2005年4月6日 成熟社会における多様化する雇用への対応について
参考人:
大阪大学社会経済研究所 大竹文雄教授
テンプスタッフ株式会社代表取締役・社団法人日本人材派遣協会 篠原欣子会長
株式会社日本総合研究所調査部 山田久主任研究員
162-参-経済・産業・雇用…-5号 2005年04月06日(未定稿)
○谷博之君 民主党・新緑風会の谷博之でございます。 篠原参考人とそれから大竹参考人にちょっとお伺いをしたいと思っておりますが、その一つは、まず篠原参考人の方にお伺いしたいんですけれども、国会の中に私たち、パート労働者といいますか、パート、アルバイトの労働者の皆さん方の問題を勉強するというか取り上げていろんな活動をしているパート議連という団体、組織がございまして、私もそれに参加をしておりまして、最近のこれ具体的な事例のことなんですけれども、日本に在日でおられる外国人の方々、特に、そういう人たちの中でいわゆる私立大学とかそういう民間の大学、研究機関に非常勤講師あるいは助教授等々で教職に就かれている人たちが随分おられるわけですが、そういう人たちの中で、これは一つ具体的な例ですが、私は栃木県の選出なんですが、国際医療福祉大学というところで、その外国人の先生が、これパートで勤めていたわけですが、日本語が十分話せないとか、あるいは学生の数が減ってきているからということで一方的に解雇されるという、こういう事例が出てまいりました。 そんなことを私具体的に目の当たりにして、これはそこの大学だけではなくて、ほかにも随分同様の事例があるわけですけれども、一つは、パート、アルバイトを含めた、あるいは派遣もそうだと思いますが、そういう外国人の人たちのそういう状況は今どうなっているのかなというふうなことと、それからもう一つは、そういう人たちが労働組合をつくって、そして、それぞれの大学とか研究機関に対して、それは不当であるというふうな活動をしておられます。そういうことについて、現実にそういうふうな問題が具体的に起きている事例があるのかどうか、そして、それについてのお考え、見解がありましたら発言をいただきたいと思っています。 それからもう一点は、大竹参考人の方にお伺いしたいんですけれども、正規、正社員、非正規の社員、いろいろお話がございましたし、それから、大竹参考人からも具体的な、正社員の数が減ってきて非正社員の数が増えてきているという、こういう具体的なデータも見せていただきましたけれども、そういう状況の中で、正社員が、例えば今まである仕事をしていたのが、その仕事が更に仕事の量が増えていくというケースが、負担が非常に増えてくるというケースが非常に顕著に見えてきていると思うんですね。 そういう状況の中で、この正社員の人たちが、もう仕事の分量からいってももう耐えられないということで、結果的に正社員の立場から変わっていく。例えば、非正社員の方になっていくとか、あるいは他の職場に移っていくとかという、そういうのが非常に私は潜在的にあるんじゃないかなというふうに思っておりまして、結局、これは非正社員の問題であると同時に、御説明のありましたように、正社員自体のやっぱりかなり負担といいますか、労働強化というのが非常に増えてきているような気がしているわけですけれども、そういうふうな正社員の中の、単に数字だけの問題ではなくて、その動きというものがもう少し詳しく説明いただければ、お答えをいただきたいと思っています。
○参考人(山田久君) 外国人労働者の状況に関しましては、私は残念ながら余り詳しくはないんでございますけれども、ただ、現実問題として、多くの外国の方が日本で働いているという現実はあると思います。公式、政府が調査しているだけでも約八十万人の人が働いているという統計があったと思います。 これに関しましては、一つはやはり外国人労働者を日本の労働市場の中できちっとどう位置付けるのかと。今いろんなところで議論がされているというところだと思うんですが、これをやはり単なる身分法というわけじゃなくて、一方で既に現実に入っている、それともう一つは諸外国を見た場合に全く自由に受け入れているところもないというその二つを前提に、現実的に、個別具体的に、ある職種でどうするのか、ある地域でどうするのかという具体的な、現実的な議論を早くすべきだというところなんだと思いますね。 それと、これは、実は今日のテーマでありますパート、アルバイト、あるいは非正規社員等の多様な働き方の言わば一つの働き方の均等化という話ともかかわるところだと思うんですけれども、これはなかなかすぐにはできないという話だと思いますけれども、一つの仕事の内容に対して、その処遇を、仕事の内容を明確化していって、それに就く人がどういう人であろうと同じようなやっぱり処遇を与えていくというふうな方向で制度の整備をやっていくと、それがやはり外国人労働者ということの問題に対しても重要な視点になってくるんじゃないのかなと思っております。
○参考人(篠原欣子君) まず外国人の、英語の先生とかと先ほどおっしゃったかと思うんですが、こういう方たちは、正規で日本にいらしている方はワーキングビザをちゃんと取っていて先生の資格をお持ちの方がいらしていると思うんですね。そういう方たちはワーキングビザに基づいてお仕事を、先生のお仕事をしていらっしゃると思います。それが一年契約なのか、それがまた延長になるのかちょっと分かりませんけれども、そういうことで来ていらっしゃると思います。 あと、英語の先生もそうですけれども、私最近非常に感じているのは、外国人を、日本に入ってくるようにちゃんとした許可、制度をつくってちゃんと監視、監督の下に入れた方がいいんではないかなと。例えば、私新宿に住んでおりますけれども、新宿の町、交差点でちょっと立っていると、日本人か外国人かは全然分からないんですけれども、話している言葉がいろんな国の言葉であったりって、そういうケースが非常にありますし、想像以上にたくさんの人たちが日本に入ってきています。入ってきていらっしゃるということはそれだけ働く場がある、必要だから多分お仕事をしていらっしゃると思うんですけれども、やはりこれは政府でちゃんと監督の下に入れていくべきじゃないかなって、私は外国人についてはそのように思っております。 それから今、介護を何か外国の方から入れて資格を、教育をしてとかって、そういう話が、今そういうこと進めていらっしゃるんじゃないかと思うんですけれども、それもやはりちゃんとした監督の下に入れてちゃんと仕事をしていただければ、非常に今人手不足のところでそれが解消されるんではないかなと思っております。 一つだけ、非常に、保険の問題がありますけれども、保険の問題いいんですが、年金が何年間か、その人たちが十年以上か、何年か、非常に長くいないとせっかく掛けた年金がもらえないという、そういう制度になっておりますので、その制度も、外国人が日本に来てちゃんと保障されて働きやすいような、そういう制度に考えていくべきではないかなと思います。 今、少子高齢化ということで、行く先非常に暗いなんという、そういうニュースもよく聞きますけれども、私はもっと外国人を入れてもっと活性化していった方が日本はもっともっといいんではないかなと、人と仕事という仕事に携わっていて何かそのように思っております。 以上です。
○参考人(大竹文雄君) 二点についてお答えしたいと思います。 第一点、外国人教員の、非常勤教員の問題ですけれども、恐らく外国人にかかわらず非常勤の人での解雇問題というのは起こっているだろうと思います。これも一つには、正規の職員の教員と非常勤という極端な雇用形態の人たちしかいない職場で端的に起こりやすい問題だと思います。実は大阪大学、法人化後かなりいろんなタイプの教員の雇用形態やっていまして、任期付教員についてもかなりいろんなタイプで入れているんですが、それでない場合には一年契約の非常に短いのを講師にするという問題が起こってくるんだろう。 外国人教員で恐らく問題が深刻になるのは、就労ビザ、ビザの問題が起こって、職がなくなってビザの問題が発生するんではないかなというふうに想像しています。その結果、非常に大きな問題になってくるんではないかというふうに予想はしています。ただ、言いたいことは、申し上げたいことは、恐らく外国人でも日本人でも同じように、非常勤の人の身分というのは極端に不安定な人が多くて、それがいろんな問題を起こしているだろうというふうには思います。 二点目の正社員の仕事が極端に増えていると、したがってそれに耐えられなくて非正社員を選んでいる人もいるんではないかという御指摘ですけれども、それは御指摘のとおりだと思います。現在、失業率少し改善傾向にありますけれども、失業率高い状況ですが、そうやって職がない人が多いと同時に、仕事している人はめちゃくちゃ仕事していると。非常に長時間労働の人が九〇年代の末から増えてきたということがあるわけですね。 それは、一つは雇用調整が難しい、正社員というのは雇用調整が難しいということから発生します。雇用調整が難しいから時間で調整する、時間で調整するから忙しいときは思いっ切り働いてください、少し暇なときはゆっくりしてください、でも雇用の人数は変えませんよという形で行いますから、雇用調整が難しいという制度の下では必然的に起こってくる問題が一つございます。したがって、不況で将来成長が見込めないという場合に正社員を手控えたというのが続いたときに、現在のように少し景気が戻ってくるという状況が起こってくると、極端な人手不足が起こって、正社員が物すごく働くという状況は必然的に起こってまいります。 もう一つは、実は技術革新が起こっているときはこういうのは起こりやすいというふうに私は思っています。非常に今までの仕事と違ってきて、新しいタイプの仕事が増えてきた。そうすると、それに対応できる人というのはどこの職場でも少ないわけですね。そうすると、新しい仕事にいち早く対応できる人は限られていますから、その人に物すごく仕事が集中するということはどの業界でも起こっているんだろうと思います。それで、物すごく忙しい人とそうでない人というのが発生してきている。それに、それだったら少し、もう少し暇なところに行こうか、あるいは条件が下がっても非正社員になろうかという人が出てくるというのは思います。 で、問題は、極端しかないんですね、今の制度の下だと。もう少し中間の働き方、中間の雇用保障それから賃金といったものがあれば、そこまで極端から極端な雇用形態の変化というのを体験しなくてもいいんではないかというふうに思います。 以上です。