国会活動報告 参議院決算委員会

2002年9月26日 北朝鮮の通常兵力削減と沖縄の自衛隊基地について
 

154閉-参-決算委員会-7号 2002年09月26日(未定稿)

○谷博之君 民主党・新緑風会の谷博之でございます。早速、質問に入らさしていただきます。  午前中から午後に掛けまして北朝鮮の国交正常化の問題が質問をされておられますが、私も前半、この問題について何点かお伺いをいたしたいと思っております。  まずその第一は、特に北朝鮮との国交正常化における北朝鮮の通常兵力の削減の問題、軍縮の要求の問題なんですけれども、実はその前に日朝平壌宣言、これにはいろいろ、ここに私も手元にその宣言の内容を持っておりますが、二番のところに、「国交正常化の後、双方が適切と考える期間にわたり、無償資金協力、低金利の長期借款供与及び国際機関を通じた人道主義的支援等の経済協力を実施」すると、こういうふうな項目も出ておりまして、非常にこれは人道的な支援というものが必要だということは私どもも全く同感であります。  しかし、午前中の質問でも出ておりましたけれども、我々が支援をしたものが、具体的にお米ならお米が果たして国民に届いたのか、むしろ軍隊に流れて、そこで使われてしまっているんではないか、こんなような懸念もあることも事実であります。そういうことになりますと、これは東アジアの安定どころか、むしろ軍を更に、お米だけで強化するということはないかもしれませんが、支援そのものがそういうふうに使われていく可能性も、強化されるという方向に使われる可能性もあるわけですね。  そういう中で、実はアメリカのブッシュ大統領が米朝間の議題として既に通常兵力の問題を交渉の中で取り上げているというように我々は聞いております。今回の日朝平壌共同宣言に残念ながら通常兵力という言葉、文字も、その削減も一言も触れられておりません。  そこで、まず最初にお伺いしたいんですが、現在の北朝鮮の通常兵力、これはどの程度あるのか。それから、後ほどお伺いするノドンですね、ノドン核ミサイル、これがどのぐらい配備されているか。そして、今後の国交正常化交渉の中で日本政府は北朝鮮にこの通常兵力の削減を持ち掛ける考えがあるかどうか、お伺いいたしたいと思います。

○国務大臣(中谷元君) 現在、北朝鮮の兵力につきましては、総兵力が約百十万人であります。陸上兵力は約百万人で、戦車が三千五百両、艦艇が七百十隻、十・七万トン。それから、空軍におきましては、作戦機が五百九十機、次世代、三、四世代の戦闘機が、ミグ23が四十六、ミグ29が十六、スホーイ25が三十五機ございます。また、特殊作戦部隊もございまして、約十万人程度あるというふうに分析をいたしております。

○国務大臣(川口順子君) それから、引き続きまして国交正常化の過程で通常兵力の削減問題等について取り上げるかという部分についてお答えをさせていただきたいと思いますけれども、アメリカのブッシュ大統領が北朝鮮の、あるいは北と南の対峙の現場近くの通常兵力について懸念を持っているということはそのとおりでございまして、この点については、総理も会談の中で朝鮮半島の緊張緩和の問題として取り上げたところでございます。  日朝の平壌宣言では、この点については、北東アジア地域の平和と安定を維持、強化するために互いに協力をしていくということを確認をしているわけでございまして、今後の正常化交渉をやっていく中で安全保障問題についても当然に取り上げていくわけでございます。  今回の国交正常化交渉をどのように進めていくかということの関連で、日朝で安全保障協議というものをやりますということについては一致を見ているわけでございます。北朝鮮の通常兵力の問題を含めまして、朝鮮半島の緊張緩和についてはこの中で議論をしていくことになると思います。  安全保障あるいはミサイル等の問題については、従来からもやっておりますけれども、日本、韓国、米国、この三国の連携をきちんとやりながら進めていくということが大事でございまして、今後とも密に連携を取っていく考えでおります。

○谷博之君 それで、川口大臣にもう一回確認を今の御答弁についてさせていただきますけれども、この日朝平壌宣言の一番最後のところにこういうふうに書いてあります。「双方は、核問題及びミサイル問題を含む安全保障上の諸問題に関し、関係諸国間の対話を促進し、問題解決を図ることの必要性を確認した。」と、こういうことですね。この中に通常兵力のその問題も入っているというふうに解釈していいんでしょうか。

○国務大臣(川口順子君) そういうふうに御解釈いただいて結構です。

○谷博之君 それで、先ほど防衛庁長官の方にお伺いしてちょっと御答弁いただけなかったんですが、いわゆる核・ミサイル問題のノドンのことですね。これはいろんな情報が出ておりますけれども、杏林大学の助教授の倉田先生という先生が書いてありますが、これは朝日新聞の九月十九日に出ておりますけれども、現在既に、日本に向けられたノドンが百基以上既に配備されていると。これは日本全体どこにももう射程距離が入っているという、こういうことだそうでございますが、これについての確認はどうでしょうか。

○国務大臣(中谷元君) ノドンの射程につきましては、先生がおっしゃるように、数字と同じでございます。基数につきましては、現時点において正確に把握をいたしておりません。

○谷博之君 実は、我が国にとって一番の脅威は実はここだと思うんです。これは私があえて言う必要もないと思うんです。  それで、この問題について、今回の金正日総書記と小泉総理大臣とのこの会談の中で、これは、私はその場にいなかったので、一応風聞の話ですけれども、金正日総書記の発言として、日朝国交回復すればノドンミサイルは問題でなくなるというふうに語ったと言われているんですが、つまり、逆に言えば、このノドンを私は金正日総書記が切り札にしているというふうに見てもこれは差し支えないんじゃないかというふうに思っておりますが、この辺についての御認識はどう思いますか。

○国務大臣(川口順子君) ミサイル問題につきましては、先ごろの日朝の首脳会談の際に、今委員がおっしゃられましたように、金正日総書記からは、ミサイル問題については、総理の問題意識は十分に理解をしている、日朝関係が順調に改善すればミサイルの問題はなくなる。発射モラトリアムについては、平壌宣言の精神に従って二〇〇三年以降も継続をしていくこととしたいということでございます。  この安全保障の問題、ミサイルの問題については、この金正日総書記の発言を引き出す前に、総理からきちんと国際社会の懸念を踏まえて発言をしていただいているところでございます。こういった問題については、今後、日朝の安全保障協議の場で、それから、それをやるに当たっては日本と韓国と米国と連携を取りながらこの問題に対応をしていくという考えでおります。

○谷博之君 それでは、ちょっと視点を変えまして、先ほどからずっと出ておりますが、拉致問題についてでありますけれども、いろいろ御質問、御答弁等ございましたから重複を避けたいと思いますけれども、その前に、こういうことを私は聞いているんですが。  今回、九月の十七日に小泉総理が訪朝されました。それに向けて、家族の方々が大変心配されて、その前から東京に上京されて、議員連盟の皆さん方と一緒に政府あるいは官邸に要望したりいろいろなことをやったというふうなことを聞いておりますが、実は、こういう家族の方々、遠いところから来た方もおられると思うんですが、これは全部自費で来ているんですね。交通費は自分たちが出して、そしてなおかつ要望をして、そしていろいろと御心配をされ、今回のようなケースになっているわけですが、私は、これ一つの要望ですが、ちょっと余りにもこれはやり方が冷たいんじゃないかという気がするんですね。こういう大変国家的なある意味では犠牲になったと言わざるを得ない人たちに対して、そういうことについて心配するのは自分たちのあれでやりなさいよというふうなことの対応では、国はどこまでそういう方々の立場を理解しているんだろうというふうなことを正直痛感させられました。  それはそれとして、今回の拉致事件は絶対人道上許せない国家的犯罪であるということで、私も被害者とその御家族に心から御心中お察し申し上げたいと思っております。  そこで、これは一つの例ですが、また米国の例を出して恐縮ですが、アメリカでは、過去のベトナム戦争、そしてその前の朝鮮戦争、それぞれその戦争の後、米兵が捕虜になったり行方不明になったり、非常にそういうふうなケースがありました。そこで、アメリカとしてはこういう行方不明の米兵調査ということでPOWという組織を作られて、国交交渉と並行して別ルートでそうした人たちを捜査するという、調査するという、こういうことをやっているというふうに聞いておりますが、これが事実とすれば、日本は今回の、四日間ですか、二十八日から四日間、政府調査団を派遣するということでありますけれども、こういう、アメリカのやっているのは正に常設の機関とか地域を決めて取り組んでいるという、こういうやり方があるやに聞いておりますけれども、その事実と、とすれば、日本もそういう方法もあるのではないかというふうに思うんですが、いかがでしょうか。

○国務大臣(川口順子君) 今、委員がおっしゃられました、アメリカがベトナム戦争中に行方不明になった米兵の調査についてそういった調査機関を設置して行ったということにつきましては、一九九二年にハノイに設置をして四軍及び海軍の文官が参加をした等々ということで情報は持っておりますけれども、ベトナムと北朝鮮の国内の事情、国交正常化後も全く同じであるかどうかというような点もあるかと思いますし、また、アメリカも現時点では北朝鮮との間で朝鮮戦争当時の米兵の問題がまだ解明できていないところがあるというふうに聞いております。  いずれにいたしましても、こういった様々な問題については今後、国交正常化の過程の中で議論をしていきたいと思いますし、国交正常化をするということ自体は北朝鮮にとっても非常に大事なことでありますので、それを十分にてことして使いながら交渉していきたいと考えます。

○谷博之君 それでは、ちょっと質問が前後しまして恐縮なんですが、いわゆる日本と北朝鮮、そしてこの東アジアのこれからの平和の枠組みの作り方といいますか、そういう点について次にお伺いをしたいと思っておりますが。  現在、北朝鮮、人口が約二千万人いると言われておりまして、そのうち、特に軍人とかその他のエリート、党のエリートですね、あるいはピョンヤンに住んでいる市民、そういう人たち約八十万人がある程度食が満たされていて、それ以外の地方のいわゆる北朝鮮の国民は大変飢えに苦しんでいるというふうに言われています。韓国の調査でも、年間六百三十万トンの米が必要なところに、実際、常時二百万トン程度米が不足する、これを要するに国際的な支援によって支えていかなきゃいけないというのが今の北朝鮮の実情だというふうに言われているわけですね。  そういう中で、私は、この人道的な支援というのは、一方では拉致問題とかいろんなそういう問題がありますが、正にそういったものの解明と同時並行的に、しかしこういう何千万の国民のやっぱり飢えというものを救っていかなきゃいけないと思うんですね。こういう意味の私は人道的支援というものは、ある意味では必要ではないか、積極的な役割を日本も果たしていくべきだというふうに思っています。  そして、それと同時に、実は一九九二年、朝鮮半島の非核化に関する共同宣言というのが、北朝鮮と韓国との間でこの年の二月十九日にこの宣言が発効しております。十年前に韓国と北朝鮮はこの共同宣言で非核宣言を実はうたっているんです。日本も御案内のとおり非核三原則を今貫いております。  そして、こういう立場からすると、いわゆる南北統一と平和共存に日本がそういう視点からも積極的にかかわっていくということ、つまり先ほどノドンの話しましたけれども、日本の非核三原則と、今言ったように南北朝鮮のそういう非核化宣言という、こういう正に三つのトライアングルの中に、私はこの東アジアの非核化ということをこの三国が、さらにこれにアメリカをもちろん加えてもいいと思いますけれども、そういうところで非核化に向けての動きを、日本もその一翼を担って果たしていく必要があるんじゃないかというふうに思っておりますが、これらについてのお考えを聞かせていただきたいと思います。

○国務大臣(川口順子君) 委員がおっしゃられました朝鮮半島の非核化に関する共同宣言につきましては、これは仮署名をして翌年、一九九二年の二月に発効したということでございます。ただ、この共同宣言にもかかわらず、九三年から九四年に掛けて北朝鮮による核兵器開発疑惑が高まったということで、実質的にこの共同宣言は機能していないという今状況にあるわけでございます。  朝鮮半島につきましては、今般の首脳会談を契機に今後緊張関係が緩和していくということを強く期待をしております。そうした中で、この非核化に関する共同宣言が完全に履行されるということを期待しているわけでございますし、我が国としても非核三原則、これを堅持していくという立場に変わりは全くないわけでございます。  非核地帯構想のようなものということにつきましては、その実現のための現実的環境はまだ整っていないということではないかと思います。例えば、この地域には依然として不透明な要素あるいは緊張関係があるわけでございますし、そしてまたこの地域には大規模な軍事力も存在をしているわけでございます。このような中で、我が国としては、アメリカの核を含む抑止力の下で引き続き我が国の安全を確保していくということではないかと考えております。

○谷博之君 いろいろ私もお伺いしてまいりましたけれども、いろんなこの問題についての報道記事が出ておりますが、これは立教大学の法学部の教授の李鐘元さんという先生が書かれている記事がありますが、この中にも触れられておりますように、これからは日本と北朝鮮との双務、一対一のそういうふうな交渉というものも、もちろんこれからいろんな意味で難しい局面はありますけれども、進展させなきゃいけない。  と同時に、それは、先ほど申し上げましたように、機能していないという話もありましたけれども、しかしそれは少なくとも十年前にそういうふうな共同宣言も発しているわけですね。あるいは、KEDOなんかの支援も具体的にやっているわけですよ。そういうふうなアメリカや韓国や日本、そして北朝鮮を結んだこの部分がいかに北朝鮮のそういう転換、政策転換というものを図っていくことができるかということを私は視野に入れて、グローバルな視点からそういう対応をしていくということも大変重要だというふうに思っています。  それから、もう一点。  たまたま、日本国際ボランティアセンターというのがありますけれども、JVCというふうに略されておりますけれども、ここが九月二十日に声明を発表しています。いわゆるNGOです。既に日本のNGOの中にも北朝鮮と民間レベル段階でレールを引いている組織や人たちがいるというふうに私は聞いておりまして、これからはやはり、政府間のそういうレベルの交渉と同時に、そういう正にNGOの人たちを、一生懸命そういう方々にも活躍していただいて、さっき言った行方不明者の調査とか、いろんなそういう人道的な支援等について、やっぱりその場で活躍をしていただくということも私は非常に大事なことじゃないかというふうに思っておりまして、これは御答弁は要りませんので、是非ひとつ御検討いただきたいというふうに思っております。  それから、時間が限られておりますから、次に、質問に移ります。  防衛庁の所管の問題についてお伺いをいたしたいと思いますが、午前中の質問の中に沖縄のアメリカ軍基地の話がございました。沖縄が本土復帰から今年で三十年、そして沖縄にはもちろん日本全土の七五%の基地がそこにあるということですが、実は一九七一年、沖縄が日本に復帰してから三十年たちますけれども、ちょうどその復帰のときに日本の自衛隊が沖縄に配備をされました。そして、現在、陸海空合わせて約六千人、自衛隊の隊員の皆さんがここに勤務をしておられるということであります。  そもそも沖縄に自衛隊が配備をされた根拠というのは、「日本国による沖縄局地防衛責務の引受けに関する取極」、一九七一年六月二十九日に、当時の日本国防衛庁防衛局長久保卓也氏と在日アメリカ合衆国大使館首席軍事代表・海軍中将ウォルター・カーチス・ジュニア、この中将との間で取り交わされた。これが実は沖縄に自衛隊が配備をされた根拠になっているというふうに考えております。  この取決めは、いわゆる日本国による局地防衛責務の引受けを定めるものでありまして、米軍統治下の沖縄で米軍の任務だった沖縄防衛を防衛庁が引き受けるに当たっての種々の取決めであるというふうに考えております。細かく配備される部隊の数とか、いろいろ書いてありますけれども、これは省略いたします。  そこで、この問題は随分過去にももう何十回と国会でも質問されていることなんですが、再度確認をさせていただきたいんですが、この取決めは日米間でどのような意味を持つのかということです。少なくとも、具体的に聞きますが、条約ではないはずです。防衛庁と米軍の担当者による単なる約束事と考えていいのかどうか。そのような点について過去にも国会答弁が今申し上げましたようにありますけれども、この点について確認をしておきたいと思います。

○国務大臣(中谷元君) 自衛隊は我が国を防衛するということが主たる任務でありまして、沖縄返還の協定によって沖縄の施政権が我が国に返還された以上、米軍から自衛隊に沖縄局地防衛の任務を引き受けることになるのは当然のことであります。「日本国による沖縄局地防衛責務の引受けに関する取極」につきまして、この任務の引受けがスムーズに行われるように、我が国が引き受ける局地防衛責務の内容、引受けの時期、自衛隊部隊の展開等の段取りについて事務的に確認をしたものであります。  したがいまして、沖縄の本土復帰の過程において、この取決めに示された計画どおりに自衛隊部隊が沖縄に展開をし、同地の防衛任務が自衛隊に引き継がれた時点でこの取決めはその役割を終えておりまして、現時点においては特段の意味を有しておりません。

○谷博之君 それでは、重ねてお伺いをいたしたいんでありますけれども、これはいわゆる久保・カーチス取決め、久保・カーチス協定というふうに略称して言われておりましたけれども、これが発効してから三十年がたって、その当時、ここにもありますけれども、ナイキ群一とかホーク群一とかいうことで、三個中隊、四個中隊ということで、具体的にこういう配備内容についてもこの内容には触れられているわけですが、随分その当時から比べると軍事技術も進歩してまいりました。もうこれは言うまでもないことですが、例えばここにあるところのナイキ、地対空ミサイルのナイキは、現在はより高性能のペトリオットに替わっております。  元々ナイキというのは、我々も素人ですから細かくは分かりませんが、いわゆる高い空の方を飛んでいる、そういうところに対応する、その航空機に対応する。そして、ホークというのは、このナイキでカバーできない低い空の部分の航空機を対象にすると、こんなようなことのようでありますが、このペトリオットによってかなりその空域というのは対応できるということになってまいりまして、こういうふうなことを見直していきますと、当然自衛隊というのも日進月歩、基地の整備や縮小なり統合なり拡大なりというものを図っていかなきゃならないというふうに思っております。  ここにありますけれども、この取決めのホークの部隊の四個中隊、これは東風平町の与座分屯地、知念村の知念高射教育訓練場、勝連町の勝連高射教育訓練場、そして沖縄市と恩納村にまたがる白川高射教育訓練場、この四つがあるわけですけれども、こういう四個中隊というのは、今となっては過剰な配備ではないかというふうに我々は考えるわけですけれども、こういう装備や部隊の変更を例えば将来考えていくとすれば、この久保・カーチス取決めというものは、先ほどの説明だとするともう意味はなくなったということですから、直接そのことについて触れることはないと、こういうことでございましょうか。

○国務大臣(中谷元君) 先生がおっしゃるとおり、この締結、沖縄の局地防衛責務の文書につきましては、沖縄の本土復帰の過程におきまして、これの計画どおりに自衛隊の部隊が展開をして引き継がれた時点でこの取決めはその役割を終えております。部隊の配置とか規模につきましては、防衛計画の大綱、また中期防を計画をいたしておりまして、国際情勢や我が国の安全保障の状況に応じまして計画に従って整備再編を行っているわけでございます。  したがいまして、復帰後の沖縄への部隊配置につきましては、我が国本土の場合と同様に、同地域の防衛、それから大規模災害等、各種事態への対応等の責務の遂行に必要な部隊を我が国の自主的な判断に基づいて決定することができるというのは当然のことでありまして、沖縄の自衛隊部隊、また施設の配置規模がこの取決めによって拘束されるということはございません。

○谷博之君 分かりました。  それで、関連をしてもう一点だけお伺いしておきたいんですが、沖縄における先ほどちょっと触れました高射教育訓練場という部隊名の名称問題についてお伺いしたいと思います。  ここに、那覇防衛施設局管内防衛施設図というのが沖縄の地図の中にありまして、ここにそれぞれの自衛隊の部隊名が記されております。このいわゆる自衛隊の部隊名を決めるということについては、いろいろ私も調べてみましたが、昭和四十年の六月、「自衛隊使用施設の件数・数量の調査について」という通達が防衛施設庁の施設部長から各防衛施設局長に発せられた、これが根拠になっているというふうに言われております。  沖縄の場合は、先ほど申し上げましたように、一九七一年、本土復帰の時点で、この通達に基づいて決めたというふうに聞いておりまして、その決め方は、使用状況を勘案をし、特に、その区分表記のマニュアルに従ってそれを決定したということでありますけれども。  実は、考えてみますと、先ほど申し上げました高射教育訓練場、これは名前のとおり言うとすれば訓練場、訓練をする場と普通に我々は考えがちですが、しかし、ここには正に本土でいうところの駐屯地や分屯地と同じような形態になっているところがあるわけでありまして、具体的に言うと、さっき申し上げました三つの高射教育訓練場、これは当然、形態からしても分屯地という名前を付けるべきではないかというふうに思っておりますが、この辺の名称の付け方、それからこういう高射教育訓練場と付けたその経過なり判断、これを教えていただきたいと思います。

○政府参考人(大古和雄君) 御指摘の防衛施設につきましては、自衛隊法施行令に基づきまして分屯地と称されておりまして、これは小規模な部隊が所在するという観点からこのような名称が付されたものと承知しております。  他方、防衛施設庁におきましては、国有財産を管理している立場から、基本的には用途別で分類し、名称を付しているところでございます。この施設につきましては、訓練場として使用されるということを踏まえまして高射教育訓練場というふうに称しているものでございます。  御指摘の那覇防衛施設局が作成した資料につきましては、外部等への説明資料として使っておりますけれども、この名称を使用しているということでございます。  なお、この点につきましては、本土に所在する陸上自衛隊の高射特科部隊についても同じように整理しているところでございます。

○谷博之君 そうしますと、ちょっと確認をしたいんですが、いわゆる高射教育訓練場と、いわゆる分屯地ですか、これはどちらの名前を使ってもいいということなんでしょうか。

○政府参考人(大古和雄君) 先ほど言いましたように、陸上自衛隊の方では分屯地として使用しておりますけれども、施設庁の方では国有財産を管理するから用途に着目してそういう名称にさしていただいております。それで外部の説明資料にも使っていると、こういうことでございます。

○谷博之君 沖縄には、御案内のとおり、米軍基地がもちろんたくさんある。陸上自衛隊の基地もあるという、正に基地の島ですね。駐屯地、分屯地という名前を付けるといかにもそこに部隊があって軍の施設があるというふうなイメージ、教育訓練場というと何となく教育する場なんだろうなと、こういうふうなことで、その言葉の意味合いが、これ正に素人考えですよ、そういうふうなことに受け止められないかなというふうな気がしておりまして、そういう意味でこういう教育訓練場という名称を付けたということではないんですか。

○政府参考人(大古和雄君) 先ほど言いましたように、施設庁としては財産を管理する立場から用途に着目してそういう名称を付しておりますので、そのほかの他意はございません。

○谷博之君 そうしますと、ここにあります先ほど申し上げましたこの施設図の地図ですけれども、これは高射教育訓練場と書いてありますが、これは名称を別に変えても構わないということなんでしょうか。ここに書いてありますけれども。

○政府参考人(大古和雄君) 陸上自衛隊では分屯地でございますけれども、施設庁としては教育訓練が行われる場ということに着目してそういう名称を付しておりますので、ということでございます。

○谷博之君 実は、これは私ども調べた話というか問題なんですけれども、現実に沖縄県や沖縄のいわゆる市町村ではすべてこの施設図によって行政上全部この名前が使われて扱われておりまして、正にそういう意味では、言葉の与えるイメージなのかもしれません、名称ということでは一つの、その名称によって普通我々はイメージを浮かべますから。そうすると、それが何か全体として独り歩きしているような感じもしないでもないわけなんです。これは私のある程度邪推というふうにとらえられても仕方ないかもしれませんが。少なくとも沖縄県民の中には、米軍の基地の撤去というか縮小というふうな気持ちほど自衛隊の縮小とかそういうことについての考え方は県民の皆さんは持っておられない。これは内閣府の調査でもそういうものが出ておりますから。  そういう点では、我々は、自衛隊の果たす役割、県民が米軍の基地よりもそれを受け入れているということからすれば、非常に自衛隊の果たしている役割も大きいんだろうと思いますけれども、こういうこの名称の付け方についても私はその実態に合った名称の付け方というのを考えるべきであって、そういう意味ではこの高射教育訓練場というのはちょっと名前の付け方としてはいかがなものかなというふうに感じておりまして、これは幾ら言っても多分水掛け論というか議論がかみ合わないと思いますので、要望として取り上げさしていただきたいと思っております。  それから次に、航空自衛隊の新初等練習機の調達と会計検査院の検査報告についてお伺いしたいと思っています。  もうこの問題は衆議院でも取り上げられておりまして、簡潔に二点だけお伺いしたいと思います。  平成十二年度の決算報告の「特定検査対象に関する検査状況」の中で航空自衛隊の新初等練習機の調達が取り上げられております。この内容は、簡単に申し上げますと、大きく三つの柱から成っておりまして、一つは入札時の書類の取扱い、それから二つ目には提案内容拘束の具体化、そして三つ目が入札時の提案内容履行の確保、この三つについて検討を求めておるわけでありますけれども、防衛庁としてその後どのような対応を取ったのか、お伺いいたしたいと思います。

○国務大臣(中谷元君) この新初等練習機の調達につきましては、平成十二年度の会計検査院の報告では御院の所見として御指摘の内容が記述されているところでございます。  この会計検査院の報告書を踏まえまして、防衛庁としましては、富士重工業が提案した内容が今後の新初等練習機の機体調達やIRAN、これは定期修理でございますが、その維持に掛かる各契約に適切に反映されるように、内局、航空自衛隊、契約本部、この連携を強化することといたしておりまして、各年度の予算要求及び執行においては、平成十二年度入札時の提案内容を基に、物価、為替変動等を織り込んだ金額を算定し、その金額内で契約を締結することといたしております。平成十三年度の執行に際しましても、このような考え方に基づきまして機体十一機の調達等を実施したところであります。  平成十四年度以降も同様に、富士重工業の提案内容が確実に履行されるように、各年度の予算要求及び執行に関して防衛局長、管理局長、契約本部長等がそれぞれ連携を取りつつ、その職務を適切に遂行していくことといたしております。  また、今後、新初等練習機と同様の総合評価落札方式を採用する場合におきましては、会計検査院の報告書を踏まえまして、入札及び契約事務の公正性及び透明性をより一層高めて、提案内容がより確実に履行されるように、以下三点の点で改善を行っていきます。  まず一点は、入札時の書類の取扱いについては、入札書に機体の入札価格のほか入札提案時の価格その他の費用を付記させたり、提案書の全部数のうち一部をすべての入札参加企業の関係者の立会いの下に原本として封印をさせるということであります。  第二は、提案内容拘束の具体化につきまして、物価の変動、また為替レートの一般的な変動要素を具体的に明示するとともに、工数やIRAN間隔等の拘束内容について具体例を明示し、拘束内容等について、入札希望会社の共通認識を高めるための質問会等を入札説明会に加えて設定をいたします。  第三は、拘束内容履行の確保につきまして、入札説明書に損害賠償を行う具体的な場合を明示するとともに、提案内容を確実に履行する旨、及び履行されない場合の損害賠償の責を負う旨の確認書等を求めるなどの方策を取ることといたしたいと考えております。

○谷博之君 それでは、重ねてお伺いしますが、ここに四月二日の新聞のコピーがありますが、「防衛庁、改ざんし提出」というタイトルなんですが、これは御案内のとおり、今回のその調達についてスイスの航空機メーカーが落札できなかったということで、スイス政府からその経過についての問い合わせがございました。それに対して、本年の四月、防衛庁は、会計検査院の報告を改ざんしてというふうにこのタイトルで書いてありますから、それを使わせていただきますが、改ざんをして、不適切と認められる事態は見受けられなかったというふうな旨の回答をしていた。このことがこの新聞に報道されています。  この点については、今年の五月八日、九日の衆議院の事態特の委員会でも、我が党の石井、枝野議員が質問で取り上げております。そして、この問題について防衛庁長官は、事務的ミスだったとしておっしゃっておりますけれども、監督不行き届きというふうな点もあって、俸給の一か月分の返納をしたというふうなことであります。  従来から、こういう防衛調達の透明性とか公正性が強く求められているわけでありますけれども、このような事態が生じたことは本当に我々にとっても誠に残念だというふうに思っておりまして、今後このようなことが起きないように善処方を強く求めたいと思っておりますが、防衛庁長官の決意、所見をひとつお伺いしたい。そして、会計検査院の所見もお伺いいたしたいと思います。

○国務大臣(中谷元君) 本件につきましては何度か委員会でも述べておりますが、いきさつといたしましては、スイス政府からの要請に対しまして、この特定検査対象に関する調査状況としての報告された性格付け、これについて適切に伝えたかったということで、その本文は全文翻訳して送っておりますが、この報告書の性格付けについても対外的に正しく知ってもらいたいと考えまして、同時に作成をいたしました。  この作成のときに、会計検査院とも協議をいたしまして、対外応答要領を作成をし、それについて防衛庁としての見解としてまとめていたものでございますが、この文書を訳したわけでありまして、防衛庁の担当者は、事前に会計検査院に連絡をして了解が得られていると考えており、またポイント等を会計検査院に届けた際に、会計検査院から特段のコメントもなかったことから、ポイントの作成名義人も含めまして会計検査院の了解が得られたものと認識をしたわけでございますが、しかし、そのことが上に伝わっておりませんで、会計検査院の了解を得ないままにそれを発送するという不適切なミスが生じたものと考えております。  本件につきましては、私自身も遺憾であると考えておりまして、当時の計画課長以下の作成担当者を厳重に注意処分といたしましたし、こうした事態が生じた後の対応につきまして、事務次官、防衛局長を厳重に注意をし、その旨、五月九日の国会において述べたところでもございますし、私も給与の一部を返納したところでございます。  今後、このようなことが二度と起こらないように、特に外国に発送する文書等におきまして不備がないように徹底して行ってまいりたいと考えております。

○説明員(増田峯明君) お答えいたします。  私ども会計検査院といたしましては、ただいま先生御指摘の防衛庁からスイス政府に送付されました検査報告のポイントという文書につきましては、検査報告に記載されていない文言が記載されているかのように、また、検査院が作成した文書ではないわけですが、検査院作成ということで、検査院が作成したかのように誤解を与えるおそれがあるということで、防衛庁に対しまして口頭でまずその旨を強く申入れをいたしますとともに、その後、スイス政府に対しましてスイス政府の誤解が生じないように伝えてほしいということで、再度、書面によりまして申入れをしたところでございます。  これに対しまして、防衛庁ではスイス政府に書簡を送付いたしまして遺憾である旨を伝えるなど、しかるべき対応が取られたものと理解しております。  私どもといたしましては、このような事態が起きましたことにつきまして、大変遺憾なことと考えておりまして、今後二度とこのようなことが起きないようにお願いをしたいというふうに考えております。  以上でございます。

○谷博之君 時間が参りました。あと何点か質問の予定をしておりましたが、一点だけ最後にお伺いいたします。  ODAの情報公開の一層の推進ということでございまして、ODA問題については午前中も質問が出ておりました。私も最近、さきの国会でミャンマーのバルーチャンの発電所の無償援助に関する質問主意書を提出して、そのときに感じたわけですけれども、一連の環境・社会面の調査について情報を聞かせてくれ、開示してほしいということを求めましたけれども、すると、入札に影響を及ぼすからという目的でこれを拒否されたわけですね。例えば農民の聞き取り調査が入札に影響を及ぼすというようなことになるのかどうかそれは分かりませんが、こういう体質がどうも外務省の中にはあるんじゃないかというふうに考えています。  九月十一日のNPOの情報公開市民センターの発表した省庁の情報公開度を見ても、外務省は二年連続で二百点満点で七十五点、最低だったんですね、これは、情報公開度が。そういうことなんですが、いわゆる拉致問題でもいろいろと今指摘をされております。  そこで、特にODAの一層の情報公開の必要性と行動計画の更なる見直しの必要性、そして今度のこのNPOの出した情報公開度の感想、これらも含めて大臣に御答弁をお願いいたしたいと思います。

○政府参考人(古田肇君) 御答弁申し上げます。  御指摘のバルーチャンの件につきましては、私どもといたしましては、情報公開法の規定に照らしましてこの七月一日付けで不開示の決定をさせていただいたところでございます。  その主な理由は、その中にある費用の積み上げの概算の問題でございまして、これが将来の予定上限価格の推測につながるという観点から、入札に影響を及ぼすんではないかということで非公開とさせていただいたわけでございます。  それから、御指摘のランキングについては、これは交際費でありますとか諸謝金でありますとか、公開についての制度運用についての御評価でございまして、十分承知しているところでございますが、いずれにいたしましても、ODAの改革を進めるに当たって、透明性ということは非常に重要な柱であるというふうに認識いたしておりまして、情報公開法に従って開示すべき情報は広く開示していくという考え方、精神に立ちまして、今後具体的な案件一つ一つについて誠実に対応してまいりたいと思っております。

○谷博之君 以上で終わります。ありがとうございました。



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