国会活動報告 参議院国土交通委員会

2004年6月10日 景観法、国民保護法における文化財保護、日本道路興運問題などについて

159-参-国土交通委員会-22号 2004年06月10日(未定稿)

○谷博之君 私は、民主党・新緑風会の谷博之でございます。質問の機会をいただきまして感謝申し上げますとともに、景観三法、午前中もいろいろ質疑がありましたけれども、ふさわしくないような感じのする、そういうふうな景観の持ち主でございますけれども、あえていろんな角度から、若干重複する部分もあるかと思いますが、質問をさせていただきたいと思っております。  まず、この景観法が今国会で提出をされたわけでありますけれども、その時期の問題、タイミングの問題、これをちょっとお伺いしたいと思いますが、先ほどの午前中の藤野委員の答弁にもありましたように、現在、全国の地方自治体、都道府県では、四十七都道府県のうち二十七の都道府県で三十の条例ができている、景観条例ですね、それから、四百五十の市町村で四百九十四の条例ができていると、こういうふうな御答弁ございました。  実は、私どもの県にも二つ条例がございます。とちぎふるさと街道景観条例、これは平成元年にできている条例ですが、それから最近、平成十五年に栃木県景観条例という、これが平成十五年にできているわけですが、そういういろんな条例を私も作る段階からいろいろ県会議員としてかかわってまいりました。そういう条例を作るたびに、私は、午前中も出ておりましたけれども、いわゆる罰則の問題がネックになってなかなか景観条例の趣旨というものが十分生かされないというふうな、こういうふうなことを具体的にも経験をしてまいりました。  したがって、今後は条例に罰則を明記することができることになったわけですから、前進ということでありますけれども、しかしそれにしても今回の、この言うならば景観に関する基本法の制定はやや遅きに失したんではないかなというふうな気もいたしておりますが、まず大臣の率直なお考えをお聞かせいただきたいと思います。

○国務大臣(石原伸晃君) ただいま谷委員がおっしゃられましたように、地方自治体においての取組というものが昭和六十年代から先行して行われてまいりまして、委員お地元の栃木県でも二つの条例があるということは認識をさせていただいているところでございます。  そんな中で、やはり我が国、これまで経済発展、経済効率性の方に多くの方々の関心の重点というものがあって、とかくこの景観の部分については、全国民共有して、あるいは全自治体共有して、先ほど御同僚の委員の方の御発言の中に景観原理主義ですか、そういうことを言うわけではないけれども、やはりそういうものの大切性を広く知らしめていくことが重要であるというお話がございました。そういう御意見が国会でも御議論されるように、今、正に全国民、地方公共団体も含めて大きな転換点に来ている、こんな認識もお示しさせていただいたわけでございます。  そんな一方で、委員が御指摘されましたように、これまでの地方自治体の取組の条例というものが建築物の新築等の届出と勧告という仕組みにとどまっていたり、そういうことによって、その周辺の町並みと不釣合いなものがあったとしても強制力を持って規制できないという限界もあったことも事実だと思います。また、条例では建築基準法など法律の規制緩和や国税であるところの相続税の軽減が認められないということで、使い勝手が悪い、そういう御批判もあった、限界もあったと存ずる次第でございます。  このため、今回の景観法では、この価値観の大きな転換点、多くの方々がやはり経済効率性から軸足をしっかりとした良好な景観というものに置いて、条例による取組の限界が明らかになったことを更に踏まえまして、基本理念というものを明確化させていただきますとともに、建築物のデザイン等への変更命令など強制力を持つ措置を盛り込ませていただいたと。そんな中で、なお一層地方公共団体の取組が強化されるよう、国の行政としてもこれからも協力して支援していかなければならない、こんなことを今日午前中の審議で強く感じたところでございます。

○谷博之君 どこの地方でもそうだと思いますけれども、どうしてもその地域の景観を守りたいというふうな場所がたくさんあると思うんですが、我々の地元の話を出して恐縮ですが、栃木県も日光街道とかあるいは那須街道とか、そういう非常に恵まれた自然の中で、そういうところに街道が、昔からの街道が通っていて、その少なくとも両側五百メートルぐらいは建築物の規制をしようではないかと、こういうようなことでいわゆる条例のそもそものスタートがあったわけですね。  そういうことから発展して、例えばとちぎふるさと街道景観条例の場合は、そこに条例に基づく里親制度というのを作りまして、そして植樹、木を植えたりあるいはその周辺の清掃をするとか、こういうふうな活動まで今現在やっているということなんです。  そういうことを踏まえながらちょっと具体的にお伺いしたいわけでありますが、今の大臣の御答弁を受けて、今度の法律によって、今も申し上げたような具体的な、我々の県でいえば二つの条例、これに法的な裏付けが与えられることになったということでありますけれども、具体的な、例えば罰則などについてどのようにこうした条例に規制を盛り込むことができるようになるのか、その点を御説明いただきたいと思います。

○政府参考人(竹歳誠君) お答えいたします。  今、先生が御地元の栃木県で二つの条例に関与されて、その中で罰則のような問題についてなかなか難しい面があったというお話がございました。地方自治法上はもちろん条例で罰則も盛り込めるわけでございますが、多分、景観の問題でそこまでできるのかというような御議論があったんじゃないかと考えるわけです。  今回の景観法、基本法としての景観法と同時に、具体的な手法を盛り込んだ法律となっているわけでございまして、従来、景観でそこまでやるのかという点について、基本法をきちっと国会で定めていただくということで、罰則まで含めたいろいろな対応ができるということになると思います。  一つの形として申し上げますと、例えば景観法に基づきまして景観計画区域というものが定められて、そこで建築物の建築が行われる場合を考えてみたいと思います。  その場合に、建築物の建築については届出の対象となる、法律上なるわけでございますが、もし届出を行わないで建築をしたというような場合には三十万円以下の罰金ということが法律上明記されております。また、この建築物について、色彩やデザインについて条例で定めて変更命令が可能になるわけでございますけれども、その命令に違反する、命令に従わないということになると五十万円以下の罰金。さらに、この変更命令違反に対する原状回復命令ということ、更に命令違反を繰り返すわけですけれども、その場合には一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処されるということで、届出の段階、それから変更命令の段階、さらにその変更命令違反に対する原状回復命令と、段階に分けて、だんだんと罰則も重くなるということになっておりまして、このような法律的な背景を踏まえて、条例によって一連のことについて、従来難しかったとおっしゃった問題がクリアできるということになるということでございます。

○谷博之君 今具体的にそういう御説明いただいて、今後、条例の中にそういうようなものが生かされてくるということだと思います。  具体的にこの景観法の条文の中身について幾つかお伺いしたいと思いますが、まず第七条の景観行政団体のことについてお伺いしたいと思うんですが、この第七条の定義を見ておりますと、この景観行政団体の定義は、指定都市、中核市、いろいろありますが、一定の条件といいますか、そういうものをクリアした市町村、これらの区域以外にあっては都道府県をいうと、こういうふうに規定しておりますけれども、全体の市町村を含んでいるわけではないわけでありますから、そういう意味でもこういう限定をした理由というのは一体どういうところにあるんでしょうか。

○政府参考人(竹歳誠君) まず、基本的な考え方でございますが、良好な景観の形成を行う景観行政というものは、住民に最も身近な基礎的自治体である市町村が行っていくことが望ましいと、このように考えます。  ただ、先ほど先生も具体的な数字を挙げて御指摘になられましたですけれども、現在、市町村の中で景観条例を定めているのは四百五十ということで、これは年々増えてきているわけでございますが、そうは申しましても全国の市町村の一四%にすぎないと、これが実態でございます。一方、都道府県は半数以上の二十七の都道府県で自主条例が定められているということでございます。  したがいまして、このような実態を踏まえまして、法律の制度としては、市町村のうち都道府県とほぼ同等の体制であることが想定されます政令指定市、中核市については自動的に景観行政団体となることとしておりますが、その他の市町村については、手を挙げれば知事の同意を得て景観行政団体となれる仕組みとしたわけでございます。  なお、都道府県と市町村の二重の構造になりますので、ある地域で二重規制が行われるということになりますと、これは一つの問題でございます。したがいまして、景観行政団体は一つの地域において一元的に景観行政を行うと、こういう形にしております。

○谷博之君 我々としては、例えば一般の市町村でそういう条例を作る動きとか、あるいはまた市民参加で様々な取組をしようとしている、そういう市町村もこれから、現実にあるし、これから出てくるのではないかというふうに考えられますけれども、そういう中で、そうすると、もう一回確認をいたしますが、この景観行政団体になるためにはどのような要件と手続というのが必要なのか、ここのところを更に御説明をお願いします。

○政府参考人(竹歳誠君) 政令指定都市、中核市以外の市町村が景観行政団体になる場合には都道府県知事の同意を得る必要があると先ほど申し上げました。  同意のやり方と申しますか基準でございますけれども、冒頭申しましたように、景観行政というのは、やはり基本的には住民に最も身近な基礎的自治体である市町村が担っていくべきであると考えますので、よほどのことがない限りということで、景観規制を行う体制が不十分であるとか、よほどのことがない限りは手を挙げた市町村に対して知事は同意をすると、このように考えております。  このような考え方については技術的助言というような形で明らかにしていきたいと、このように考えております。

○谷博之君 じゃ、こういうケースの場合はどういうことになるかということをお答えいただきたいんですが、例えば、一般の市町村でそういう条例を持たない、しかし残すべき棚田等がある、それに対してNPOとか地域住民がその文化財、文化的景観として保存したいと、こういうふうな運動が起きてきているというふうにしますと、どうしてもその市町村では財政等の問題で、村が景観行政団体になることを望まないというか、そこまで行かないというふうに判断したとき、そういうNPOとか地域住民とそれから県とで景観計画の策定を協議して、そして県とNPOとで取組が、取決めができるようなそういう条件というか、そういうことはできるのかどうかですね。

○政府参考人(竹歳誠君) 今御質問がございました棚田などを抱える村で、そこを保全したいと、市民も熱心だということですけれども、財政的な状況でなかなかそこまでは踏み切れないというときにはどうなるかと申しますと、まず都道府県が景観行政団体になっていただきたいと。まだ半数は超えたところでございますけれども、是非この法律が通りましたらすべての都道府県には都道府県、景観行政団体になっていただきたいと思いますが、もし、村はなかなか難しいけれども、都道府県が景観行政団体になっているとなりますと、その棚田のある村については都道府県が景観計画の策定などを通じて保全を図るということが可能になります。  したがいまして、NPOの方々、この方々は、一定の所有者の同意というのがありますけれども、都道府県である景観行政団体に対して、この棚田を景観計画の中で保存しましょうというような提案もできるということになります。都道府県であるそういう景観行政団体がそういうことをやるという場合には、あらかじめ関係市町村の意見を聴くというようなことになっておりまして、関係市町村の意見も聴きながら、都道府県がNPOの市民団体などとその問題に取り組むことができると、このように考えております。

○谷博之君 それでは、続いて景観法のこの対象地域の問題についてお伺いしたいと思いますが、景観法で指定できる対象地域というのは河川、湖沼、あるいは海ですね海域、これらは含まれるのかどうか。干潟やあるいはサンゴ礁といったそういうふうな地域まで対象地域として含まれるかどうか、お答えいただきたいと思うんですが。

○政府参考人(竹歳誠君) 景観法の第八条、景観計画というところをごらんいただきますと、景観行政団体は、都市、農山漁村その他市街地又は集落を形成している地域及びこれと一体となって景観を形成している地域における次のような土地、その土地というところに「水面を含む。」と書いてございます。したがいまして、この水面、それから海についても景観計画の対象とすることは可能でございます。また、干潟やサンゴ礁についても、それらがその景観計画を作る行政区域の中にございますれば、そしてそれが必要だと判断すれば、対象区域に含むことは可能でございます。

○谷博之君 私は、各会派の人たちの集まった環境保護団体、国会議員の方々の、ラムサール条約の登録地を増やす議員の会というのがございまして、その事務局長をさしていただいておりますが、日本全国には環境省が指定をしている五百を超える河川、湖沼、そういう、すばらしいそういう海岸線あるいは干潟等々がございます。特にそういう中でも沖縄が、五百のうち相当数、百数十指定をされています。今後その国際条約であるラムサール条約の、現在十三か所しか日本は登録されておりませんので、これを二十五から三十五ぐらいに二〇〇五年には指定を増やすということで我々も強く国に要求しているわけでありますが、そういう中の一つに沖縄の辺野古というところがございます。これはすばらしいサンゴ礁で有名なんですが、ちょっとここにこういう新聞のこういう写真が出ておりますけれども、非常にすばらしい景観を持った海岸線なんです。ここを是非、海岸から目視して二キロ以内がもうはっきり見えるというそういうサンゴ礁を、海岸部の美観と一体として景観法のこの対象区域に指定できないものだろうかというふうな率直な考えを持っておりますけれども、こういうふうな具体的な話についてはどのようにお考えでしょうか。

○政府参考人(竹歳誠君) 今、具体的な地名を挙げられて御質問がございました。  今の具体的な場所については私ども、具体的な状況については承知しておりませんが、一般論で申し上げれば、先ほど申し上げましたように、地元の景観行政団体が必要だと判断してということになりますれば、海岸と海を含んだ区域、それはもちろん自分の行政区域の範囲内でございますけれども、それについて景観計画を定めるということは可能でございます。

○谷博之君 いろいろとこれからそういう具体的な地元との動き等もあろうと思いますが、率直に言って、日本は島国で周りが海に囲まれておりますので、こういう地域というのは非常に私は多いんだろうと思います。是非そういう点では、これからより具体化されてきたときに、そういう地域、地元とのいろんな意味での協議をしながら、指定地域としてどんどん指定していくような前向きな姿勢をひとつ取っていただきたいというふうに思っております。  ここで、ちょっと若干視点を変えましてお伺いしたいんでありますが、今国会でいわゆる国民保護法制というのがイラク特でも今議論されております。この実は国民保護法制の中にも景観法と関係する部分が幾つか出てまいります。そういう点で、この部分についてのちょっと整合性といいますか、整理をする意味で幾つかお伺いしたいと思うんですが、武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律案、これはこれから国民保護法案というふうに言わせていただきますが、この法案の中では、その附則に景観法の一部を改正するというふうに規定が出ておりますけれども、この具体的な趣旨というのはどういうことになるんでしょうか。

○政府参考人(竹歳誠君) 今御指摘のあった景観法の条文は第七十七条、仮設建築物又は仮設工作物に対する制限の緩和という条文でございます。  この第七十七条というのは、非常災害があった場合におきまして、災害によって破損した建築物等の応急の修繕でございますとか、国とか地方公共団体等が災害救助のために建築する応急仮設建築物等の建築につきまして、そこが景観地区内だといったときにいろいろ手続があるわけでございますけれども、そういう応急の場合には建築物についての認定等の制限、これについて緩和するという趣旨でございます。  そこで、国民保護法案との関係でございますが、国民保護法案の規定による住民の避難というのは、武力攻撃予測事態、すなわち武力攻撃の発生前においても実施される可能性があることから、避難住民等を収容し、また避難住民等に医療の提供を行うための施設を武力攻撃予測事態において設置しなければならない可能性があるということで、これらの収容施設とか医療施設は、そういう非常に切迫した状況の中で避難住民の救援を行うために設けるものでございます。  その性質上、できる限り迅速に設置することが求められるということで、これらの施設については、先ほどの非常災害の場合と同様に、景観法の規定による景観地区の制限を緩和してその迅速な設置を図るということで、そこでこの国民保護法案の附則十二条において景観法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律の一部改正を行って、景観法七十七条の規定をこれらの収容施設又は医療施設について準用して、景観地区内の建築物の建築等に対する認定等の制限を緩和すると、このような趣旨でございます。

○谷博之君 非常災害という言葉の定義ということをまずちょっとお伺いしたいと思いますが、それともう一つは、非常災害というのは武力攻撃事態同様に事前に予測可能なものである場合、あるいは可能でない場合という、いろいろあると思いますけれども、例えば予測可能なものと考えた場合、その場合に国民保護法案とは異なって、予測事態のその段階でのいわゆる制限緩和ができなくなることも考えられるというふうに思いますけれども、そのことについての支障がないかどうか、これらについてもお伺いしたいと思います。

○政府参考人(竹歳誠君) 二点お尋ねがございました。  まず、非常災害の定義でございます。  災害ということ、まず災害の定義でございますけれども、災害の定義は、災害対策基本法では「暴風、豪雨、豪雪、洪水、高潮、地震、津波、噴火その他の異常な自然現象又は大規模な火事若しくは爆発その他その及ぼす被害の程度においてこれらに類する政令で定める原因により生ずる被害をいう。」と定義されておりまして、非常災害については、この災害のうち非常に大規模なものとこの法律で考えております。そこで、先ほど申し上げましたように、このような非常災害の場合には景観地区の規制についての緩和があるということになっているわけでございます。  そこで、今の、次のお尋ねは、この非常災害というのは地震とかそういうものが突如とやってきますから、事前に予測が不可能ですから、さっきの国民保護法案と同じようなことはできないわけですけれども、台風のようなものですと事前に予測すると、できるじゃないかと、そうすると同じような手当てが要るんではないかというような御趣旨ではないかと思います。  確かに、気象技術の発達に伴って、台風についてはあらかじめ接近を予測することが可能とはなっておるわけでございますけれども、大分治水対策も進んできて昔のように何千人も死ぬというようなことはなくなっておりますし、また、台風が来て危ない、がけ崩れで危ないというようなときには学校等堅固な建物に避難すると。時間があるだけに、そういう安全な場所に避難するというのが通常で、台風が来るから事前にそういう応急施設を造るということは余り考えにくいんじゃないかということで、この法案ではそういうことは想定していないということでございます。

○谷博之君 今日は文化庁からも来ていただいておりますので、ちょっとこの問題について重ねて関連してお伺いしますが、今度のこの国民保護法案では第百二十五条に文化財保護の特例というものが設けられていると思いますが、これは具体的にどういう中身なのか、御説明いただきます。

○政府参考人(木曽功君) お答えいたします。  お尋ねの国民保護法案第百二十五条のことでございますが、主に三つの点の規定がございます。  一つは、文化庁長官は、武力攻撃災害による重要文化財等の被害を防止するため、所有者等に対して、被害を防止するため特に必要があると認めるときは、その保護に関し必要な措置を講ずべきことを命じ、又は勧告することができるということが一つございます。二点目は、重要文化財等の所有者は、文化庁長官に対し、その保護のため必要な支援を求めることができることが規定されております。三点目は、国宝等の所有者等が命令に従わないときは、文化庁長官は、被害を防止するため必要な措置を自ら直接講ずることができるという規定でございます。  以上でございます。

○谷博之君 今のその説明を受けますと、この第百二十五条には当然天然記念物とかあるいは史跡名勝なども含まれるのではないかと思っておりますが、例えば武力攻撃事態が予測された場合に具体的にはどのような対策を取るのかということになると思うんです。  例えば、民有地にあるイリオモテヤマネコとかあるいはオオサンショウウオとか、そういうものがいた場合にこれを具体的にどのように保護し守るかということについて、ちょっと具体的に説明していただけますか。

○政府参考人(木曽功君) お答えいたします。  その具体的な内容でございますが、この必要な措置あるいは支援の具体的内容につきましては、個々の事例に応じて適切に判断されることになるわけでございます。  例えば、オオサンショウウオあるいはイリオモテヤマネコ等の野生動物についてでございますが、これは本当例えばということでございますが、捕獲あるいは安全な場所への移動等、一時的な移動等が可能あるいは有効かつ適切かどうかというその検討がなされる必要があろうかと思っております。  いずれにいたしましても、保全のための最大限の努力を行うということでございます。

○谷博之君 具体的なケースということで、そのほかにもいろいろ想定されると思いますが、例えば長野県の千曲市の名勝、姨捨という棚田があります。これは実は大変貴重な棚田でございまして、しかしこれは民有地ですね。こういうところを守るというか保護するという、どのような対策をするのかということも、これまた具体的なケースとしていろいろ説明を聞きたいというふうに思いますし、それからもう一つは、これは先ほどお話ししましたけれども、我が栃木県では日光街道の杉並木、これはもう大変な距離を、宇都宮と日光との間だけでも一万三千本というふうな杉の木が植わさっておりまして、これは今、後ほど申し上げますが、大変枯れて、非常に杉並木の樹勢が今衰えてきているというふうな、そういうことについての我が県の取組もしておりますが、こういうふうないわゆる日光街道の杉並木というのは、先ほど申し上げたように、特別史跡と特別天然記念物の二重の指定を受けているようなこういう地域であります。こういうところについての同様の質問に対してはどのようにお考えになっておられますか。

○政府参考人(木曽功君) お答えいたします。  長野県の名勝、姨捨という棚田についての具体的な、じゃ、その保護の取組はどう考えるかということでございますが、狭い範囲の史跡、名勝につきましては、偽装、いわゆるカムフラージュ等の措置が考えられるわけでございますが、この名勝、姨捨につきましては、面積が三万一千七百平米という広大な面積を持っております。そういうことでございますので、実際上、有効な措置を取ることが事実上困難なケースかというふうに思っております。  また、日光の杉並木でございます。日光の杉並木につきましても、これにつきましては総延長三十七キロメートルに及ぶ杉並木でございます。これにつきましても、移動等はほとんど不可能であると思っておりますので、同様に事実上困難なケースでなかろうかと思っております。

○谷博之君 この日光の杉並木の問題について、これは国民保護法制との関係で今質問申し上げましたが、その話と同時に、これはいわゆる文化財という立場から関連をしてお聞きしたいんですけれども、私たちの県では杉並木オーナー制度というのを行っています。一本の杉の木に一千万円の言うならばお金を出していただいて、そしてそのお金の果実でその杉並木の樹勢を回復をしようと、こういうことでやっているわけですね。  具体的には、今、五百三十二件の団体、個人が一千万円を出資して六百八十二本の杉のオーナーになっていると。全体の中では、何とか手を加えれば回復するであろうという木が大体八千本から九千本ぐらいあるというふうに言われていまして、それはどういうふうにするかというと、杉の木の根っこですね、根っこを保護して、そしてそこにいろんな言うならば措置を講ずるということなんですが、問題はこの杉並木の根っこの部分というのはこれ公有地ばかりじゃございませんで、民有地等もそこに入っておりまして、当然そういう意味ではこの民有地の言うならば取得といいますか、そういうものがあって、その根のやっぱりそういう対策を施さなきゃいけないということなんですが、残念ながら、そういうオーナー制度のそういう益金、資金なんかも使いながらも、県も相当の財政を出しながら、もちろん国からも補助をいただきながら、年間二億円程度の予算を使ってそういう樹勢回復運動をやっております。  ただ、もちろん民有地をこれから更に買収するというふうな課題もあるわけですけれども、今やらないと、この日光の杉並木というのは大変自動車の交通も激しいですし、排気ガスとか様々なそういう要件によって枯れていくという、そういう心配が非常にございます。樹齢三百年、四百年という大変古い杉並木でありますけれども、これを是非残していきたいというふうなこともあります。  現在、全体の本数のうちの進捗率が二一・九%、平成十五年度末はそういう状況でして、まだまだ全体の数でいうとわずかでありまして、平成十六年度の目標は一・一%を更に増やそうと、こんなことで二三%を目標に、全体のですね、取組をしようとしているわけですが、こういう動きについて、文化庁はこの日光杉並木の今後の保全の在り方についてどのように考えておられるか、あるいは今後の住宅地の買収に取り組むことになるわけですけれども、これまでの補助金額じゃ到底進捗しないというようなこともありまして、こういうことについての前向きな対応をどのように考えておられるかお伺いしたいと思います。

○政府参考人(木曽功君) お答えいたします。  日光杉並木でございますが、オーナー制度というものを、これは栃木県が考えられて、この売却資金による保護基金を運用することでいろんな保護施策を実施しておられるということで、我々も非常にその取組を評価しておるところでございます。全国でも非常に珍しい取組であろうというふうに考えておるところでございます。また、栃木県が行っております並木の後背地、二十メートルぐらいの後背地を買い上げまして、公有化をしていくという事業でございます。これも着実に進められているものと認識しております。  文化庁といたしましても、今後ともこのような地域の取組に対し、国庫補助、土地の買上げ等に対する国庫補助、あるいは史跡等の追加指定ということで、可能な限り支援してまいりたいと思っております。

○谷博之君 是非、これは一つの県の問題だけじゃなくて、やっぱり世界登録遺産、ユネスコのですね、これにも五年前にも登録されておりますし、国際的なそういう、何というんでしょうかね、貴重な遺産だと思いますので、前向きなひとつ御支援をいただきたいというふうに思っております。  それから次に、屋外広告物法の改正についてちょっとお伺いしておきたいんですが、これまたそれぞれの地方自治体の条例というものがこれに関係してできていると思いますが、私どもの地元の宇都宮市の屋外広告物条例をちょっと検討してみましたら、その十五条に、市長は、違反広告物の設置者又は管理者に対し、美観風致を維持し、又は公衆に対する危害を防止するために必要な措置を命ずることができる、こういうふうに条文上、明記されています。  ところが、これには期間の定めがないわけでありまして、今回、この法の改正によって、例えばモーテルのああいうネオンサイン、こういうふうなものが、条例に違反したこういうような広告物に対してこれまで以上に代執行がしやすくなるというふうに考えますが、この点についての具体的な対応、そして、この期間の定めも含めて、今後どのようにこうした条例も改正できるようになるのか、お答えいただきたいと思うんです。

○政府参考人(竹歳誠君) 今先生御指摘になられましたように、まず、現行法では、そのような形で野立て看板などの違反している広告物について知事が条例に基づいて除却命令ができるとされているわけです。その場合は、現在は行政代執行法に基づいて、相手方が命令に従わない場合であって、他の手段によってその履行を確保することが困難であり、かつその不履行を放置することが著しく公益に反すると認められるときは、行政代執行を行うことができると。この点についてより要件を明確化いたしまして、屋外広告物条例に違反しているため、知事が相当の期限を定めて除却の命令を行ったと、にもかかわらず命令に従わないというときには行政代執行をすることができると、このようなことが今回の法律改正に盛り込まれております。  すなわち、行政代執行がやりやすくなるわけですけれども、その代わりに相当の期限を定めて除却の命令を行うと、このような仕組みにしているわけです。したがって、今御指摘の宇都宮市の屋外広告物条例につきましても、法案の成立後、現在は相当の期限を定めてということが入っておりませんので、法案が成立いたしましたら、そういう相当の期限を定めて市長が命令を行うと、このように改正をしていただく必要があると認識しております。

○谷博之君 関連してお伺いしますけれども、こういう屋外広告物を取り扱う業者というのがもちろん全国にたくさんあります。これは今まではいわゆる届出制ということになっておりまして、全体で約五万五千社というふうに言われています。当然、大変業者の中にはしっかり仕事をして、法を守って活動している業者もあれば、中には若干問題のあるような業者もあるように聞いております。したがって、いわゆる届出制からできれば更にワンランク上げて登録制にすることによって、こういう悪質な一部の違法業者といいますか、こういう人たちをチェックすべきではないかというような声もあるやに聞いております。  そこで、この具体的なこういう問題と、しからば登録制ということになればどのくらいの業者が淘汰されるというふうに見ておられるか、お答えいただきたいと思いますが。

○政府参考人(竹歳誠君) 御審議の中で明らかになっておりますように、違法な看板、広告物、また電線、こういうものが日本の景観を非常に悪くしていると、こういう現状認識があるということでございます。  そこで、全国に膨大な違反広告物があると、こういう現状に対応して、良好な景観の形成を図るとなりますと、個々の違反広告物対策、簡易除却制度の拡充などと併せて、違反広告物の原因となっている不良業者の対策と、まじめに仕事をしている方はたくさんいらっしゃるわけでございますけれども、一部の不良業者が非常にこういう問題を惹起しているというふうに考えておりまして、こういうような不良業者の対策を講じて、違反広告物が表示されない、こういう体制を作ることが重要であると考えているわけです。  そこで、今回の法律改正の下で、届出制から登録制ということにするわけでございますが、従来の届出制の下ですと、実は条例違反を繰り返しても罰金三十万円を払えばまた次の日から営業できるということで、罰金だけではなかなか規制ができないということになっております。したがって、今回の登録制にいたしますと、営業停止でございますとか、例えば登録の取消しというふうなことも可能となるということで、不良業者を排除する上で非常に有効な対策ではないかと考えております。  さてそこで、この対策によってどれだけ排除されるかということでございますが、先ほど先生おっしゃいましたように、五万五千の届出業者がございます。これは都道府県ごとに届出をしておりますので、ダブりがございますので実際は二万から三万ぐらいかなと考えておりますが、大半の方はまじめに仕事をしておられるわけで、今ここでどれぐらいの業者、不良業者が排除されるということを申し上げることはできません。

○谷博之君 続いて、都市緑地保全法の改正についてでございますが、これ先ほど大江委員からもいろいろと御質問ございました。それに対して私も正に同感でございまして、これは大沢委員も多分一緒だったと思いますが、去年災害特で、災害対策の特別委員会で三宅島に防衛庁の最新鋭のヘリコプターで現地視察をさせていただきましたときに、これ三宅島の例ですが、大変ああいう状態になっている中で、あそこに島民がまた戻ってくることを当然前提にして様々な復旧工事をやっているわけですが、そういう中に、原則として新しい橋を造ったり、新しい土手を造ったり、そういうところには三宅島固有のそこに自生する植物を植えるというふうなことで、特にああいう島というのは、一度外来種が入ってきますと、これは蔓延したときに駆除するのが大変になります。  そういう意味では、これは植物も動物もそうですけれども、そういう意味で、私はそういう地域地域のオリジナリティーなそういう取組というのは必要だというふうに思っています。これはいわゆる生物多様性という、そういう観点になっていくというふうに思うんです。  これは、先ほどは、そうはいってもいろんな条件があって、厳しい条件のところにはその条件に耐えられるようなそういう植物も使わざるを得ないというふうなこともお話がありましたけれども、しかしそういう帰化植物というのが非常に国内の在来の植物よりもこれ非常に生命力が強くて、そういう点で非常に繁殖力も激しい。例えば水生植物でホテイアオイという植物がありますけれども、これは観賞用の植物として非常にあちらこちらでも売られておりますけれども、こういう植物が一度繁殖しますと、瞬く間にその周りの環境をいわゆる変化させてしまうという、こういうふうなこともあるわけですから、我々はそういう意味では、例えば外来植物を使う場合も相当慎重にこれはしなきゃいけないというふうに思っています。  特に、そこの一か所だけにとどまらないで、それがほかに広がっていくということが大変心配されるわけですね。そういう点で、そういった内容も含めながら、この都市緑化保全法に基づく緑化、景観形成に際しては、今申し上げたように、地域地域のオリジナリティーを生かすそういう観点からも、また地域の生物多様性を攪乱させない、こういう立場からも、その地域在来の植物の利用を第一に検討すべきだというふうに思います。このことを私はこの法案あるいはないしは別の形でも結構ですが、明記をする必要があるというふうに思うんですが、この意味はどういうふうに考えておられますか。

○政府参考人(竹歳誠君) 今、三宅島のお話でございますとかホテイアオイのお話等々ございました。我々といたしましても、やはり個性のある地域作り、その地域地域のまちづくりをするという意味で、地域在来の植物、それから地域に固有のいわれを持った植物、こういう活用というのが重要であると考えておりますが、いずれにしろ、これはそれぞれの地域の自主的な選択の面もあると思います。  先生、今具体的に法律の中に、この都市緑地保全法の中に明記すべきではないかと、できなかったらほかの法律でもどうかということでございますが、なかなかそれを法律に書くというまでには至っていないんではないかと。ただ、今御指摘の重要性、例えば動物についてもカミツキガメが琵琶湖で繁殖して暴れ回っているというふうなこともありますので、やはりそういう外来種の問題についてもきちっと慎重に対応しながら進めていきたいと考えています。

○谷博之君 法律まではというふうなことでありますけれども、これは極めて、今国会でも外来生物を規制する新しい法案も成立をいたしましたし、いよいよこれから日本もそういう意味では生態系をしっかり守るという、そういう時代に入ってきたと思うんですね。したがって、先ほど島のお話ししましたけれども、ニュージーランド、オーストラリアが世界的にも非常に先進的に取り組んでいるんですが、一度そういうふうな外来生物が入ってきたときにその生態系は全く一変するという、それを元へ戻すのに大変な労力を掛けながら取り組んでいるという、そういう事例もございまして、我々は特に、沖縄辺りのマングースとヤンバルクイナの話とか、あるいは元々あそこに在来するそういう動物、植物を守るためにも特に今重要だというようなことも強く主張しておりまして、そういう点ではその重要性をお互いに認識はしていると思いますけれども、更にひとつ認識を深めていただきたい。  それから、私たちの県では足尾というところがありまして、古くから銅山で栄えた町ですが、煙害によってもう山が完全に全山はげ山になって、もう草木一本生えていない。そういうところに今、急傾斜地に皆が入っていって木を植えて元の姿に戻そうということで、市民団体が年間、年に何回もそういうところをやっていますけれども、そういうときに使われる木についても、草木についても、何を植えるかということをやっぱり慎重に考えながら取り組んでいるわけです。  こういうことも含めて、私は是非、今までもそうだと思いますけれども、より一層そういう認識を深めた対応をこれからしていただきたいというふうに思っています。  今国会の委員会も、私の発言する機会もこれで恐らく最後になると思いますので、今度の景観法の法案と別になりますけれども、前回、前々回、二回質問をさせていただいた道路公団の民営化の問題について若干お時間をいただいて、残った時間ちょっと質問をさせていただきたいと思います。  具体的には、私はいわゆる実質ファミリー企業と言われている日本道路興運のことを取り上げて質問をしてまいりました。どうしても納得いかない部分がありまして、具体的に何点か重ねてお伺いをしたい。  一つは、日本道路公団では車両管理業務を合理化して民営化前にも委託数を半分にすると、こういうことで前回の委員会で答弁がございました。一方、国土交通省の方は車両管理、委託している車両が数字的には増えてきているんですよね。いわゆる逆の取組をしているように思うんですが、そうなっている原因は一体何なのか。  それから二つ目に、この日本道路興運への国土交通省からの発注はいつごろから始まっているのか。そして、日本道路興運がずっと継続して受注してきたのに、そして日本道路興運が、この発注、最初に発注を受けてからずっと継続して受注をし続けてきているのか。  そして、日本道路興運が初受注して以来の一般競争入札の結果を示していただきたいと、このように考えております。

○政府参考人(安富正文君) まず一点目でございますが、道路公団の対応と国土交通省の対応の違いということでございますが、国土交通省では現在保有しております公用車、約一万台ほどございます。これはいわゆる送迎用のいわゆる公用車なんかではなくて、それが約五%ぐらいで、残りは道路、河川等の維持管理とか、あるいは災害対策の対応などに用いられる作業車であるとか、あるいは地方整備局の本局と事務所間の連絡車といった業務上必要不可欠なものでございます。  実は、これらの業務上必要な公用車の運転手につきましては、従来は自ら採用、雇用する技能・労務職、いわゆる行政職の(二)というやつですが、国家公務員ですが、そういう方々が運転をしておったわけですけれども、昭和五十八年の臨調答申、それから同じく五十八年の閣議決定で、今後、この技能・労務職員で対応している部分につきましては、企画調整、公権力の行使、あるいは公役務等にわたり行政として不可欠な機能を直接担う者に公務員を限定するという趣旨から、この技能・労務職員につきましては昭和五十九年以降、原則採用を行わないということにされたわけでございます。  そういうことから、順次、業務上必要なこれらの公用車の運行管理を民間企業に委託していくという形で増やしていったという経緯がございますので、いわゆる行政の運転手のアウトソーシングという形で従来進めてきたという経緯がございます。  それからもう一点の、日本道路興運への発注の、いつから始まったのかということでございますが、実は入札関係の書類の保存期間が五年でございます。そういう意味では、国土交通省、以前にもちょっと答弁いたしましたように、四百五十機関がそれぞれ、運転管理業務についてはそれぞれの機関で入札をしておりますので全体を把握しておりませんけれども、国土交通省として記録上把握できるのは平成十一年以降の発注案件でございます。  この関係で、平成十一年以降の国土交通省の本省関連の入札状況を申しますと、本省関連では、筑波研究学園都市の施設管理センターが発注しました車両管理業務が、平成十一年度から十五年度にかけまして、一般競争入札の結果、日本道路興運が受注してきております。  また、いわゆるこのセンター以外の旧運輸省本省あるいは国土交通省本省が行った一般競争入札におきましては、日本道路興運以外の企業が受注しているところでございます。  それから、いつから始まったかということで、実は、先ほど言いましたように五年の保存期間しかありませんので正確なことは分かりませんが、いろいろ問い合わせてみますと、国土交通省全体として、詳細は分かりませんが、過去十年から十五年にわたりましては、旧運輸省あるいは旧建設省の本省では日本道路興運の委託はなかったと聞いております。  以上でございます。

○谷博之君 六月一日の、安富官房長が答弁しておりますが、ずっと受注をしてきている、それはどういうふうなことでそういうふうに受注してきておるのかというふうに私はたしか聞いたと思いますが、そのときには、日本道路興運の営業努力があるんだと、こういうふうに御答弁をいただいていますけれども、重ねてお伺いしたいんですが、この営業努力の中には、先月問題になりましたが、細田官房長官などへの運転手の派遣とか、あるいは国交省や道路公団からの数十人の天下りの受入れとか、あるいは国交省退職運転手の再雇用、こういうようなものも含まれているというふうに理解していいのかどうか。  そして、次に、国土交通省が日本道路興運を日本道路公団へ紹介したとの話があるが、これについても事実かどうか、お答えいただきたい。

○政府参考人(安富正文君) 一点目の、六月一日に私が日本道路興運の営業努力という発言をいたしましたが、これはあくまでこの入札において、入札は、先生御存じのように、車両管理業務を委託するに当たって、会計法令等に基づきまして、原則、指名あるいは一般競争、両方ございますが、入札によって民間企業を選定して、最も低い価格を提示した企業と契約すると、これは当たり前でございますが、そういうことで、私が先般申しました営業努力と申しますのは、この入札において最も低い価格を提示する、そういう企業としての努力ということを申し上げたものでございまして、先ほど先生が御指摘になったような、そういう事実関係のことを念頭に置いたものではございません。  それからもう一点の、いわゆる道路興運を道路公団に紹介したという話があるが事実かということですが、国土交通省として御指摘の事実は承知しておりません。

○谷博之君 いろいろこの問題について聞いてきましたけれども、最後にもう一点だけお伺いしたいんですけれども、このいわゆる日本道路興運が政治資金規正法違反の献金をしていたということが、これは五月の二十四日の新聞にも出ております。規正法の限度超す献金、細田長官給与肩代わり企業、こういうふうなタイトルで新聞がありますけれども、こういうふうな違法の献金をしていたことが明らかになっているわけでありますけれども、こういうことによっていわゆる一般競争入札の参加要件並びに指名競争入札の有資格者の要件に照らして問題はないのか、今後の入札参加に問題となることはないのか、お答えいただきたい。

○政府参考人(安富正文君) 今の先生の方から御指摘ございました、日本道路興運という会社が政治資金規正法の総額制限を超過した献金を行っているとの報道があったことは我々も承知しておりますけれども、この報道だけでございますので、その政治資金規正法の適用に関して私どもの立場としてコメントする立場にないというふうに考えております。  ただ、一般論として申しまして、この日本道路興運による車両管理業務の履行につきましては、当然いわゆる業務上いろんな不正があるというようなことになりますと指名停止等の措置を講ずるということになるわけでございますが、現在、車両管理業務の履行につきましては我々としても、車両管理の確認日誌等を提出していただいておりますので、それをチェックしておりまして、業務は適正に行われていることを確認しております。そういう意味で、現在のところ指名停止等の措置は講じておりません。  ただ、国土交通省の指名停止等のいろんな基準がございますが、請負業者が業務に関し不正行為等があった場合というほかに、例えば代表役員等が禁錮以上の刑に当たる犯罪の容疑で公訴を提起され又は禁錮以上の刑若しくは刑法の規定により罰金刑を宣告された場合には指名停止措置を取ることとしております。そういう意味で、こういう事態になりましたら、そういう措置を講ずるということがあり得ると考えております。

○谷博之君 私、手元に五月二十四日のその新聞があるわけですけれども、ここには、要約をしますと、政治資金規正法は上限を超える違法な献金をした側と受け取った側双方の罰則を定めていると。この日本道路興運の上限額というのはそれでは幾らかということでありますが、寄附の限度額は企業の資本金で決まっておりまして、同社の場合は上限は年間七百五十万円ということであります。この企業は、細田官房長官の運転手給与約三千百万円を肩代わりしたといういわゆる運転手派遣会社でありまして、二〇〇〇年から二〇〇二年までの三か年間に政治資金規正法の限度額を超える、言うならば献金をしていたと。細田長官が肩代わり分の給与を献金として収支報告書を訂正したためにそういうことの結果になったということであります。  私は、こういう、この企業の具体的なこういう問題が起きているわけでありますが、これは最後にちょっと大臣にお伺いしたいんですけれども、こういうある意味では、この違法な営業努力をしているこういう企業に対して、引き続き国土交通省はこういう車両管理の業務の大半を任せ続けていくのかというふうなことを私は非常に危惧をしているわけなんですが、この点について前回、前々回にも若干関連する質問もさせていただきましたけれども、こういう具体的な新聞報道なども出てきている中で、今後このことについて検討する考えはないかどうか、お伺いしたいと思っています。

○国務大臣(石原伸晃君) 営業努力については、政府参考人の官房長の方からそのようなものを念頭に置いていないという答弁がございましたので、営業努力ということが何を指すのか明確ではございませんのでちょっとコメントを差し控えさせていただきますが、請負業者の業務の不正行為があった場合にはこういうものは見直すということも政府参考人から明確に答弁させていただきましたように、そういう事態に至れば考えさせていただきますが、車両管理日誌等々を見て業務が適正に行われているか、今私どもの方で調べている中では違法な行為というものが見付からない以上はその指名停止の措置を講ずるということはできないんじゃないかと考えております。

○谷博之君 時間が参りましたので、まとめに入らせていただきますけれども、先ほど時間にお許しをいただいてこの道路公団の問題についても再度質問させていただきましたが、この法案の質疑についてはもうずっと時間を掛けて当委員会でもされてこられておりますから、中身については触れませんけれども、しかも法案が成立しておりますから、そのとおりだと思いますが、いずれにしましても、こういういわゆる国の様々な機関に関係をするいろんな企業等について、私は非常に今、世間の目というのは非常に厳しくなっているということをもうひしひしと感じておりまして、これは先ほど大江委員から三菱自動車の話も出ましたけれども、要は、今のやっぱり我々のこの国も、あるいは民間企業もそうですが、やっぱり緊張感を持っていろんなことに当たらないと、もうこれは国民がやはり許さないという大変厳しい視線を持っているということだと思うんです。それは、個々の企業、例えば三菱なら三菱の問題について言えば、三菱の企業は大変大きな痛手を受けるわけであります。だけれども、それはじゃそこの企業だけがそうかというと、やっぱり全体にこの影響というのは必ず来ます。  ですから、例えば我々政治家が、まあいろんな年金の未納問題等もありました。いろんなマスコミでも報道されていますけれども、そういうふうなことが話題になればなるほど、これは政治家全体の地盤沈下に陥っていることはもう間違いない事実だと思うんですね。  ですから、この企業だけを私は何回も取り上げて質問させていただきましたけれども、この企業だけではないそういう大きなやっぱり癒着、そういうようなのがもし事実としてあるとすれば、これはやっぱり私はお互いに問題は問題として明るみに出して、そしてきちっとしたやっぱり対応を本当の意味で、三菱のようになってはいけないと思うんですよ。次から次へ出てくるという、こういう体質であってはいけない、そのことを私は強くこの問題を通じて感じておりますので、是非これは最後に私の一つの要望ということでお聞きいただいて、今後の対応をしていただきたいと思っております。  大変どうもありがとうございました。     



谷博之のメールマガジンはこちらからご覧いただけます。


           ホームページへ戻る