国会活動報告 参議院決算委員会

2007年6月11日 年金問題で総理と厚労大臣に質疑

166-参-決算委員会-11号 2007年06月11日(未定稿)

○谷博之君 私は民主党・新緑風会の谷博之でございます。  今日は、年金問題を中心にして、集中的に総理、厚生労働大臣にお伺いをしたいと思っております。  その前に、総理に一言、私、ある言葉を贈りたいんです。それは、昔の言葉に、民衆にパンとサーカスを与えよ、されば市民は幸せであろう、こういう言葉なんですね。これは古いローマ時代の支配者が言った言葉です。それからもう一つ、大衆はあらゆる能力が落ちるが、忘却の能力だけは優れている、これはヒトラーが言った言葉です。  この二つの言葉をよく考えていただきたいんですが、最近の安倍内閣のいわゆる支持率の低下、これについてこの言葉を裏付けているような気がしてなりません。そして、どうも一過性に終わらせようとしているようでありますけれども、国民の皆さん方は決してこれを忘れません。国民は特に年金問題をきちっと見ています。そういう意味で、是非とも国民は忘却の能力にだけ優れているわけではないことを忘れないで、このことをあえて申し上げて早速年金の問題についての質問に入りたいと、このように思っております。  まず、冒頭ですけれども、総理、今五千九十五万件のいわゆる消えた年金、宙に浮いた年金と言われておりますが、この事実をいつごろ総理は認識されましたですか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) いわゆる五千万件の年金の記録の問題であります。よく消えた年金と、こういうふうに言われるんですが、記録があるわけですから、記録がある。元々は、元々三億件あったものを二億五千万件これは突合してきた結果、残っているのが五千万件で、これからこれを所属先を決めていくために我々は努力をしているわけでございます。  そこで、年金のこの五千万件の言わば所属先がまだ決まっていない年金については、これは、いつそれは私が承知をしたかという御質問でございますが、それはいつでしたかね、それは昨年か今年に入ってから、民主党の御指摘等もあって、説明を受けたことを覚えております。

○谷博之君 消えた年金の今議論がありましたけれども、言い換えれば、年金受給に結び付かないデータ、これが正に言うところの消えているわけです、これは。どこにその年金が給付されるかについての行きどころがないわけですよ、行きどころが消えているわけです。ですから、そういう意味で、私たちは別に宙に浮いたとも言っていますけれども、こういう問題があるということですね。  ちょっと説明をさせてください。(資料提示)「「消えた年金」 後手に回った対応」ということで、今も総理がちょっと触れましたけれども、私たち民主党は、昨年の六月の十六日、衆議院の厚生労働委員会で初めて宙に浮いた年金の存在を長妻昭衆議院議員が追及しています。ちょうど一年前です。そして、そのときに、村瀬社会保険庁長官、早急に把握させていただきたい、こういうふうに答弁をしておりますけれども、残念ながら結果としてほとんど対応のことをやっていない。  そして、その後、十二月の十四日、民主党が消えた年金に関する予備的調査を実施して、初めてこの時点で五千九十五万件の消えた年金の存在を指摘したんです。これに基づいて民主党は、松本政調会長ほか四十三名の衆議院議員の連名で国会に予備的調査を要求しました。そして、今年の二月に衆議院の調査局からこの調査書が出ています、報告書が。(資料提示)この中に五千九十五万件の数字がはっきりと出ているんですよ、これ。もうこの時点で五千九十五万件の事実は明らかなんです。  そして、その後、二月の十四日、同じく長妻議員が衆議院予算委員会で、緊急事態宣言をして、被保険者と受給権者の皆様全員に納付記録を郵送、抜けがあるかどうか緊急に点検をということで、緊急事態宣言を発するように指摘しているんです。それに対して安倍総理の答弁、この公表を含めたこの問題は年金そのものに対する不安をあおる結果になる危険性があるのではないか。つまり、この事実を総理知っているわけですね、もう。この五千九十五万件が公になれば国民の中に相当不安がよぎる、こういうことを言わんがために、不安をあおる結果になる危険性があるのではないか、このように答弁していると思うんです。  この点については、その真意はどういうことですか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 年金というのは、国民の信頼の上に初めて公的年金は成り立つわけでございます。ですから、信頼が最も大切であろう。そういう観点からいえば、社会保険庁がこの問題を今まで放置をしてきたことは大きな問題であったと、このように思うわけでございます。そして、もちろん私も当然責任を現在の政府の責任者として感じているわけでありまして、この責任の上に、国民の皆様が払った年金が必ず給付として返ってくる、このことは確保していかなければならない、こう思うところでございます。  そこで、今委員がおっしゃったように、例えば消えた年金という表現を使われること自体がやはり私はそれは問題なんだろうと、こう思うわけでありまして、そこは正確な言葉をやはり使っていただきたいと、こう思うわけでございまして、五千万件について言えば、やはりそこはこれから、最初に三億件あったものの中で、一億件については基礎年金と統合され、しかし二億件が残ったわけでありますが、その二億件のうち一億五千万件について統合をどんどん進めてきたわけでありまして、残っているのが五千万件でありまして、今現在その五千万件について、私は、あと一年間においてそれを政府の側においてチェックをするということを申し上げているわけでございます。  そしてさらに、更に申し上げれば、やはり今まで労働慣行にいろいろ問題があった、いろいろ問題があったわけであります。今度は全力を尽くして、この一年間で言わば政府の側においての統合、突合を、突き合わせを終わるように、職員の皆様にも頑張っていただかなければいけないし、そしてまた、今回私どもが出している法案、社保庁の改革によっては、新たにやはりこの全く非公務員型の日本年金機構ができるわけであります。今回やっぱりしっかりと実績を上げた人しか残れない、そういう仕組みになっているということも申し上げておきたいと、このように思います。

○谷博之君 私はそこまでを答弁を求めていません。私が聞きたいのは、二月の十四日の時点でこの五千九十五万件の数字が明らかになって、それに対して安倍総理も、これについては数字を出すとかなり国民の中に不安をあおる結果になる、こういうことで答弁しているわけでしょう。  私が言いたいのは、そういう事実を知っていて、何でその時点でこの数字を公表して対応をしなかったんですか、それを私は聞いているんですよ。五月に入ってマスコミはこの問題を大きく取り上げて、そして急にこの問題を、対応を政府は考えてきたとしか我々は考えようがないんですよ。しかし、この事実はもう二月の時点で分かっているわけですから、その時点で何で対応しなかったんですか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私は数字を知っていて隠したなんということはありませんよ、全く。数字を伏せていたということがありますか、ないじゃないですか。それは、その数字がいつどの段階で社会保険庁あるいは厚生省が把握したということは、私は今つまびらかには……(発言する者あり)

○委員長(泉信也君) 御静粛にお願いいたします。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 申し上げることはできませんが、それは事実関係でありますから、厚生労働大臣からお答えをさせていただきたいと思います。

○国務大臣(柳澤伯夫君) 年金の記録の問題というのにつきましては、社会保険庁、それからまた私たち厚生労働省としても非常に責任を感じております。  問題の発端はどこにあるか。まあ、いきなり五千万件といっても、国民の皆さんなかなか分かりにくいと思いますので、ちょっとだけ申し上げますと、まず第一に、コンピューターに入れるときに人手が入力ミスをしているという問題が一つあります。それともう一つは、今委員が御質問なさっているように、基礎年金番号を付番するときに、本来その基礎年金番号で全部統合すべき問題が……(発言する者あり)

○委員長(泉信也君) 御静粛に願います。

○国務大臣(柳澤伯夫君) 残っちゃってるという問題があるわけです。  それで、この残っちゃってる問題を、要するに目的は統合することですから、そこで社会保険庁が取った手段というのは、具体的に実際の受給権者あるいは被保険者の皆さんから申出をいただいて、そうして具体的に給付に結び付けていこう、統合していこうと、こういう個別対応の対策を取ったということで、それ以後、昨年八月から取って、今日まで二百十五万の皆さんがこれで統合を終えているという事実もあるということを御存じいただきたいと思います。  そうして、その後において、私どもはこの国会の論議やなんかで資料を提出をするということ、あるいは五千万件の分析を進めるということの中で、私は本当に驚いたことがあるんです。それは何か。それは六十歳、六十五歳以上の方々が、本来我々はそれはこの裁定のときに統合されていたというふうに思っていたのに、依然として未統合の方々が非常に多いということが分かりました。  そこで、私たちは、これはもうまず第一にこの統合の問題から、特に受給権者の統合の問題からこれに手を付けなければならないということで、二千八百八十万件の方々、五千万件のうちの二千八百五十万プラス三十万の方々と今の三千万の受給権者の方々の記録の統合を真っ先にやろうということで、総理の御指示によってこれを一年以内にやり遂げる、こういうことを決定した、これが五月の二十五日でございます。  そういうことで、私どもが、このデータが、今の社会保険庁のデータというのは途中からいろんな管理のための資料を取ろうとしてもなかなか取り得ないということが実は欠陥としてありますので、その意味では私ども限界を感じていますけれども、今言ったようなことで着々とこの手順を踏んでやっているということを国民の皆さんに是非御理解を賜りたいと思います。

○谷博之君 私は何度も言っていますけれども、今の答弁までは求めていないんですよ。私の質問は極めて簡潔ですよ。二月の、譲って、十四日の日にこういうふうな質問と答弁をしていて、この時点で、三月、四月、五月、六月と四か月ですよ。何やってたんですかということを私は聞いているんですよ。今申し上げたような説明を、何でその時点からしなかったかと言っているんですよ。

○国務大臣(柳澤伯夫君) 私どもは、この年金の裁定というのをどういう手続で行っているかということをまず御理解いただきたいんです。それは、実際の受給権者の申請に基づいて、そのときにはいろんな資料もお出しいただくんです。そうして、こちらの記録と照合して、これでいいですねという形で裁定をさせていただくというのが裁定の手続なんです。  ですから、私どもといたしましては、今の五千万件の中にこの未統合の記録というものがそんなにたくさんあるということは、今の裁定手続からいったら、ちょっとなかなか想定できなかった。私ども、その管理のためにそういう数字を途中から我々が引き抜いて析出できるんだったら我々の考え方というのもあれなんですけれども、私たちは明確にデータに基づいて、客観的なデータに基づいて対策を、最も適切な対策を選択しているということでございまして、これは御理解を賜りたいのでございます。

○谷博之君 私は基本的に総理に聞いていますからね。  もう一回確認します。  この私が今指摘していることについて、総理は、行政府のこれ不作為と思いませんか。この間の、具体的に言うと、去年の六月からですよ、もうこれ。具体的に、ずっと一年掛かってきて、やっとですよ、これ最近こういう対応が出てきたのが。その間の放置していたこの、まあ放置とは言わないけれども、十分な取組ができていなかったというのは、これは私、やっぱり行政あるいは内閣や政府にとっては非常にこれは不作為だと思いますよ。総理、どう思いますか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今までこの社会保険庁の対応の仕方には大きな問題があったと、私はこのように思います。国民の皆様に対しての対応は親切さを欠いていた、そして、そういう情報等についての把握も私は極めてやはり甘かったと、これは率直に認めなければいけないと、このように思うわけでございます。  そこで、我々、検証委員会をつくりまして、そこで徹底的にこの責任の所在を明らかにいたします。どうしてこうなっているか。  そしてそれと同時に、今なぜ柳澤大臣があのように答弁をしたかといえば、国民の皆様に私たちが今どういう対応を取っているか、そして今までどこにどういう問題があったかということをやはりきっちりと国民の皆様に御説明をしていかなければならないわけでございます。  そういう観点から、私どもは誠意を持って説明をしながら、まずは今、私どもが対応をしているやるべきことはすべて、今すぐできることはすべてやっているということを詳しく申し上げさせていただいたところでございます。(発言する者あり)

○委員長(泉信也君) 御静粛に願います。

○谷博之君 私ずっと今まで一年間を振り返って、この問題の時系的な流れについて質問をしてまいりました。それについて、総理の答弁、厚生労働大臣の答弁は、いろいろその経過についての説明はありました。ですけれども、私が一番指摘しているのは、この問題が、何も民主党の得点稼ぎのことを言っているわけじゃありません。しかし、我々がもう既に一年も前から指摘を始めていることについて、それは社保庁の内部のこととかいろいろ御答弁ありました。  ですけれども、これは政府として、内閣として、この問題はやはりその不作為的なそういう部分があったというふうに私は考えざるを得ないんですよ、これ。そういうふうに思いませんか、総理。そこのところは私率直に認めてもらいたいんですよ。今それは一生懸命やっているという説明ありますけれども、しかし現実にこういう時系的な経過があったということをやっぱり踏まえて、そして対応の遅れ、対応のまずさがあったということをやっぱり認めるところはしっかり認めてもらいたいんですよ。この辺はどうですか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) ですから、私が今申し上げておりますように、今までこれは、十年前の基礎年金の番号の統合以来、言わば設計のときからと言ってもいいんだろうと思いますが、今日に至るまでやはりこれは問題があったと言わざるを得ないわけでありますし、また社保庁のやはり親方日の丸体質というのは問題があるんですよ。先ほど関係ないという議論がありましたが、それは全くそんなことはない。やはり、それは大きな問題があるんです。ですから、これはやはり私の内閣でそれは根本的に変えていくために今法案を出しているわけでございます。そこを避けてはならない、これは絶対にやらなければいけない問題であります。  そして、当然、今私の内閣はこの問題を解決をしなければいけないという重大な責任がある、そのように思っておりますし、そしてまた国民の皆様が今一番望んでいるのはしっかりとした対策を取ることでございます。その対策については、今我々はやるべきことはすべてやっているということを申し上げておきたいと思います。

○谷博之君 今、総理は、この問題について重大な責任があるという、そういう発言もございました。つまり、その重大な責任があるということは、過去のこういう問題も含めて重大な責任があるというふうに私は考えております。したがって、この問題については、これ以上話をするとますますお互いの立場を主張し合うということになると思いますが、いずれにしても、私はこの事実だけは是非指摘しておきたいし、国民の皆さん方にも分かってもらいたい、こういうことをやっぱり私はあえて申し上げておきたいと思うんです。  もう一つ、実はこれは昨日の朝日新聞でしょうか、特例納付制度という問題についてまた一つの新しい事実が出てまいりました。  これは簡単に申し上げますと、一九七〇年から八〇年までの間の三回にわたって、その当時未納のお金を抱えていた方々がまとめてそれを納付できるという、そういう仕組みを特例的に行ったわけですけれども、それが直接支払を社会保険事務所にやるべきところを市町村の窓口にそのお金を支払をしてしまった、そういうことで、相当この件数があると。この問題は非常に大きな問題としてまたこれ出てまいりましたけれども、これ、具体的にその辺の事実を説明してください。

○国務大臣(柳澤伯夫君) 報道では、当該特例納付、これはさかのぼって、本当は年金というのはそのとききちきちっと納めていただくことが前提ですけれども、それでないとみんな納付がどんどん遅れちゃうということになりますから、それが前提になっているんですが、まあ今までに三回、過去の未納の分をさかのぼって納めることを特例として認めようと、こういう制度が施行された。そのときに市町村が受付ということは私どもは考えておりませんでした。制度的に社会保険事務所に受け付けるということでした。このくだんの報道に係る、龍ケ崎市役所の領収印が押されているとされて報道がなされたわけですが、今朝ほど真っ先にこの事実を確認いたしましたところ、これは龍ケ崎の郵便局の印鑑であったということが判明いたしました。  そういたしますと、この社会保険事務所に納めるお金を郵便局であるとかそういう金融機関に納めるということは、これは当然この想定の中に入っている適正な手続でございますから、そういうことで、私どもとしては、これは社会保険事務所が受け付けたものであって龍ケ崎の市役所が受け付けたものでないということが判明したと思っております。  ただ、私どもは、今の委員の御主張などもございますように、本当にそのときに市役所と社会保険事務所の協力関係といいましょうか、そういったことで例外的に市役所が本当に我々が想定したとおり受付を一切していなかったかどうかということは今後もう少し調査をしてみたいと、このように思います。しかし、具体のこの案件は社会保険事務所への納付でございました。

○谷博之君 それでは、重ねてお伺いしますが、もしもこれから調査して、間違って市町村の窓口に納付された場合には、その場合は具体的にその金額はどうなりますか。社保庁としてはそれを認めるんですか。

○国務大臣(柳澤伯夫君) それはそういうことで、社会保険事務所への納付とみなされて、しかるべき手続で特別会計に納付されているということが確かめられれば、これはもうちゃんとした納付が行われたという前提で手続が進められるということになります。

○谷博之君 更にこの議論を進めますと、そうすると、その市町村の窓口に納付されたと。その金額が具体的に社会保険庁に入っていないわけですよ、ですよね。それは、少なくともその辺の納めたお金がどういうふうな処理をされているかについての、具体的にこれは市町村との関係も出てきますよ。その辺はどうなんですか。

○国務大臣(柳澤伯夫君) これは市町村へ納付されたということを社会保険事務所が全く関知しないでそういうことを行うということは、これは我々はあり得ないことだと思っているんです。しかし、あの報道でもありましたように、その当該地域の社会保険事務所と市町村とがやっぱり協力し合って市町村の窓口でもというようなことの場合に、その後の手続がどういうふうに進んだか。これは先ほど、私、この前の御答弁で申し上げましたように、本当に社会保険の、厚生年金なら厚生年金の特会に保険料として納付されたという事実が何らか確かめられませんと、私どもはそれは納付というわけにはいかないと思いますけれども、それを確かめた上でこれが納付されているということであれば、これは納付としてしっかり認めていくということでなければならない、このように考えています。

○谷博之君 それはじゃ、大臣、いつごろまでにそれは結論を出しますか。

○国務大臣(柳澤伯夫君) これは、要するにそういう事実、つまりそれぞれの地域の社会保険事務所と市町村がそういう協力関係、了解の下にそういうことをやった、しかも手続はかくかくしかじかで、ちゃんとそれぞれの年金特会に納付されるというようなことがこういうふうに確保されましたことをきちっと調査しなければなりません。今のところ、我々は、そういうものはないという想定で、前提で考えているわけですが、ひょっとしてそういうこともあるかもしれないということでこれを調査いたしたいということでございます。これは、できる限り早く調査をいたしたいと考えております。

○谷博之君 それじゃ、総理、お伺いしますが、今そういうふうな問題があります。総理がいつも言っているように、今月中に第三者の評価委員会をつくると言っていますが、こういう問題もそこで議論するんですか、そのいわゆる判断基準とかあるいはそういうところについて、こういうような新たなまた問題が出てきたわけですけれども。総理。

○国務大臣(柳澤伯夫君) まず、今度の具体的な事案ということは、そうでなかったということがはっきりしたわけです。しかし、我々は、念には念を入れて、あの報道にもあったように、実際に特例納付を市町村で、社会保険事務所のかくかくしかじかの協力体制のものであった可能性を今何も調査をしてない段階で私どもが断じるわけにはいかない。これだけ国民の皆様に御迷惑を掛けている、御心配を掛けているわけですから、その点についても我々は確認的な調査をしようと、こういうことを申し上げております。  したがって、検証委員会のことについては私の所掌ではございませんけれども、当然、こうしたことももしありとすればどういう手続の下でそういう選択が行われたかということはやっぱり検証されるべきであると、担当大臣としてそのように考えます。

○谷博之君 この問題、更に追及したいところなんですが、もう一点だけどうしても聞かなきゃならぬことがあるので、ちょっと話題を変えますけれども。  いわゆる今回の、今国会で年金時効特例法案、これが国会に政府・与党として提出して、五年間の時効の壁を破ろうとしているわけですけれども、そういう中で、戦没者等の妻に対する特別給付金という制度があります。これは昭和三十八年に創設をされて、要するに戦没者等の妻の方々に慰藉をするということでつくられたいわゆる給付金制度の話なんですけれども、これ昭和六十年に電算化をするときにデータの入力は申し出た人にだけデータ入力をしたということで、その結果、申出しなかった多くの対象者が外されてしまって、三年間の時効をもってその受給権は消滅してしまっているんです。相当これは人数いると言われています。  このことについて、三月七日の参議院の予算委員会で浅尾慶一郎議員が厚生労働大臣に質問しています。それに対して大臣は、この時効消滅を救済する法的措置はできないというふうに答弁しています。ですけれども、今回のいわゆる年金時効特例法案を、五年間の時効の壁をもう無制限にしようとしている状況の中で、このいわゆる特別給付金は何でこれは時効が破れないんですか。これは総理に聞きます、私。総理。

○委員長(泉信也君) 柳澤厚生労働大臣。

○谷博之君 じゃ、後で総理、答えてください。

○国務大臣(柳澤伯夫君) この特別給付金につきましては、これは今委員が言われたとおりの手続規定で、私どもの個別案内というのは、コンピューターに登録されたその前の、前回の受給者というようなことで、それ以外の方々には個別の御案内というものが申し上げていない、そういうことで給付漏れになった方々が時効でそれを支給されなくなったことをどう考えるかということでございますが、私どもは、今回の年金の消滅時効の停止と申しますか、それを不適用にするという今度の法案というのは、やっぱり年金が、保険料を納めながら本来もらえるべき年金をもらえない、消滅時効でもらえないということについて一定の配慮をすべきだという考え方からきておるものでございまして、その戦没者の妻の特別給付金は一時的、一時金であるという考え方から、これが即、何の立法措置もなしに適用されると、されなくなるというようなことは考えられないと。私どもは立法政策の問題とは考えますけれども、私どもは、これはちょっと質の違う問題ではないか、非常に難しいのではないかと、このように考えているという次第でございます。

○谷博之君 正にそれは説明にならない説明だと思いますが、同じ条件で戦没者等の妻がそういう特別給付金を一時金として受け取っているわけですよ。しかし、それが入力されているかされていないかによってそれが該当する該当しないというのは、これは正に不公平だと思いませんか。そういう意味で私は指摘しているんですよ。  それで、これも、しかもこれは時限立法ですから、国会でこれを、言うならばこの法律を提出されればそれを国会で承認をしてきているわけですけれども、私は考えるんですけれども、今度のいわゆる年金時効の特例法案、これ議員立法で出されましたよね。ですから、これ、この特別給付金なんかについてもこれ議員立法で出して、そういう法律、時効は要するに特例的に外すことができるようなそういう議員立法を出せば、これは法律としてできると思うんですよ、これ、国会側の話ですけれどもね。ですから、そういう意味では、性格が違うと言いますけど、結果的には同じなんですよ。そう思いませんか。  だって、少なくとも申請をして、そして入力されている人だけが該当を受けて、そうじゃない人はその給付金を受けられないというのは、これ正に本人の問題じゃなくて国の行政全体の問題でしょう、これは。そう思いませんか。

○国務大臣(柳澤伯夫君) これはかなり性格が違うものだと思います。  まず第一に、特別給付金の方は周知手続の問題なんですね。それに対して年金の方は、これは保険料を納めているということも全部明らかになっている。そういう実態の問題でありまして、そこにはかなり私どもは懸隔があるというふうに考えております。

○谷博之君 時間が来ましたので、大変、この後あと二、三質問したいところあったんですが、これで終わりますけれども。  いずれにしましても、冒頭申し上げましたように、この年金の問題については、もう民主党が指摘した一年も前からこういう問題が具体的にあって、それに対する政府の対応は極めて遅れて問題があったということを私は改めて指摘をさせていただきまして、質問を終わりたいと思います。     ─────────────



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