2002年3月20日
○谷博之君 私は民主党・新緑風会の谷博之でございます。
今日は、質問の機会をいただきまして感謝を申し上げながら、早速でありますけれども、難病対策一本に絞って御質問をさせていただきたいと思います。
実はこの問題は昨年の十二月の十三日に決算委員会で坂口大臣にも若干御質問を申し上げたところでございますが、時間もございませんでして十分な議論ができませんでした。そういう意味で、今日は全体的にじっくりと、特に厚生大臣と同時に政治家である坂口大臣と、こういう立場からも真摯なひとつ議論をしてみたいと、このように考えておりますので、是非前向きの御答弁をいただきたいと思います。
実はその前に、私事でございますが若干紹介をさせていただきますが、私は、昭和五十四年から地方議員の立場で、当時、大変病気の原因が分からなくて、しかも治療方法が分からなくて御苦労されている、そういう難病患者の皆さん方といろいろと力を合わせまして、ベーチェット病とか膠原病とかあるいはリューマチの患者の皆さんと一緒に、いわゆる難病患者の皆さん方が横の連携を取って、県の難病団体の協議会を作ってまいりました。
以来、二十三年間、その事務局長という立場で活動させていただいておりますが、言うまでもないことでありますけれども、医療というのは、医療を施術するというか施す側と、それを受ける側のいわゆる患者並びにその患者を包む家族や地域の皆さん方、そういう方々との連携でありますし、更にそこには医療制度としての行政がしっかりかかわって、国、地方、力を合わせて今の医療体制というのを作っているわけでありますが、私はそういう意味で、その医療を受ける側というか、施術を受ける側の立場からこの問題を取り組んできたつもりでございまして、そういう意味で、是非そういう視点で大臣並びに皆さんの御答弁をお伺いしたいというふうに思っております。
そしてもう一つは、実は三月十五日にも、いわゆる現在の難病対策についての制度の見直しということで、昨年秋からこの制度見直しの検討会をそれぞれやっておりまして、三月十五日には第五回目の難病対策委員会とそして小児慢性の対策の特別検討会が、これは第七回目になりましょうか、開かれた。そういうふうなこともございまして、非常にこの制度が今見直しをされようとしているという、そういう状況もございまして、今日はあえてこの質問をさせていただくところでございます。
さて、まず、なぜ今見直しなのかということでありますけれども、厚生労働省のいろんな考え方を聞きますと、いわゆるこの難病対策というのは、昭和四十七年、難病対策要綱というものを作りまして、そこが実はこの具体的なスタートになっているわけであります。このことについては後ほど詳しく申し上げますが、ところが、この難病対策要綱というのは、率直に申し上げまして、法的な根拠はないということで、そういう要綱に基づくいわゆる非制度的な補助金の事業として今行われているというところが今一番問題なんだと、こういうことで、その結果として、大変財政が厳しい中で一〇%ずつのいわゆる財政を削減させられる、そういう対象に実はなってこようとしているわけであります。
そういうことを一つの動きとして踏まえながら、一つまずお伺いしたいわけでありますけれども、厚生労働省は現在、補助金の数というのは非常に数がたくさんあると思いますけれども、そのうち、特に制度的な補助金と非制度的な補助金の数についてはそれぞれ幾つあるか、お教えいただきたいと思います。
○政府参考人(木村政之君) 制度的補助金、これは主に法律に基づく補助金でございますが、その数は、平成十三年度予算におきます厚生労働省所管一般会計の補助金等の数を予算上の件数で整理いたしますと、制度的補助金とされておりますのが九十五件でございます。それに対しまして、その他補助金ということで整理されております補助金の件数は六十六件でございます。
○谷博之君 それでは、重ねてお伺いをいたしますが、その九十五の制度的補助金、そういう数の今お話ありましたけれども、これ、直接法律に基づくというか、法律に根拠があるものすべてかということでありますが、実は厚生労働省に問い合わせましたところ、平成十三年度の例でいいますと、例えば国連障害者の十年記念施設運営委託費など、いろいろの、そういう意味では十八というふうに私は数を一応聞いておりますが、これは後でその数字は確認したいけれども、そういうふうな、ちょっとお待ちください、こういうものが、実は法律に基づくというんじゃなくて、いわゆる要綱とかプランとか、そういった法律以外のそういう根拠でもこれが決定されているということを聞いております。この点についてのその数字と事実を確認したいと思います。
○政府参考人(木村政之君) 先ほど申し上げました制度的補助金のうち、九十五件でございますが、法律に根拠がない補助金等の件数は十八件でございます。
○谷博之君 その議論はちょっと後でまた申し上げますが、先ほど制度的補助金、非制度的な補助金ということを申し上げましたけれども、この非制度的補助金は、いわゆる一〇%削減という平成十五年度の財政の基本的な方針というものが我々はあるというふうに聞いておりますけれども、そういう中で、来年度の概算要求基準というのはいわゆる財政構造改革に関する平成九年の六月の閣議決定に基づくというふうに聞いております。
これは逆に言えば、制度的な補助金というのはそういう意味では法律的な根拠がなければならないのかということになるわけでありますが、この点について御答弁をいただきたいと思います。
○政府参考人(牧野治郎君) お答えいたします。
制度的補助金につきましては必ずしも法的根拠が必要というわけではございません。基本的な考え方は、国家の統治、安全及び対外関係の処理等、専ら国の利害に関するもの、それから憲法上の国民の基本的権利を保障するもの、災害救助、復旧に係るもの、制度改正を含め別途総合的見直しが行われるもの、これに該当するもので、その補助根拠等を総合的に勘案いたしまして定めております。それ以外のものをその他の補助金といたしております。
○谷博之君 今の御答弁に関連しながら、重ねて私の考えを申し上げながらお尋ねいたしたいわけでありますが、いわゆる難病対策事業の中心的な事業の一つである特定疾患治療研究事業という事業がございますけれども、これはいわゆる医療保険の自己負担分を国と地方で言うならば半分ずつ負担するという制度ですね。
このいわゆる特定疾患治療研究事業、この部分の厚生労働省の説明によりますと、私は以前に聞いたことがあるんですが、これが制度的補助金に位置付けられないのはそこに国民が納得するようないわゆる哲学と理念がないからだということを当時の大蔵省が申しているという、こういうような話もちらっと聞いたことがございます。
そこで、難病対策の中心的な施策であるところのこの特定疾患治療研究事業、これはもう既に、先ほども申し上げましたように、三十年も前から続いてきた制度であるわけでありますから、そのスタートは難病対策要綱、これは正に一つの歴史的な重みを持って今日までそういう事業を進めてきているということでありますし、一例を挙げますと、スモンの裁判のときにも、これは最終的に和解をいたしましたが、かなり国の法律の中でも難病対策、つまりスモンのそういう対策についても大変大きな問題であるというふうに位置付けられているわけでありまして、そういう点からすると、この今申し上げました特定疾患治療研究事業というのは、正に法的な根拠あるいはそれに準ずるそういう理念と哲学があるのではないかというふうに私は考えておりますが、この点についての重ねての御所見をお伺いしたいと思います。
○副大臣(宮路和明君) 今、谷先生御指摘の特定疾患治療研究事業でありますが、おっしゃいましたように、昭和四十七年からこの事業は治療研究に協力していただいた患者の皆さんの医療費の負担の軽減を図るという趣旨も踏まえつつ行わさせていただいておるところであります。
この事業につきましては、先ほど、平成九年六月の閣議決定における制度的補助金であるかそうでないかという際の仕分に当たりまして種々議論がなされたところでありますけれども、残念ながら、当時としては研究事業としての評価体制や評価方法が確立していないんではないかといったような観点から、先ほど財務省の方から説明のありました制度改正を含めた総合的見直しが困難な経費に該当するということでその他補助金として整理されたというふうに承知をいたしておるところであります。しかしながら、私も先般、難病の患者の団体の皆さんからもこの研究事業費が削減されることについての大変な危機感を訴えられたところであるわけでございます。
現在、この問題につきましては、厚生科学審議会の下に難病対策委員会を置いてございまして、そこで去年の十月からこの事業の在り方の見直しを、現在鋭意検討さしていただいておりますので、今後、この検討結果を踏まえまして、本件の取扱いにつきましてしっかりと対応してまいりたいと、かように思っておるところであります。
○谷博之君 それでは、ちょっと今日までの経過について、もう少し私の方からその経過を申し述べさしていただいて、再度、今の答弁に対する重ねての質問をしたいと思いますが。
そもそも難病対策というのは、先ほど申し上げましたが、昭和四十七年の難病対策要綱からということでありますが、その背景にあったのは、実は昭和四十年代、ベーチェット病という病気が大変社会的な大きな問題になり、関係者や患者家族、医師の皆さん方が死に物狂いでこの病気の対応をしていったという、そういうふうないろんな経過があって、そこが実はスタートになっているわけでありますが。
そしてそのときに、その当時、国会の中にも超党派のこの問題に対する議員連盟も実はできております。五十五名の人数でありますけれども、そのメンバーはここに資料として残っております。これは自由民主党、日本社会党、公明党、日本共産党、それぞれの国会議員の皆さん方が当時ここに参加しておりました。大臣の所属しておられます公明党も七人ここに入っております。現職では鶴岡洋先生なんかもここに入っておりますけれども。こういう中で、この当時というのは、坂口大臣、恐らく昭和四十七年初当選でございましょうから、ちょうど国会議員になって、その当時のことだというふうに私は思っております。
こういう非常に社会的に大きな出来事として国会の中でも取り上げられた。それを受けて、当時、いわゆる難病救済基本法のようなものをこういう関係者が作ろうという、そういう動きがございました。
ところが、この段階でいわゆる難病の定義というのは一体どういうことなんだということで、一つはなかなかそれができなかったということであります。そして正に、もう一つは、当時は田中政権といいますか、田中角栄総理大臣の時代でございまして、そういう意味では、難病対策要綱というものを作ってそれを法律に準ずる形でやっていこうということを、当時その患者や関係者の方はそういうふうな説明も聞いているということを証言しております。
これ具体的には、当時を知っているベーチェット病患者を救う会の直接の事務局長をやっておられた医師の福山先生という方は、私、最近会いましたけれども、そういうことをはっきり当時の関係者から聞いたんだというふうに言っております。
つまり、難病対策要綱というのは法律に準ずるそういうふうな扱いとしてこれを作るんだということで、田中政権の下で、正に目玉政策としてこれが位置付けられたということが過去の経過にあったというふうに聞いております。
そして、そういう歴史的な経過というものを踏まえながら、平成九年に突如として、先ほど申し上げたように、厚生省と大蔵省の間の協議によって正に難病対策の主な、主要な部分が、この先ほど申し上げたような非制度的な補助金に移されてしまったということですね。そういうところに、そもそもの出発とその途中経過とそしてその最近の動きというのはどうもマッチしてきていないというふうな、そういうふうな私たちは感じで受け取っております。
そこで、こういうことについて、その当時のことを厚生労働省の方にお伺いしますと、いやそれはつまり、その当時の大蔵省がこの補助金には理念とか哲学がないから、つまりそれは制度的補助金にはできないんですよというふうに言われた。ところが、今度は財務省にそれを聞くと、厚生労働省がそうした判断を示さなかったんだと。つまり、そういうことで、その後のまた毎年の見直しの際にもこの補助金については見直しを厚生労働省が要望していないんだと、こういうふうなことで両方の言い分がちょっと食い違っているわけですね。
そういう点で、この部分について改めて両省から見解をお伺いをいたしたいと思います。
○政府参考人(牧野治郎君) お答えいたします。
主計局でこの補助金をその他補助金と、これ厚生省と御相談しながらでございますが、決めました理由でございますが、これもう先生よく御承知だと思うんですが、この特定疾患治療研究事業、これ特定疾患の原因の究明、それから治療方法の確立、こういったことを事業の趣旨といたしておりまして、そして原因究明、治療方法の確立に必要な多種多様なデータの収集を行うということを目的にいたしておりまして、そのために、もちろん先生がおっしゃられたように、患者の医療費負担の軽減という面もございますが、同時にその協力謝金的な面もございます。
そういったことをまず勘案いたしまして、さらにまた、当時この事業につきましては、研究事業としての評価体制、それから評価方法が確立していなかったというようなこともございまして、先ほど申し上げました制度的補助金の四つの基準からいたしますと、それには該当しないという判断をいたしたものでございます。
○副大臣(宮路和明君) ただいま財務省の方から説明があったわけでありますが、厚生省といたしまして、当時、財務省といろいろと議論を重ねたわけでありますけれども、先ほど申し上げましたように、評価研究事業としての評価の体制あるいは評価方法というものがどうも確立していないんではないかというような結論になりまして、残念ながらその他補助金として整理されたということでありますけれども。
この事業が持っております、委員御指摘の歴史、伝統と申しましょうか、そういったその事業としての重み、あるいはまた難病対策の研究事業としては、もう一つ調査研究事業というのが、特定疾患の調査研究事業というのもありまして、これが正に難病の治療についての調査研究を行うという事業であるようでありますが、これとのこの治療研究事業の関連、こういったことも十分踏まえながら、難病対策委員会におけるその事業の在り方の見直しの検討結果をも踏まえつつ、私どもしっかりとした対応を今後検討してまいりたいと、こういうように思っておるところであります。
○谷博之君 難病対策委員会でその議論をするということは、それはそういうことで、この難病対策委員会の議論も、実は本当であれば今年度末で一定の方向が出すというふうに聞いていたのが、かなり結論が延びているようです。
そういう中で、そこで議論をするということも分かるんですが、しかし基本的には厚生労働省としてどういうふうなその現在の制度というものを維持し、これを充実させていくかという立場からすると、やはりそれはきちっとした一つの厚生労働省としての考え方を持っていく必要があるだろうと思うんですね。
それと、もう一つは、財務省の方には、つまり結論からいうと、財務省が考えているような方向でいけばこの制度的な補助金にそれは位置付けられるんですよというふうなことでいくのかどうか、そこら辺もどうもその両省の連携がこの問題については何となくはっきりしないという部分が実はありまして、実はこの部分が、それは委員会でどういう結論が出るか分かりませんけれども、私は非常にこれは悩ましい問題だというふうに思っております。
したがって、その背景には恐らく財源の問題もあると思うんですけれども、私は、まず基本的にはこの非制度的な補助金という今の仕組みを制度的な補助金にまず位置付けていくということ、これがやはり私は基本であり、そうでない限りは、この事業というのは財源がなくなればなるほど、厳しくなればなるほど、この事業の予算というものは縮小していくというふうにならざるを得ないというふうに思っておりまして、この点はまず一つ私の意見として申し上げておきたいと思います。
それから、続いて、この制度、三十年経過していますけれども、今言ったような状況でかなりそういういろんな問題のツケが今回ってきているわけであります。特に政府のこういう政策の非常に遅れといいますか、そういうことによって患者に対する負担というのが既にもう今から三年前、一回起きました。御案内かと思いますが、それまでは全額公費負担という原則を貫いていたにもかかわらず、少なくとも月額最高で通院で月二千円、そして入院では月額一万四千円の患者の負担、自己負担というのが導入されました。そして、そういう中でこれから更にその負担が増えようとしているわけですね。
今回、政府は、医療制度改革の一環として、いわゆるサラリーマンの自己負担を来年度から二割から三割にするというふうなことを決定したようでありますけれども、これによって難病対策への財政的影響が大変大きいと私は考えますけれども、これについてどのぐらいだと試算をしておられますか。
○副大臣(宮路和明君) 今回の医療制度改革におきましては、御指摘のように、高額療養費の限度額の見直しといいましょうか、その引上げ、それから診療報酬の引下げ等の改正を行うことといたしております。
そういうことで、この特定疾患治療研究事業につきましては、これらの改正による影響等も総合的に勘案いたしまして、事業費として百八十三億円を平成十四年度で計上をいたしておるところであります。この予算につきましては様々な増減要因が当然予想されるわけでありまして、医療制度改革による影響額のみに着目した試算は現時点では行っていないわけでありますが、先ほど申し上げた百八十三億円の予算によりまして、この事業の目的はおおむね達成できるものというふうに考えております。
それから、今お話しありましたサラリーマンの患者負担三割、これは平成十五年度以降の問題となるわけでありますが、平成十五年度以降の改革の財政的影響につきましては、この事業への財政的な影響につきましては、現時点ではまだ数字が明らかになっていないために試算をいたしていないところでございます。
○谷博之君 具体的数字については出ないということでありますから、これ以上議論をしてもその先は進みませんけれども。
そこで、ひとつ、私はここで地方自治体の問題を一つ取り上げておきたいと思うんですね。
御案内のとおり、この特定疾患治療研究事業の予算の変遷というものを見ますと、昨年は二百二十億、今年は二百億、それで来年度の予算が百八十億ということで、毎年二十億程度この予算というのは非常に減ってきて、減額されてきております。これは割合で言えば一割ずつ削減ということになるわけでありますが、これは今後どこまでこれを減らしていくのかということを非常に心配されるわけですね。
そして、特に患者数が減るわけではありません。対象となっている患者の数はむしろ増えております。そういう中でこの予算が減ってきている理由ですね、これをまず一つお聞きしたいということと、それからもう一つは、そのことによって国の予算は毎年一割カットしていくわけですけれども、そして、その中で、その部分を地方がカバーして頑張っているわけですね。地方自治体がその分をカバーしているわけですよ。こういう正に地方自治体の悲鳴にも似たそういうふうな苦労をどういうふうにこれは考えて国は対応していこうとしているのか、お答えをいただきたいと思います。
○副大臣(宮路和明君) 都道府県の、今、委員御指摘のように、この事業の実施に当たりまして都道府県の方の負担が増えているといったような、そういう事情もあるようでございまして、その点も含めまして、先ほど申し上げた委員会における検討の大きなテーマとして取り上げて、そしてそのことが患者の皆さんの適正な医療という面で支障のないような、そういう方策を見いだしていきたいと、このように思っております。
○谷博之君 委員会の方で結論を出すということですから、そういうことでそちらの方に話を振られますと、それ以上は聞くわけにいきませんけれども。
やはり私は、基本的にはやっぱり厚生労働省の中のこの問題に対する考え方というのは本当はどこかにあるんだろうと思うんです。それをなかなか出さないで、そして検討する委員会にそのげたを預けてそこで何か結論を出してもらおうという、こういうふうな考え方が向こうに見えるような気がしまして、非常に私は、もっと具体的に考えているものがあればそういう委員会の場に僕は出せばいいと思うんですね。
そういうことで、私は、毎回この委員会を傍聴しています。中身はある程度分かっているつもりですから。その結果として、議論が正直言いましてなかなかまとまってこないという部分もありまして、結論がそれで延びているというところもありますが、その一つの原因は、私はやっぱり厚生労働省の姿勢があると思うんです。ある程度しっかりしたものを出すことによって全体の委員会がそういう方向に行くわけですから、これは一つの私の要望としてお受け止めいただきたいと思います。
それから、大臣にお伺いしたいんですが、おととし二〇〇〇年の十月二十七日の衆議院の厚生委員会で、私どもの同僚、仲間であります水島広子議員が次のような質問をいたしております。次のようにといいますか、質問をいたしましたことについて当時の政務次官が次のような答弁をしております。今後、「難病患者さんの一部負担は現行どおりの水準を維持することといたしておりまして、見直す考えはございません。」、これはおととしの十月二十七日の委員会の答弁です。この答弁をされた方、これは実際名前を出して恐縮ですが、大臣と同じ所属の公明党厚生労働部会長の福島豊議員でございました。これはもう記録で残っております。
そこで、大臣にお伺いしたいわけでありますけれども、いわゆる患者団体が委員にも入っていないいわゆる衆議院の厚生委員会、この中での話というものは、どういうことであるかということはいろいろありますけれども、福島前政務次官がこういう答弁をしているということについて、正に大臣の在任中にいわゆる患者の自己負担の引上げすることはないというふうに言っておるんですが、これについての大臣の御感想をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 先ほどから谷委員の長い年月にわたりましての難病患者に対します御熱意というものを聞かせていただきまして、大変敬意を表している次第でございます。
今御指摘をいただきましたこの福島当時の政務次官がお答えをさせていただきましたその答弁につきましては、これからもそれを堅持していきたい、そのとおりにしていきたいと思っているところでございます。
先ほどからいろいろお聞かせをいただきまして、私考えますのは、なるほど、いわゆるこの難病疾患、特定疾患ですね、特定疾患というのが、いわゆる医学の世界で言う難病というのと、ここで言います難病というのは若干その定義が違うわけですね。一般的に言うならば、難病というのはもっとたくさんあるわけでありまして、原因の分かっていない病気がたくさんあるわけでございますが、その原因の不明な病気の中で、その患者さんの数がうんと少ないものだけをここで特定疾患として拾い上げているというところに私は一つの普通の難病という場合との違いがあると思うんですね。
例えば、がんなんというのもまだ私はこれは難病ですし、その原因というのは明らかになっていないわけですから、普通難病といったときにはがんも本当は入ってこなきゃいけないと思うんですが、そうではなくて、そういうたくさんある病気は横へのけておいて、非常に原因が不明で、なおかつ患者さんの数が少ないような人たちをこの特定疾患として列挙している。そこになかなか、先ほど御指摘をいただきましたように、哲学的背景を立てにくい原因がそこに私はあるんではないかというふうに思っております。
今、いろいろ議論をしていただいているようでありますから、私もその議論というものをできるだけ尊重したいというふうに思いますが、なかなか理解のしにくいのは、その発生数の少ない人だけに絞ってどうするかというところがなかなか難しいんだろうというふうに思います。そこに、発生数の少ない人にはそれだけのことをしなければならないというやはり理由を明確にしなければならないんだろうというふうに思っております。
一般的に申しますと、患者数が非常に多い場合には、例えば研究者の中にもそれに対する原因究明のために立ち上がる研究者というのは非常に多いわけでございますが、この発生数が少ないとややもいたしますとそれを研究してくださる学者というのも案外少ないということは現実問題として存在するわけでございまして、そうしたこともあって、その研究に対してももっと国の方は手を差し伸べなければならないし、そういう状況にある皆さん方に対して何らかのやはり手を差し伸べなければならないという、そういうこれからのことも考えた上でのこの皆さん方に対する支援のやはり論理構成をしなければならないのではないかというふうに思っている次第でございまして、それらの点がこれからの会合の中でどういう結論になってくるのか私も拝見をしながら、私個人の意見も申し述べさせていただいて、そして皆さん方に余り大きな御負担をいただかなくてもいいような形で処理ができないかと思いながら先ほどから聞かせていただいていたところでございます。
○谷博之君 大臣の率直な気持ちについては今の御答弁で分かったような次第でございますが、私の考え方については特に法制化ということについて最後にちょっと申し上げたいと思っておりますが、その前に一点、ちょっと内容を変えましてお伺いをしたいわけでありますが。
いろんな難病の中にALSという筋萎縮性側索硬化症という病気がございます。これはだんだん身体の動きが取れなくなって早い方は二、三年で、要するに意識はしっかりしながら、自分とそのいろんな臓器はしっかりとしているんですが、結局そういう状態で亡くなっていく人が非常に多いわけですが。
この方々のいわゆる在宅人工呼吸器の問題について、昨年の十二月の十三日の決算委員会で私は質問いたしました。そのときのちょっと要約したものがあるわけですが、ALS患者の在宅人工呼吸の制限緩和ということで大臣に質問いたしまして、これは具体的に言いますと、在宅の難病患者、特にALSの患者の在宅での人工呼吸の訪問看護ステーションの複数利用制限を緩和すべきではないかという質問をしまして、それに対しまして大臣は、次の診療報酬の改定時期に十分配慮したいということで、これはおかげさまで今度の診療報酬の見直しでそのようになりました。これは大変感謝しておりますが。
その反面、一方、今回の診療報酬改定によって在宅人工呼吸器のいわゆる指導管理料、これが引き下げられました。そのことによって、これは昨年の三月にQOL、いわゆる特定疾患患者の生活の質の向上に関する研究、このいわゆる生活の質のQOLの問題の研究班が出しておりますその報告書の中にも、この点については、どうもその内容を見ますと時代の流れに逆行するような方向に行っているのではないかというふうに私どもは考えておりまして、特にこれはALSの患者の皆さん方も同様の考え方を持っているようでございます。
これについて、どういうふうにこの点について評価されているか、お伺いをいたしたいと思います。
○政府参考人(大塚義治君) お示しの二〇〇一年三月にまとめられました特定疾患患者の生活の質、QOLの向上に関する研究班の報告書というのがございます。そのときの主たるテーマの一つは、診療報酬の逓減制が神経難病患者の医療あるいは看護に与える影響についてどうかということが一つの主要なテーマでございまして、この研究報告の中では、事例が必ずしも多くございませんけれども、いわゆる入院上の逓減制が病院のALS患者の受入れに影響を与える可能性があるという御指摘がございました。
この点につきましては必要があれば詳しく申し上げますけれども、今回の診療報酬改定におきましていわゆる入院の逓減制についてこれを廃止をいたしまして、御指摘、この研究班の報告にあるような内容の方向に沿っての改善を見ているところでございます。
また、人工呼吸に関する指導管理料の点数の見直しでございますけれども、在宅の人工呼吸につきましては指導管理料というものがあるわけでございますが、この点数がその性格からいいますと二つに分かれておるわけでございまして、御案内と存じますけれども、一つは指導管理そのものについての言わば評価点数、と同時に、あわせまして、人工呼吸器を使用した場合、これを加算点数ということで加算をすると、これを合わせて全体の指導管理料といたしておるわけでございます。
今回、これを引き下げましたのは、その指導管理料そのもの、指導管理そのものに掛かる部分につきましてはこれは据え置いておりまして、一方、人工呼吸器につきましては、市場実勢、すなわち実際に取引されておりますそれぞれの種類に応じた人工呼吸器の価格を調査いたしまして、当初といいましょうか平成十二年までの所定点数と比べますと大幅な価格の低下といいましょうか、価格が低い価格で流通しておるということが確認をされたものですから、それに見合いまして、見合いましてと申しましても若干の幅、余裕を持っておりますけれども、その見合いました引下げを行ったということで、これはあくまで人工呼吸器の市場実勢の、市場における価格を念頭に置いてそれに見合った合理的な見直しを行ったということでございます。
○谷博之君 この問題については、先ほどの報告書は現行の診療報酬では低過ぎる可能性があることも指摘されておりますが、時間がありませんので、今日の私の質問の一番本論について最後にお伺いをいたしたいと思います。
いろいろ先ほど来お伺いをしてまいりましたが、結局、今の難病対策事業、特定疾患のいわゆる治療研究事業が、やっぱり、一言で言うならば、財政があったときに、たくさんあるお金の中から、いわゆる病気の原因の分からない患者に医学の解明を図るという正に研究の相手側の対象物として患者の皆さん方の治療費を公費負担をしてきた、こういう時代があって、その後ずっと今日に来ているわけでありますけれども、財政が厳しい中ではそうもいかなくなったということであります。
しかも、これがどんどんどんどん、先ほど質問しましたけれども、十分なお答えいただけませんでしたけれども、ともかく予算も削られようとしてきているというわけですね。そういう中で、じゃ、これを、どうこの制度をきちっと守っていくかということについて、哲学とか理念の話もしましたけれども、これもなかなか難しいということになれば、もういよいよそれは、きちっと法律に基づいてそれを裏付けを取ったそういう事業にしていかなければ、この難病対策事業というのは私は将来なくなってしまうというふうに考えています。
そういう意味から、次に法制化の問題についてお伺いをいたしたいわけでありますけれども、ちょうど今年から来年に掛けては、言うならば障害者施策の一つの大きな節目になってきていると思います。具体的には、例えば障害者プランが今年まででありますし、さらには、先ほど申し上げましたけれども、アジア太平洋障害者の十年も今年で一応切れます。そして、障害者基本法も来年で丸十年が過ぎようとしている。こういう一つの節目の年に、このチャンスに私は難病患者、難病対策の法制化を今検討する時期に来ているというふうに思っております。そして、このことを難病患者の団体の皆さん方も強く私は求めているというふうに思っております。
実は、そういう意味で、古い話というと恐縮ですが、一九九七年にこういう法律を原案として、障害者福祉の新たな法制度の確立を目指してということで、障害者福祉法への試案という、日本障害者協議会というところがこういうふうな試案を出したりしております。これは、難病対策を含む多くの障害者の皆さん方の一つの法制度を確立しようということでありましたが、こういう動きもある。そして古くは、過去三回にわたって難病基本法の法律を制定しようとした動きもあったわけでありますが、残念ながらそれが表に出なかったということであります。
そういうふうな時代背景を見ながら、私はひとつこの法制化の問題を、ある立場から具体的にお聞きしたいわけでありますが、いわゆる難病対策といっても小児慢性特定疾患のグループと、そして小児から大人になったところのグループと大きく今二つに日本の難病対策事業というのが分かれております。
そして、小児慢性特定疾患については、約十の病気群で、病気個々にすると五百三十の病気が大体該当しているというふうに言われていますが、患者数が約十一万人、そういう患者さんがおられる。しかし、この特定疾患の制度については、病気によっては十八歳、病気によっては二十歳までの、その年齢を過ぎるとこの制度から外されちゃうわけです。そして、実際そこに、大人の難病の制度に渡っていける人が、先ほど言った約十一万人の人数のうちわずか二百三十七人なんですよ。それ以外の人たちは、その年齢が来るとそこで終わっちゃうわけです。こういう正に難病対策事業の制度の不備というものがあるわけでありますが、しかしこれは小児慢性は小児慢性の特定疾患の検討委員会で今その辺の議論もされております。
そこで、私は、この小児慢性特定疾患も非制度的な補助金でありますから、この部分を何としても児童福祉法の範疇の中で、せめてこの部分を法律の中に位置付けてこれをきちっと制度化していくという方法が取れないものかどうか、このような考えもあるわけでありますが、まずその点の問題についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 小児慢性の特定疾患治療研究事業というのもまたその中であるわけでございまして、この難病問題も大変複雑な形になっていることは今更私が申し上げるまでもございません。
総論的に申し上げますならば、先ほどから御指摘をいただいておりますように、この難病の皆さん方にこれ以上御負担を掛けないようにしていくためにどういう道が一番行ったらいいかという観点からやっぱり私たちもやらなければならない。難病の皆さん方というのは年齢が来れば、二十歳になれば、二十五になればそれが改善されるというわけではないわけでありまして、ほとんどのこの難病の人たちが生涯その病気を持っていかなければならない人でありますから、そのことを念頭に入れて私たちはこの問題を行っていかなければならない。また、中には、原因はある程度分かっているけれども、しかし全く治療方法がないという方もあるわけでありまして、そうした人をどうするかという問題も私は検討課題に入れていかなければならないと思っている次第でございます。
そういうことも含めまして、総論としては、先ほど申しましたように、この皆さん方に多くの御負担が掛からないようにどうするか、何が一番いいかということを中心にしながらこの問題は解決していかなければならないわけでございますが、今御指摘になりました小児慢性特定疾患の治療研究事業につきましては、これは昭和四十九年の事業開始以来もう四半世紀にわたっているわけでございますし、この間に医療技術の進歩もございますし、それから経済的、精神的な負担を抱えた患者さんやその家族のニーズというものも変化もしてきているというふうに思っております。
国の方の財政も一層厳しくなってきているということもございますが、患者さんの皆さん方の周辺の環境も変わってきていることも配慮しなければならない。先ほど申しましたような検討会も現在行われておりますが、その検討会の中での議論も踏まえながら、しかし先ほどから御指摘をいただいておりますように、厚生労働省も厚生労働省としての意見を持って、そこでやはりこの問題の決着を付けなければならないというふうに思いますから、御趣旨を十分に踏まえて最終結論を出させていただきたいと思っております。
○谷博之君 もう一つちょっと具体的にお伺いしたいわけでありますが、現行法制度の中でかなり運用できる、そういうふうなスタンスの部分も私は、ものもあるというふうに思っておりまして、それが例えばスモンだと思います。
スモンというのは、御案内のとおり薬害が原因だというふうなことで一定の結論が出ておりますけれども、こういうふうな部分の医療費の公費負担というのは医薬品副作用被害救済制度、こちらの方で、これを予算として付け替えるという形が私はできないかなというふうに考えておりますが、この点についてはいかがでしょうか。
○政府参考人(宮島彰君) スモンにつきましては、裁判上の和解に基づきます金銭給付に加えまして、従来から特定疾患治療研究事業の対象疾患としてきておりまして、患者さんには恒久対策の一環として医療費の自己負担分の全額公費負担やホームヘルパーの派遣などを実施してきているところでございます。
一方、御指摘の医薬品副作用被害救済制度は、将来発生し得る医薬品の副作用による健康被害に備えて、すべての医薬品製造業者等が共同して拠出し、発生した健康被害の救済を図るという、言わば一種の保険原理に基づく制度として昭和五十四年に作られまして、その給付対象は昭和五十五年五月一日以降に使用された医薬品により生じた副作用被害を対象としております。したがいまして、制度創設以前の副作用被害でありますスモン患者に対する適用は困難であるというふうに考えておるところでございます。
いずれにいたしましても、厚生労働省といたしましては、これまでの経緯を踏まえまして、今後ともスモン患者への対応に万全を期してまいりたいというふうに思っております。
○谷博之君 それでは最後に、今までの御答弁を聞きながら、難病対策基本法といいますか難病対策推進法という、そういう法律の必要性について最後にお伺いしたいと思いますが、まず一つは、先ほど大臣からもお話ありましたけれども、いわゆる難病の定義ですね、これについては、私どもが資料として持っておりますのは、先ほどの昭和四十七年十月の難病対策要綱、ここに難病の規定が二つ入っております。原因不明、治療法未確立であり、かつ後遺症を残すおそれが少なくない疾病、もう一つは、経過が慢性にわたり、単に経済的な問題のみならず介護等に著しく人手を要するために家庭の負担が重く、また精神的にも負担が大きい病気、こういうふうにあります。もう一つのいわゆる特定疾患対策研究というところには四つの規定があります。これは希少性と原因不明と効果的な治療方法未確立、そして生活面への長期にわたる支援、これが難病の規定になっておりますけれども。
私は、まず難病の規定というのは、これは非常に難しいと思いますが、難病基本法なり難病推進法を作ると仮定しますと、私は、難病というのはかなり範囲が、先ほど大臣答弁あったように、広いと思うんです。これは、私はそれは広くてやむを得ないと思います。そういうものをしっかりと範囲として入れておきながら、その中で、じゃ具体的にどういうもの、現在既に四十六の特定疾患が公費負担の制度になっていますけれども、そういうものを一つは基本にしながら、どういうふうな部分を直接、当面、制度としてそれを支えていくのかという、こういうものは私は政令なりそういう別の形で、それはいろんな検討会、審議会で決めていってもらえばいいと思うんですよ。そういう意味の一つは理念的な、やっぱり難病対策基本法あるいは難病対策推進法というようなものがまず一つは絶対必要だ。これがなければこの制度は、先ほど申しましたように、かなり厳しい状況になるということを私は非常に今危機感を持っています。
それともう一つは、そういう中で、特に国や地方やあるいは国民の責務とか、あるいは具体的に難病対策事業の中で、患者に対するどういうふうな、福祉や教育や社会的なそういうふうな支えをしていくのか、経済的な支えをしていくのか、こういうようなものをやっぱり一つの理念的な法律を作って、そこでしっかりとしたものを持たないと、これからはなかなかそういう財政が厳しいということで、かなり私はこの制度が後退をする危険性を感じているわけであります。
そこで、最後のこれは質問になりますけれども、一つは難病の定義、これをどのように考えているか。それからもう一つは、そういう私が申し上げましたような基本的な基本法なり推進法の法整備について、これは今後私はやるべきだというふうに思っておりますが、その辺についての御見解をお伺いいたしまして、私のすべての質問を終わりといたします。
○国務大臣(坂口力君) 先ほども少し触れましたけれども、この難病なるものの定義ということが一番大事なんだろうというふうに思います。ここをどうするか、どういうふうにここを決めるか、ここの難病の決め方によって、先ほどお話がございますように、哲学的なそこの背景ができるかどうかということになってくるんだろうというふうに思います。
財務省との議論の中で、それがあるないということが事実あったかどうかは私存じませんけれども、もし財務省の方がそういうふうに言われたとすれば、それもなるほどしかし一理のある話だというふうに思いながら先生のお話を聞いていたわけでございまして、ここはやはり厚生労働省としても、どこから見てもなるほどというふうに、これは、それはそうすべきだと言われるようなやはり定義というものを明確にしなければならないというふうに思っております。
そして、それを明確にした上で、この皆さん方に対してどう手を差し伸べるかということを中心にしながら、法制化といったような問題もその中の一つの選択肢の中に入れながら最終結論を出す、どういう形が一番いいのか、将来ともにそれが安定するのかという結論を出すということにしなければならないのだろうというふうに思っております。