国会活動報告 参議院決算委員会

2006年4月5日 平成16年度決算審査 外務省分:PCI、ベトナムPMU18事件、アジ研、遊就館、シベリア抑留 

164-参-決算委員会-5号 2006年04月05日(未定稿)

○谷博之君 私は、民主党・新緑風会の谷博之でございます。  質問の機会が与えられましたので、早速質問に入りたいと思います。  今日は外務省の関係の事柄について幾つかお伺いしたいと思いますが、まずODAに関する問題でございまして、昨年の私は当委員会の決算委員会で質問をさせていただきましたが、コンサルタント会社のPCI、パシフィックコンサルタンツインターナショナル、この会社のことについてお伺いをいたしたいと思います。  この会社には、二〇〇〇年から二〇〇四年までの間に、コスタリカを始めグアテマラとかエクアドルとかボスニア、こういうような国々に対して、ODAの受注を受けまして、再委託契約を改ざんするなどして水増し請求をしたということで問題になりまして、一応この会社は処分を受けております。そして、十八か月の指名停止ということで三月の二十日までこの処分が行われてきたと、こういうふうに聞いております。  私は、昨年の当委員会で質問したときにはコスタリカだけの話であったんですが、その後三か国の新たなそういう事実が見付かったということでありまして、これは大変大きな問題でありまして、昨年の当委員会でも警告決議がなされて、その結果、会計検査院が今年の秋までこの問題について調査をしていると、こういうふうに私たちは聞いているわけであります。  それで、JICAとかJBICなども連携しながらこの調査を進めているようでありますが、その後新たな事実が見付かったかどうか、その後の調査の動きについてお伺いをいたしたいと思います。

○兒玉和夫外務大臣官房審議官 お答えいたします。  先生御指摘のとおり、昨年の六月、参議院の決議を踏まえまして、会計検査院が、現在、検査を実施中でございます。それと連動する形で、JICA及びJBICにおいても、平成十二年度、二〇〇〇年度でございますけれども、十六年度までの過去五年間にPCIが受注した現地再委託契約について調査を現在まで実施してきたところでございます。  調査結果についてでございますが、ただいま申しましたように検査院の検査が現在進行中であることを踏まえまして、恐縮ではございますが、現時点で確定的なことを申し上げるのは差し控えさせていただきたいと思います。

○谷博之君 先ほど私申し上げましたように、このPCIの問題についてのいわゆる指名停止の処分は三月二十日で一応終わっていると。したがって、その後、このコンサルタント会社は新たな指名なり受注なりを受けることは可能になっているわけですね。  ただ、問題は、私は、一つの外務省の姿勢だと思うんですが、今年の秋に会計検査院の報告が出されるというその間に、もし他の国との間でこういう不正な問題が見付かった場合、これは既に処分を受けたその事案とまた別の新たな事案ということで、これは当然指名停止や登録取消しの対象になるというふうに私は思っておりますが、そういうふうな考え方でよろしいんでしょうか。

○兒玉和夫外務大臣官房審議官 お答え申し上げます。  既にこれまでに重ねました計十八か月にわたります措置、指名停止措置でございますけれども、現在、現地の再委託契約に関する一連の不当な行為を行った事業者に対する措置としては、これはJICAの措置規程の上で最も厳しい、その他の措置の事案と比較した上でも大変厳しい措置であるというふうに考えております。  他方、会計検査院の検査が今行われているわけでございますが、その結果として、今後、仮に従来の措置事由を超える悪質な事案が判明する場合には別途の措置を検討するということは排除されないと、そういうふうに考えております。

○谷博之君 これ、一つは基本的な姿勢だと思うんですけれども、一つは今年の秋の会計検査院の報告待ち、そして、当事者の外務省としてはそれまではどうも積極的な対応をするような雰囲気でもないということでありまして、これは、このPCIの問題については、先ほど申し上げましたように、昨年の決算委員会では公明党の遠山委員も再三にわたって取り上げた、私も何度か質問をさせていただいた、そういう大変重要な問題であり、非常にある意味ではケースとしては悪質と思えるような、そういうケースが非常に多かったと思うんです。  したがって、私は、何かそういうことで先入観的にこのコンサルタント会社について見るということはいかがかとは思いますけれども、しかし、それはやっぱり外務省の姿勢として、しっかりその後の会計検査院の報告が出るまでやはりこの調査をしていくといいますか、対応していくという、そういうことがやっぱり必要なんだろうというふうに思うんですね。これは、あくまで私は、その姿勢の問題として強調しておきたいというふうに思っております。  それで、ODA問題に関連して更にお伺いしたいわけでありますが、お手元に資料としてお配りをいただきましたが、現在、日本のODAのいわゆる供与国ということでいいますと、中国に次いで第二位はどこかというとベトナムです。インドネシアをもう既に抜いておりまして、ODAの供与国の第二位はベトナム。このベトナムで、実は今大変大きな問題が起きているということであります。時間がないので、この出どころがはっきりした新聞のコピーをお配りをさしていただきました。  簡単に申し上げますと、そのベトナムの交通運輸省のインフラ建設局、ここのところで今大変な贈収賄事件が起きております。その中で、ありていに申し上げますと、この新聞をちょっと読んでいただきますと、このインフラ建設局の、これはPMU18ということで呼ばれておりますが、PMU18事件というふうに言われております。その担当の管理部長あるいは建設会社の社長など数名が逮捕されております。  四月の四日、昨日には、ついにその担当副大臣が逮捕され、その責任を取って交通運輸省の大臣も辞任をいたしております。大変これは警察の捜査も入って、元々共産主義国であったベトナムの中でこういうふうな事件が発覚をしていると、このことをまず前提に踏まえていただきたいと思うんです。  中身はどういう不正かというと、ヨーロッパのサッカー賭博に八億二千六百万円もこの幹部がつぎ込んだり、あるいはまた高級乗用車を二台も取得して、あるいは別荘を持ったり、様々な幹部に対する賄賂を贈ったり、こういうふうなことが次々に明るみに出ております。  問題は、この資金源が一体どこから来ているかということなんです。皆様方のちょっとお手元にお配りした資料を見ていただきますと、資料の二を見ていただきたいと思います。ベトナムPMU18関連の現地報道記事ということで、これは一番下に、現地メディアのネット版をNGOの協力で翻訳し、私の事務所で作成をしておりますが、問題はこの二番、三番。PMU18の汚職事件には日本のODA事業がかかわっていると報じられていると。それから三番に、JBICの円借款事業である国道十八号線の改良事業関連ということで幾つかの問題が既に出ておりまして、この写真に出ておりますように鉄材の代わりに竹が使われていたと報じる記事、これ竹なんですね、これ。それから、土砂の質をごまかして裏金をつくっていたとベトナム会計検査院が指摘している。もう会計検査院が動いているんです。この金額は三億五千四百万円、このように言われております。  それからまた、この十八号線ではございませんけれども、国道二号線建設工事でアスファルトの厚さを七センチから五センチないし六・四センチにごまかしていたことをベトナム会計検査院が発見している。こういう重大な問題が起きているわけであります。  これは、今申し上げましたように、何とJBICの円借款事業でこれが行われているということなんですよ、この国道十八号の改良事業。  そして、資料三を見ていただきたいと思います。これはベトナムPMU18関連の円借款事業一覧ということで、上がJBIC、有償円借款の事業、下の枠が無償の資金協力事業、これはJICAですね、このそれぞれの事業がこのような形で執行されております。上のJBICの真ん中辺りの枠を見ていただきますと、国道十八号線改良事業に既に百五十九億五千万円、これが貸し付けられているんです、この工事に。そしてまた、その下の欄のJICA、これも北部地方橋梁改修計画からトータルで百二億円、これが施工管理に与えられているんですね、総額。  ここでまずお伺いしたいんですが、この事件で逮捕されたその民間の建設会社、これはホアヴィエトという会社ですけれども、このホアヴィエト社がこの施工に、事業にかかわっているかどうか、お答えいただきたいと思うんです。

○兒玉和夫外務大臣官房審議官 お答えいたします。  ベトナム交通運輸省でございますが、その第十八事業管理局、通称PMU18でございます。それによる今回の疑惑事件でございますが、その中でホアヴィエト社の会長が逮捕されたと承知しております。他方、我が国によるODA事業でございますけれども、ベトナム側の実施機関でありますPMU18が契約をしているベトナム側の事業者の中にこの会社は含まれておりません。

○谷博之君 今申し上げましたように、この事業について一番問題にしなければいけないのは、我が国のODAの事業で行われているそういう具体的な事業が、その工事の中に大変構造的な欠陥があると、このように指摘をされているということだと思うんです。つまり、我が国のODAへの信頼はこのことによって著しく傷付けられたと、このように言わざるを得ないと思うのであります。  昨日の報道を見ておりますと、さらにその現地の報道では、この交通省の道路建設部であるPMU18によって建設された多くの道路と橋は、建設材料の横流しによって急速に質が劣化していると、こういうふうなことも言われておりまして、これは正にこの工事をめぐって構造的なそういう問題が内在をしているというふうに私は言わざるを得ません。  したがって、今は現地警察の汚職捜査を見守るという状況でございますけれども、建設途上のものは工事をいったん中止をして、施工内容に欠陥がないのかどうか現時点で改めて再調査し、報道の真偽を確かめて日本のODAの質への不信と疑惑を晴らすべきだと、このように思うんですが、大臣、どうでしょう。大臣、いかがですか。

○金田勝年外務副大臣 ただいまの御指摘のベトナムのPMU18の件に関しまして、私ども、ベトナムにあります日本国大使館の方からベトナムの交通運輸省に確認したところによりますと、各国からのODA資金については効率的かつ適切に使用されているという回答に接しているわけであります。  いずれにしましても、PMU18に関する本件疑惑につきましては現在ベトナムの公安省当局による調査が行われているところでありまして、我が方といたしましてもその結果を注視しているところであります。我が国としては、ODA事業の実施については、ベトナム側の調査結果を踏まえまして適切に対処をしていきたいと、このように考えております。

○谷博之君 重ねてお伺いしておきますが、ということは、我が国のODAのこの案件については、契約に基づいて計画どおりに事業は行われ、手抜き工事による欠陥はない、このように我々考えていいんでしょうか。

○兒玉和夫外務大臣官房審議官 PMU18が実施機関になっております事業の中には、先ほど先生のお配りになった資料の中にもそれぞれJBICあるいは無償ということの内訳が出ているわけでございますが、円借款については七件、それから無償資金協力については四件ございます。今日に至るまで、現在までのところ、これらの事業は私どもきっちりフォローしておりまして、着実に進められていると、事業自体、そういうふうに承知しております。  繰り返しになりますけれども、今、ベトナムの交通運輸省としては、今後、今回のPMU18による日本からの援助を含む各国、これは世銀とかアジア開発銀行の事業も含まれておりますが、そうした事業について総点検をするというふうに聞いております。  いずれにしても、ベトナム公安省当局による本件調査の結果を注意深く見守り、フォローしていきたいと思っております。

○谷博之君 これは、ODAの事業の本来の趣旨というのは、有償、無償で援助をすることによってその相手の国の言うならばインフラ整備とか、あるいは国民生活の向上にそれが寄与するということが一番の目的だと思うんです。そういうことで、貴重な財源がそれぞれの国に言うならば提供されているわけですね。そのことを考えますと、私は、当然その相手国のこういう問題、いわゆる不正があるかないかも含めて、それが本当に有効に使われているか、正しく使われているか、そのことをやっぱりしっかり見抜いていくというのは、これはやはり政府の責任だというふうに思うんですね。そういう点で、今の御答弁は、それはそれとして、現時点では受け止めておきます。  実は委員長にちょっとお願いがあるんですが、これは、これだけ多額の賄賂や遊興費の資金源がどこから来たのか、現時点では全く不透明だというふうに言わざるを得ませんけれども、捜査結果次第では、これODAにおける偽装事件の可能性がないとは言えない。そういうこともありまして、この問題について当決算委員会としてある意味では看過できないというふうに思っておりまして、是非現地調査を行い、その調査結果をこの当委員会に報告するよう、そしてそのことを外務省に要求していただくように委員会としてひとつ御検討いただきたいと思います。

○委員長(中島眞人君) 理事会で検討いたします。

○谷博之君 この問題に関係して、これは資料をお配りいたしました。資料一を見ていただきたいわけでありますが、資料一の右側、タイトルは、外国公務員へ贈賄起訴ゼロ、日本甘いと、こういう記事が出ております。これは外国政府関係者に対する日本企業の贈賄行為についての捜査が不十分、こういうことで、OECD、経済協力開発機構が専門チームを日本に派遣をして、この二月二十一日から三日間、日本の法務・検察当局に事情聴取をしております。  これはこの記事にも書いてありますけれども、日本は一九九八年にOECD外国公務員贈賄防止条約、これを批准をいたしておりまして、そしてこの批准に基づいて現在三十六か国署名しておりますけれども、その一員として日本は今活動しているわけです。  御案内かと思いますけれども、既にこの条約が批准された後、アメリカ、スイス、韓国など、合わせて三十件に上る具体的な有罪判決が下りている、こういうことでありますが、日本は一件もそうした事例が、起訴された事例はございません。ここがどうもおかしいということで、OECDは何度か日本に調査をしているんですよ。これはこの記事を見ていただきますといろいろ書かれております。不正競争防止法の改正をしたりいろいろやってきておりますけれども、日本は実態としてはそういう訴追される事件というのは一件もないということです。  この記事の右側に出ておりますけれども、梅田徹麗澤大学教授の話ということで、海外での日本企業の動向について情報を収集する専門の捜査機関を設け、国内外のNGO等との連携したチェックを毅然とする体制をつくるべきだ、こういうふうに書いてあります。  これは正に私は必要なことだというふうに思っておりますが、この点についてどのようにお考えでございますか。

○三浦守法務大臣官房審議官 お答えいたします。  検察当局におきましては、不正競争防止法上のいわゆる外国公務員贈賄罪に関するものも含めまして様々な情報収集に努めているものと承知しておりまして、こうした罪に関係します刑事事件として取り上げるべきものがあれば、法と証拠に基づき適切に対処するものと承知しております。

○谷博之君 ちょっとそういうふうな感覚でよろしいんでしょうかね。少なくとも、日本の企業が海外で、特にODAの事業なんかでかかわっていくときに、当然その相手の政府、相手の様々な業界との関係というのが出てくるわけですが、それらは少なくとも今の捜査体制では不十分だということをOECDの人たちは指摘しているんですね。  これは、そもそもこの条約ができたのは、アメリカがロッキード事件を契機にして、正に国際的なこういう疑惑問題についてしっかりとしたチェックをしようということでスタートしたはずなんです。ところが、日本もちらちらこういう問題が新聞報道されています。例えば、平成十四年の九月には、モンゴルのODAをめぐる三井物産による贈賄容疑とOECD外国公務員贈賄防止条約というこういう、外務省が平成十四年の事件をいまだにホームページに載せて、こういう報道をしているんです。  つまり、それだけ外務省としても、あるいは政府としても非常にこの問題については関心を寄せている事案だというふうに思うんですけれども、にもかかわらず、そういう意味ではそれを取り締まるべき体制というものが不十分だというふうに私は言わざるを得ないのでありまして、外務省のこういうホームページに載せているということからして、大臣、どのように御認識されておられますか、この問題について。

○麻生太郎外務大臣 基本的にはこの種の話っていうのは常に付いて回る話で、世界じゅう皆同じような問題に悩んでおられるんだと存じます。  日本としても、そういった状況を踏まえてホームページに過去の事例を挙げておるんでありまして、私どもとしてそれに対して真摯に取り組むという責任はあろうと思いますけれども、この外国の公務員に関する贈賄というのは基本的に端緒が物すごく難しい、どこから始めるかというのが物すごく難しいというところがいま一つなかなか踏み出し切らない大きな背景だと存じます。  また、日本の場合、たしか司法取引もできないと思いますので、そこのところも話を更に難しくしておると思いますので、これはもっと全部、法体系全体の話を、司法取引の話から始めないと、アメリカとか韓国とかみんな司法取引でやってきているというように、私の浅はかな知識でそのように理解をしておりますので、日本の場合はそれがありませんので、向こうに対しての取っ掛かりがなかなか難しいだろうなという感じはいたしますので、是非、この面に限らず、全体な問題として取り組まねばならぬのじゃないかなという感じがいたしております。

○谷博之君 外務大臣のお立場とすればそういうところが、まあ御認識でそうなのかなと思いますけれども、しかし、これは事政府全体の問題ですからね。私はそう思うんですよ。ですから、この新聞にも出ていますけれども、東京地検特捜部はこれまでに数回、総合商社による外国公務員への贈賄行為について刑事訴追を検討したけれども、金銭提供が少額だったということであきらめたというふうに書いてありますが、少なくともそういう、まあ法務、検察もそうでしょう。警察もそうでしょう。当然それは外務、外務省もそうだと思うんですが、そういうやっぱり一体となったそういうふうな法体系の整備とか、あるいはそれを取り締まるべき体制整備とか、こういうようなものはやっぱりつくらなきゃいけないと思うんですよ。そのことを実はOECDは言っているんですよ。日本はそこのところが余りにも掛け声だけであって、この条約を批准しているにもかかわらず実態が伴っていないじゃないかということを彼らは指摘していると思うんですよ。  そのことについて、これは大臣の立場で答えられなければ、どうですか法務省、答えてください。

○三浦守法務大臣官房審議官 お答えいたします。  不正競争防止法上のいわゆる外国公務員贈賄罪を含めまして、いわゆる贈収賄事件につきましては、一般に隠密裏に行われるなどといった捜査の困難性といったものが認められるものと承知しております。  検察当局といたしましては、そういったことを踏まえまして様々な形で情報収集に努め、これまでも法と証拠に基づいて適切に対処してきているものでありまして、今後ともそのような形で対処がなされるものと承知しております。

○谷博之君 これは出どころがはっきりしませんからこれ以上のことは言いませんけれども、いろんなこういうメールが錯綜しておりまして、結局、そでの下も税金が掛かりますとか、どこそこの商社どこそこの会社がどこそこの、これはインドネシアの多分ことだと思うんですが、その政府の高官に賄賂を贈ってくれとか贈っているとか、こういうふうなことが、これはある意味じゃ根拠のない情報かもしれませんけれども、こういうのがどんどん飛び回っています。  もうこれはある意味では、それはもう今おっしゃるとおりのことなのかもしれませんけれども、やっぱりこういうことが万が一にも事実だとしたら、こういうことをやらしておいていいんですかね。私は、そういう点は日本というのは非常に、このODA事業、特にそうですけれども、大変私は政府として無責任な対応をしているというふうに言わざるを得ないと思うんです。これだけの事件がたくさん起きている、すべてが正しいことをやっている人たちだけの事業ではない。性善説だけじゃない、性悪説のそういう人たちもいるかもしれない。そういうことをチェックするために、この麗澤大学の先生はちゃんとしたそういう一つの縛りをつくりなさいと言っているんですよ。  それに対して、ここに書いてありますけれども、新聞に出てますよね。相手国と捜査共助の条約がない場合、収賄側の事情聴取が困難だ、リベートを渡す際ブローカーが介在する場合が多く、渡された金銭の趣旨を明確にしづらい、これは新聞の報道ですが。こういうことのためにこれが縛りが掛けられないということになれば、私は、余りにも政府といいますか法務省なり外務省なりの取組というのは非常に私は問題があるというふうに思います。  これは、この委員会ではこれ以上の答弁出ないのでやめますけれども、しかしこれ、必ずこれは第三弾のOECDからの厳しい私は注文が付いてくると思います。このことをよくひとつ考えて取り組んでいただきたい、このことを申し上げておきたいと思うんです。  それから次に、今、今度の国会で、行政改革推進法案がいよいよ今月の三日から衆議院の行政改革特別委員会で審議が始まっています。  その中で政府系の金融機関の見直しの問題も議論をされようとしておりますが、特に私は今回、JICAとJBICの統合の問題についてお伺いしたいと思います。  これ非常に図式をお示ししないと難しい機構の関係になっているんですが、まずJBIC、国際協力銀行はこの見直しの中で解体をされて円借款の部分をJICAに統合すると、こういうふうな構想がなされておりまして、これは私はある意味では前進かなというふうに思っています。  ところが、この円借款部分のうち、これは財務省との共管でございまして、これはどうも将来にわたって天下りの道をつくっているんじゃないかというふうに私は推察をしておりまして、まあ問題があるかなというふうに思っておりますが、いずれにしてもこの動きがある。  一方では、一九九八年七月に当時のジェトロとアジア経済研究所、日本貿易振興会とアジア経済研究所が合併をして、新しい独法のジェトロが誕生しております、日本貿易振興機構という名称でありますが。そうした中でこういう、頭が外務省、財務省、経済産業省、もうそれぞれのいわゆる頭を持ったこういう機関、こういう組織が実は今存在をしているわけですね。そして、この新しく誕生した新ジェトロ、これは今年の一杯で、今年度末までに今の中期計画が終了して、今年度一年掛けて来年度以降の第二期の中期計画を策定するということになっております。  そこで、行政改革ということを言っているわけですから、新しいジェトロのスリム化を図るためにも私はこのアジア経済研究所、もう一回これ切り離してみたらどうかというふうに思っています。つまり、このアジア経済研究所というのは発展途上国の政治や経済や社会について基本的、総合的に研究をする機関でありまして、特に今回、いわゆる合併されておりますけれども、貿易振興というこの側面もそうですけれども、現地の実情を踏まえたODAの効果的な実施の是非についてもある意味では検証する立場、そういう役割も果たしているというふうに思っておりまして、そういう意味でのアジア経済研究所の本来の役割というものを果たすためには、このジェトロから切り離すことが私は大変大きな重要な意味があるというふうに思っています。  そして、このいわゆるアジア経済研究所の役割も、まあ内部から聞こえてくる話としては、結局一部の役員の報酬は上がった以外に何のいいこともなかったというような声も聞こえてきているわけですが、こういうことではない本当の、アジア経済研究所の本来の活動ができるような、そういう仕組みにすべきだというふうに思いますが、これはどのように考えておられますか。

○長谷川榮一経産大臣官房審議官 ただいまの御質問、お答え申し上げます。  谷先生御指摘のように、日本貿易振興会、当時でございますが、アジア経済研究所を一九九八年の七月に統合したわけでございます。この統合の背景、眼目等申し上げた方がいいかもしれませんけれども、我が国とアジアを中心といたします地域との通商経済関係が大変緊密をしてきたということがございます。  振り返っていただきますと、世界の貿易、さらにはサービス、投資、こういったものが九〇年代に至りまして顕著に増大をしてきた中で、特にアジア地域ではこの傾向が強かったわけでございます。我が国とアジア諸国との貿易を一例に挙げますと、量もさることながら、内容につきましても、部品であるとか素材であるとか、要するに大変日本の経済、各民間の方が苦しい中で、世界的な競争に勝ち抜くためにアジアとの分業体制をつくったわけでございます。  実態面でもこういった背景がある中で、我が国が、とりわけ民間の力を生かしていただくということで、もちろん我が国自身、民間自身の業績を上げていただくということもございますけれども、同時にアジアの途上国の発展にも寄与して、そして双方が協力関係を推進するということで、通商、貿易、投資振興、こういったことの厚みを増すというようなことで、アジア経済研究所の保持しております豊富な地域研究の成果を存分に活用できないかといったような時代的な流れがあったというふうに認識をしております。  折から、御案内のとおり、九七年、九八年にはASEAN地域を中心といたしまして通貨危機等がございまして、当時、日本の企業も現地に出ておられる方々を中心に、特に中小企業の方につきましては想像に難くないわけでございますけれども、大変な状況変化がございまして、こうした厚みのある情報提供あるいは相談事業といったものの必要性が改めてこれは実証されたものであるというふうに思っております。  世紀変わりまして、近年でございますけれども、御案内のとおり、東アジア経済連携構想あるいはFTA構想、こういったようなものにつきましても、国のリーダーを始めとしまして是非進めたらいいのではないかというようなことで、一部は経済連携協定という形で国会の御承認をいただくに至っております。こういった制度づくりの実態におきましても、ジェトロがアジア経済研究所の研究成果を活用する形で、言わば新ジェトロとして一体となりました産業連関表の作成であるとか、あるいはFTA構想の研究の実施であるとか、こういった実績も上げております。  したがいまして、今後とも、こういったジェトロと旧アジ研の統合性を高めるということを基本にした上で、関係の諸機関、もちろんJICAもありますけれども、情報交換や連携を密にいたしまして、そういったようなことの考え方、さらには利用者、この方々の声が一番大事でございますので、利用者の方々の声、評価委員会の御意見をいただきながら、御指摘ございましたように、平成十九年の三月末までの間に新しい中期目標、中期計画の策定を図っていきたいというふうに思っております。

○谷博之君 私、今の御説明ありましたけれども、私なりの考え方を申し上げたいと思うんですが、このアジア経済研究所、アジ研については、再度分離して、先ほど申し上げたいわゆるJICAとJBICの統合した新JICAに統合すべきじゃないかというふうに思っています。これはもう御案内のとおりでありますけれども、この新JICAといいますか、新しく統合されようとしているJICAには、元々そのJICAの国際協力総合研修所とJBICの開発金融研究所、こういう二つの発展途上国の調査研究を行う似たような機能を持っているシンクタンクがあります。これに私はこのアジ研を、アジア経済研究所を統合して新JICAのシンクタンクを一層強化する、これがやはり私は一番筋ではないかというふうに思っておりますが、これ、大臣どう思いますですか。

○麻生太郎外務大臣 貴重な御意見と考えますけど、ただいま統合を検討しているかといえば、今直ちに統合を研究しているということはございません。EPAやら経済連携協定やら何やらいろいろ、今JICA含めましていろいろと進めておりますけれども、ジェトロって元々貿易を主としてやっている話と、現地に入って工場を造って経済をやろうという話と、もうかなり内容が違っておる背景だとも思いますので、私どもとして、そのジェトロの研究機関でされた資料を有効活用させていただければ私どもとしてはそれで十分なんであって、直ちに今それを統合して一緒にというようなことを考えているわけではございません。

○谷博之君 直ちには考えていないということでありますけれども、これは将来の一つの何というか取組といいますかね、そういう考え方としては、やはり私どもはそういうふうに考えておりますので、是非ひとつ御検討いただきたいと思っております。  それから、最後にもう一つ問題をお聞きしたいと思っておりますが、それは、私前々からいろいろ戦後処理の問題について予算委員会等でも質問もさせていただきましたが、シベリアの抑留問題についてお伺いをしたいと思っています。  御案内のとおり、三月の二十九日に、ちょうど一年前、二〇〇五年の二月に在ロシア、モスクワの日本大使館がロシア側から、二万七千人のシベリアから北朝鮮に逆送された、移送された方々の名簿を受け取りました。それを言うならば解読といいますか翻訳をして、その名簿をこの三月二十九日に公開をするといいますか、公開ということでなくて照会受付といいますか、問い合わせがあったものに対してお答えをするという、こういうふうな措置をいよいよスタートしました。  私は、そこでお伺いしたいんでありますけれども、ロシア政府から日本にこの名簿が渡されたその段階あるいはその後で、ロシア側から例えばコピー代というふうな名目でその経費を費用として請求される、そういうことがあったかどうか。そして、もしそれが請求された場合は、平成十六年度の決算上、どういう名目で幾らそのお金を払ったか、お答えいただきたい。

○原田親仁欧州局長 お答えいたします。  ただいま先生御指摘のとおりに、昨年三月、ロシア国立軍事古文書館より厚生労働省に提供されたいわゆるシベリア抑留者のうち北朝鮮に移送された約二万七千人分の名簿については、三月二十九日より厚生労働省において一般からの照会の受付が開始されたと承知しております。  昨年三月、この資料の入手に当たりまして、厚生労働省からロシア国立軍事古文書館に対しまして資料の探索及び資料の複写のための必要経費として千百四十八米ドルが支払われたと承知しております。

○谷博之君 これは私、関係者からお聞きした話なんですけれども、この名簿をロシア側で調べるについては、大変その調べる方が御苦労があったとか、それから、いろいろその担当者、日本側の担当者に対して、そういういろんな、それとなくそういう費用を請求するようなそういうふうな雰囲気があったというふうに聞いているんです。  これは私は、どういう目的で、どういう名目でこれが、今おっしゃったような金額が支払われたのか。これは、どこのところからこれ出されたんでしょうかね。どういうそれで名目でこれ出されたんでしょうか。お答えいただけますか。

○原田親仁欧州局長 直接には厚生労働省がやり取りをやっておりましたし、それを支払ったのも厚生労働省でございますので、詳細は我々も正確なところを承知しておりませんけれども、先ほど申しましたように、ロシア側は費用として、資料の探索及び資料の複写のための必要経費だということでそういう請求をしたというふうに我々としては承知しております。

○谷博之君 私も実はその複写された紙については拝見をいたしました。そんなに掛かる紙なのかなと思いますが、いろいろ提供する側のそういう一つの考え方もあったんだと思います。  ただ、これは昨年の十一月に小泉総理とプーチン大統領の会談がございましたね。そのときにプーチン大統領は、この名簿の問題についてはこれからも積極的に日本政府の期待にこたえるように協力をしたいって言っているんですよね。その協力のあかしがそういう若干のお金になっているのかどうか、それは分かりませんが、いずれにしても、これは、いわゆるその十一月の会談以降、少なくとも現時点までのこの動きを見ていると、そのプーチン大統領の言葉のような内容には実はなっていないような気もするんです。誠意ある取組をしていただいているかどうかについては、どうも疑問符が残るような今の動きなんですね。  ですから、相手側は、その資料を見付ける人がどんどん年を取っていってなかなかこれ見付けるのが大変だなんていう話もちらちら聞こえてくるんですけれども、そういうことではなくて、今もう本当に戦後六十年過ぎて、この時点でやはりその名簿を一日も早く返してもらうというのが私は今の我々の立場だと思うんですね。  ですから、そういう意味で、もう一度強くこれ大臣、どうですか、ロシア政府に、あるいはロシアの大使館に話をするというようなことできませんか。

○麻生太郎外務大臣 非常に時間のたっている話ではあろうとは存じますけれども、少なくとも、今関係者の方々も高齢化されておられるという実態も踏まえまして、御希望等々が強いというのはよくよく承知しているところでもありますので、今後ともロシア政府に対して交渉を、交渉というか要求をしてまいりたいと存じます。

○谷博之君 もうこれ、また言うことではないのかもしれませんが、いわゆる終戦直後、約六十万人近くの人たちが中国東北部そして現在の北朝鮮等々で抑留生活といいますか、そういう状況になったわけです。かなりの部分がシベリア、モンゴル、そして遠くはモスクワの近くまで移送されていった。一方では、北朝鮮にそのまま抑留されて、そして戦後生活をした人もいます。これが、終戦直後、昭和二十年から二十一年にかけてお互いが逆送するわけですね。  そして今、日本政府は、平和祈念事業特別基金、こういうところから慰労金をそういう方々に出しております。ただし、これは条件がありまして、いわゆるシベリアを含む旧ソ連、モンゴル、この地域で、ある意味では強制労働といいますか、そういうふうな立場に置かれた人たちに対する慰労金は支払われております。しかし、それは請求があったものにですから、全部の人にそれが支給されているという状況ではありません。  問題は、私は、北朝鮮なり旧満州、中国東北部にそのまま拘束をされた人たち、こういう人たちも、いわゆる関係者、八十過ぎたそういう方々の聞き取りをしますと、ある意味では強制労働に近い状況に追い込まれていたというふうな話も聞いているわけですが、残念ながらロシア政府の証明がなければこの基金からの慰労金は出ないという、こういう仕組みになっているんですね。  したがって、この辺の、同じように強制労働というかそういう立場に置かれて、そして何年間か大変御苦労されたこういう方々に対して、私はこの平和祈念事業特別基金から慰労金が支給できるように、こういうふうにすべきだと思うんです。当然これは、終戦直後はソ連軍がその場所を管轄していたわけですから、そういう点からも私は是非検討すべきだと思うんですが、いかがでしょう。

○綱木雅敏総務大臣官房審議官 朝鮮半島、旧満州等の地域につきましては、先生今お話ございましたように、戦前はしかし日本の領土又は満州国の領土でございまして、日本国民が多数居住していたこと等、終戦後の状況も旧ソ連の状況とはかなり異なっていたというふうに理解されております。  ですから、基金制定時におきましても様々に議論は重ねられたところではございますけれども、やはり極寒のシベリアの地とは異なるということもありまして慰労金の支給の対象とはされなかったというふうに理解しております。ですから、すぐにそのような措置を行うということは困難であるとは考えます。  なお、今先生からお話ございましたように、いったんソ連又はモンゴルに抑留されて、その後北朝鮮などにいわゆる逆送された方々につきましては基金の慰労金の支給の対象とされております。

○谷博之君 この問題については、今国会で、私ども民主党もその補償をするための党としてのいわゆる議員立法も提出をしようとしておりますので、是非各会派の先生方にも関心を持っていただいて御配慮いただきたいと思っております。  最後になりますが、大臣に一点だけお伺いしておきますが、いわゆる韓国の盧武鉉大統領が靖国神社の遊就館を訪問したいというふうな発言をされております。例えば、これ仮説の問題ですけれども、盧武鉉大統領が将来日本に公式訪問をした、そういう際にそういうリクエストがもし出たときに、これどう対応するかということについてお答えいただきたいんですが。

○麻生太郎外務大臣 先月の十六日の日に盧武鉉大統領が、今、谷先生御指摘のような発言をされたという報道は承知をいたしております。  御存じかとは思いますが、昨年の六月の日韓首脳会談におきまして、次回の首脳会談を昨年中に我が国で行うということに合意をしておるんですが、その後、両国関係ぎくしゃくいたしましたんで、盧武鉉大統領の訪日は実現をいたしておりません。日本側で今度会談をすることになっておりますんで、そういった意味では私どもはこの対話の必要のためにも是非と思っておりますけれども。  ただ、今の御発言、今の盧武鉉大統領の発言の翌日の日に韓国大統領府の報道官の広報として、同発言は神社参拝に反対するという韓国の立場を再び確認するというレベルから出てきた発言という報道官の言葉があり、日韓首脳会談開催の可否と結び付けることは適切ではないということを改めて確認すると述べたと私ども承知をいたしております。  したがいまして、今の、大統領が訪日され、靖国神社を参拝され、遊就館を訪問というのは現実的な話ではないと思っておりますが、具体的にもし向こうが御希望をされるということに関して、こちらに来られた方の御希望に、いやそれは駄目とかなんとかというような話を私ども言う立場にはありません。

○谷博之君 現状の話ということでそういうことかなと思いますが、しかし、これは遊就館ということについては、これもいろんな、国会でもまた取り上げられておりますけれども、靖国神社そのものもそうでしょうし、そこにある遊就館についても、アメリカの例えば有識者なども随分その存在を気に掛けておられる方もおられるということはもう御承知のとおりだと思ってます。今後そういう状況が起きれば、また大臣に改めてお伺いをしたいというふうに思っております。  以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。



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