2004年3月23日
159-参-経済産業委員会-3号 2004年03月23日(未定稿)
○谷博之君 私は、民主党・新緑風会の谷博之でございます。今日は三人の参考人の皆様には大変貴重な御意見をいただきまして、冒頭厚くお礼申し上げたいと思います。そしてまた、私は実は地元が栃木県でございまして、そういう関係で、特に簗参考人に中心に御質問、御意見を伺いたいと、このように考えております。 今、簗参考人からもいみじくもお話ございましたけれども、今日は足利銀行社外取締役というそういうお立場、それからまた、地元の最大の百貨店を形成されておられる福田屋百貨店の取締役会長というそういうお立場も含めて、できる限り御意見をお聞かせいただきたいと、このように考えているところです。 まず、今もお話ございましたように、昨年の十一月の二十九日に足利銀行が破綻をすると。それに関連をして、今日のこの委員会の参考資料にも出ておりますけれども、十四ページに、経済産業省などが中小企業向けの融資の仕組みというものを用意をしまして、今日まで国としても、あるいは経済産業省としてもいろんな取組をされてきているということでありますけれども、問題は、融資先の選定の問題だというふうに思うんですね。 これは、特にいわゆる財務内容あるいは財務諸表、このことを中心に融資先を選定をしていくということももちろんそれは大事なことですけれども、要は、その企業の経営方針とか、あるいはその企業のいわゆる、特に雇用をどのように守っているかとか、こういうところを含めた将来的な見通しを持ったそういうふうな企業が、やっぱり選定の中に十分入れていっていただかなきゃいかぬというふうに思っています。 これはそれぞれの参考人からもお話がございましたけれども、例えば清家参考人が、雇用の安定を前提にして、物づくり産業の活性化によって地域が元気を出さなきゃいけない、あるいはまた藤原参考人も、いわゆる企業の診断の際に企業の従業員に対する責任を強調されておりますし、簗参考人も、いわゆる来月から栃木就職支援センターの立ち上げとか、あるいは雇用の安定ということを触れておられますけれども、そういう意味からすると、そういうふうな融資の選定先の、選定の仕方の中に、この雇用の安定といいますか、雇用をどう条件を維持、確保していくかという、そういうところにやっぱり企業が視点を当てているという、こういうところもやっぱり将来展望を見ていく中で大きな要素としてとらまえていただきたいというふうに思うんですが、この辺についての、特に簗参考人のお考え。 さらにまた、これは触れることはなかなか難しいかと思いますが、三月期を迎えて、足利銀行本体の、いわゆる行員を含めた、約二千八百人と言われておりますけれども、こういうふうな行員の皆さん方の、いわゆる今後の再建計画の中で、こういう方々の雇用はどうなっていくのか、このことについてできる限りのお考えをお示しいただきたいというふうに思っております。
○参考人(簗郁夫君) 細かい点はちょっと立場上御勘弁いただきますが、足利銀行がこれから不良債権を処理する場合に、再生をする企業とそれからオフバランスする企業とどういう視点で分けていくかという中には、単に財務の数字だけじゃない。財務につきましても、一応金融マニュアルの中に相当定性的なことも踏まえて債務者区分を設定しなさいということにもなっていますから、その範囲でもある程度定性的なものはありますが、さらに、実際、企業再生する対象企業とオフバランス対象にする企業との区分けについては定性的なことを相当加えて、特に経営者の経営意欲というようなことを中心にして一つやるのと、それから公共性と、企業の公共性ということを相当重視する。一つは、公共性の中には当然のことながら雇用も入ります。そのほか、企業としての特性もいろいろあると思いますので、その細かい基準はどうするかということは今議論中でございますけれども、十分そういうことを参考にしながらやっていくという体制で考えております。
○谷博之君 足利銀行自体の行員の問題については今の段階では……
○参考人(簗郁夫君) まだ今の段階では……
○委員長(谷川秀善君) ちょっと、委員長の許可を受けて発言してください。
○参考人(簗郁夫君) はい。 まだ細かいスケジュールその他はこれからでございますので、急に何か突然やってハードクラッシュを起こすというようなことは考えておりません。
○谷博之君 地元では若干そういうふうな、相当いろんなうわさ的なものは出ておりますが、是非そういう意味では、足利銀行の内部の行員のそういう待遇といいますか、その辺についてもしっかりそういう立場を尊重して対応していただきたいというふうに思っております。 それから、三人の参考人の方々にちょっと同じ質問をさせていただきますけれども、先ほどもいろんな御意見の中に触れられておりましたけれども、どうしても中小企業の多くは大企業の下請的な立場にあるということだと思います。したがって、こういうふうな日本の経済の中で、例えば単価の切下げというものが起きると当然それは中小企業への跳ね返りが出てくる、したがって、それが例えば労働条件の切下げなどといったそういう形で迫られてくる場合があると思うんです。 こういうふうな悪循環をこれから、今までもそうですけれども、これから繰り返していきますと、当然、地域経済に対する影響というのは非常に大きくなってくると思います。職を失う方が増えたり、あるいは労働条件の切下げによって地域の購買力が落ちてくる等々によって非常に影響が出てくるというふうに思いますけれども、こういうふうなことに対して具体的に今この雇用問題を含めてどのように考えておられるか、簡潔にお答えいただきたいと思います。
○参考人(清家孝君) 大変難しい問題でありますけれども、まず、問題は景気の回復が一番大前提になると思います。一つは、やはり下請企業が大変今苦境に立たせられておるというのが現況でございますので、これ景気が回復しない以上は恐らくこの問題については解決をしないんじゃないかというふうな考え方を持っておりますし、また、今建設業におきましては大変公共事業が衰退しております。そういう面から、下請企業としてはほとんど職がないという状況が今行われておりますので、これについては、雇用問題、大変厳しい問題が置かれております。 それから、小売業問題につきましては大変競争激化が激しく、大店法のやっぱり出店から大変厳しい状況に置かれておりますので、リストラにおいて何らかの形の経営の、やっぱり純益の確保をしていくという形を取っておりますので、雇用問題については今深刻な問題であるというふうに私はとらえております。 以上です。
○参考人(藤原敬三君) 労働条件の切下げあるいは人員削減、こういう点についてなんですが、私どもの方で再生計画を策定するのをお手伝いする場合、まず、人員削減というのはまず前提とは置きません。といいますのは、その前に、業界比較とか、この会社さんがどれだけ、例えばパーヘッドで考えたらいいと思うんですけれども、どれだけの売上げ、どれだけの利益というものを、業界の全体の平均と比較しまして、自助努力をどこまでするかということが、そこのチェックがまず前提になります。そこがやはり余りに効率が悪いということであれば、やはり売上げを増やせるのか、人を減らさなきゃいけないのか、こういうことを考えてまいります。 そして、かつ労働条件の問題ですけれども、やはり同業との比較の中で、平均年収がどうなのかとか、あくまでもこういう比較の中で計画に織り込んでいくと、企業にも努力していただくと、こういうふうなことを基本にしております。
○参考人(簗郁夫君) なかなか雇用の問題は景気が回復しないと回復しない問題で、難しい問題だと思いますけれども、最終的にはやっぱり地域の活性化のためには、地域の企業はほとんど内需産業でございますので、この点は避けて通れない問題だろうと思います。 つまり、雇用が増え、所得が増えて、家計が潤うことによって初めて内需産業へいろんな波及が起きてくると。現在のところはそういう循環になっておりませんので、我々としても大変苦慮しておるところでございますけれども、企業の方の自己防衛的な動きから言いますと、パート化とか、あるいはアウトソーシングもあるかもしれませんけれども、派遣社員であるとか、あるいは一括して委託してしまうとかですね、いろいろな、いわゆる正規の従業員は、正規社員は増やさないで、非正規社員という言葉は余り好きじゃないんですが、そういう人たちを多くしていくということで、何とかトータルの人件費を減らしていくというような対応をしていますので、必ずしも全部が全部雇用が減るわけじゃないですけれども、内容的に相当変わってきているということが、景気が良くなれば、それが正規社員が相当増えていくんじゃないかと思いますけれども、現在のところはそちらの方が非常に大きな影響をしているんじゃないかと、そんなふうに考えております。
○谷博之君 先ほど、福島委員からの栃木県の鬼怒川温泉、川治、塩原温泉の温泉街の話が出ましたけれども、簗参考人にお伺いしますけれども、三月の十三日、宇都宮市で金子、いわゆる金子大臣が、産業再生担当大臣が、宇都宮市で政府のタウンミーティングを行いました。そこで、この温泉街のことにちょっと触れておりますけれども、いわゆる鬼怒川なり日光なりが、ホテル、旅館が一緒になって力を合わせてこの厳しい難局を乗り切ろうというふうな状況の中で、再生については難しいところもあるよというような、こういう発言をしているわけなんですね。ちょっとやっぱり水差すような、そういう発言がされたというふうなことが報道されておりますけれども。 そういう中で、先ほどもお話しございましたけれども、例えば私はこういうふうな鬼怒川、川治といった温泉のところに、随分最近は中国、台湾、韓国等の外国からのいろんなそういう来訪者が来ております。そういうふうなところへの焦点を合わせたような、そういう新しいマーケティングとか商品開発というのがやっぱり必要なのかなというような気がしているんですが、そういうふうなことについての具体的な取組等されておられますでしょうか。
○参考人(簗郁夫君) 地元ではいろいろ努力しようという動きが出ておりますし、海外でのいろいろなそういう商談会といいますかね、香港辺りでやった商談会へミッション送ってPRするとか、いろいろもう既に始めていることは始めております。 ただし、それに対応するだけの、例えば言葉の問題ですね、そういう人たちが来たときの言葉の問題でそれだけ教育ができているかどうかとか、あるいはその人たちの嗜好に合うような料理であるとか、あるいはいろいろなサービスとかというものを提供できるだけの変革はまだできていないんじゃないかと私は思っております。 どちらかというと、今まで温泉地、団体客を中心にして経営していたところが、新しい動きというか、家族とか個人の客に対応するための設備改造とか、そういうことがまだできていないという段階でございますので、その両方を同時にやらなきゃいけないということを踏まえているわけですけれども、それにはやはりコストも掛かりますから、それだけの資金を本来なら導入しなきゃいけないんだけれども、なかなか各個別のホテル、旅館が対応し切れていないと。 だからといって、それじゃその温泉地を一体化して再生しようという今声が上がっているんですけれども、そのスキームと、今企業を再生しようと言っている産業再生機構とか、あるいはRCCであり、あるいはこの協議会でありですね、は、あくまで個別企業を対象としたスキームでございますので、一体化したスキームとドッキングする手はずにはなっていないというのが現状でございます。 どちらかというと、その一体化したものは行政が中心になって動いていると、あるいは温泉の旅館組合とかあるいは観光組合が、観光協会が一緒になって動いているというのが現状だろうと思います。
○谷博之君 時間が来ましたので、最後に一点だけ要望させていただきますけれども、中心市街地の活性化の問題についてもお触れになられましたけれども、これは何といってもやっぱり地元がやっぱり積極的に具体的な案を出して取り組んでいくということが大事であって、それを国とか県等々が支援をするという、そういうふうな形になるんだと思いますね。 そういう中で、私、常々思っていますのは、例えば今非常に孤立化したような子育て家庭とか、あるいは独居老人の世帯もむしろ増えています。こういうふうないわゆる異世代の人たちが自由に交流できるような、そういうふうな中心市街地の町づくりといいますかね、そういうようなものもやっぱり私はあってもいいんじゃないかというふうに思っています。 そういうふうなところの中にまたにぎわいが戻ってくるんであろうというふうに思っていますので、ここら辺も本当はお考えをお聞かせいただきたかったんですけれども、是非そういうことを検討していただきたいということを要望させていただきまして、私の質問を終わりといたします。どうもありがとうございました。