国会活動報告 参議院決算委員会

2005年4月11日 厚労省決算審議、介護保険改革、北朝鮮に送られたシベリア抑留者名簿、政管健保の診療所等の整理合理化計画について
 

162-参-決算委員会-7号 2005年04月11日(未定稿)

○谷博之君 民主党・新緑風会の谷博之でございます。  今、藤末委員が大変専門的で重大な質問をいたしました。本来であれば、私の質問時間もお譲りして更に追及をしていただきたいところでございますが、割当てでございますので、私は政策的な問題を中心に質問をさせていただきたいと思っております。  まず、介護保険制度の問題についてお伺いをいたしたいと思いますが、この介護保険制度の法案、改正法案が衆議院で今厚生労働委員会で質問をされて、質疑が行われております。その中で、いろんな具体的な課題があるわけでありますが、私は特にその中で、いわゆる家事援助と新予防給付の関係、この問題について大臣を中心にお伺いをいたしたいと思っております。  御案内のとおり、今度の改正によって、単に生活機能が低下するような、家事代行型のそういう訪問介護については、これは筋肉トレーニングなどの、いわゆるそういう、どちらかというと新予防給付のそういう取組によって変えていこうと、こういうふうなお考えのようでございますが、私は、そういうこのいわゆる動きが出てきている中で、関係者の中からいろんな不満やあるいは不安の声が出てきている。これは大臣も衆議院の委員会の中でもいろんな具体的なお話は聞いていると思うんです。  現に、ちょっと資料をお配りいたしましたけれども、この資料一の中に、これは私の地元の栃木県の宇都宮市内の訪問介護事業者から寄せられた利用者の不安の声ということで、十七件ほど具体例をここに書いてあります。これだけではありません。そういういろんな、この真ん中の右側にありますけれども、「使えなくなるのではと不安に思っている家事援助の内容」というようなことで、具体的な内容がここに記載されております。  これ後でごらんをいただければと思いますが、問題は、こういうふうな事例を見てもやっぱり一つ説明責任がまだ足りない、具体的な問題についての、そういう声に対する厚生労働省側の具体的な対応についての答弁が不十分だというふうにまず思います。  そういう状況の中で、私は、前提の現在の状況についての認識を大臣にまず聞きたいと思っておりますが、少なくとも、このいわゆる新しい、新予防給付、それを導入するに当たっての、現在まで行われている軽度者に対するケアプランのその中身というものは大部分がやはりいわゆる適正であって、適切であって、そして、どちらかというと不適切な、特に先ほど申し上げましたような家事代行型のそういうふうなケアプラン、これは少ないんだというふうに御認識をされておられるかどうか、この点をまずお伺いしたいと思います。

○国務大臣(尾辻秀久君) お尋ねの件で、もうポイントだけでお答えしようと思いますけれども、私が衆議院の厚生労働委員会で申し上げましたのは、今までのサービスの中に一部不適切なものがあったということは事実でありますと、私どももそのように認識をいたしておりますと、このように申し上げたところでありまして、私の認識はそのとおりでございます。

○谷博之君 衆議院の委員会で我が党の山井議員から質問が出まして、それに対して大臣も同様の答弁をされておられます。これは議事録で確認はさせていただいております。  ということになりますと、今この私の資料にも出ていますが、これは実は私事ですけれども、今から二年半前に地元で「福祉のわ」といういわゆる介護事業者の関係者の勉強会を立ち上げまして、そして、今五十人ほどの方々と年に数回、そういう介護保険制度の問題、介護保険法の改正の動き、こういうことについての実は勉強会もさせていただいております。  そういうふうなところで出てきたこういう具体的な意見でありますけれども、こういう方々、この不安に対して、今の大臣の御答弁、これを前向きにとらまえさせていただきますと、こういう利用者の中から出てきている不安とかあるいは問題点については、生活に必要な家事援助は今後とも取り上げないというふうなことで、したがって安心してこの制度を利用していくことができると、このように私は大臣から御答弁をいただいたと、こういうふうに理解をさせていただきたいと思っております。  確認させていただけますか。

○国務大臣(尾辻秀久君) 冒頭お話ありましたように、私どもの、厚生労働省の説明が不十分であったといいますか、もう少し丁寧に御説明申し上げればよかったなと。そのことによって誤解が生じておるところが今あるのではないか。そのことは私も、冒頭おっしゃったこと、そのとおりに感じておりますということをまず申し上げたいと思います。  そこで、今の確認せいというお話なんですが、念のためということで私どもの考え方を申し上げて、その考え方の中でそのとおりでありますということを申し上げたいと思います。  今回の新予防給付の基本的な考え方は、本人にできることは可能な限り自分でやっていただくというこの考え方の下に、本人の生活能力を引き出すためのサービスを適切に組み合わせて、手助けをする場合でもできる限り本人の今持っておられる能力を生かす工夫をしながら行う。これはもう申し上げるまでもなく介護保険の基本理念でありますから、そのことを申し上げて、そのとおりにしていただくサービス、適切なサービスは従来どおりお受けをいただくと、これは当然のことでありますということを改めて申し上げたいと存じます。

○谷博之君 それも衆議院の答弁に出ておりますが、要は、それ以上になるとまた堂々巡りをします。要は、いわゆる大部分か一部かと、こういう議論が復活するわけでありますが、私たちは大臣のさきの答弁をしっかり受け止めさせていただいて、そのように解釈をさせていただきたいというふうに思っております。  それから、続きまして、介護保険の中で不正請求の問題がちょっと今出ております。  これは、私の地元の栃木県の宇都宮市の老健施設にファミール滝の原という施設がございまして、これは実は今年の二月七日に、この施設のいわゆる社会福祉法人が医師の出勤状況を偽って約一億五千万円の不正請求をして、これが指摘をされて、結果として県からこの施設が、特に短期入所、療養の介護施設事業所ですか、それとあとは通所の、いわゆるデイサービスの、リハビリテーション事業所の、そういう指定の取消しというのがなされました。そして、県は、更にこの施設の管理者の変更を求めて、三月の二十五日までにそれを行うようにというふうな話がございましたけれども、現実に四月の今日は十一日ですか、まだ管理者の変更ができておりません。  こういう状況の中で私が一番心配なのは、こういう老健施設に、この施設は九十人の人が入っておりますが、今後、そういういろんな指導に従わないということになれば、いわゆる通所、短期のそういう施設だけではなくて、こういういわゆる入所型のところまで指定の取消しということがあり得ることも考えられるのかなというふうに思っておりますが。  そういう中で、その具体的な内容について、まず資料の二を見ていただきたいと思いますが、これは厚生労働省からいただいた資料ですが、平成十二年の四月から十六年の十二月末まで、同様に全国のこうした施設の指定取消し等になった事業者中の不正請求額、返還額が確定した一億円以上の事業者の一覧、少なくともこれで七か所、平成十五年度の段階でも五番、六番、七番が入っておりますが、こういう実は具体的な過去の事例もございます。  このファミール滝の原は、先ほど申し上げましたように一億五千万の不正請求、それに、言うならば加算金が付きますので約六千百万、トータルで二億一千三百万の返還額が生じてきているということであります。  そこで、まず全体的な話をお伺いしたいんでありますが、この七つの、この資料二にありますが、こうした施設の一番右側の不正請求額、返還額は、これは返還されたのかどうか、お伺いしたいと思います。

○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。  今御指摘のございました一億円以上の事業者、不正請求の額が確定した、この中で返還が完済したものが一か所、一施設ございます。それから、二施設が分割して今返還中でございます。それから、一件については今都道府県の方が告訴を検討中ということで、その他につきましてはまだ返還の見込みが立っていないという状況でございます。

○谷博之君 これはよく見ていただきますと、いずれも通所型の施設ということでありますが、例えば一億円未満のいわゆる事業者でも、入所施設の指定の取消し、あるいはそういう具体的な事例を教えてください。

○政府参考人(中村秀一君) ただいま入所施設についてのお尋ねがございました。  平成十二年四月、介護保険法が施行されましてから今日まで、入所施設で指定が取消しをされましたものは十三施設でございます。請求額につきましては、一億円未満のものも多うございますが、そういったものについては、十三施設のうち五施設が完全に返還が終わっていると、七施設が現在返還中、一施設が法人の破産宣告のため債権額を今調整している段階にございます。

○谷博之君 その場合に、入所している人たちの具体的な対応はどういうことであったでしょうか。

○政府参考人(中村秀一君) 多くの施設の場合は、指定取消処分に伴いまして全員転所されているということがございます。幾つかの施設の場合では、他の法人が引継ぎをされましたのでそのまま入所者の方が入所をされているというケースもございますが、十三施設のうち十施設くらいは全員転所というような形でございます。

○谷博之君 今度の介護保険法の改正の審議の中で、いろんな先ほど課題があると言いましたけれども、やっぱり一つの基本的な課題の大きな柱に、事業者のより健全ないわゆる育成といいますか経営といいますか、そういうものをやっぱり図っていかなきゃいけないということだと思うんですけれども、残念ながら具体的にはこういう事例が過去にはたくさん出ております。なおかつ、それに対する返還も含めて完全な形でなされている状況ではございません。  そういう点、非常に私たちは大きく問題にしておりますし、特にそこに、先ほど言いましたように、入所されている方々の生活権と申しますか、そういうものをしっかり確保していくためには、恐らく指定取消しというのはかなりのもう最後の手段だと思いますけれども、そこまでいかないにしても、相当いわゆるグレーゾーン的な部分もあるんじゃないかというふうに思うんですね。  今後、この具体的なファミール滝の原、これはまだ問題が具体的に表面に出た段階ですが、これからはどういう対応をしていこうと思っておりますか。

○政府参考人(中村秀一君) 今、委員御指摘ございましたように、これまでは、こういう問題事例について指定の取消しと、こういう手段しかございませんで、指定取消しをされると、ただいま御紹介申し上げましたように、入所者のむしろ問題、転所していただかなければならないというような問題が出てくるということで、今回介護保険法で御提案申し上げていますのは、もちろん指定取消しのほかに業務改善勧告でございますとか業務改善命令、それから指定の取消し、停止命令とか様々、今委員御指摘ございました入所者の方の状況を保ちながら事業者の方に改善を求めると、こういったことについても法律の整備をさしていただこうと思っております。  今、老人保健施設、具体的にファミール滝の原については三つの不正の内容がございまして、御指摘ございましたように、通所リハビリテーションの問題、ショートステイの問題、それから本体の介護老人保健施設の問題があるわけでございます。県の方でも、栃木県の方でも大変苦慮をされて、特に老人保健施設の問題につきましては入所者の方の転所が困難なために管理者の変更について改善をお願いしているところでございますが、実はこの処分につきまして異議申立て等が出されているような状況でございますので、もう少しこの本件の案件につきましては事業者のサイドの方々とのやり取りが必要ではないかと思っております。  いずれにしても、県の方は、入所者の方に影響が及ばないような形で、しかしその事業所の改善は図っていきたいと、こういう意向をお持ちのようでございますので、私どももそういう県の方針も踏まえながら対応をしてまいりたいと考えております。

○谷博之君 何度も申し上げますけれども、やっぱりその施設に入所されている方というのは結局みとられているといいますか、介護を受けているという、そういう立場がありますから、非常にある意味では対等の立場ではない、したがって、逆に受け身の状態で施設の問題があってそれの犠牲になると、こういうふうな形になっています。  したがって、我々としては、逆に利用者の側が、具体的に、施設に入所していて、こういう問題が起きているというようなことがちゃんとやっぱり表に出るような仕組みですね、そういう逆に利用者がチェックする仕組みという、そういうものをやっぱりある意味ではオープンにして取り組んでいかなければいけないんじゃないかというふうに思っているんですよね。そうしないと、こういう事件が起きて、結局施設が閉鎖になって、その方々はどこかにやっぱり移されるという形、これのもう繰り返しなんですね。  したがって、私たちはそういう意味で、こういう今後の改善策として、やっぱりそういう視点からのひとつ改善を図っていっていただきたいと、こういうふうに思っております。  それからもう一点ですが、これは最近具体的な事例として大分問題になってきておりますけれども、あるNPOの特養ホームを良くする市民の会という会がございまして、そこの資料をちょっと見ておりましたらば、大体、特別養護老人ホームで最終的に亡くなる方が半分近くおられるということです。ある意味では、特別養護老人ホームというのはついの住みかです。  ところが、最終的に亡くなるその前の状態というのが非常にいろいろ問題があると。どういうことかといいますと、例えば、容体が急変をする、そして医療的な治療を受けなきゃいけない、こういう状況になっている。しかし、なかなか特別養護老人ホームにすぐ専門のお医者さんが来るという状況もないということになると、これは大体のケースが救急車を呼んで救急医療に、病院に実は搬送するんですね。そして、そこで例えば亡くなるということになれば、処置をしてもらってまた施設に戻ってくると、こういう形が結構あるようなんです。  施設の関係者の話聞いておりますと、少なくとも、さっき言いましたように、ついの住みかでターミナルケアなり最期を迎えるということがこれ一番御本人にとっても幸せなことではないかと思っておりますが、残念ながら、施設長にしろあるいは職員にしろ、そういう資格を持っているわけじゃありません。どうしてもそれは専門のお医者さんに来てくれということになるんですが、ところがこれがまた問題なんですね。  私、事前にいろんなレクをしておりまして、じゃそういう来てもらうそのお医者さん、これは報酬はどうなんだろうというふうなことを聞きましたら、実はこういう施設には嘱託のお医者さんがおります。週に一日か二日来て、入所している人たちの健康管理を中心に診ているお医者さん。このお医者さんに来てくださいといって連絡すると、来て、そのお医者さんの実はいわゆる報酬といいますか、これは出ないんですね。そして、嘱託医じゃない別のお医者さんが来て、そして診断をしてもらい、亡くなれば死亡診断書を出す、死亡証明書を出すと、こういうことになればこれは実はお金が出るんですよ。  こういうところの矛盾を実は私感じておりまして、私が言っていることは分かると思うんですがね。ですから、そこら辺の違いはどういうふうなことになっておりますか。

○政府参考人(中村秀一君) 特別養護老人ホームの件でございますので、実は隣に保険局長がおりまして、医療保険とも関係があるわけでございますが、便宜私の方から答弁をさせていただいて、また必要があれば医療保険の担当の方からも御説明をさせていただきます。  まず、特別養護老人ホームには配置の医師が配置されております。これが今御指摘のありました特別養護老人ホームの医師ということでございます。ただ、この配置の医師は、常勤で置いておかれる特別養護老人ホームもございますが、非常勤が全国五千を超える特別養護老人ホームでは多くなってございます。  この配置の医師の方は、入所者の方の健康管理とか一般的なその配置の医師の方が担当できる医療については介護報酬の方でお支払いしているという関係上、配置医師の方が、例えば今、通報があった場合、夜飛んでこられた場合などについて診療報酬の方、医療保険の方の初診料とか往診料というのは算定できない形になっております。これに対しまして、いろんなお病気があるわけでございますので、配置医師の専門でない病気などにつきまして、協力医療機関やあるいはその他の医療機関から、今御指摘のような救急の対応などによって医療をしていただきました場合には、医療保険の方の初診料、往診料などについては診療報酬において算定できるようになっていると。  こういうことで、言わば特別養護老人ホームの医療につきましても、通常の特別養護老人ホームの中で、介護保険で介護しておられる高齢者の方一般に必要のような健康管理的な、あるいはそういった医療につきましては配置医師で対応していただき、それを超えるものについては医療保険で、急変時とかそういったものには対応するという仕組みを取っておりますので、医療保険と介護保険の組合せで対応しているということでございます。これが一般論でございます。  今委員御指摘の、そうはいってもこの特別養護老人ホームで最期を迎えられる方が多いとか、特別養護老人ホームはついの住みかになっているという御指摘はそのとおりでございますし、それから、かねて、介護保険が始まりましてからも、特別養護老人ホームの入所者の方が、非常に重度な方を中心に引き受けていただいておりますので、重度化されているという状況がございます。そういう中でみとられる方も多いわけでございまして、特別養護老人ホーム等におきますターミナルケアの在り方というのは課題になっているところでございまして、今回の介護報酬の見直し、これは十八年四月に予定をしております、また、医療保険の診療報酬も同時期に見直しが予定されておりますので、そういった中で、今委員御指摘の、特別養護老人ホームなどにおけるターミナルケアで、御家族の方、御本人、それぞれ本当に最期をきちっとみとるためにどういうことが万全な体制なのか、そういったことについても重要な課題と考えておりますので、検討さしていただきたいと考えております。

○谷博之君 答弁は短くやってください、いろいろ聞かなきゃいかぬものがあるものですから。  それで、実はそういうことで、私さっき言おうと思ったこと、次回の介護報酬の見直し検討のときに検討すると、こういうお考えでございますから、是非そうしていただきたいと思っておりますが、大臣、何か感想ございますか、このことについて。

○国務大臣(尾辻秀久君) 配置医師と非配置医師、この辺の往診料をどうするかという問題は、今の私どもの整理の仕方はもう申し上げたとおりで御理解いただいておると思いますから、そういう整理の仕方はいたしておりますが、検討すべきことも多いので検討さしていただきますというふうにお答え申し上げております。それが私どもの考え方でございます。

○谷博之君 はい、分かりました。  それで、一つこれ、現場からのそういういろんな同じ、ある中でやっぱりそういう状況になったときに、その施設の施設長なり職員の方々がどういうふうな対応をしていくのかということなんですが、いろんなケースがあると思いますが、いわゆるマニュアル的なものをやっぱりしっかり作っていく必要があるんじゃないかというふうに、そういう声も聞いています。したがって、そこら辺も、その検討を是非していただきたいと思いますし、それからもう一点は、ターミナルケアを受けるそういう人たちも随分多いわけですけれども、そういうところに看護師のそういう資格を持った方がやっぱり将来配置できるようなそういうシステムも考える必要があるんじゃないかなと思っておりまして、これも是非検討していただきたいと思っています。  それから、保険局長に質問しようと思いましたが、時間がありませんので割愛さしていただきまして、次に、先ほど西島委員からもちょっと質問が出ておりましたが、実は先週の参議院の本会議で独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構法案というのが提案されまして、これの委員会質疑なんかも入ってまいりますが、三月三十一日に年金・健康保険福祉施設に係る整理合理化計画、これが発表されております。この中で、先ほど指摘がありました社会保険診療所と健康管理センター、これの譲渡の問題をちょっとお聞きしたいと思っておりますが、資料三を見ていただきますと、先ほども指摘ありましたように、政管健保の生活習慣病の予防健診の都道府県別受診率、これが平成十五年度三〇・二%、各県によって相当ばらつきがありますが、こういう状況になっています。このいわゆる健診のこの三〇・二%の中に、先ほど申し上げました社会保険診療所とかそれから健康管理センターが果たしている役割もこの中に入っているわけです。  そういう中で、今申し上げましたような、三月三十一日に計画案が出ましたけれども、その中に、こういう譲渡をする場合に一定期間施設の中心的な機能を維持することを譲渡条件とすると、こういうふうに書いてあるんですが、この一定の期間というのはいつごろなんでしょうか。

○政府参考人(青柳親房君) ただいまお尋ね、御指摘ございましたように、三月三十一日に私ども策定させていただきました整理合理化計画におきまして、社会保険診療所、それから健康管理センターの譲渡につきましては、これらが地域医療に果たしている役割にかんがみまして、一定期間施設の中心的な機能を維持することを譲渡条件とするとさせていただきました。  この一定期間の具体的内容についてでございますが、あらかじめ一律に定めるということはなかなか難しかろうと。個々の施設を一般競争入札に付すに際しまして、その施設がそれぞれ地域医療の中で果たしている機能、あるいはそれぞれの地方自治体あるいは地域住民の方々など関係者の御意向、こういったものを十分に考慮した上で定めることが適当ではないかと考えております。  いずれにいたしましても、機構が発足しました後、機構におきまして他の法人における売払い時の事例なども参考にしながら検討されるものというふうに考えております。

○谷博之君 これは全国的には七か所の社会保険診療所と十五か所の健康管理センターのそういう施設があるわけですけれども、例えばその場所を見ておりますと、例えば社会保険診療所は東京のあの新宿の歌舞伎町にもありますね。ああいう施設がもし将来民間に譲渡されてきたときに、あの辺の歓楽街ですからね、例えばの話、ソープランドのようなものができたらどうするんだろうかと、こんなような冗談話をする人もいるんですけれども、やっぱりそれはいわゆる民間に譲渡するということと同時に、例えば新しくできる独立行政法人、独法の例えば政管健保の新独法、こういうようなところにそういうふうな譲渡をさせていくというのも一つの手ではないかというふうに思っています。これは是非検討していただきたい。  それからもう一点は、大臣に確認の意味でお伺いしますけれども、今申し上げた二つのこのいわゆる健診の機関、これは言うまでもないんですが、中小企業やあるいは地域性の大変交通の便の悪いところにも健診車が行ってしっかりとした検査をしています。そういう意味で私は、三〇・二%の中にそういうふうな一生懸命頑張って取り組んでいるそのパーセンテージも入っているというふうに思います。したがって、そういうふうな例えば社会保険の診療所あるいは健康管理センター、こういう機関の果たしてきた役割、今までの役割についてどのように評価されているか、どのように認識されておられるか、大臣にお答えいただきたいと思うんですが。

○国務大臣(尾辻秀久君) 今お話しいただいております政府管掌健康保険の生活習慣病予防健診事業でございますけれども、これは昭和三十九年から事業が開始されました。当時は、社会保険病院でありますとか社会保険診療所を中心とした公的病院で実施をされてまいりました。そういうところでもう圧倒的に多くの割合を、役割を果たしていただいたわけであります。  しかし、最近になりまして民間医療機関への委託が順次拡大をされまして、こうしたところの、公的なところの役割も変化をしてきたことは事実でございます。変化してきたことを踏まえて今回の措置につながるわけでございますけれども、しかし、今先生が御指摘いただきましたように、そうした中で依然として地域においてこうしたところが担ってきた機能、これは極めて大きいものもあると認識をいたしておりますので、今後、こうしたものの扱い、すなわち整理合理化ということを行いますに当たっては、その辺の配慮というのは極めて十分にしなきゃいけないと、こういうふうに考えておるところでございます。

○谷博之君 資料の四を見ていただきますと、これは平成十四年度ですか、の参議院決算委員会における警告決議、内閣に対する警告というもので、これ出されておりますけれども、これは年金財政運営、とりわけ貴重なこういう保険料の無駄遣いは決して許さないと、こういう思いがしっかりここに入っているわけですね。  一方では、こういう施設を譲渡したからそれですべて責任が終わったんだと、こういうことでももちろんありません。少なくとも、厚生労働省や社会保険庁がいろんな政策的な課題の中でこういう施設を造っていって、結果として大変な赤字を生み出したということでありますから、そういう意味のそもそも政策立案段階からの責任がやっぱりあるというふうに言わざるを得ません。その結果として、こういう内閣に対する警告決議が出ていると思うんです。  したがって、ここにもいろいろ書いてあります、計画の中にはできるだけ譲渡価格を高くしなさいとかいろいろ書いてありますけれども、これはこれとして一つの方法としては分かりますけれども、その前の問題としてのやはり責任をしっかり感じていただきたいと思っています。これは、是非強くその辺は要望しておきたいと思っております。  それから、次の問題に入りますけれども、三月の三十一日に、これは報道で拝見をいたしましたけれども、シベリアの抑留者、戦後、昭和二十年の八月二十三日に、当時旧満州に駐留していた日本の軍人軍属の方々が、いわゆるスターリンの布告によってたくさんの方がシベリアにあるいはモンゴルに抑留された、こういう事実があります。そして、そういう方々のいわゆる行方不明者の中、そのうち二万七千人と言われておりますが、北朝鮮に移されて、その移された名簿が、ロシアの軍事古文書局からロシアの日本大使館にその名簿が渡されたと、こういうふうなことが報道されておりましたけれども、この名簿は今どちらにありますか。

○政府参考人(大槻勝啓君) お答え申し上げます。  シベリア抑留で旧ソ連から北朝鮮に移送された方の名簿についてのお尋ねでございます。  外務省に確認いたしましたところ、御指摘のように、名簿などを含みます関係資料につきましては、本年三月三十一日、ロシア国立軍事古文書館から在ロシア日本国大使館に提供されました後、現在日本に向けて送付中であるというふうに聞いております。今週半ばには外務省から厚生労働省の方へ提供できるというふうに聞いております。

○谷博之君 まあ、三月三十一日に受け取って、今日が四月の十一日ですから随分時間が掛かっているんだなと。だれかが持ってくればその次の日にはもう着くだろうと思いますが、まあそれはそれとして、いろいろ事情があるのかもしれませんが。  いずれにしても、この名簿の中身ですね、当然それは名前、それから生年月日等々は入っていると思いますが、どういう死因で亡くなったのか、あるいは、まあ亡くなったという言い方はおかしいですね、これ、移送されたわけですから。亡くなったというんじゃなくて、要するに出身地とか、そういうふうなことが記載されているかどうか。どういうふうな項目があるかについてはお分かりになりますか。

○政府参考人(大槻勝啓君) この名簿につきましては、まだ受領前ということでもございますし、正確な内容は現時点でははっきりとは申し上げられないわけでございますけれども、外務省に確認いたしましたところ、ロシア側からの説明におきましては、この名簿というのは、シベリア抑留で旧ソ連から北朝鮮に移送された方約二万七千人分につきまして、その氏名、生年及び階級が記されたものであると聞いております。

○谷博之君 そうしますと、今後この名簿を厚生労働省はどのようにこれは使われる予定なんですか。

○政府参考人(大槻勝啓君) この御指摘の名簿につきましては、先ほど申し上げましたように、今週半ばに当省の方に引渡しがあるかと思いますので、引渡しを受けました後に速やかにロシア語から日本語に翻訳作業を進めると。それから、翻訳終了後は、私どもの保管をしております陸海軍の関係の人事資料等と照合いたしました上、極力その名簿登載者の特定に努めたいというふうに考えておるところでございます。

○谷博之君 報道によると、終戦後、シベリアに抑留された方々の中で体力に非常に弱い方、衰弱をされている方とかそういう方々がどうも北朝鮮の方に移送されたんではないかと、こういうふうに言われておりますが。  そこで改めて私お伺いしたいんですけれども、戦後、いわゆるシベリアやモンゴルに抑留された全体の人の数ですね、総人数、それから今把握している亡くなられた方の数、それから日本に帰国した人の数、それから結果として行方不明になっている人たちの数、これ、数字を挙げていただけますか。

○政府参考人(大槻勝啓君) 厚生労働省におきましては、戦後、シベリアの抑留者につきまして、その数がいかほどのものかということにつきましていろんな調査をやってまいったところでございます。特に、帰還をされました方からの情報というものが非常に大きい材料になったわけでございますけれども、そういった形で調査をいたしました結果、推計でございますけれども、ソ連地域に抑留された方が約五十七万五千人、そして現在までに帰還をされた方がそのうち約四十七万三千人、そして死亡と認められる方が約五万五千人と。この五十七万五千人から帰還された方、そして死亡と認められる方を差し引きますと、約四万七千人の方が残るわけでございます。  こういった方々の中には、病弱のため、いったんソ連に入られた後、満州、北朝鮮地域に送られた方、移送された方がいらっしゃるというふうに考えております。

○谷博之君 そうしますと、この今お話がありました行方不明の四万七千人の中に今回の二万七千人が入っていると、こういうことですか。北朝鮮に移送されたと。

○政府参考人(大槻勝啓君) 厚生労働省におきますこれまでの調査結果からしますと、先ほどの、申し上げましたように、約、差引き四万七千人の方が行方不明と申しますか、そのうちの多くの部分が病弱のため満州、北朝鮮に送られた方であろうと、こういうふうに推計、推定をしておるということでございます。  今回の名簿がどのようなものかにつきましては、先ほど来申し上げたところでございます。その詳細につきまして、やはり具体的に分析等いたしませんと、その辺の関係につきましては現状ではちょっと説明ができかねるということで御理解を賜りたいと思います。

○谷博之君 別に今度ロシア政府から一万一千人の新たな死亡者名簿が出てきたというふうな話があるんですが、その事実はどうでしょう。

○政府参考人(大槻勝啓君) 委員の御指摘のように、昨年度後半から、現在もまだ作業途中でございますけれども、ロシア側におきまして約一万人の資料が提供されるという報道があったわけでございますけれども、この点につきまして説明を申し上げますと、実は平成五年でございますけれども、ロシア側から抑留中死亡者約三万七千五百人分につきまして十五項目にわたる事項を記載いたしました資料が提供されたところでございます。今回、昨年度末から今現在にかけましてロシア側で作業いたしておりますけれども、その当時、平成五年にいただいた資料の基になりました原本の文書と申しますか、抑留中死亡者の登録文書、これが発見されたということで、それを今ロシア側の方で取りまとめ中でございます。  逐次引渡しを受けておりますけれども、近々その引渡しが完了する予定でございます。この資料につきましても、提供された後は画像等の入力等を行いましてデータベース化いたしまして当局保管資料との照合を行うと、その上で特定作業に努めることとしております。

○谷博之君 更に重ねてお伺いしますが、先ほど五万五千人の方が亡くなられたということですが、この方々のいわゆる遺族に対する、遺骨が届けられた数は何人ぐらいなんでしょうか。

○政府参考人(大槻勝啓君) 旧ソ連抑留中死亡者の遺骨収集についてのお尋ねでございます。  この点につきましては、平成三年に日ソ両国間で締結されました協定に基づきまして、平成四年度以降遺骨収集に努めてきたわけでございます。昨年度末までに一万六千百二十六柱の遺骨を収集したところでございます。

○谷博之君 いろいろ具体的な数字を今挙げていただきました。非常に、この委員会は平成十五年度の決算をやっているんですが、六十年前のこうした問題がまだ実は解決できないで残っているんですよ。そのことをやっぱり我々はしっかりと現実を見詰めなきゃいけないと思います。  そして、これ、大臣ね、北朝鮮と日本は正式に国交ないですね。その北朝鮮に移送されて、二万七千人の日本の人たちが北朝鮮に移ったんですよね。これ、この名簿を使ってどうしますか。例えば今説明ありましたように、本人を確認するにしたって、これ確認のしようがないわけですね。国連代表部かあるいは中国政府辺りを介して調べてもらうかどうかというふうな話になってくると思うんですね。  ところが、その家族の方は今平均年齢が、帰国された方が八十歳超えていますから、八十三歳という年ですからもう本当に御高齢になっています。そういう方々のいわゆる配偶者や子供さんやそういう人たちは、お父さんやあるいは夫が帰ってこなかった、どうしているんだろうという人をずうっと六十年間思い続けている方はたくさんいるんですね。ひょっとしてこの二万七千人の中に関係者がいるかもしれないというふうな思いを持っている方もおられると思います。  そういう人たちに対するいわゆるその事実を確認したり追跡をしたりということは、これはどういう形でやりますかね、大臣。お考えありますか。

○国務大臣(尾辻秀久君) まず、先ほど来お答え申し上げておりますように、まだ私どもの手元にこの名簿が来ておりません。したがいまして、どういう名簿が来るかということがまず大きな問題であります。  と申し上げますのは、シベリアで亡くなった方の名簿というのも何回かにわたって私どもいただいておりますけれども、これも判別するのに随分苦労した名簿でございます。もう一生懸命何て書いてあるんだろうかとかもうみんなで苦労して判別して、そしてできるだけ正確に判別したもので今遺骨収集なんかも行っておるところでございます。あえてこういうお話申し上げるのは、まず、その二万七千と言われていますが、それがどんな名簿で来るかというのが今私どもとしては大変関心があるところでございます。  しかし、いずれにいたしましても名簿が来るわけでありますから、この名簿を、どんなに読みにくかろうが、何であれ必死で私どもはまず読みまして、そしてこの方々がその後どうなっていかれたのか、しっかりと我々はその照合する作業を進めていきたいと、こういうふうに考えております。

○谷博之君 時間が参りましたのでこれで終わりますが、そのほかにも文部科学省の方に質問も用意しておりましたが、取り上げられなかったことをおわびいたしたいと思っております。  どうもありがとうございました。



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