国会活動報告 参議院決算委員会 平成13年度決算審査、厚生労働省、法務省所管分

2003年3月31日 年金基金の運用のあり方、刑務所経費への予備費使用の恒常化について
 

156-参-決算委員会-3号 2003年03月31日(未定稿)

○谷博之君 私は、民主党・新緑風会の谷博之でございます。  質問に入ります前に、坂口、森山両大臣に一言御要望申し上げます。  坂口大臣、厚生労働大臣には、日ごろ厚生労働委員会で大変お世話になっておりまして、率直かつ前向きな御答弁をいただいておりまして、感謝申し上げたいと思います。また、森山法務大臣にも、私の地元栃木県の政治の道の大先輩として大変御指導いただいておりまして、重ねて厚くお礼申し上げたいと思っております。  今日、そういうことはございますけれども、緩やかな球ではありますけれども、変化球を交えず、真っすぐな球で質問の球を投げてまいりますので、しっかり受け止めていただいて、打ち返していただきたいと、このように御要望申し上げます。  まず、厚生労働省所管の質問でございますが、今回は年金問題一本に絞ってお聞きしたいと思っています。  まず一つは、年金資金の運用の問題でございます。約百五十兆円と言われているこの年金資金の運用については、財投改革に基づいて全額自主運用すると、こういうふうになっておりますが、この財源は将来の給付財源として大変重要な意味を持っているというふうに思っています。このことは、年金資金運用基金法第一条にもそのことが触れられておりまして、これはもう言うまでもないことであり、安全かつ確実に運用するという、これが原則だと思っております。  しかしながら、平成十三年度末の市場運用分を見ますと、約三兆円の累積欠損が出ているということでありまして、これは正に株式運用というのはハイリターンであると同時にハイリスクを伴う極めて難しい危険性の伴う運用だと、こういうことを示していると思います。  そして、つい先ごろ、社会保障審議会の年金資金運用分科会から報告書が出ておりまして、この報告書を見ますと、引き続いてこの株式運用をしていくと、こういうことがそこに盛られております。  株価が二万円の時代、平成十二年のころに一二%のいわゆる市場運用割合ということで設定しているわけでありますけれども、こうした株価が非常に低迷していく中で、この割合の見直しを含めて今後どのように対応されようとしているか、大臣の御答弁をまずお聞きしたいと思います。

○国務大臣(坂口力君) 谷議員には厚生労働委員会で大変お世話になっておりまして、ありがとうございます。褒めていただきますとあとは危ないというのが世の習いでございますが、今日は、株式のお話を、株式運用のお話をいただきました。私たちも、今ここを真剣に考え直さなきゃならないと実は思っているところでございます。  百五十兆という大変な額の積立金でございますし、これから年金制度をどういうふうに改革をするにいたしましても非常に貴重なこれは財源だというふうに思っておるところでございます。  今まで株式を運用してまいりましたが、御承知のとおり、今まではいわゆる財投資金の中に一度入りまして、そこから一部だけ借受けをして運用をしていたと。こういうことでございますが、これからは直接にこれを運用をしていかなければならないということになるわけでございます。最終的に、平成二十年にはすべて財投ではなくて我々の方で運用しなければならないということになってまいります。  そこで、今議論を始めておりますのは、その年金資金を運用する運用の機関と申しますか、どういう機関でこれを運用をしていくかということをもう一度これは検討をしなきゃいけないだろうと。現在の資金運用部の形のままでいくのか、それとも、そうではなくて、もう少し厚生省とは距離を置いた受皿を作ってそこでやっていくのか、あるいは政府全体がこれをもう管理をしていくのか、いろいろ方法はあるだろうというふうに思っておりますが、私個人の考え方といたしましては、今のままではなくて少し距離を置いた形かあるいは政府全体でこれを受け持っていただくか、そのいずれかの方法が望ましいというふうに思っている次第でございます。  いずれにいたしましても、この運用をいたしますときに、その運用に、運用ですから、それは一時的な局面を見ますと上がったり下がったりということは株式を運用します以上あり得るというふうに思いますが、しかし、いずれにいたしましても貴重な財源でございますから、元本がうまく保証される方法はないかということで今いろいろの議論をしているところでございます。早く議論をさせていただいて、そして安心をしていただける体制に持っていきたいというふうに思っているところでございます。  これは厚生労働省だけで議論をしておりましてはいけませんので、財務大臣にもこれはお話をさせていただいておりますし、経済財政諮問会議におきましても議論を開始をしていただいたところでございます。先般もそのことをお話を申し上げ、明日もまた経済財政諮問会議で年金のお話が出ますので、そこにおきましても、この問題、優先的に議論をしてもらいたいというふうに思っているところでございます。

○谷博之君 今の大臣の御答弁は、三月十日のこの決算委員会でも何名かの委員からの質問があって、いずれにしてもどういう形でも、やっぱりそういう、どういう形にしても責任を取るという、責任を取るというシステムを作らなきゃいけないということを大臣は答弁されておられますね。しかも、これは喫緊の課題であるということを言っているわけですが。  ただ、私が思いますのは、いわゆる株式の運用にかかわる人たちのいわゆる注意義務とか義務違反とかそういうことによって、いわゆる受託者責任としての責任の取り方というのは、これは私は免職を含む制裁というものもあるんだろうというふうに思うんですが、要は、運用の結果、損失を出した、そのことについての責任の取り方というのは、今おっしゃるように上がり下がりがあって時には欠損が出るよという、そういうことで見ておられるということになると、私は、普通の企業でこういうことを考えると、こういうことというのは私は余り許されないんじゃないかというふうに思うんですね。  そして、先ほど申し上げましたけれども、いわゆる社会保障審議会の年金資金運用分科会というのがあります。ここにこのメンバーがあるわけですけれども、こういうところでも当然私は、この年金の百五十兆というのは営々として被保険者が保険料を積み立てて財源として確保してきた大きいお金ですね。こういうふうな分科会にもその被保険者の代表がたった一人しか入っていない、十一名中。こういうところにも私は、当事者の声が反映されないところでこの年金資金の運用が行われているというふうに見ざるを得ないというふうに思うんですね。  したがって、このメンバーを少し見ますと、十一名のうち一名は御案内の福井俊彦さん、日本銀行総裁になられた方ですから、この方はそちらの方に行かれて一名欠員になっています。そして、いわゆる被保険者代表としては連合の生活福祉部長がここに入っておりますけれども、福祉局長ですか。せめてこの財源の一方の関係者である国民年金の被保険者の代表というのがこの空いたところに入れて、そういう人たちの声をしっかり聞くということをやっぱり考えるべきだと思うんですが、大臣、どう思いますか。

○国務大臣(坂口力君) 現在の体制の中で今後も進めていくか、それとも先ほど申しましたように新しい受皿を作ってそしてそこでやっていくかという根幹にかかわるところをまず決めなきゃいけないんだろうというふうに思っております。  それまでの間、経過的措置といたしまして、今までの受皿の中で審議会等でも御議論をいただいておりますが、その新しい受皿ができるといたしましても、そのできるまでの間は今の継続の中でやっていかなければならない、それはもう御指摘のとおりでございます。  そこへいろいろの立場の皆さん方にお入りをいただくということは、それは私も大事なことだというふうに思っております。今、小島さんでしたかね、お入りをいただいていますよね、非常に活発に御意見をいただいておりまして、大変活発な御意見だと私も拝聴をいたしております。決して人数にこだわっておりません。そういう立派な方がお見えであれば、それはお入りをいただいて御議論をいただくのがよろしいのではないかというふうに思っている次第でございます。  いずれにいたしましても、この審議会委員の皆さん方の御意見としては、百五十兆円に上りますこの積立金をある特定のところに集めて運用をするというのは非常に危険が大きいと。したがって、これは幾つかの分野に分散をして運用することが一番危険性が少ないということをトータルとしては御主張になっているというふうに承っております。小島さん等が、いや、そうは言うけれども、そういう形ではなくて、もっとより安定というものを中心に考えていくべきだという御主張をしておみえになることもよく存じております。  私は、その運用方法という、確かにこれ議論をしていかなければなりませんが、その運用方法を決める前に、どこが受皿になってそれをやっていくかということを決めることの方が私は先だというふうに実は思っているわけでございます。  しかし、これ、毎日これは運用をしていくわけでございますから、株式に投入をいたしております以上、そのときそのときの株価によってこれは上がり下がりがあることは事実でございます。ですから、いわゆる経済の状況によって、株の上下によって上がった下がったということの責任を言うのであれば、それはもう初めからこの株式の運用はやめておくというふうにせざるを得ないと思うんです。そうしなければ、そのときそのときにこの経済の状況によりまして多少上がったり下がったりということを、ある、それによってその責任を云々ということもなかなか私は難しい。その経済状況の中でよく頑張っていただいているんだけれども、しかし全体としてはマイナスになったということは起こり得るというふうに思いますから、そうしたことも問題になるのであれば、最初からそれはそういう株式にはもう回さないという方針でいかざるを得ないと私は思います。  しかし、さりとて、それじゃ国債を全部買っておけば安定かといえばそうでもなくて、これは国債を買っておけば、国債の金利がこれで上がればそれによってマイナス面というのは非常にたくさん出るわけでございますから、そうもなかなかいかないんだろう。  これらの点を総合的に考えて、一体どうしていくかということを考えなければいけないというふうに思っている次第でございまして、財務大臣とも今懸命にいろいろの方法がないか、現在の法律の中でなければ、新しい法律を作ったらどういう法律を作ればそれがいいのか、そんなことも含めて今議論をさせていただいている最中でございます。

○谷博之君 大臣、御答弁本当に御丁寧で有り難いんですが、一球目からすぐ打っていただいて、短い答弁でひとつよろしくお願いしたいと思っています、時間がございませんので。  それで、実はこの問題については議論は深めようと思えばいろいろ議論があるんですが、結論から申し上げますと、この年金資金の運用の活用については、これは各政党それぞれそういうところで議論をしていることだろうと思います。我々の党の中でもこの運用等についてはいろんなアイデアというか考え方を持っております。基本的には、次世代の、次の若い人たちにその年金が生きるような形で、なおかつそれが運用されるということが基本だと思っておりまして、株の運用云々以外にも、私は、例えば子供たちの、学校に通っている子供たちの例えば教育関係に、そういうふうな奨学金とか教育ローンで貸与して、それをまた後で無利息で貸して返していただくというような制度等々も、いろんなそういう考え方あるのかなと思いますが、こういうことは是非これからしっかり議論をしていきたいというふうに思っております。  それから、年金の、次は空洞化の問題なんですが、これはもう言うまでもありません。大変、今、未加入、未納の人たちが増えております。その増えている、数字は時間がありませんから割愛しますけれども、その未加入、未納者が増えているかなりの部分がやっぱり若年者なんですね。この人たちは、特に国民年金の場合は、その制度の理解が不足しているとか、あるいは将来への不信感というのがやっぱり根強くあるんだろうと思うんですね。こういうふうなことが一つある。  それからもう一つは、厚生年金もしかりでありまして、最近の現象としてよく言われておりますのは、景気の低迷を受けて事業主がその保険料負担分を避けんがために違法で脱退するという、こういうケースが増えております。なかなかこのことは厚生労働省は認めようとはしないところもあるように聞いておりますけれども、現実にはそういうことがたくさんある。結果としてそれがどういうことになるかというと、従業員が無年金状態になったりして、いわゆる将来もらう年金が減ってくるというようなこと、あるいはもっと大きく言えば、厚生年金全体の財源が、少子化社会にますます進んでいく中でパイがだんだんだんだんますます小さくなってくるという、こういうふうな結果を生んでいると思うんですが、大臣、この辺についてどういうふうに御認識しておられますか。

○国務大臣(坂口力君) 手短に申し上げますが、これは一に掛かりまして、年金の制度改革にも掛かってきているというふうに思っております。今年一年掛けて新しい年金制度を作り上げていきたいというふうに思います。  その中で、やはりお若い皆さん方が、なるほどこれならばおれたちも参加ができるというふうに思っていただく案を作る以外にないというふうに思っている次第でございます。それは、やはり給付と負担の考え方が現在の若い人にだけしわ寄せを行くような方法ではいけない、若い人のことも十分に配慮したことを考えていかなければならないというふうに思っております。

○谷博之君 是非そういう方向で検討していただきたいと思っております。  それでは、この辺の問題については、平成十二年、十三年のそれぞれ決算検査報告にも指摘をされておりまして、その結果、社会保険庁としては、そういうふうな問題、つまり空洞化問題について検討しようということ、特に厚生年金のいわゆる全喪届といいますか、そういうものを虚偽に出すというふうなことについてのペナルティーを含めてどうするかということを検討してまいりました。四月一日、実はあしたから、そういう虚偽の全喪届を出した場合には十万円以下の過料に処するというか、過料を適用する、こういうふうなことが省令改正されたというふうに聞いています。  この問題は、既に今までもそうですけれども、いわゆる同時に提出されたいわゆる被保険者資格喪失届というのがありますね。これを虚偽に出した場合に既に六か月の懲罰かあるいは二十万円以下の過料ということが適用されるということを言われておりまして、そういうふうな意味で、同時並行的にそれを羅列して対照して比較するわけにいきませんけれども、今度の四月からのいわゆる罰則というのはこの空洞化、そしてこうした言うならば虚偽のそういうふうな対応に対して余りにもちょっと罰則が軽過ぎるような気がするんですが、この点はどうお考えでございましょうかね。

○政府参考人(吉武民樹君) 全喪届を仮に例えば虚偽で届出されたりした場合には、そのこと自体は先生おっしゃいますとおりいわゆる行政罰の対象となるわけでございますが、同時に厚生年金の場合で申し上げますと、被保険者の資格の取得と喪失、それから保険給付に結び付きますので、標準報酬月額ですね、月給、それから四月からは総合報酬制に移行していますので、賞与額、これにつきましては、法律に直接の根拠がございまして、事業主が届出をしていただくという形になっています。  こちらの方は法律で構成要件を直接規定をいたしておりますので、相当厳しい罰則が適用されるという形でございますが、全喪届を虚偽に出された場合には、通常で申し上げますと、この被保険者の資格喪失届についても虚偽で出されているというケースでございますので、非常にその事案につきましては、全喪届の喪失という面だけではなくて、資格喪失届の虚偽の届出ということも総合的に判断されるという形になるだろうというふうに考えております。

○谷博之君 詳しい話まで再度お聞きしたいところなんですけれども、ちょっと時間がございませんので、これに関連してもう一点お伺いしたいんですけれども、実は、こうした厚生年金のある意味じゃ偽装脱退、事業を続けていても、いわゆるそういう社会保険料を負担を軽くするためにということで脱退をする。しかし、それは、従業員は要するにある意味じゃ雇われの身ですから、事業主にその身をゆだねるというか、任せるような格好になって、結局いろんなトラブルが起きてくる。こういうふうないわゆる相談案件が私たち、これは栃木県の連合栃木という労働センターにもたくさん相談が寄せられています。  そこで問題なのは、こういうことを実はその事業主と関係のある社会保険労務士が指導をしているというケースが結構あるんですね。つまり、その会社を存続をさせるために、こういう形は要するに偽装であっても取らざるを得ない、やむを得ないというふうなことを指導しているというふうな話も聞いておりまして、これでは私はその資格が泣くんじゃないかというふうな気がしているんですけれども、この辺はどのように御認識されておられますか。

○政府参考人(磯部文雄君) 社会保険労務士法におきましては、社会保険労務士が労働社会保険諸法令に違反する行為について指示等をすることが禁じられておりまして、違反につきましては、労務士会において勧告すること、あるいは行政による懲戒処分を行うこと、また罰則を科することがそれぞれできることとなっております。  お尋ねのような事例につきましては、そのようなことが起こらないように研修会等で注意を喚起するとともに、万が一そのような事実が生じましたときには、社会保険労務士法違反になることが考えられますので、地方社会保険事務局等に御連絡をいただければ個別に適切な対応をしていきたいと考えております。

○谷博之君 そういうことで対応させていただきたいと思いますが、特に社会保険労務士の業務というのは、さきの臨時国会でも法改正がありましたけれども、非常に労使の紛争にも介入することができるような状況になってきていますので、そういう点では更にそういう社会的責任も大きくなると思うんですね。是非、だから、そういう意味では、そういう分野での注意をひとつこれから図っていっていただきたいと思っております。  それから、もう一点。昨年の四月からいわゆる保険徴収の事務が、従来の市町村から社会保険事務所にこの取扱いが変更になりました。まだ今日は三月三十一日ですから、年度末の日ですから、この一年度、一年間やってみてどういうふうな空洞化に対する歯止めが掛かったか、このことの結果を聞きたいわけでありますが、まだ正式な数字は出ていないと思いますが、大体のその傾向がどういうふうになっているか、お伺いしたいと思います。

○政府参考人(磯部文雄君) 十四年度の国民年金保険料の納付につきましては、三月分の保険料の納付期限は実は四月末でございまして、それ以降、できるだけ速やかに取りまとめまして、分析を行って公表したいと考えております。

○谷博之君 後ほど市町村と社会保険事務所との関係で一点、質問をしたいと思っておりますけれども、そういう中で次に移りたいと思いますが、大規模年金保養基地である、いわゆるグリーンピアの問題です。  この問題については、もう既にやはり質問がされております。端的に申し上げますと、過去の平成十二年度の決算検査報告でも指摘されておりますし、従来の経過からしますと、土地の取得も含めて現在一千九百億円の実は資金運用部からの借入れによってこれが賄われている。そして、償還の利息分も含めますと約二千四百億という巨費ですね、これが実は年金特会とか国からの交付金によって行われてきているということでありまして、これは非常に今後のこの施設の処分も含めて大きな問題になってくると思っておりますが、そこで一つお聞きしたいんでありますけれども、現在までのこのグリーンピアに係る年金資金からの負担額、そしてこれからの施設を処分するに当たってどのぐらいの欠損額が見込まれているか、この点についてお伺いしたいと思います。

○政府参考人(吉武民樹君) 昭和四十九年度から平成十三年度まで、グリーンピアの施設整備が中心でございますが、固定資産税の負担等もございまして、若干の維持管理の費用につきまして年金財務から支出をいたしておりますが、その金額を申し上げますと、借入金の返済に二千六百十一億円でございます。これは施設の維持管理費等に二百十七億円の合計二千八百二十八億円の支出となってございます。  それから、先生お尋ねの建設費と施設譲渡価格との差額についてでございますが、これまでのところ譲渡いたしましたのは、高知にございますグリーンピアの土佐横浪の一部でございまして、ほかの施設につきましては、基本的には地元の都道府県、市町村とまず協議をさせていただきまして、地元でできるだけ活用していただくような形でということで進めておりまので、そういう状態でございまして、トータルの見通しを現在お答えできる状態になってございませんが、土佐横浪の件で申し上げますと、建設費が二十七億四千三百万円でございます。建物が減価をいたしておりますので、減価償却をいたしました後の帳簿価額が十九億三千六百万円でございますが、譲渡時点での時価評価で申し上げますと、将来の収益を基本にいたしまして時価評価をするという、そういう方式になっておりますので、時価評価額は九億六千三百万円でございます。  それで、この土佐横浪につきましては、学校法人の明徳義塾に、地元の都道府県、市町村の推薦もございまして、明徳義塾高校の国際学科の開設のために利用していただくという形で譲渡をいたしておりまして、国有財産の処分の例によりまして学校法人、地方自治体、それから社会福祉法人、医療法人の場合には半額で譲渡を行うということでございまして、譲渡価格は四億八千二百万円でございます。建設費と譲渡価格の差額は二十二億六千百万円となってございます。

○谷博之君 大臣、実は、今細かい説明ありましたけれども、四月一日から例の年金の物価スライドの問題が決定しましたですね。これは国民が大変そういう意味ではやっぱり痛みとして感じる、そういう動きになっていると思うんですね。これは先ほどの空洞化の問題もそうですし、それからこのグリーンピアの問題もそうでありますけれども、一方ではそういうふうな多額のこの欠損を出しながら、一方では、いわゆる年金の一番今まで積立てのその担い手であった人たちの給付額が減らされてくるということは、やっぱりこれは国民からすると正に矛盾を感ずる問題ではないかなというふうに思っておりまして、いわゆるこういう施設を造った責任はどうだったんだと、あるいは今日までどういうふうな対応してきたんだということについて、さかのぼって我々は責任を追及したいわけなんですけれども、ここら辺について、大臣、どういうふうにお考えになっておられますか。

○国務大臣(坂口力君) こうした施設のことをさかのぼって考えてみますと、それぞれの時代、昭和四十年代あるいは五十年代といったときには、かなりそれぞれのこの都道府県や市町村からそうした要望というのは非常に強かったというふうに思っております。そうしたことにおこたえをする意味で造られた。とりわけ、この年金の場合などは、大きい企業はそれぞれの建物等を持っておりますけれども、中小企業等の皆さん方に対してそれをどうするかというようなことから、中小企業の皆さん方が御活用をいただけるようなものを造ろうといったようなことがその時代時代にはあったというふうに私、記憶をいたしております。  しかし、それは右肩上がりのときの話でございまして、現在のような状況になってまいりますと、それはもう許されない。したがいまして、年金の資金は年金だけに使う、以外のものは一切使わないという大原則の下にやはり整理をしていかなければいけないというふうに思っております。  それを今後も持ち続けるということになりますと、更に多くのそこに財源を投入しなければならないという事態でありますこともこれは事実でございます。

○谷博之君 この問題については、議論を深めていくということが必要でありまして、次期の機会ある厚生労働委員会でもまた質問させていただきたいと思っています。  続きまして、法務省の所管の質問をさせていただきたいと思っておりますが、まず、決算審査の事項に触れる前に、やっぱりこれは今触れておかなきゃならぬ問題、名古屋刑務所のいわゆる受刑者の死亡事件の問題でございますが、経過と現状についてはすべてもう御認識だと思いますので、触れることは割愛をいたします。  問題は、今年の二月に関係者の十一名の処分が発表され、三月二十四日に矯正局長を始め多くの関係者、十二名の処分が発表された。しかも、振り返ると、昨年の十一月に最初の逮捕者が出て現在に至っているということでありますが、大臣にお伺いしますが、この処分の時期と処分の内容について、私どもはちょっと時期は遅くて内容がもう一つのような気がするんですが、その辺はどういうふうに御認識でしょうか。

○国務大臣(森山眞弓君) 栃木県の谷先生から御質問いただきまして、大いに緊張しているところでございます。  御心配いただきました一連の名古屋刑務所の関係者の処分につきましては、御存じのように、平成十四年五月事案と九月の事案につきましてこの二月二十八日に処分をいたしました。事件発生当時の同刑務所長以下の監督者のほか、名古屋矯正管区及び本省の幹部職員に対しまして停職を含む処分を行ったわけでございます。  次いで平成十三年十二月の事案について、今月二十四日、事件発生当時の同刑務所長以下の監督者のほか、名古屋矯正管区及び法務省の幹部職員に対しまして停職を含む処分を行うとともに、国会等に対して死亡帳について誤った説明を行っていた事案につきまして、法務省の関係職員に対して減給を含む処分を行ったわけでございます。  これらの処分は、関係職員の地位、職務上の義務違反や職務懈怠の内容などを総合的に勘案した結果でございまして、適正な処分であったと考えております。  お尋ねの中に、処分までに相当の時間を要したのではないかという御指摘がございましたが、法務省といたしましては、名古屋刑務所における一連の事件が明らかになった後、処分すべき者はなるべく早期に、かつ厳正に処分するという立場から、捜査及び調査の結果等を踏まえまして、まずは事実確定をきちんと行うということに力を注いできたところでございまして、一連の事件の関係者が多数に上りました上に、新たに平成十三年十二月事案につきまして刑事事件の捜査が並行して行われるということになったようなことから、相当の時間が掛かったということでございます。

○谷博之君 これは、私どもの党の法務NC、ネクスト大臣千葉景子さんから、党の一つの談話を発表しております。  三月二十五日に発表したんですが、その中で、ちょっと簡単に触れますと、さらに、刑務所内での不審死事案が二百件以上とも報道されている中で、矯正局長の更迭、事務次官の懲戒処分といった事態に陥り、法務大臣も責任を免れるものではないと、こういうふうに我々は公式発表しているわけなんですが、大臣は、聞くところによると、六か月の給料というんですか、それを献納するというようなことで発表されておりますが、その程度のあれですか、自分では、処分で、処分といいますか、責任でいいというふうにお考えなんでしょうかね。

○国務大臣(森山眞弓君) 私自身も、法務行政の最高責任者といたしまして責任を痛感いたしております。  先ごろ、今申し上げたような処分を行いましたときに、私の閣僚給与三か月分の自主返納、更に加えて、十二月の事案について更に三か月分の自主返納ということをいたしまして、私自身の気持ちを表したつもりでございますが、これですべてではもちろんないと思っております。  ただ、本当に大臣として責任を取るという意味では、そのようなことだけではなくて、むしろこの機会に、新たな矯正の在り方、新たな行刑の方向についてこの機会に大きく方向転換をしながら、また国民の皆様の御意見をよく承って、そして大胆な方針を打ち出していかなければいけないということを強く考えております。  その一環といたしまして、これまでに直ちに実行できることはすぐにやろうと考えまして、例えば情願を全部自分で読むようにいたしましたり、そのほか、情願の結果の処置につきまして、矯正局ではない、必要であれば人権擁護局にも調査を依頼してその処置をするというようなこともやりまして、いろいろな方法を早速し始めておりますが、省内に行刑運営に関する調査検討委員会というのを設けまして、そこで関係者にもいろいろと考えてもらいました。例えば革手錠はなかなか廃止するのは難しいというような意見であったんでございますが、私の希望を聞いてもらいまして、何とかこれを廃止する方向に持っていってもらいたいと言いまして、代わりになるものを六か月以内に考えて、その結果、革手錠を廃止してもらいたいということに決まりましたし、そのほか様々なことは決めましてこれから実行に移していくところでございます。  さらに、今日は、民間の皆様のお知恵を拝借する行刑改革会議とでも申しますものを今日の夕方決めまして発表したいと考えておりますし、その皆様のお知恵を拝借しながら、新たな気持ちで新しい行刑の在り方というものを道を付けていくということが私自身の責任であるというふうに考えております。

○谷博之君 大臣、その最後のところ、後で聞くことになっていたことなんですが、先にお答えいただきまして誠に恐縮しておりますけれども。  法務省は、この事件を契機にして、過去三年さかのぼって再調査をするというようなことも発表しておりますし、私どもの認識でも、過去十年間にさかのぼってみると四百八十四人の変死と思われる事案もあるというようなことも聞いておりまして、これは、今おっしゃった民間の有識者による行刑改革会議、あるいは既に設置されておりますけれども行刑運営に関する調査検討委員会、こういうところでひとつ十分その調査をしたり今後の対応についても検討していっていただきたいと、このように考えております。  そして、決算に関係することとして二つほど簡単にお聞きしておきますが、先ほど佐々木委員からもお話ありましたけれども、刑務所の過剰収容の問題ですね。これは数字を後でちょっと教えていただこうと思ったんですが、時間ございませんから端的に申し上げますと、昨年七月末でこの収容率が一一四・五%に上っているというふうに私どもにデータが、数字が来ているんですが、この数字が正確であるかどうかはちょっと置いておくにしても、いずれにしても、先ほどの日経新聞の報道もありましたけれども、少なくとも収容率が大変高くなっているということは、もうこれは御承知のとおりですね。  この中で、平均大体八〇%か九〇%ぐらいがその収容のいわゆる基準の限界かなというふうに思っているんですが、それを超えているがゆえに、いわゆるその収容者同士のトラブルとか、あるいは刑務官とその収容者との緊張感というのはやっぱりどうしても出てくるんですね。これを解消するためには結局新たな刑務所を造るか何らかの方法をこれは講じなきゃいけないと思っているんですね。私たちは、何か報道を聞いていますと、全国でも四十を超える市町村がその刑務所を誘致したいというふうな声も上がっております。そういうことから、今後この中長期的なこの増加する傾向をどのようにとらえておられて、その対策を新しい刑務所の新設も含めてどのように考えておられるか、御答弁いただきたいと思います。

○国務大臣(森山眞弓君) おっしゃるとおり大変残念なことでございますが、刑務所に入らなければならない受刑者の数というのがどんどん増える一方でございまして、この数年前からとても今の能力では応じ切れないような数になりつつありまして、非常に私たちも悩んでおります。  建物が足りないだけではなくて、受刑者の負担、刑務官の負担が非常に大きくなりまして、ろくにお休みも取れないというような状況でありますので、そのストレス、また受刑者自身も混雑したところへ入らなければならないということでいろいろな問題が起こってきているということでございますので、いろんな対策は考えられますけれども、基本の一番大事なこととして、この施設や人員の増強ということが大変に重要だということは私も痛感いたしておりますので、平成十五年の予算におきましては、財務省その他の御協力をいただきまして、幾らか今までよりは多めに見ていただいた次第でございますが、それでもまだ十分ではございませんし、これからもまだ増えていく傾向が続いていくとしますと、しばらくの間その努力を続けていかなければならないだろうと考えておりまして、その方面で、その方向で努力していこうというふうに考えております。

○谷博之君 重ねてお伺いしますが、法務省では今年度中に、平成十五年ですか、平成十五年度中に刑務所を一、二か所新設するというふうな考え方があるというふうに聞いておるんですが、その辺は事実はどうなんでしょうか。

○国務大臣(森山眞弓君) 新設と申しますか、新設いたしますには土地を何とかしなければいけないということで、先ほど御指摘のように、何か所かの市町村から是非うちへというお話もないことはないんでございますが、差し当たって今すぐというわけにはなかなかいきませんものですから、今回、十五年度の予算につきましては、少し余地のたくさんあります、例えば福島に刑務所が既にあるんですが、その周辺に非常にたくさんの余地がございますので、そこに増築をするということを今考えております。  そのほか、そのようなやり方で今後もまず考えてまいりまして、いずれは新しくそのような新しい刑務所を作っていくということができれば有り難いなというふうに考えています。

○谷博之君 それでは、続きまして、いわゆる矯正収容費の問題ですね。これは先ほども触れられましたけれども、この予算も非常に増えてきていると、こういうことであります。  結論から申し上げますと、刑務作業でこれにかかわる受刑者に対して作業賞与金というのを払いますね、平成十三年度はこのいわゆる決算でもう不足しちゃったわけですよ。平成十三年度の決算では八千七百八十一万円、この不足、なったわけですね。結局どうしたかというと、いわゆる作業死傷手当というのがあります、そこから約八百万円流用しているんですよ。つまり、他の、他会計からその不足分を流用するという形が起きておりますね。  つまり、それだけ収容者が増えているし、この予算が足らないような状況になっているということでありますから、私は、本来はこういうものはしっかり増加する傾向をつかんで的確にその予算というのは計上すべきだと思うんですが、こういう事例が非常に特に作業死傷手当等々に見受けられるような気がするんですが、この点はどうなんでしょうか。

○政府参考人(中井憲治君) いろいろなお尋ねでございますけれども、まず、矯正収容費関係で申しますと、矯正施設の被収容者は平成六年度以降増加しております。その後、傾向や犯罪の発生件数等を勘案して確実に見込まれるであろう収容人員を推計いたしまして予算を増額してきているところでございますけれども、その被収容者の増加実績というのは、ここ数年度、近年にない増加を記録しているところでございます。  この矯正施設の被収容者の増減と申しますのは、社会情勢の変化でありますとか犯罪発生動向の変動などのいわゆる他動的な要因に左右されます。これらを的確に予測することは、正直申し上げて困難であると言わざるを得ないわけでございますけれども、矯正収容費はこのような経費の性質から、予備費の使用について柔軟な取扱いをする経費、いわゆる補充費途経費と申しておりますけれども、これに指定されているところでございまして、被収容者の増加を踏まえた必要な予算措置を図っていきたいと、かように考えているところであります。  その他もろもろ、こういった事柄につきましては、今後ともその状況の変化に応じて適切に対応していきたいと、かように考えております。

○谷博之君 もう一つお伺いしますが、先ほど佐々木委員からも触れられましたけれども、刑務所作業費の問題ですね。  実は、刑務作業製品はその全体の六割が家具を中心とする木工製品と言われていまして、これは民間の企業からの受注、これが主力だと言われています。そして、この受注量が減ると同時に受注単価も減ってきたということで、おっしゃったように、平成十三年度は九十一億円、四年前の平成九年と比べると二五%もこの金額が減ってきているわけです。  そういうふうな一つのルートと、もう一つはやはり矯正協会を通じて展示即売会をする、そういうところで全体の収益の七%ぐらいを上げているというふうに言われています。森山大臣も御存じだと思うんですが、栃木県で都賀町というところで篤志家の方が今年の一月から「のぞみの店」というのを作りまして、民間の人たちが刑務所の刑務作業製品を常設で販売するというそういうお店を作ってくれたという、これは大変有り難いことだと思うんですね。そういうふうなものが実はありつつも、全体としては受注量も減るし、したがってその製品もなかなかルートを通じて売れないという、こういう現状があるわけですね。  そういう中で、この刑務作業費を見てみますと、平成十三年度の決算、この刑務作業費というのは、御案内のとおり、光熱費とか機械購入費とかというそういうふうな予算ですけれども、これが平成十三年度は四十億、端数は切ります、平成十四年度が三十六億に減っているんですね。少なくともいわゆる全体が縮小傾向の中でこの作業費、刑務所作業費もぐっと減っているということ、平成十五年は三十八億にちょっと戻しておりますけれども、こういうことで予算が減ることによってこの刑務作業というものが支障を来すことがないのかどうか、この点についてお伺いして、私の質問を終わりといたしたいと思います。

○政府参考人(中井憲治君) 御指摘のとおり、刑務作業費は、十三年度決算額が約四十億一千八百万円でありましたものが、十四年度の予算額は約三十六億七千百万円、平成十五年度は約三十八億八千六百万円となっているところでございます。  このように平成十四年度に予算額が減少した理由につきましては、作業用プラントや農耕畜産作業などを見直しまして歳出削減をしたことによるものでございますけれども、他方、工場の新設や職業訓練などの充実すべき経費については所要の増額が図られたことから、実質的には刑務作業運営上の影響は生じなかったものと我々は認識しているところでございます。  また、平成十五年度予算額につきましては、現下の刑務作業の置かれている厳しい諸状況、委員御案内のとおりでございまして、これを勘案いたしまして、平成十四年度に比べて約二億一千五百万円ほどの増額となっておりまして、刑務作業の運営につきましては、今後、不測の状況が招来しない限り支障はないのではないかと、かように受け止めている次第でございます。

○谷博之君 終わります。



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