2002年8月29日 難病対策とODAの環境・社会配慮について財務大臣などに質問
154閉-参-決算委員会-3号 2002年08月29日
○谷博之君 皆さん、おはようございます。民主党・新緑風会の谷博之でございます。
今日は、質問の最初ということで皆様方には機会をいただきまして、心から厚くお礼申し上げながら、早速質問に入りたいと思います。
今日、私は二つのテーマの質問といいますか、用意をさせていただきましたが、そのうちの特に最初の質問ということで、地方向けの補助金の制度の在り方、そして特にそれの中で難病対策、小児慢性特定疾患の対策、これらの事業について今までの長い経過を踏まえて質問をさせていただきたいと、このように考えております。
そして、大変僣越でございますが、皆様方に本委員会に提出の資料を出させていただきました。冒頭、私は、財務大臣始め皆様方に質問をする前に、特に厚生労働省と若干見解を、質問をさせていただいてただしたいと思っておりますが、それらを受けてひとつ財務省の御答弁をいただきたい、このように思っております。
まず冒頭、実は偶然なんですが、資料の一ということで、今朝の朝日新聞の「私の視点」という欄に、実は私が二週間ほど前に、拙文でございますが、投稿させていただいた記事が若干こちらに掲載をされておりまして、別に何も売名行為ではございません。たまたまそういうことでございまして、お許しをいただきたいと思っていますが、実は私の思いがこの文章に入っておりまして、是非ひとつ、大臣始め皆さん方のひとつ御一読いただいて御理解を賜りたい、このように思っております。
そういうことを踏まえまして、早速、厚生労働省の方に二点まずお伺いしたいと思っておりますが、いよいよ今、来年度の予算編成に向けてのいろんな閣議決定から始まりまして概算要求ということで今作業が進んでおりますけれども、特にそういう中で、今日は決算ですから来年度のことというのは直接云々かと思いますが、全体の中でということでひとつ御理解をいただきまして、来年度の特定疾患研究事業と小児慢性特定疾患治療研究事業の制度の見直しを含めて、そしてまた概算要求、正式には明日提出するというふうに聞いておりますが、どのような内容になっていくのか、まずお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(下田智久君) ただいまお尋ねの特定疾患治療研究事業でございますけれども、事業発足以来三十年が経過をいたしておりまして、その間、医療技術の進歩に伴いまして、当時分からなかった原因がある程度明らかになったり、あるいは治療法が一定程度確立をしたといったような難病を取り巻く環境も大きく変化をいたしておるところでございます。 もちろん全体的には大変苦しんでおられる方もおられることは承知をいたしておりますが、こういった前提を踏まえまして、昨年、厚生科学審議会の中に難病対策委員会を設置をいたしまして、これまで熱心に議論を重ねてきていただき、本年八月二十三日に中間報告が取りまとめられたところでございます。特定疾患治療研究事業につきましては、この中間報告を踏まえまして、現在、難病対策の推進方策について見直しの検討を進めております。 平成十五年度の概算要求のことでございますが、対前年度同額ということを要求をさせていただきまして、年末の予算編成に向けまして制度全体の見直しを含め慎重に対応していきたいと、このように考えておるところでございます。
○政府参考人(岩田喜美枝君) 小児慢性特定疾患治療研究事業について簡単にお答えさせていただきたいと思います。 事業を取り巻く環境が変化してきておりますのは先ほどの健康局長の答弁と同様でございますので繰り返しませんけれども、今後の在り方につきまして、昨年、専門家に、そして患者の代表も参加していただきました研究会を設置いたしまして、本年の六月二十一日にその報告を取りまとめていただきましたが、そのポイントは、制度を将来にわたって安定的なものとして確立をしてほしいという点であったように思います。 平成十五年度の概算要求につきましては、制度改正を前提としながらも、その改正の具体的な内容がまだ固まっておりませんので、対前年度同額でいわゆる袋詰め要求という概算要求をしたいというふうに考えておりまして、具体的な制度改正については今後更に検討を進めてまいり、制度の安定的な運営が図られるようにしたいというふうに思っております。 また、診断や治療法の開発研究につきましては、大人の難病の問題も含めてでございますが、小児も難治性の疾患については研究開発が進みますように、この点については大幅に予算を拡充して要求をしたいというふうに考えております。
○谷博之君 今のお二人の答弁につきましては、後の、後ほどの補助金との問題で、若干関連で再度お伺いしたいと思っておりますが、その来年度に向けての動きを踏まえまして、一点だけちょっと個別の問題についてお伺いをいたしたいと思っております。 実は、七月の二十九日というふうに聞いておりますが、坂口厚生労働大臣が、サイトメガロウイルス感染症という、いわゆるこの病気の患者さん、そして家族の皆さんとお会いをして、その方々に対する小児の慢性特定疾患事業への組入れも含めて検討をしたいというふうなことを大臣がその方々に御答弁をしたというふうに聞いておりますが、これらは全部公式に発表されていることでございますので間違いないことかと思いますが、その辺の事実確認と、それからその方針についてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(岩田喜美枝君) 患者の御家族などからそのような御要請が厚生労働大臣にあったことは承知をいたしております。 事業の見直しに当たりまして、具体的にどういう疾患を対象にするのか、そして同一疾患でも重症の方とそうではない方がいる場合もございますので、そういったことも含めて対象範囲をどうするかということについては今後検討してまいりたいというふうに思っております。 疾患の症状ですとか、そしてその治療が肉体的あるいは身体的にどういう負担を課しているのかとか、そしてその医療費の多寡など、そういったようなことを総合的に考えながら、専門家の御意見も聞いて基準づくりをしたいというふうに思っておりますので、現時点で具体的な疾患を対象とする、あるいは対象としないというような判断をしているわけではございません。
○谷博之君 是非、そういう大臣が御答弁をされていることですから、少なくともそういう意味で患者なり家族の方々が御要望するような方向で前向きにひとつ御検討いただきたいというふうに考えております。 それで、以上のちょっと議論を踏まえて、地方公共団体向けの補助金の制度について、これについて次にお伺いしてまいりたいと思います。 いわゆる地方向けの補助金については、あえて言う必要もないと思いますが、来年度からこの制度の内容が大幅に見直しをされるということであります。時間の関係ございますから多く申し上げませんが、従来は、やっぱり全体として地方向けの国庫補助金の二兆四千億、これが、そのうち千五百億円が言うならばその他の制度、その他の補助金ということ、非制度的な補助金ということで、これが一割カットの削減の対象になって今日までやってきた。それが来年度に向けてこうしたやり方を変えて、少なくとも全体の二兆四千億のうち公共事業費の一兆三千億と裁量的経費の七千億円、これの五%を削減をすると。つまり、全体のパイは、小さいところに一〇%ではなくて、パイを大きくして五%でいわゆる削減額を増やそうという、こういう考え方だろうと思うんですね。 そういうふうな中で一つ具体的にお伺いしたいのは、資料二としてお配りしております、資料二、三、四を見ていただければと思いますが、まず、そういう制度の切替えの中で、少なくとも従来その他の補助金として扱われていたこの資料二の九十四億円、これが今度の見直しによっていわゆる先ほど申し上げた五%のカット対象にならない義務的経費の三千六百億円の方に組み込まれているということがございます。 そして、もう一つは、その前の問題として、資料四に出ておりますけれども、一九九七年六月に閣議決定された制度的補助金の定義という資料がございますが、これに基づいて一九九七年から今日までの五年間、厚生労働省だけでも二十五本の国庫補助事業が新たに創設されておりまして、約金額としては一兆四千五百億円、こういう補助金の制度が新たにスタートして創設されているわけです。 こういう全体の中で、いわゆる先ほど申し上げました資料三のこの部分は、今申し上げた平成九年六月三日の閣議決定の制度的補助金のどういうものがなるかという、根拠となるこのイからニまでの理由の中でこの補助制度というのはできてきたと思うんです。この中に、実は難病対策の今年の百八十三億円、これは入っておりません。そして、今度のまた補助金の制度の見直しの中で、この難病対策事業については、やはり従来の制度的補助金、今回からは義務的経費、この補助制度には入らないんです。ちょっと言い方が非常に回りくどいかもしれませんが、言っていることはお分かりだと思いますが、そういうことで、その根拠は何なんだということでお聞きしましたら、平成十四年の八月七日の閣議決定で「平成十五年度予算の概算要求に当たっての基本的な方針について」、その中の義務的経費というものはこういう根拠で位置付けるんですよと、こういうふうになってきているわけですね。 そういう一連の流れの中で、何でこの難病対策事業が少なくとも制度的補助金なり来年度からの義務的な経費の中に入らないのか、ここのところをひとつ説明をしていただきたいと思うんです。
○副大臣(尾辻秀久君) 今朝、先生がお書きになりました朝日新聞の記事、私も読ませていただきました。その中で先生が正に御指摘になっておられるわけでございますけれども、今話題にしておられます二つの事業が、法制化された制度に基づく事業ではございませんで大きく補助金の中にあるということで、どうしても、今、先生がお触れになったような分類になってしまうということでございます。まず基本的にお答えいたしますとそういうことでございます。 そしてまた、今度、十五年度予算を編成するに当たりまして義務的経費と裁量的経費に分けた、それからそれ以前に、十四年度予算、本年度予算までで補助金を制度的補助金とその他補助金に分けてきた、この分類の仕方、それぞれあるじゃないかということでございますが、今これもまた先生お話しになりましたように、それぞれに分類の仕方を定めておりますので、その分類の仕方の中で分けていくと今それぞれにお話しになったような分類になる、基本的にお答えいたしますとそういうことでございます。 したがいまして、今お触れになっておられます二つの事業につきましては、分類上、今、先生お話しのとおりの分類になっておる、こういうお答えになります。
○谷博之君 実は、もう少し具体的にお伺いしますと、資料二の中に、例えば疾病予防対策事業費等補助金、金額はわずかです、二億円、それから栄養調査委託費、金額一億円ですか、こういうふうな補助金が義務的な経費に来年度から移るということでありますけれども、これはどなたとは申し上げませんが、ある厚生労働省の方とお話をしておりましたらば、来年度の制度の見直しによって、従来の制度的な補助金、その他の補助金として分けたその分け方の分類の仕分といいましょうか、それが、来年度のいわゆる義務的経費とそうではない経費との区分けの仕方で、義務的な経費の方に入れるのがハードルがずっと高くなったと、こう言っているんですよ。 つまり、それだけハードルが高くなって、しかも法的な根拠がないとそのハードルが越えられないという、そういうふうな基本的な考え方でこの補助金の制度が見直されたというふうに我々は理解しているんですが、とすれば、今の御答弁によりますと、すべてそういうふうな見直しによって、法的な問題ということで、そこのところ厳密にされたんでしょうか。
○副大臣(尾辻秀久君) 御質問の趣旨は、従来の制度的補助金とその他補助金の分け方で、その分け方よりも、今度、義務的経費と裁量的経費に分けた義務的経費に仕分する方がハードルが高いだろうと、本来ハードルの低かったはずのその他補助金に入っているものがハードルの高くなった義務的経費に入ったのはおかしいんじゃないか、こういう御質問の趣旨だろうと思います。 ただ、申し上げましたように、単にどっちがハードルが高いか低いかということじゃありませんで、改めて、義務的経費はこういうもの、裁量的経費はこういうもの、それからまた従来の制度的補助金、その他補助金の分け方はこういうものという分類の仕方によって分けていって、改めて分けた、このようにお考えいただきたいと思います。 そこで申し上げますと、今、先生が具体的にお触れになりました疾病予防対策事業費等補助金、これが従来はその他補助金に入っていたわけですが、義務的補助金に入った、じゃなぜか、こういうことになりますが、これは、さっき先生がお触れになりました、八月七日の閣議了解されましたところの、新たな義務的経費の条件というものが五つございますが、そのうちの三番目に法令等により支出義務が定められた経費等の補充費途に準ずる経費というところがございます。今の疾病予防対策事業の補助金はこれに該当するということで義務的経費に入れた、例えばこういうことでありまして、一つずつまた改めての判断をしたと、こういうふうに御理解いただきたいと存じます。
○谷博之君 逆に言えば、そういう意味で難病対策事業を始め二つの事業はこの八月七日の閣議方針には該当しないと、こういうことだということで言っていいわけなんでしょうか。そういうことですか。──はい。 いろいろ私どもは、そういう一つの仕分の仕方というのはあると思いますが、ただ、何度も申し上げますが、全体の今度は仕分でいきますと、来年度からは裁量的経費は七千億円、義務的経費が三千六百億円、こういう全体のこの補助金の中でわずか百八十三億ですよ。しかもそれが、五十万からのそういう病気の原因が分からなくて苦労している、大変御苦労している人たちの、しかも四年前からは自己負担が入ってきて、そういう中で仕事にも就けない人がたくさんいて、しかも八割の人がそれでもなおかつその自己負担を、負担をしているというそういう状況の中で、この事業がますますこれから、恐らく来年五%削減対象になり、患者の数が増える、しかし財源が減ってくる、こういうことで、私は、単にこの仕分をされるということは、私はちょっと余りにも現実的ではないんじゃないかというふうに考えています。 私自身もこの拙文に書きましたけれども、そういうことであればこれはもう法による最後の手段しかないということになってくるわけですけれども、やっぱりその前に、今、冒頭厚生労働省からも発言がありましたが、概算要求では前年度と同じ額で要求する、しかもそれは、制度の中身については詰めていきながら年内にはある程度方向を出したいということでしょうけれども、財務省当局からすると、決定的なそういう財務省を説得するような内容がなければこれも五%のカットの、削減の対象にしますよという、こういうふうなところに私は持っていかれそうな気がしてならないんですよ。 したがって、これは今日両省来ておられますからボールの投げっこになると思いますが、最後にちょっとお伺いしたいのは、そういう中で、基本的なスタンスとして、概算要求が出て、年末までのそういうふうな動きの中で、限りなくこの制度について厚生労働省側のそういういろんな言い分を聞いて、そういう対応を、予算の要求どおりに確保するような考え方を基本的に持っておられるのかどうか、そこのところをちょっとお聞きしたいと思うんです。
○副大臣(尾辻秀久君) 先ほど先生もお示しになりました数字でありますが、従来、その他補助金は一千五百億でございます。この中で一割削減だとかなんとか言ってきたわけでございますが、今度はそういうものを、制度的補助金等取っ払いまして、じゃ補助金全体で幾らの枠になるかというと、ざっと言いまして二兆円の枠に広がります。ただ、そこから先ほど来先生が言っておられるように五%削減するということになるわけではございますけれども、ただ、今申し上げておりますのは、狭い範囲じゃなくて大きく二兆円全体の範囲の中でいろんな補助金、制度を見直したい、これが考えておることだということをまず申し上げたわけであります。 その中でお話しの補助金をどうするかということでございますが、これは、具体的な見直しにつきましては、法制化を含めて、現在、先ほど来お答えのとおりに厚生労働省において検討中であるとお聞きをいたしておりますので、私どもとしてはそれを見守らせていただきたいと、こういうふうに思います。
○谷博之君 大臣にちょっと最後にお伺いしたいんですが、いろいろ今細かなやり取りをさせていただきましたけれども、そういう中で、基本的には、財務省に対して厚生労働省の方から、この事業は絶対それはこうこうこういう理由でこういうふうな基本的な理念で、あるいはこういう哲学でこの事業が、やっぱり国が義務的にもそういう事業をするものとして扱っていかなきゃいけないと、こういうふうに実は厚生労働省側からも財務省、財務当局に対して働き掛けをする、あるいは説得をするということが大事かと思いますが、そういう中で単純に閣議了承によって仕分をされて、来年度もまた言うならば裁量的経費の中にこの事業が入ろうとしているそういう今の動きに対して、限りなく厚生労働省側の見解を聞いて何とかしたいという考え方はおありかどうか、その感想を聞かせていただきたいと思います。
○国務大臣(塩川正十郎君) この難病の問題は、三十数年ぐらい前から大きい医学上の問題、社会上の問題になっておりまして、これにつきましては我々も非常な関心を持ってこの救済にできるだけの努力をしてまいりましたけれども、これはやはり、非常に種類が多いことと、難病の認定をどこにその基準を置くかということと、いろんないわゆる技術的な学問的な問題があって、今日まで根本的な対策についての基本的な方針はまだ決定されておらない。けれども、要綱等において取扱いが出てきておりますので、毎年の予算編成の中で十分に相談して決めていくべき問題だと思っておりまして、十五年度予算におきましても、厚生省の言い分等、十分に話を聞いて進めていきたいと思います。
○谷博之君 大臣の方から今御答弁いただいて、問題点の最後の帰結はそこだと思いますが、したがって、これからの予算編成作業の中でいろいろと折衝をするということになると思いますけれども、その間に法制化も含めて、あるいはこの難病対策のための、昨年から今年に掛けて難病対策並びに小児慢性のそれの対策の検討委員会が開かれておりまして、こういう中間報告が出ていますから、そういう内容も含めて、この制度のまた新たな見直しも含めて財政当局と厚生労働省の方できっちりと詰めていただいて、先ほど申し上げたような私どもの希望も含めて前向きなひとつ取組をいただきたいと、このように要望させていただきたいと思っております。 それから次に、JBICの関係、そして特にフィリピンのサンロケ・ダムの事業の問題についてお伺いをしたいと思っております。 御案内のとおり、国際協力銀行、JBICが今異議申立機関の独立性確保のためのそういう必要性についての、現在、JBICの新しい環境ガイドライン、これを作るための今検討をいたしておりますけれども、その点について若干お伺いしたいと思っております。 時間がありませんから前段の話は全部省きまして、要はこの異議申立機関のその設置について、これを検討していく中で私どもは限りなく公平性とそして合理性、そして効率性というものをきちっと踏まえながらこのガイドラインというものを作っていくべきではないかというふうに考えておりまして、具体的に申し上げますと、世界銀行などのいわゆる国際機関の異議申立機関のレベル、こういうところまでその内容を高めていただきたいというふうなことを考えております。 そして、このコンサルテーションが既に続けられておりまして、あしたのその会議に実はNGOの団体が「国際協力銀行(JBIC)環境社会配慮ガイドラインの不遵守に基づく異議申立制度に関するNGO提言」というものを実は作りまして、あしたこれをその会議に提出をすることになっています。これは参考までに大臣、是非ひとつ見ていただきたいと思います。今お手元にお渡しします。(資料を手渡す) これは是非ひとつ大臣、目を通していただきたいと思っておりますが、要はここで、この提言で触れられていることの一番の骨子、エキスは、いわゆるそのJBICがいろんな事業に対して援助をしていく、そういうふうな決定権と、それを決定する際にあくまで第三者の機関のそういう検討をきちっとしてもらいたいということなんです。つまり、言葉悪く言えば、身内が全部その内容を検討して、身内が決定して、それを融資するという、こういう形ではなくて、少なくともその融資なり援助に当たっては、それをチェックするところの第三者の機関というものをやっぱりきちっと作ってほしいというのがこの提言の基本なんですよ。 そういうことについて、先ほど申し上げましたように、世界銀行とかそういうふうな機関の今行っているそのレベルまでその内容を高めていただきたいというふうに我々は考えておりまして、この点についての考え方をお聞かせいただきたいと思います。
○副大臣(尾辻秀久君) ただいま御指摘になりました異議申立制度につきましては、国際協力銀行が本年六月より学識経験者、NGOや産業界等の関係者から意見を聞きながら、具体的な仕組みについて検討を行っているところと承知をいたしております。今お話しのとおりでございます。 そこで、財務省としてということになりますと、こうした皆さん方の御意見を踏まえて、この異議申立制度が世界銀行のような、今お話しになりました正に世界銀行のような国際機関と同水準の公平性、透明性、説明責任を確保したものになることが重要と認識いたしておりまして、国際協力銀行がその方向で実施するよう注目して見てまいりたい、こういうふうに考えておるところでございます。
○参考人(神信一君) 新環境ガイドラインに係ります異議申立ての手続につきましては、今年の六月からパブリック・コンサルテーション・フォーラムというものを開催いたしまして、有識者、それからNGO、それから民間の企業、関係省庁といったところから幅広い意見をいただきながら鋭意検討を進めているところでございます。 このフォーラムを通じまして、国際機関あるいは他国の政府機関の例を十分に参照しながら、幅広い議論を積み重ねた上で質の高い仕組みを構築していきたいと、そう考えております。
○谷博之君 あした、そのパブリックコンサルテーションが開かれて、この内容についてはそこでまた御議論をされると思いますが、特に、今朝のNHKのテレビでも報道されておりましたが、外務省もこのODA予算については更に増額をしたいということで、一四%ですか、全体として要求をしていくというようなことをテレビで報道しておりました。 その中で、特にアジア向けといいますか、そういうところでの事業について積極的に取り組むということなんですが、その条件の一つに、相手国の環境問題とか、そこにいる相手国の住民、国民の人たちのそういうふうな生活なり環境なりにどういう影響を与えるかということ、非常にこれを重視していきたいというようなことを言っておりまして、そういう点では、この会議で議論されていることというのは非常に私は大きな意味があり、また大きく言えば世界的にも注目をされているということだと思うんです。 したがって、いろいろ立場が違いますと、どの程度のガイドラインになるかということを心配する向きもありますので、私は、やっぱり日本の、特に海外における日本の援助というものをより透明性を持ってより効率的にやっていくためには、このガイドラインというのは非常に重要な意味があるというふうに思っておりまして、そういう点で是非この提言を十分ひとつ参考に取り組んでいただきたいと、このように考えております。 それから、時間がございませんから、最後に具体的な問題としてフィリピンのサンロケ・ダムの問題について一点だけお伺いします。 このダムの問題については、全体のほぼ九〇%以上が完成しておりまして、総事業費一千二百億のうち、JBICから六百億のお金がそこに投入されているというふうに聞いています。ほとんどそれが終わっているわけですが、まだ若干その投資額が残っているという状況で、八月八日からそのダムに水が既に入り始めました。そして、そのところに先住民族が住んでいたわけですが、彼らが七月の下旬から、立場が非常に二つの見方があるんですが、強制的に退去されたというふうなことを地元住民なりNGOは言っておりますし、一方では話合いが付いてヘリコプターでそういう住民の家財道具を全部運んだと、こういうふうな報道がなされているわけなんですね。 ただ、実は私のところに今朝入ってきた情報によりますと、そのうちの強制退去というか、その移っていったダムに関係する住民、先住住民の中で四人が実はこれは強制的な排除であったということで、言うならば宣誓供述書四通を出しまして、そしてこれを実は事実を公開をしているわけです。強制立ち退きはさせない、あるいは補償を完全に完了させるということがJBICのいわゆるお金を投資する条件になっていたわけですが、この補償もまだ完了していないという状況であり、しかも強制退去であるかどうかということについての事実の関係が、地元の新聞ではこれは強制退去であると言い、日本の新聞社でも京都新聞を始め幾つかがそういうことで報道している。 そういう中で、一度JBICは現地調査に人を派遣しましたけれども、実際の原住民の声を聞いていない、調査をしないで少なくともそういう事実はなかったというふうなことを我々に報告しているわけでありますけれども、これが果たしてそうであるのかどうかということをもう一回調査をする必要が私はあると思うんですね。 そしてもう一つは、そのダムのある州の同意というものも取っていないというふうな話も聞いておりますので、こういう我々がかかわるそういうダム事業についてそういう幾つかのまだ問題点が残っているとすれば、本来であれば残りの援助については一時凍結をするというふうな状況まで考える必要があるんではないかというふうに考えています。 いろいろ申し上げましたが、これらの点についての事実と、それから今後の対応についてお伺いをいたしたいと思います。
○参考人(神信一君) 貯水工事に当たりましては、私どもの方からフィリピン側に対しまして社会環境問題に適切に配慮するようにということを伝えておきまして、特に暴力とかそういったようなことがない、強制排除がなかったということで確認をいたしております。水没地域の住民の移転はすべて平和裏に行われたと聞いております。 ただ、その貯水の前の事前の移転におきまして強制立ち退きが行われたという現地のNGOの情報等もございまして、一部そういう情報がございますけれども、私どももそれは承知しておりますが、私どもが現地で調査したこと、あるいはフィリピン政府それから実施主体からの報告によりますと、住民の強制退去があったというようには認識しておりませんけれども、ただ、私どもといたしましては、引き続き本件につきましてはモニタリングに努めてまいりたいと、そういうように思っております。 それから、補償の点につきましては、私どもも現地に何度も職員を派遣いたしましてチェック、調査いたしましたけれども、補償はすべて完全に行われて住民も同意しているということを確認いたしております。 いずれにいたしましても、本件、これからまだ、これで終わったわけではございません。引き続きモニタリング等に努めてまいりたいと、そう考えておる次第でございます。
○谷博之君 時間がありませんから、最後に要望だけ一点させていただきます。 この問題につきましては、宣誓供述書がJBICとそれから日本の財務省に、先ほど申し上げましたように、住民四人のそういう供述書が多分今朝送られてきていると思います。その事実をひとつ是非確認してもらいたい。 そして、私ども公共事業チェック議員の会というのが再三再四この問題について申入れもしております。そういうことで、特に先住民というか、その住民に対する直接のそういうヒアリングも含めてしっかり調査するように是非要望いたしまして、時間が来ましたので私の質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。