2005年2月16日 成熟社会における経済活性化に向けた方策について
162-参-経済・産業・雇用…-2号 2005年02月16日(未定稿)
○谷博之君 民主党・新緑風会の谷博之でございます。 大変参考人の先生方には貴重なお話、ありがとうございました。 我が会派からは全員質問をしたいということでございますが、年齢の高い順からやれということでございまして、私から具体的に二点だけお伺いしたいと思っています。 先ほど、矢野参考人から、高齢者の活用とか、あるいは外国人の受入れという御指摘がございました。 日本の今の企業なり雇用されている方々の動向を見ますと、特に大手の企業もそうですけれども、ある程度の一定の年齢が来ますと、普通であれば六十歳定年という定年制があるにもかかわらず、企業の動向によっては途中で退職をしていくという、こういう傾向も結構我々の身近に見ております。特に外国人の受入れということではなしに、逆に日本のいわゆるそういう、特に家電メーカーなんかそうですけれども、ある程度技術を持ったそういう技術者が海外に流出をするということがある意味では起きているような気がします。 具体的には、まあ中国などのそういうふうな働くところに行って、そして中国の技術者の養成の役割も果たすと、こんなことも報道されているわけですけれども、こういう現象を、特に連合の久保田参考人はどのようにそういうことを見ておられるか。まあ人数的にも大したことがないというふうに見ておられるのか、あるいはそれがまあ、ある意味じゃ中国のそういう経済力、企業の活動に相当やっぱり効果を上げているという状況を見たときに、そういうふうなものを国内で何とかできないものだろうかと。雇用を更に継続するとか、そういうことができないのだろうかというふうな、こんなようなことも考えておりますが、こういう意味の労働力のいわゆる国際的な流動化といいますかね、大げさにいえば、こういう点についての現状をどのように見ておられるかということをお伺いをしたいと思います。 それからもう一点は、矢野参考人にお伺いしたいんですけれども、中小企業と地域経済ということがございました。これは具体的な話をさせていただいて恐縮なんですが、実はこれはどこの県でもそうでしょうし、私が今栃木県ですけれども、この県内でも非常に地域経済が非常に厳しくなっています。 特に、一昨年の暮れに県全体の五四%を占めている金融機関が経営破綻をするということで、こんなようなことの中で、これは一つの例ですが、日光、藤原という地域で特に温泉地のホテルが相当影響を受けています。ここはもう働く場所が、そういうふうなサービス、第三次産業のそういうふうな職場しかない。百社以上あるホテルのうち、そのうち六社だけが産業再生機構でこの経営をバックアップするということで、これからその地域全体が、もちろん企業もそうですが、雇用されているそういう人たちももうそれ以外に働くところがないと、こんなような特殊的なそういう地域があります。 これは温泉地に限らず、例えば昔で言えば銅山があって、その鉱山、そこが閉山になるともう完全にその働く場所がなくなる、こういうふうな地域一体型のようなそういうところ、結構あると思うんですが、こんなようなところの中でのいわゆるこれからの生き延び方、これは地域だけじゃなくて、私は、ある意味では産別に、産業別においてもそういうことがあると思うんですが、第二次産業が衰退することによって第三次産業にそういう人たちが移っていくという、こういうところが非常に傾向としてあるように思いますけれども、その全体としての産業構造のバランスですよね、そういう点について今の日本の状態というのはこれでいいんだろうかというふうな気がしているんですが、そこら辺の今後の全体的な問題と、それから地域経済にどう対応していった方がいいか、雇用も含めて、何かお考えがありましたら、矢野参考人からお伺いしたいと思います。
○会長(広中和歌子君) 最初の国際的人材移動についてはどなたにお聞きになりますか。
○谷博之君 久保田参考人。
○会長(広中和歌子君) 久保田さん、はい分かりました。 久保田参考人、よろしくお願いします。
○参考人(久保田泰雄 日本労働組合総連合会副事務局長) はい。ありがとうございます。 済みません。先ほどの松先生の御質問でちょっと落としておりました。 連合白書の三十四ページに請負労働の構図をちょっと示しております。そして連合は、請負であればいいんですが、請負の形をしながら派遣労働者に極めて近いものは違法派遣とむしろはっきり命名すべきだろうと思っていまして、取締りの対象にすべきということでございます。何が違うかというのはこの文章で一応やっていますし、労働組合の対応方針もここに書いているつもりでございます。 谷先生の労働力の国際的流動化で、問題意識は特に、日本から中国とか例えば韓国へということでしょうか。
○谷博之君 そうです。
○参考人(久保田泰雄君) 私どもの問題意識としては、技術者を中心にノウハウだとかそのブラックボックス化ということがよく言われていますが、あのバブルのころには一部言われたのは、韓国ソウル便が、金曜は日本からソウル便は満杯であるとかよく言われたこともありますけれども、アルバイト的に雇われてみたいなことが現実にはあったのではないか。そういう意味では、知的所有権といいますか日本の国際競争力、あるいはそういうことをしっかり守って付加価値の付ける、世界一の賃金でも十分勝負できる価格で付加価値の付ける商品を作っているという意味では、その技術力とか知的所有権というのは非常に大事な戦略だと思いますので、そういうことを余り、何といいますか、飛び越していくような問題のあることについてはやはり労働組合としてもしっかりチェックをすべきではないかとは思いますが、言われたような、もっと中国に、例えば定年退職をして、まだまだ若いわけですから、自分の持てる技術が、例えば日本では水力発電のタービン設計はもういわゆる成熟産業かもしれない、しかし中国に行けば十分最先端技術として役に立つということであれば、人生二毛作で大いに飛躍をしてやっていくのはいいことではないかと。むしろ、国内だけでよりは、そういうことを少し地球儀を範囲を広げる中で労働組合としても大いにバックアップできることはバックアップしていってもいいのではないかと。ヨーロッパの中におけるオランダなんというのは、極めてそういうグローバル化した感覚の下で世界をまたに掛けて仕事をしているということではないかと思いますので、そういうふうに考えております。
○会長(広中和歌子君) では、矢野参考人、地域経済についてよろしくお願いします。
○参考人(矢野弘典 日本経済団体連合会専務理事) 大変重要な課題でありますが、本当にこれぞという妙薬がまだ見いだし得ないという状況にあると思います。これが正直な感想なんでございますけれども、やはり従来型の景気回復とか地域振興ということとはこれは変わってきたんじゃないかというふうに思うんですね。 これから私は、非常に総論的に申し上げますと、地方の時代が来てもおかしくないと思っています。それは、世界のいろいろな各地の状況を見ますと、例えばイギリスですとケンブリッジ、アメリカだったらボストンとかカリフォルニア、地方都市で、ヨーロッパの大陸の方でも地方都市でどんどん新しいビジネスが起こっているんですね。何で日本で起こらないのかと。これは実はよほどちょっと勉強し直す必要があると思っているんですね。 私はその解答を自ら持っているわけじゃないんですが、私が外国暮らしもしながら出掛けていって観察したところによりますと、やっぱり産学協同なんです、産学協同。つまり、技術というものの芽があって、それに、何というんですか、企業家精神が加わってマネジメントが入れば、そこに新しいベンチャーと言わなくてもビジネスが起こり、そこに資金が集まってくるんですね。世界じゅうから今これだけ資金が自由に動き出す世の中になりましたから、本当に魅力あるものがそこで生まれれば資金が集まる仕組みになってきていると思います。 その場合、日本はカリフォルニア一州ぐらいの大きさですから、都道府県の大学とのというふうに余り狭く考えないで、例えば関西地区であればもう京都、大阪を含めた大学、関東であればこの関東圏の大学と提携して、北海道の地域経済と東京の大学が一緒になったって構わないと思うんですね。そういうふうにして、新しいビジネスの芽を技術というものに焦点を当ててまず考えるということが大事ではないかと思っております。 それから、やっぱり私は、需要ですね、需要構造が変わってきたと思うんですね。今までの大量生産一色のものではなくて、みんな多様化を求めるような世の中になってきて、多品種少量生産というのが行われるようになったし、むしろ、ハードの商品も、それも需要はもちろんありますが、いろんな優れたサービスですね、健康とか医療とか介護とか、いろんなことがあると思いますが、観光事業なんというもうすばらしい種が私、日本にあると思うんですけれども、これを開発し切っていないと私は思うんですね。これは一地方だけではできないかもしれませんけれども、それは国の政策も一緒になってもっと外国人に優しいいろいろな観光施策を作ればいいと思います。日本に来てもどこに行ったらいいか分からぬというのが実は実態なんじゃないでしょうか。それで、種は山ほど全国にある。そういうのをやっぱり見いださない方法はないと思うんですね。 それから、農業なんかの面でも、これ幾つかの具体的な事例を私は聞きますけれども、村おこしといいますか、新しい農業生産物を作って、それを流通まで担当して本当に元気になってきているという、たしか大分県のどこかの村だったと思いますが、そういう事例も聞くわけです。 それから、先ほど申し上げました福祉サービスなんか、高齢化が進んでいきますから、まあなかなか、本当言いまして、私もビジネスの世界を見ておりまして、本業で強い部分の応用でないとなかなか進出してもうまくいかないんですね。それはあるんですけれども、まるっきりもう自分の携わっているその事業が消えちゃうというぐらいの危機的な状況であるなら、それはやっぱり考えなきゃいけないと思いますね。ですから、他に求めるという時代は、だんだん減ってきちゃって、例えば、地方にかつての高度成長時代のように大工場を誘致すればそれはいいかもしれないけれども、本当にそんなことができるかどうか、今はもう中国の方にどんどん工場移っておりますからね。そういう状況を考えますと、やはり日本の需要構造に合った、あるいは日本の高齢化とかそういう人口構成に合ったそういう新しい変化の中でビジネスを考えていくということが大事なんじゃないかと思います。 先ほどどなたか、松先生でしたか、高コストのお話がございましたけれども、いや、外国の、本当は外国の企業が日本に入ってきたらそれはそれでとってもすばらしいことだとは思うんですけれども、高過ぎるんですね、日本は正直。それは人件費だけじゃないです。人件費はすごく高いんですけれども、それだけじゃなくてもうみんな高いんです。というような見方をされておりますと行けないと。 環境、観光でも、観光だけじゃありませんが、出る人が千六百人で入る人が五百万人ですか、これは正確な数字は今持っておりませんけれども、そういうアンバランスをやっぱり直すということもこれは国としてやれることではないだろうかと思っております。 足下の地域対策ということになると、やっぱりどうも私どもが地方経営者協会から聞いておりますと、やっぱり資金と人材だと言います。資金については、最近、何というんですか、リレーションシップバンキングというんですか、そういうのが大分普及し出して、小口で便利な資金供給がなされるようになってきているというのがありますが、それは新しい私はいいサインだと思います。 人の問題についてはやはり、これはやっぱり、問いに問いをもって問いに答えるようなものですが、魅力的なやっぱり仕事、たとえ小ぶりであっても作っていくということではないだろうかと思っております。 大変難しい問題で、お答えになっていないんですけど、いろいろごちゃ混ぜで恐縮でございましたが、以上でございます。