2005年5月11日 経済社会の変化に対応した人材育成の在り方について
参考人:
早稲田大学ビジネススクール経営専門職大学院 梅津祐良教授
ジャーナリスト 多賀幹子さん
お茶の水女子大学文教育学部 耳塚寛明教授
162-参-経済・産業・雇用…-7号 2005年05月11日(未定稿)
○谷博之君 私は、民主党・新緑風会の谷博之でございます。 時間も大分迫っていますので、簡潔にお伺いしますので、簡潔にお答えいただきたいと思っています。 一つは、梅津参考人にお伺いしたいんですが、このいただいた緑色の資料の中の十五ページに出ておりますが、アメリカの優れた経営リーダーの一人ということでビル・ジョージの話が出ております。この中に、特にCに「社員に倫理的行動を求める。」というふうなことが出ていますが、最近、特に我が国でも中小企業とか個人商店の経営者の皆さん方も非常に社員の倫理教育、御自身の、経営者自身のそういうふうな自らを律するという、そういう行動を取っておられる方、随分増えております。 先ほど井上委員の方からもちょっとありましたし、渕上委員からも質問ありましたが、最近の、特にJR西日本もそうですが、あるいは日本航空もそうですし、それからNHKもそうですが、いわゆる経営者、社会的な非常に影響力のあるそういうふうな企業や組織のトップに立つ人たちが、そういう意味では自らをどこまで律してそういういろんな社会的な問題に対応してきたかということになると、ある意味では身の処し方が非常にあいまいであったり、時間が掛かったり、そしてまた不十分であったり、こういうふうな感じがしてならないという声もあります。 何か事故が起きたからすぐ腹を切るという、そういうことではないのかもしれませんけれども、問題を起こしたそういう経営者の皆さんが自分の手でそういう問題を責任を持って解決をするということについてどうしても一つの限界がやっぱりあるんではないかということを考えれば、できるだけ早くそういう意味では責任を取って、新たな形で新たな立場の人がそういうことに取り組んでいくということが私はやっぱりある意味じゃ必要な部分もあるんじゃないかなという気がしておりますが、そういう点について、今回のそういういろんな一連の事故を見ておりまして、こういう倫理観というか、経営者自身の倫理観ということも含めて、その辺は先ほどのお二方の質問に突っ込んでちょっとお伺いしたいと思っています。 それから、多賀参考人の方には、四十四ページにこの資料が出ておりますが、イギリスの特に男性が育児業界にかなり積極的にかかわってきていると、「ダッド」の話も出ました。日本がもしこういう形でそのイギリスのような形がこれからできるようになるためにはどういう条件が必要なんだろうかなというふうなことをちょっと考えました。そういう意味で、何か参考的な意見があればお伺いしたいと思います。 それから最後に耳塚参考人の方には、この資料をいただきました二ページの一番上の方にプルとプッシュの話が出ております。職業社会と学校とのプルとプッシュの関係。そして、九〇年代以降、このプッシュが弱くなった理由というのは、先ほど臨時教育審議会の話も出てまいりました。そういうふうな問題が一つは要因としてあるということですが、このプルが弱くなった理由ですね、原因といいますか、そういうものがこの九〇年代以降、いろいろ考えられると思いますが、どういうふうなものが具体的に考えられるのか。そしてまた、この右側の四角に囲った枠外に、弱い、弱いというプル、プッシュの下に作動しない調整システムというのがありますが、この具体的に作動しない調整システムの中身をちょっと説明を補足していただければというふうに思っております。 以上です。
○参考人(梅津祐良君) 二つ申し上げたいと思いますが、このごろ、私の同僚の教授で遠藤さんという方がいらして、「現場力を鍛える」という本を書かれてベストセラーになって、トップマネジメントもやっぱり現場に下りて、その現場の問題あるいは現場の人たちの悩み、そういうことをきちんとつかむという努力で、アメリカでもいい経営者も悪い経営者もいまして、最近の動きを見てもビル・ジョージなんというのが、高齢ですけれども、現場に出るというのが、顧客に会う、そういう人材に会うということをとても熱心にやっています。ということで、やはり日本の企業でもそうやっていらっしゃる方がいると思うんですね。今、先生のおっしゃったような企業では若干現場から離れ過ぎているというところが問題なんではないかなと一つ思います。 それから、あとはバッドニューズ、耳障りな、要するに聞きたくない情報がどれだけトップに届くかということなんですけれども、官僚主義の高い組織では悪いニュースは全然届かないんですね。だから、NHKの会長も、一生懸命の人なんだけれども、悪い情報が全然届かない。それはなぜかというと、やっぱり官僚主義で上から下という命令系統が働いていて、下から上へということがつながっていないというふうに思います。 倫理観というのは皆さんお持ちだと思うんですよね。ただ、そういうところでちょっと現場を離れ過ぎたというところの問題点と、それから下から悪いニュースが上がってこないという二つはちょっと問題かと思います。
○参考人(多賀幹子君) 御質問ありがとうございました。 日本で男性の育児休暇をどのように打ち立てるか、そのためにはどんな条件が必要なのかという御質問だと思いますけれども、企業にアドバイザーを置いたらいいんじゃないかと思うんですね。男性の育休が、パーセントが非常に取得率が低いということが、女性と比べて低いということが問題になっていますけれども、多分、恐らく私のただの勘ですけれども、何年か以内にはこれが強制になるのではないかと。必ず一週間とか、少なくとも半月、ブレアさんは半月だったわけですけれども、二週間取りなさいというようになってくるのではないかとにらんでいます。 あるいは、もはやコンビという、これは育児の会社なんですけれども、コンビという会社では、奥さんが子供を産んだ場合、二週間ほどの父親休暇を強制で取らせるようになっていますけれども、そのときに自分の、コンビの会社の、自社のいろんな哺乳瓶やらの育児に関するものを使ったときのモニターをさせて、使い心地はどうだったというようなものを書かせている、あるいはまた父親としてどうだったという感想を書かせるような宿題を付けております。それはコンビですね。 そういったことは無理なんでしょうから、一応強制にしていただきたいという私の気持ちと、あるいはそのときに代替要員をどうするかと。三十代の働き盛りの男性が突然一週間、二週間いなくなったときにどんなに職場が大変かということを考えると、代替要員のために、子供がいない人が補うためにとても忙しくなるというので不公平感が出ると思うんですね。そういうときに、もう辞めた退職者の方をそのときだけでも来ていただくとかっていうような、その地区の、いうようなことをしてみるとか、あるいはそういったことをしたらどうですかというアドバイザーのような方を是非企業に置いていただいて、幾つかの会社でもいいですけれども、それを掛け持ちのような感じでアドバイザーを入れていただいて、代替要員はどうすると。 で、不公平感がこう高まってくるでしょうから、子供のいない方も一か月ぐらいの休みは取りたいという声が出てきているんですね、イギリス辺りは。どうして子供のいる人だけ半月、半年休めるのかと。自分も休みたいと。留学したいとか自分だってリフレッシュ欲しいとか。あるいは介護の問題ですね。介護を兼ねて自分も半年休みたいという声が出て、子供だけいる人だけでは不公平だという声が非常に出ているので、そういうことを考えると、ある種のアドバイザーみたいなのを入れていただいて、育児でも休めるし、お父さんも休めるし、あるいは介護のために、親のために介護も休めるといったような柔軟な働き方が全般に及んでいくんじゃないかと。それを私としては期待しています。 以上です。