただ問題なのは、不特定多数の人とどこかで一緒になったというようなときの問題をどうするかということでございまして、そのときに、例えば一つのスーパーならスーパーに行かれて、そして買い物をされているといったようなときに、そのことも、そのスーパーの名前も全部出すかどうかの問題があると思います。出しますとそのお店に非常に迷惑を掛けることだけは間違いがないわけでございますけれども、しかし、ある日の特定の時間に一緒にそこに出入りをされた方があるとすれば、あるいはレジならレジで一緒に並んでその方とお話をされた方があるとするならば、その人に可能性の危険性なしとしないわけでございますから、そうした意味では、やはり感染防止ということを一番中心に考えながら、そして個人のプライバシーあるいはまた企業等のプライバシー、そうしたものもどこまで守れるかというところで判断をしなければならない。あくまでも中心は感染防止ということであろうというふうに思っております。

○谷博之君 この問題は既にいろんなところでも指摘をされたり、いわゆる情報開示とプライバシーの問題というのは非常に難しい。しかも、それは感染者が出た場合でもそれ以上拡大をさせないというための予防措置という意味では、非常により具体的なものの対応が必要であると同時に、一方では、そのことによる被害というか影響があるわけですから、非常にそういう点では難しさというものがあると思いますけれども、今後、国と地方自治体を含めて、この問題についての機会あるたびにひとつ検討もしていただきたいというふうに考えております。  それから、今日は外務省からも参考人に出席していただいておりますので、一点お伺いしておきたいんですけれども、最近のやっぱり報道で、日本の企業が特に海外に進出して現地に工場を作っておられる、具体的な社名も既に報道されているから申し上げますけれども、北京松下あるいは北京のリコー、こういうふうな会社が既に現地で働いている従業員に感染者が出て、いろんな工場の一時閉鎖等が行われているという、こういう報道も実はされております。  外務省としても、現地の日本大使館を通じまして、いろいろと日本の商工会議所あるいは北京の日本人会等々の懇談会等を開いているとか、あるいは日本人の留学生に対する働き掛けとか、いろんなことをやっておられるようでありますけれども、現実に今、北京なら北京におけるこうした企業の状況なりこういうふうな日本人の皆さん方の状況、例えば帰国をすることについてそれをどういうふうに言うなら検査をするというか、そういう対応も受けながら臨んでいるのか。そして、現地の状況についてどのように今把握をされておられるのか。その辺についての御答弁をいただきたいと思っています。

○政府参考人(鹿取克章君) 今、先生御指摘になりました北京等における外務省と在留邦人との関係でございますが、現地日系企業や邦人留学生、それから現地の在留邦人に対しましては、今先生御指摘ありましたように、我々としては、危険情報、在外公館のホームページあるいは説明会、こういうことを通じてできるだけ迅速かつ的確に情報を提供したいと考えております。また、引き続き全力を挙げていきたいと思います。    〔理事中島眞人君退席、委員長着席〕  また、我々としては、情報の提供とともに、やはり特に現地におきましては在留邦人の方々の意思疎通それから意見交換が極めて重要と考えておりまして、いろいろな機会に会合を持って対応しているところでございます。  特に、北京の在留邦人の方々に対しましては、四月二十九日の段階で、在留邦人で一時的に北京市を離れることが可能な方は、帰国の可能性を含め検討されることをお勧めしますということを御案内しました。その結果、北京からはかなり多くの方が帰国されたというふうに承知しております。  しかし、その後、若干また北京に戻ってきておられるようでございます。特に、本日から日本人学校もまた再開されるということになっておりまして、そういう関係もあり、また少しずつ企業の方の御家族等が北京に戻ってこられていると理解しております。  一番最近、大使館あるいはSARSの専門家と、それから在留邦人の方々と会合を持っていろいろ意見交換したのは十五日、五月十五日でございます。実はこのときに、国際緊急援助隊の方々が北京市を訪れました。この国際緊急援助隊と申しますのは、基本的には中国側に対していろいろ指導あるいはアドバイスを与えるために参ったわけでございますが、この北京訪問の機会に在留邦人、それから企業関係者の代表の方々ともお会いしまして意見交換をしました。そういう過程でまたいろいろ専門家の方々の意見等、意見交換しております。

○谷博之君 時間の制約がございますので、これ以上のちょっと質問は続けられませんけれども、いずれにしても、外務省の方にお願いをしたいのは、それぞれの北京におられる日本人の方々の環境、状況がやっぱりそれぞれ違うわけですね。例えば松下とかリコーのような、こういうふうな実際感染者が発生しているそういう職場で一緒に働いていた、そういう方々。それから、それ以外でも北京に滞在をされて生活をされておられる方々、いろいろあると思いますけれども、そういう方々の、これから特に、それぞれのケースに合った対応の仕方というのはやっぱり出てくるんだろうと思うんですね。そういう点も是非、積極的に相談に乗ったり、あるいはそういう状況を把握されて、くれぐれもひとつ、例えば帰国に際して、そういうふうな対応等についても、是非ひとつ問題が起きないように対応していただきたいというふうに考えております。これは要望ということでさせていただきたいと思います。  

そして、次の問題に移らせていただきますけれども、食品衛生法の改正ですね。私、特に食品添加物の問題についてちょっと時間を掛けてお伺いしたいと思っております。  実は、私は四十年近く前に学校でいわゆる食品関係のこういう添加物についてちょっと勉強したことがございまして、そういうことをちょっと思い出しながら質問をさせていただきたいと思っているわけでありますけれども、実は最近、横浜市の戸塚区で、あるいわゆる食品添加物の製造工場、ここでちょっと問題が起きたことは御案内だと思いますけれども、いわゆる無認可の化学合成添加物の入った香料を製造していた会社が、その香料を全国の食品メーカーにそれを卸したわけであります、出荷したわけであります。その問題についてなんですけれども。  実はその前に、去年の六月に、協和香料化学という会社がございまして、ここが同じように無認可のそういう化学合成添加物を製造していたということで、実はこの段階で一回、国は全国のこの添加物を作った施設、約二千か所と言われておりますけれども、ここを立入調査、検査をしております。一年前にそういう検査をして、その検査の段階では特に問題がなかったというふうに報告されていたにもかかわらず、今回この工場で同様な添加物が製造されていたということでありまして、私はその検査の仕方が問題があったのか、あるいはそのメーカーが事実を隠していたのか、検査の段階でですね、そのどちらかしかないなというふうに考えているわけでありますけれども。  事実、そういう立入検査をした都道府県の保健所等などの話を聞いておりますと、いわゆる基準に従った検査をするには現在の職員の数ではとても足らない、十倍ぐらいの職員の数がないと十分な検査ができませんと。そして、今の人員でもしすべての工場、すべての原材料を調べるということになれば、これはもうとても不可能だというふうなことも我々は関係者から聞いているわけですね。  したがって、私はまずここでお聞きしたいのは、一度ならずも二度もこういうふうな、起きてきているということについてのこれをどう見るか。そして、今申し上げましたように、こういう検査を直接都道府県の保健所等にこれを任せるにしても、今の体制ではとても無理だということです。こういうふうな事実について、これはどのようにお考えになっておられますか。

○政府参考人(遠藤明君) 今回の事件では、添加物製造業者が当該添加物を指定添加物のケトン類と認識をしていたということが事件の一因とされておりますことから、五月二十日、成分名ではなく特定の類、十八類ございますけれども、これに該当するものを重点を置きまして、まず関係業者により自主点検を行うとともに、都道府県等に対して立入調査により確認を行うよう指示をしたところでございます。  都道府県等における食品衛生監視員につきましては、今回の食品衛生法改正により、都道府県等が監視指導計画を策定するに当たりまして、都道府県等において食品衛生監視員の必要数の確保や適正配置についても検討がなされるものと考えておりますし、また厚生労働省といたしまして、研修を通じて資質の向上を図る取組を一層充実することとしているところでございます。  今後とも、国民の健康保護を図る観点から、違法添加物の監視も含めまして、都道府県等におきます食品の監視体制の一層の充実強化に努めてまいりたいと考えているところでございます。

○谷博之君 今いろいろお話ございましたけれども、我々がちょっと聞いている話では、この立入検査というふうなことを実際やるときに、大部分がその当事者からの聞き取りの調査だというふうに聞いているんですね。今もお話ありましたけれども、ちょっと勘違いしたというか認識の違いだったということでありますけれども、そういうふうなことで報告を受けると、それ以上のことを更に検査したり調査するということがやっぱりできていないというところが問題になっているんじゃないかというふうに思うんですね。したがって、今回のケースはいろいろそういう理由はあったにしても、今後こういうことはまた起きる可能性がありますね。  したがって、今の御答弁では私は、結果ですね、こういうことになっているんですよ。さっき申し上げた協和香料化学という会社は、結局このことが原因になって会社は倒産しちゃっているんですね。つまり、それだけメーカーにしてみれば非常に大きい問題です。ところが、無認可のこういう添加物を使って製造している例えば大手の飲料メーカー、こういうところはその商品、製品を回収するだけで全くその影響がないということですね。  したがって、私はこういう点は、これからどんどんどんどん外国からいろんな食品というものが入ってくる中で、いわゆる食品添加物そのものの私は扱い方ももう一回国としても検討してみる必要があるんじゃないかというふうに考えております。  そういうことを一つ前提にしながら続いてお伺いしたいんですけれども、こういういわゆる香料の成分表示義務、これについては、食品衛生法の施行規則第五条、ここで本来うたわれるべきものであったんでしょうけれども、ここに、これは義務がないということでうたわれておりません。  消費者からすると、いわゆる添加物というのは、すべて認められて安全なものが添加物として使われているというふうに信じているわけですね。ところが、この香料についてはそういう成分表示義務がないということですから、これどうなっているのか非常に不安ですね。  そういう意味からすると、例えば飲料水であれば、缶にそれを全部表示するというのはこれは大変だと思います。それが無理であれば、インターネットの例えばウェブサイトでこれこれこれこれの成分分析ですよというようなことを表示するという、そういうふうなことがやっぱり消費者の立場からすると義務付けられる必要があるんだろうと思うんですけれども、この点はどういうふうに考えておられますか。

○政府参考人(遠藤明君) 香料のように微量かつ複数の食品添加物を組み合わせることによって機能を果たすことが多い添加物について、昭和六十二年の食品添加物表示検討会において、個々の成分を表示する必要性は低く、一括名での表示を行うことで差し支えない旨報告されたことを受けまして、含まれるすべての添加物の表示に代えて、それらの成分の機能等を一括する名称、この場合には香料というふうな表示を認めているところでございます。  この表示の問題につきましては、現在、食品表示の在り方について農林水産省と共同で食品の表示に関する共同会議というものを開催をして幅広く検討しているところでございまして、添加物表示の在り方につきましても、消費者等の御意見も踏まえながら、今後適切に対処をしてまいりたいと考えております。

○谷博之君 実はこの添加物の問題についてはいろんなこれ経過がございまして、いわゆる天然添加物については、従来は使われているものについてはそのままそれを認めていたと。ところが、平成七年になって初めて国が既存の天然添加物について品目を定めました。これは四百八十九品目ですね。それ以外に指定添加物というものが指定をされているわけでありますけれども、こういうふうな添加物についても、今回の食品安全基本法でもう一度この天然添加物もこれは安全であるかどうかについて再度これを検査しようという、しかもそれは、四百八十九のうち百二十五という添加物についてもそれが既にリストアップされております。これはいいんですね。  もう一つは、いわゆる化学合成による添加物、これについては、国際的にかなり使われていて、そして国際規格でも、基準でも一応認められているという、そういう添加物がたくさんあります。そういう中のうち、特に国は四十六種を選んで、国の職権で新しくこの添加物を認める方針を検討しておられるということだと思っております。  ただ、例えばメーカーがこういうふうな香料といったこういう添加物を使う場合には、原則としてはそのメーカー側が安全性に関するデータをそろえて初めて添加物の使用を認めると、こういうふうな仕組みになっています。ところが、このメーカー側が安全性を冠したようなそういうデータを出すというのは、これ大変な金が掛かるんですよ、お金が。一つのそのデータを出すのに数億円掛かるというふうに言われていまして、そのデータを取って、出して、それを認められたとしたその途端に、このメーカーだけではない、すべてのメーカーがこれが使えるという状況なんですね。そうすると、Aというメーカーがこれを開発をして、せっかくお金を掛けて認めたものがほかに使われてしまうということになると、こういうことは普通しません。したがって、メーカー側もこのいわゆる検査費用を使えないというか、使わないということで、現在そういう状況にあるということだと思うんです。  ここで特許庁にお伺いしたいんですが、こういうふうな添加物の今申し上げたような認定を受けるということについて、こういうメーカー側が例えばそういうふうな作業をしたときに、これをいわゆる特許のような形でもってそのメーカーだけが使えるというような形にはこれできないんでしょうか。

○政府参考人(太田信一郎君) お答えいたします。  今の食品添加物、特に香料の原料として利用されている化学合成物質、これに関する特許につきまして私どものデータで調べました。最近五年間で特許、香料関係でございますが、十件ございました。そのうち一件はフランスの企業による特許、一件がスイスの企業による特許、残り八件が日本の企業による特許でございます。  お尋ねの、特許を取った場合には当然独占的な排他権が生じます。ということで、その企業が自ら利用をする形、あるいはユーザーにライセンスするということで、そこからしかるべき利潤を得て、それをまた次なる研究開発に回していくということが特許の仕組みでございますので、私ども、この八件、過去を累積すればもっともっと多くなるかと思いますが、そういう形で利用されている企業も数多くあるというふうに考えているところでございます。

○谷博之君 それでは、例えばこの食品添加物、特に香料の原料として現在利用されている化学合成物質について、今の御説明では、特許の状況というのは、もう一度具体的にどのようになっているか、また再度お答えいただけますか。

○政府参考人(太田信一郎君) 大変恐縮なんですけれども、最近五年間のデータということで調べさせていただきましたので、日本の企業による特許は八件というふうにデータとしては出ております。

○谷博之君 今の御説明にありましたように、日本の特に香料に関係する添加物の問題については、基本的には、海外で使われている添加物あるいは海外で認められている添加物がいわゆる輸入食品を通して日本に入ってくる、こういうケースが非常に多いわけですね。ところが、日本ではこれを認めていないから、この添加物は駄目よと、こうなるわけですね。そうすると、そこのところが使えないから、さあ、どうしようかということで、非常にメーカー側が困ってくる。メーカーにしてみれば、そういうふうな添加物については日本もどんどん使えるようにしてほしいと、こういうところなんですが、ある意味では日本は、だからしっかり対応しているということになるわけですけれども。  したがって、私は、今一つの具体的な香料の添加物の話しましたけれども、こういう先ほど申し上げたような天然添加物も含めて、大きく全体的な添加物のその見直しというのは今後どうなされていくべきかということを、これは一つ大きな課題だと思っています。  そういう意味で、古い話になりますが、一九七二年、実は国会決議が行われておりまして、合成添加物を含むすべての添加物の規制の在り方について国会決議が、食品添加物の使用は極力制限されるべき、こういうふうな国会決議が実はあるんですね、三十年も前の話ですけれども。  こんなようなことも原則にしながら、いわゆる受益者による説明責任を原則にして、抜本的に見直すことを検討すべきではないかと、こういうふうに思うんですけれども、大臣、どのように考えておられますか。

○国務大臣(坂口力君) まだ御記憶にあるというふうに思いますが、昨年の七月だったというふうに思いますけれども、いわゆる塩のいわゆるフェロシアン化物というのがございまして、これをどうするかという問題が大きな問題になりました。他の添加物と違いまして、これは、非常に塩を使うということは多いものでございますから、この問題が非常に大きな問題になったわけでございますが、そのときに薬事・食品衛生審議会の議論をしていただきまして、そして、従来からの企業からの要請に基づく指定の検討に加えて、国際的な専門家会議において安全性が確認をされ、かつ米国及びEUにおいて使用が認められているものについては、企業等からの指定要請のあるなしにかかわらず指定に向けて検討を行う、こういうことにしたわけでございます。  今まで諸外国でずっと使われているにもかかわらず日本で認められていないというものがあったわけでございまして、こうしたものはもう一律ひとつ認めていきましょうと。諸外国で、そして責任ある機関がいろいろの研究をされて、そして害がないということがもう皆明らかになっているものにつきましてはそういう手順を取ろうということになりまして、検討を開始をしたところでございます。  安全性の見直しにつきましては、既存の添加物の安全性試験の実施を加速をしようというので加速させております。そのほか、既存のいわゆる指定添加物につきましても、赤色二号の発がん性でございますとか、新しい知見に基づく評価を行っておりまして、最近の科学的知見の収集にも努める、審議会の意見等も聴きまして、そして対応をしていくということを一応大枠の話としては決めているわけでございます。  今後も個別品目の安全性の見直しということはこれはあるというふうに思いますし、これに対しまして今後も対応していかなけりゃいけないというふうに思っております。科学技術の進歩でありますとか国際的な様々な研究成果というものも踏まえまして、そして添加物の使用が国民の健康確保の上に支障がないということが明確になりますよう、その問題につきまして適切に対応をしていきたいというふうに思っております。  今まで諸外国で全部認められてもう各国が皆使っておるようなことにつきましても、我が国自身ができておりませんとそれはやはり駄目だということにしてきたわけでございますけれども、そこのところにつきましては少しゆとりを持って対応をさせていただくようにしているということでございます。  これからもこうしたことも念頭に置きながら、我が国自身も対応をすべきものにつきましては十分していかなければならないと思っているところでございます。

○谷博之君 添加物といえば香料に限らずいろいろあるわけでありますけれども、私も若いころ、いわゆる農産製造でみそ、しょうゆなんかを作る会社に勤めたことがちょっとあるんですが、昔はみそを作ると、これは特に冷凍施設がないようなところでみそを陳列した場合には、もう三日、四日でパックに入ったみそは、いわゆる酵母が発酵していますから膨らんでくる。これを止めるためにどうするかというと、ソルビン酸ソーダというのを使って、大量にこれを使ってその膨らみを止めるわけですね。当時はそういう規制がなかったわけですから、全然大量に使われていた。まるで、ぴったり一週間たっても一か月たっても同じような状態で売られているのが、消費者にとってみればすばらしい製品だと思って買っていた。  だけれども、これは、少なくとも、この前のこの委員会の現地視察で築地に行ったときに、行政処分を受けたようなものの中にこのソルビン酸の使用について、使用量以上のものを使ってこれがチェックを受けている、そういうケースもありましたけれども。要は、少なくともその添加物によって、例えば防腐剤とか、あるいは着色とか漂白とかいろんなものがありますけれども、そういうもののすべてに添加物が使われていて、それが人体に入るということになると、これは非常に私は大きな影響を持ってくると思っておりまして、是非、今回その見直しをするということでありますから、そういうふうな国際的な添加物の使用も含めて、是非ひとつ慎重な対応と、そして積極的な、前向きな取組というものをお願いをしたいというふうに思っております。  それから、続きまして次の問題に移りたいと思いますけれども、昨日の本会議で趣旨説明を受けました農林水産省設置法の一部を改正する法律案の問題について若干お伺いしておきたいと思いますが、今まで食糧事務所の職員、これは米とか麦のいわゆる検査を中心に取り扱ってきていたわけでありますけれども、この三千人の人たちがこの七月一日から地方農政事務所に移管をして、特に研修を受けて、牛肉とかあるいは生鮮野菜のトレーサビリティーなどにかかわる、こういうことになってきたわけでありますけれども、これから非常にクローン牛の流通なども考えられてくるということになると、かなりいわゆるリスク評価に従うリスク管理のこの部分というのは最前線として非常に大変重要だというように思っておるわけですが、こういう方々に対する専門性を身に付けるためのこれからの研修、そういう対応をどうされていくのかお伺いしたいと思っています。

○政府参考人(山本晶三君) ただいま地方農政事務所の職員の研修についてのお尋ねございましたが、農林水産省のこの新たにできます地方農政事務所の管理部門におきましては、例えば農薬等の生産資材の販売、使用等に対する調査や点検、それから食品の表示の監視の指導、それからいわゆる牛のトレーサビリティーに関する指導等の業務を行うことにしております。したがいまして、先生ただいま御指摘のございますように、こういう業務に対して十分な研修を行いまして、担当職員の知識や資質の向上ということを図ることが重要だと私ども考えております。  このため、私どもといたしましては、昨年末から、これらの業務を担うこととなる職員に対しまして、中央で、それから各現在の食糧事務所ごとに計画的に研修を行ってきているところでございまして、具体的には、例えばいわゆるリスク分析手法や関係法令等に関します知識の習得のための研修、それから個別の業務内容や実施の方法に対する説明会、これのようなものを行っているところでございますし、また食品表示の業務につきましては、現在各地方農政局におきまして、管内の食糧事務所職員を併任いたしまして、実際に店頭での食品表示の監視活動等に同行させるなど、実務的な研修も行っているところでございます。  いずれにいたしましても、新体制の発足に当たりましてリスク管理業務が的確に行えるよう、引き続き必要な研修を実施いたしまして、職員の資質の向上に努めてまいりたいと考えております。

○谷博之君 いずれにしましても、昨日の本会議で郡司議員からも質問が出ていましたけれども、結局、各県の例えば保健所に現在三千三百人の人が具体的に動いていると。そしてまた、こういう食のリスク管理についていろんな問題が起きたときにこういう方々がそれにかかわる。そのときにいわゆる七月一日からこの地方農政事務所に移行する、こういう方々がそういう地方自治体の関係者と情報交換とか人的な交流、あるいは場合によっては人的協力なども具体的にする必要があると思っているわけでありますが、これはもう時間がありませんので、この辺については、是非そういうことは起こり得るということも含めて、そういう対応を今後是非検討していただきたいというふいうに思っております。  それから、時間の関係で、次に牛乳の問題をちょっとひとつお聞きしておきたいんですけれども、これは三月の二十四日に厚生労働省が薬事・食品衛生審議会の乳肉水産食品部会に牛乳に関する一つの諮問をいたしました。これは牛乳に現在義務付けられている乳脂肪分三・〇%以上、この基準を廃止をしたいという諮問を出したわけでありますけれども、これについてこの審議会の中では、この三・〇%という基準は健康な牛かどうかの指標であって、衛生面からこれは必要なんだと、こういうふうな意見を発言する委員が多くて、結局この諮問が通らなかったというふうに言われているわけでありますけれども、この諮問についてどういう形でこれを出されたのか。そして、その審議会の状況はどうだったのか、お答えいただきたいと思います。

○政府参考人(遠藤明君) 食品衛生法に基づき牛乳等の成分規格として乳脂肪分の割合等が定められているところでございますが、近年の乳牛の育種改良、飼養管理、畜舎環境の改善等を踏まえ、乳等省令に規定をされている乳脂肪分等の規定の食品衛生上の必要性について、本年三月、薬事・食品衛生審議会に諮問をしたところでございます。この諮問を受けまして、三月に開催をされました乳肉水産食品部会におきましては、食品衛生上この規定が必要であるというふうな発言もございましたが、一方、食品衛生の規制としてこの規定を置くということは無理があるのではないかといった発言もあり、今後科学的なデータを更に収集した上で引き続き検討するということになったものでございます。  厚生労働省といたしましては、科学的見地に立って、牛乳等の衛生確保の観点から、この規定の必要性について審議会の意見を聴きながら更に検討してまいりたいと考えているところでございます。

○谷博之君 この諮問に当たって、例えばメーカーとか消費者、そういうふうなところと議論はされておられるでしょうか。

○政府参考人(遠藤明君) 事前には特段御意見をお聞きするというふうな機会はなかったと存じますけれども、この審議会の中、あるいは今後もし規定を、省令を改正するというふうな場合には、その場合に当然消費者等の意見も聞くというふうな機会を設けることとしております。

○谷博之君 この議論はこれから展開されていくんだと思うんですけれども、少なくとも牛乳という一つの成分について、乳脂肪分三・〇%以上というこの基準はやっぱり従来ずっと堅持してきたことでありまして、これをなくすということになれば、この成分が非常にもうこれよりもっと低い、そういうふうな牛乳も出てくるということになりますね。  そんなことで、これは非常に私は大きな問題をはらんでいるんじゃないかというふうに思っておりますが、このことと関係をして、実は消費者というのは安全でしかも清潔な牛乳を飲みたいという気持ちが強いわけです。現在の牛乳の供給体制、流通体制というのはどうなっているかというと、全体の九五%がいわゆる広域団体によってその出荷を全部扱われておりまして、五%程度がいわゆる酪農組合といった現地の生産団体と生協などがタイアップをして、そして牛乳を集めてきているということですね。この生協などで扱っている牛乳というのは、生産者に対してどういうふうな飼料を使ってどういう衛生管理状態で牛乳を出してくださいという、こういう注文なども付けて出しているということで、非常にこれは、どちらかというと九五%がインサイダーであって、五%がアウトサイダーと、こんなことも言われているわけですね。現状はそういう現状です。  私は、ここでちょっとお聞きしたいのは、そういうアウトサイダー的なそういう生協がやっているこういう活動についても、私はそれはそれなりに非常にこれは大事な部分だというふうに思っていまして、生産農家は両方にかかわっている、ダブっている農家も随分あるわけですけれども、こういうふうな一つのシステムというものを、今後とも政府としてもこの流通体制というものをやっぱり守っていくべきだというふうに思っているんですが、この点についてはどういうふうに考えておられますでしょうか。

○政府参考人(松原謙一君) 生乳の流通、取引についての御質問でございます。  先生御承知のとおりに、生乳の流通あるいは取引というこの当事者でございますが、経営規模から申しまして、零細、多数の酪農家と、それから比較的少数で資本力のある乳業メーカー、これが取引を行っておるという構造にございます。また、この生乳、非常に保存が利かないという特質がございます関係上、酪農家個人とそれから乳業メーカー、その取引における力関係、こういったものが必ずしも対等ということはなかなか言えないというふうなことだろうと思っております。このために、先生おっしゃるように、酪農家が共同して組織をいたしますこの指定生乳生産者団体、これが一元集荷・多元販売を行うということで、需給調整でございますとか、あるいは適正な生乳価格の形成、取引、こういったことが進められておりまして、酪農経営の安定が図られているということだろうというふうに思ってございます。  一方で、おっしゃいますとおりに、指定生乳生産者団体に属さないいわゆるアウトサイダーの酪農家の方々、自らの努力によりまして生乳の取引それから価格の形成、これを自ら行っておられるわけでございますが、現行法におきましても何らの制限があるわけではございません。実際に、一部の生産者あるいは生産者の組織する組合、そういったところが指定生産者団体、これを経由しないでプレミアム牛乳というようなことで取引を行っている事例も実際に見られるところでございます。  現状を見てみますと、そういった一元集荷・多元販売方式というようなことがあって売るわけでございますけれども、すべての生乳取引、これが完全にプール計算で乳価、生産をされるということではなくて、おっしゃるとおり有利販売を目的としまして生協などとの高品質な生乳の取引、こういったことが行われているわけでございまして、そういった場合には、品質に応じた支払、こういったことが受けられるような仕組みを取り入れている団体、これらも実際にあるというふうに承知をいたしてございます。

○谷博之君 大変ありがとうございました。  時間の関係で、最後にもう一問させていただきたいと思いますが、私はいつも、何度かこの委員会で取り上げておりますけれども、動物実験の在り方についてでございますけれども、欧米諸国では動物福祉の観点から、いわゆる動物実験に代わる方法の研究機関、これを産学官で立ち上げて随分開発研究を進めているというふうに聞いているわけですが、我が国はこの部分について若干やっぱり取組が後れているというふうに言わざるを得ないと思っています。私たちが掌握しているというか把握している中では、厚生労働科学研究費補助金というのがありまして、毎年一研究ぐらいこの研究費を出しておられるということであります。  そういう中で、一方では日本動物実験代替法学会というのがございまして、ここでもいろんな研究がされているということであります。資金的にも若干支援も受けているということでありますけれども、こういった組織と今後どのような連携を取ってこの分野について研究を進めていこうとしているのか。あるいはまた、欧米諸国のように、こういう連携をした研究開発機関の設置といったものについても、そういう設置をする考えがあるかどうか、お伺いいたしたいと思います。

○政府参考人(小島比登志君) ただいまお尋ねの動物実験代替法の取組でございますが、我が国におきましては、平成六年から厚生科学研究事業におきまして動物実験代替法の開発、普及につきまして研究を実施しているところでございます。平成十三年度からは、それまでの研究費の額を倍以上の一千万円ということで三か年計画で現在研究を継続しているところでございます。  具体的には、国立医薬品食品衛生研究所の研究者が主任研究者を務める体制で実施をしておりまして、今後とも、これまでの研究成果を踏まえつつ、引き続き厚生労働科学研究費等を利用いたしまして必要な研究を推進してまいりたいと考えております。  また、御指摘のございました日本動物実験代替法学会というところも熱心に代替法の研究に取り組んでいただいておりまして、私どもとしては厚生科学研究費とこうした学会活動との連携ということも大変重要だと思っておりまして、それについても進めてまいりたいと思っております。  御指摘のように、EU、OECDあるいは米国、大分外国の研究が進んでおりまして、私どもも国際的なハーモニゼーションという観点から、これに立ち後れてはいけないという覚悟でこの研究に進んでおりますし、今後とも他の国々の状況を見ながら、鋭意この研究に推進をしていきたいというふうに考えているところでございます。

○谷博之君 実は、この動物実験の代替法の開発は、食品添加物とか医薬品とか、そういう分野、世界的には化粧品の安全試験、安全性の試験等に非常にここで力を入れているというふうなことを聞いております。  で、OECDではガイドラインを定めておりまして、特に二〇〇九年までには動物実験を行って開発、製造した化粧品の販売輸入を全面禁止すると、こういうふうな措置まで考えているというふうに言われています。したがって、今後、このOECDガイドラインが認めた代替法に積極的に取り組むように薬事法上これは指導していくべきではないかというふうに思うんですが、この点はどういうふうに考えておりますか。

○政府参考人(小島比登志君) 今、先生御指摘のように、医薬品、化粧品の安全性の評価のための動物実験代替法の開発に対しましては、特に化粧品ということを中心に国際的な取組が今進んでおります。  私どもといたしましても、こうした国際的な動向も踏まえまして、化粧品の安全性評価に対する試験の実施方法については、現在、医薬品の製造承認申請に必要な毒性試験ガイドラインと、医薬品を参考に化粧品も安全性評価をするということになっておりますが、これにつきましても、国際的な状況を見ながら、積極的にこのガイドライン、特に化粧品の安全性評価に使用されるように普及に努めてまいりたいというふうに考えております。

○谷博之君 最後に、環境省の方にちょっとお聞きしたいと思っておりますが、一九九九年に動物愛護管理法が改正になりまして、特にペットショップとか、あるいはブリーダーのような動物を取り扱っている業者が都道府県への届出制になりました。ところが、動物実験施設やあるいは実験動物の繁殖販売業者というのはここから実は除外をされているわけでありますが、その理由は何なのかと。  そして、もう一つは、全国四十七都道府県の中で兵庫県などは一九九三年から、今言った後者のそういうふうな業界の皆さん方に対してもこれを届出制というふうにしております。こういう意味では、都道府県でもその取扱いが国と若干違うというふうなことも聞いておりまして、今度この法律が二〇〇五年に見直しをされるということになっていますけれども、公衆衛生の観点からもこの除外規定を削除する、こういう検討がなされているかどうか、お伺いいたしたいと思います。

○政府参考人(岩尾總一郎君) 動物取扱業の届出等の措置は平成十一年、先生御指摘のように議員立法で法改正されまして、このときは愛玩動物、主としてペットをめぐるトラブル等を背景に導入されたものでありましたので、対象となる動物からこの実験動物というのは除かれております。  御指摘の実験動物の取扱いについては、この動物愛護管理法というのは、動物を科学上の利用に供することを前提として、その利用に必要な限度において、できる限り苦痛を与えないような方法でしろというような規定がなされておりますので、その際の基準といたしまして、実験動物の飼養保管者に対し、生理、生態に応じた適切な設備の設置、麻酔薬の投与による苦痛の軽減などの配慮を求めております。  環境省といたしましては、まずは実験動物に関するこれらの取扱いが徹底されることが肝要であると考えておりまして、都道府県と連携して関係者に対し周知を図ることとしております。附則に基づく見直しの際には、それらの結果を踏まえて、追加的な措置が必要が否か検討してまいりたいと考えております。

○谷博之君 時間が来ましたのでこれで終わりますが、最後に見直しについてのお話もございました。これは要するに、いわゆる実験用動物が必要とされている、そういう立場の人たちももちろんいるわけですね。ですけれども、それはきちっとやっぱり、そういうふうな業者に対してもこれを、届出制をちゃんとしくことによって、その動物の管理というものをやっぱりしっかりしていくということが大事だと思うので、これは是非前向きに見直しの段階で御検討いただきますように御要望申し上げまして、私のすべての質問を終わらさせていただきます。  ありがとうございました。



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