2002年4月11日 鳥獣保護法改正の審議
154-参-環境委員会-7号 2002年04月11日(未定稿)
○谷博之君 私は、民主党・新緑風会の谷博之でございます。
今回のこの法の改正につきまして、特に先ほど福山委員からも御質問ございまして、そしてまた午前中、大野委員からも御質問ございました。そういう質問を踏まえながらといいますか関連をさせていただいて、重複を避けながら質問をさせていただきたいと思います。
まず第一の問題でありますが、先ほど福山委員からも御指摘がございましたこの法のいわゆる目的に関係する問題でありまして、いわゆる生物多様性の確保という言葉が出てまいりましたけれども、私は、今まで、いわゆるこの鳥獣保護法の問題もそうですが、あるいは種の保存法という、今から十年前に制定をされて、特に希少な動植物のそれを何としてもそれを保護していこうという、これは現在その数が、種類によって五十七、そして保護区が七というふうなことで、全体のいわゆるレッドデータブックからいうと大変少ない種しか指定されていないわけでありますが、こういうものの種の保存法の今後の見直しの問題とか、あるいはまた移入種についての規制の問題について、日本はまだまだそういう点についての法の整備がされていない。そしてまた、バイオセーフティー、遺伝子の組み換えの問題についても十分そういう法整備ができていない。こんないろんな問題がありますけれども、そういう中で、今回、目的の中に今申し上げましたように生物多様性の確保ということが入ってきたということは、私はそれなりの一つの前進かなというふうに考えております。
そういうものを受けて、そもそもこの法律というのは大正七年に制定をされて、その制定をしたときの趣旨というのは、少なくとも狩猟というものを一定程度制限をして、そしてそこでどうやってその保護を考えていくかということを基本にした法律であったわけでありますが、これが時代の変遷とともに今日まで来て、そして今申し上げたようないろんな法整備、あるいは法整備をしていこうという動きになっているわけですね。
こういうことを考えますと、私は、具体的なその延長線上の問題として、どうしても野生生物を保護する野生生物保護法という、そういう新しい法の整備をこれから環境省を中心にして取り組んでいかなきゃいかぬのじゃないかというふうに考えておりまして、この考え方なりこれからの動きについて、大臣から御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(大木浩君) 今、谷議員のお話の中にもございましたけれども、やはりこの法案、今回こういう法案を出させていただいておりますけれども、やはりもういろいろな行政と、それから実際のどこまで行政でやるかということ、それから自然の環境がいろいろと動きもあります。そういった中で、今回、生物の多様性の確保ということを確かに法律の中に目的として書かせていただきました。
それは、やはりこれから今後の、基本的にはそういったものを目指してだんだんに充実させていくということであえて目的の中に書かせていただいたわけでありまして、今後はいろいろと多様な野生生物によって構成された生態系ということを対象にして充実させてまいりたいと思っております。
ただ、今まではどちらかといいますと絶滅のおそれのある野生の動植物の種の保存といったようなことにもう中心的な目的がございましたから、今回も目的としては生物の多様性の確保というのが大上段に振りかぶって書いてありますけれども、実際の措置ということになりますと、だんだんにこれから一つ一つ整備をしていかなきゃいかぬということだと思っております。
また、今お話しございました、例えば移入種についての問題とかというようなものもありますし、それから遺伝子の問題というようなのも、これはもうある意味では自然の環境が動く、あるいはいろいろと科学的な知見というものもだんだんに充実してくると。そういった中で、行政としてはどこまでやれるか、あるいはやるべきかというようなことがございますので、これはそういう意味におきましては一つの前進ではありますけれども、今すぐに私どもとしても野生生物保護法といったような形での法律を出すのはいささか早いと。
しかし、考え方としては、そういったものも念頭に置きながら勉強してまいりたいということで、これは午前中の局長の答弁の中にもそういった考え方は入っておったと思いますけれども、私といたしましても、そういったことはひとつ今後の検討課題として十分頭に入れながら、取りあえずはこの今回の法案を実施してまいりたいというふうに考えております。
○谷博之君 私どもの民主党もそうでありますけれども、この野生生物保護法については三年前からこの法律を何とか形として世に問うていきたいというような、そういうふうな党内の議論もございました。これは環境省もそうでありますが、我々も含めて、この問題についてはこれから更に積極的に我々も取組をさせていただきたいと思っております。
付け加えるならば、言うならばこの野生生物保護法というのは、一つの理念的なそういう考え方をしっかり持って、それでなおかつ現在のそれぞれの個別の法律との整合性を図りながら、どういう形でその個別法的な部分もそこに入れていくかという、こういう非常に難しい問題があると思いますが、これらについてはまた次の機会にその内容については譲りたいと思っております。
次に、具体的に条文の解釈の問題についてちょっとお伺いをしてまいりたいと思いますが、第二条の問題です。
これは、狩猟及び狩猟鳥獣の定義の問題でありますけれども、従来の、今までの現行法について見ますと、狩猟の定義というのは、いわゆるなりわいですね、生業。そしてまた、スポーツハンティングですね、いわゆる猟を遊ぶという。こういう側面がその対象物として、あるいはその対象、そういう行為として狩猟というものはあったと思うんですけれども、これに、今回の法改正によって、それにさらに、先ほども出ておりましたけれども、いわゆる有害駆除ですね、更にはまた移入種に対する規制のこと、こういうものも狩猟とか狩猟鳥獣という定義に入ってきたというふうに我々は解釈をしておりますが、この点はどういうことなんでしょうか。
○政府参考人(小林光君) 従来、狩猟に関する定義、明確な定義というのは実はなかったわけです。一般的には狩猟免許を取って行うハンティングとか、そういったようなことを狩猟と解されることが多かったというのは先生の御指摘のとおりだと思います。
今回、法律、平仮名化して体裁を整えるときに、きちっとやっぱり定義をせざるを得ないということで、法制上の行為類型を特定する必要があった。それで、対象となる鳥獣とその捕獲方法に着目しまして、法律の定義としては「法定猟法により、狩猟鳥獣の捕獲等をすること」と、こういうふうに定義をしたところでございます。
この結果、御指摘のとおり、いろいろな被害防止の目的で、第九条の許可を受けて法定猟法により狩猟鳥獣を捕獲する場合、これも狩猟という定義の中に入ることになりましたけれども、捕獲の許可の仕組みとか免許制度などにつきましては従来と扱いについては変わることがございません。そのように規定を整備しております。個別の、個別の例えば有害鳥獣駆除の個別駆除の事例につきましては、基本方針、環境大臣が定めます基本方針に従って慎重に許可、判断をされるべきものというふうに思っています。
なお、環境省としては、科学的な野生生物保護管理の重要性というのは非常に十分認識してございますので、そういう観点で鳥獣の捕獲等の報告義務付けというのも行いました。
重ねて申し上げますけれども、改正法の定義の仕方により鳥獣の保護が後退したり現場において混乱が生じるということのないように適切に処理していきたいと思います。
○谷博之君 それじゃ重ねて確認をしておきたいと思いますけれども、今までの野生生物の保護管理というのは、狩猟によって、いわゆる野生生物を、増えればそれを管理していくという、そういうやり方を取ってきたのがメーンであったというふうに思うんですが、そういうことではなくて、我々は全体的に、科学的にそういう野生生物の要するに保護管理といいますか、いわゆるそれがさっき申し上げました生物多様性の確保ということにもつながっていくと思うんですが、そういうふうな考え方というのは視点としてやっぱりきちっと持っておくべきだというふうに思っておりまして、そのことと今御答弁をいただいたことについて、整合性についてはどうなのかということを重ねて確認しておきたいと思います。
○政府参考人(小林光君) もちろん、狩猟というのの定義が今まで一般的に思われていたところか、よりも拡大してございますけれども、実際のその対応については同じでございまして、我が方としても、特定鳥獣保護管理計画に示されるように、科学的にきちっとした論拠を持って鳥獣の保護、管理に当たってまいりたいと、こう考えております。
○谷博之君 それじゃ、続いてその関連でお伺いしたいわけでありますが、現在、狩猟鳥獣というのは四十七指定されております。今回の改定で、この狩猟及び狩猟鳥獣の駆除が、先ほどもお話ありましたように定義をされて、いわゆる狩猟鳥獣の定義が拡大されるのではないかという、そういう懸念を持っておられる方もおられるわけでありますが、具体的な問題として、そういう中でいわゆるニホンザル、これは狩猟鳥獣に今後指定されることになるのかどうか、その御見解をお伺いいたします。
○政府参考人(小林光君) 現在の法律におきまして環境大臣が狩猟鳥獣として指定して告示をしている種類は、御指摘のとおり、鳥類で二十九種類、獣で十八種類、四十七種類ございます。これからの改正法におきましても、第二条の定義と同様の観点で定めるつもりでございまして、狩猟鳥獣として定める観点はいささかも変わることがございません。
したがいまして、御指摘のニホンザルにつきましても、狩猟鳥獣とすることは今のところ考えていないということでございます。
○谷博之君 それでは、同じく二条の狩猟期間の問題について、その定義をお伺いしたいと思いますが、従来、狩猟期間というのは登録有効期間というのがございまして、これはもう、これは私の方から言うのも大変どうかと思いますが、十月の十五日から翌年の四月の十五日まで、いわゆるこの登録有効期間、そういう中に特に環境省の告示で、更にその中から言うならば期間を設定して狩猟期間ということで決めていたと、こういうふうに我々は承知しているわけなんですが。
今回のこの第二条の中身を見ておりますと、先ほど申し上げましたように、登録有効期間を、失礼しました、登録有効期間を狩猟期間と言い換えたことによって、正に期間が延びるのではないかという、そういうふうな懸念を持っております。
具体的に申し上げますと、先ほど申し上げましたように、環境省の告示で今までいわゆるこの狩猟期間というものを決めていたわけですけれども、例えば本州と北海道ではその期間というのはもちろん違うわけでありますが、そういうふうなことで、全体の中の、ある程度告示によってその枠をある程度指定していたというふうな、こういうことの考え方がなくなってくるような、あるいはそれが広がるような、そういう形のふうにもとらえられる危険性があると思うんですけれども、これについてはどういうお考えでしょうか。
○政府参考人(小林光君) 先生御指摘のとおり、従来、登録有効期間というふうに言われていたものを狩猟期間という、名前を変えました。ただ、これにつきましては、実質的に期間が十月十五日から翌年の四月十五日まで、期間を変えるものではございません。法律にもそのようにはっきり書いてございます。
一方、現在、実質的に狩猟ができる期間というのは、大臣の告示である程度限定されていまして、狩猟期間の範囲内において狩猟鳥獣を捕獲する期間というのが限定をしております。これにつきましても、現行と同じ期間とすることに考えてございます。いささかも現行制度と変わるところはございません。
○谷博之君 そういう中で、一つ関連でお聞きしたいわけでありますが、ツキノワグマがございます。これは国際的には大変な希少な動物であって、ワシントン条約にもこれが載せられておりますけれども、国内ではこれは狩猟獣に入っております。
このツキノワグマは、もう御案内のとおり冬眠をするわけですから、冬場は土の中におる、あるいは冬眠状態にある。これが、雪解けと同時に、このクマは、ツキノワグマは外に出てくるわけでありますが、そのときに、いわゆるそういう状態のときに予察駆除をするということで、先ほど申し上げましたように、狩猟期間のその後、あるいはその期間から外れて、駆除をするという目的で駆除されるということがあるわけでありますが。
私は、一番そのねらいというのは、ともかくクマが冬眠から覚めてきてまだ寝ぼけているときに、穴の近くへ行って猟銃で撃って捕獲するという、こういうことが一番簡単なやり方だし、しかも、クマというのはクマノイを売れば相当高価なもので商売として成り立つし、いろんなことがあるんだろうと思うんですが。
そういうことで、クマが比較的そういう状態で捕獲されるということが多いように聞いておりまして、こういう点は先ほど申し上げたような狩猟期間といいますか、そういうこととの関係はどういうふうにお考えになっていましょうか。
○政府参考人(小林光君) 今、先生御指摘の予察駆除という特別な制度があります。
農林水産業被害のおそれがある場合に、例えば常時駆除を行って生息数を低下させる必要があるほど、毎年恒常的に深刻な被害を生じるおそれがある場合についてだけ、特別な制度として予察駆除というふうなものを従来認めてまいりました。
予察駆除を実施するに当たりまして、過去五年間の鳥獣による被害の発生状況、それから鳥獣の生息状況を検討しまして、鳥獣の種類ごとに、例えばクマならクマ、四半期別に、地域別に、その被害発生予測表というのを作成した上で、有害駆除を実施していくものでございました。クマについては、そういう制度でやっていた県もあります。今現在、やっている県もあります。
その保護を、クマについては保護配慮すべきものというふうに私どもも考えておりますが、いろいろな地域の事情におきまして人身被害なども起こしております。そういうこともありまして、その地域の事情に応じまして予察駆除が必要な場合もあるのではないかなと、こう思っております。一概に予察駆除は禁止だというふうには、をするにはちょっと難しい面もたくさんあると思います。
ただ、私としては、クマに関する限り、その予察駆除に代わって特定鳥獣保護管理計画という新しい制度ができたもんですから、できるだけそういう方向に移行するように都道府県にも助言をしていきたいと思います。そういう形の中で、クマの保護というのを図っていくようなことを考えていきたいと、こういう考えでおります。
○谷博之君 今、私の手元にも、今、日本のヒグマとかツキノワグマの、いろんな分布の地図が手元にあるわけですが、これを見ておりますと、特に西日本の地域にこういうクマの分布が非常に最近数が減ってきているというふうなことも調査として上がってきておりまして、これは先ほど申し上げましたようないろんな目的でクマが撃たれるということになるわけですけれども。
私は、やっぱりそういう意味では、先ほど、今、局長答弁されましたけれども、いわゆる狩猟としてクマを捕獲するということの全くその反対側の問題として、そのクマをどう保護するかというそういう、その数をどう確保していくかというか管理していくかという、そういうところに視点を置いたそういうふうな考え方というものをやはり私はしっかり持ってもらいたいと思いまして、そういう点で、適正管理といいますか、そういう点の中にこの予察駆除ということをしっかりやっぱり位置付けていっていただきたいというふうに思っております。
その問題と更に関連することでありますけれども、ニホンザルの問題がやはりここで一つまた問題になっております。
御存じのとおり、ニホンザルというのはいろんな被害を及ぼしているということも報告されておりますけれども、一方では、日本で大変今、野山に野生で生息している動物の一つです。このニホンザルを実はずっと今日まで、特に医学の面で、脳神経外科の脳神経医学研究にニホンザルを利用するということがずっと続いております。
これは、この条文を拝見しますと、第九条と第二十四条に、ここに学術研究の目的というところでうたわれておりまして、この条文の項目と、今申し上げましたニホンザルを脳神経医学研究に利用するということが正に該当するのかどうなのか、その辺についてお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(小林光君) 第九条では、学術研究目的とか、そのほか被害を防止する目的などで許可を得て鳥獣を捕獲することができる規定がございます。
この九条の規定で、野生鳥獣を捕獲しなければならない学術研究目的というのは、それを捕獲しなければその目的が達成できない場合に限られるということで、脳神経医学研究のように野生鳥獣でも繁殖鳥獣でも特に実験に支障がないような研究につきましては、今回ここで捕獲許可を与える学術研究には該当しないというふうに思っています。
そもそも、こういう医学的な研究の場合は割と系統のはっきりした個体を研究対象にするというようなことがあって、割と繁殖をきちっと系統的に追えるようなものを中心にやっていくようなことでございまして、これにつきましては、第九次の鳥獣保護事業計画基準を環境大臣が定めまして都道府県知事に通達してございますけれども、その中にもそういう趣旨のことが書かれてございます。
また一方、販売許可に関係する二十四条のことでございますけれども、こちらの方は、野生鳥獣と繁殖鳥獣、両方に対して販売許可というような対応でございますので、脳神経医学研究のための利用であっても学術研究として行うものであれば許可され得るものと考えております。
○谷博之君 ちょっと整理をさせていただきたいと思うんですが、第九条では、いわゆる学術研究のための捕獲というのは、つまり私たちは、ニホンザルが群を成して実際生活をしている、そういうふうな場の、そういうふうな生態研究とか、そういうものについての学術研究というのは、これは法律の目的に合っていると思うんですが、一方では、医学研究の方は鳥獣保護の目的のやはり外にあるのではないかというふうに基本的に我々は考えております。
しかし、そういう中で、いろいろ有害駆除ということで計画を立ててニホンザルを駆除するというその場合に、駆除された猿というのは、基本的にはその猿をそこで苦痛のない状態で殺処分をしなさいというような、これが原則だと思うんですね。
ところが、そういうふうな捕獲した猿を、飼養許可というのを取って飼養登録をして、その猿を、例えば環境教育とかいろんなそういう分野で猿を活用するということについては、これは認められているというふうに考えておりまして、その場合に、飼養許可を取ったその猿がそこにまた繁殖したということになってくると、その猿の繁殖については、それは全く規定そのものは何にもないというようなのが今の状態だと思うんですね。
そういういろんなことを考えますと、今申し上げましたように、特にこの四月から第九次の鳥獣保護事業計画というものがスタートいたしまして、そして、今申しましたように有害駆除の捕獲の申請のときに新たにその処理方法をそこに明記することになっています。その明記した内容に従ってそれが処理されたのかどうなのか、その明記されたのと違った形で処理をされているとすれば、これは問題があるわけですから、これはこういうところまでかなり形をきちっとしてきているわけですね。
だからそういう意味で、今申し上げましたようにニホンザルの有害駆除の捕獲申請時に処理方法が脳神経医学研究として出した場合には、この捕獲は許可されるんでしょうか。
○政府参考人(小林光君) もう少し詳しく申し上げますと、現在、学術研究を目的とする場合の捕獲許可でございますけれども、その内容が鳥獣の生態、習性、行動、それから食性、生理等に関する研究であるということが条件でございますので、先生御指摘のとおりでございます。
そういう目的外の目的で、学術研究ということで、脳神経医学研究で使いたいからということで捕獲申請された場合も許可はされないということでございます。
○谷博之君 分かりました。
それで、更にもう一点、ちょっと確認をしておきますけれども、今申し上げました有害駆除で捕獲されたニホンザルの個体に対して、捕獲申請時に記入された処理方法と異なる目的で飼養登録を市町村に出すことは、これは許される行為なんでしょうか。
○政府参考人(小林光君) 目的を偽って捕獲をするということについては、それは鳥獣保護法違反になって許されない行為だと思います。
むしろ、都道府県、審査する立場としては、その目的が本当に正しいのか、有害駆除だということに、実際に有害の実態があるのかどうか、そういうのをきちっとして許可を与えるべきだと思っております。
その上で捕獲されたものを有効利用するということはあり得ることだとは思いますけれども、そもそものところをきちっとするということで、そういう間違いをしないようにしていく必要があろうかと思っています。
○谷博之君 もう一度ちょっと確認をさせていただきたいと思いますが、先ほど私がお聞きしたことに関連をするんですが、ニホンザルの有害駆除の捕獲申請のときに、処理方法が脳神経医学研究とある場合に、この捕獲は許可されますか、どうなりますか。
○政府参考人(小林光君) 許可されません。
○谷博之君 それでは、この問題にまた関連することなんですが、文部科学省の方にお伺いしたいと思います。
今、若干触れてまいりましたけれども、このニホンザルを、特に大学の医学部の医療研究に、特に脳神経医学の方に活用するということで、かなり大学の医学部ではニホンザルが使われているというふうに聞いております。特に私はその実態について、まずお伺いをいたしたいと思います。
○政府参考人(坂田東一君) 適法な有害駆除で捕獲をされましたニホンザルにつきまして、大学の動物実験施設等で譲り受けた実績、これがあるということは私どもも承知をしてございますけれども、その動物実験で利用されました具体的な個体の数、これにつきましては、ニホンザルに限りませんが、他の動物も含めまして、我が省といたしまして調査をした具体的なデータはございません。
○谷博之君 いわゆる有害駆除で捕獲されたニホンザルの個体をこういう大学医学部の研究機関に活用するということ、これはそのことについて、平成十三年の一月三十一日に「大学等における実験動物の導入について」ということで通達が文部科学省の研究振興局長名で出ております。これは国立大学の各学長名で出ているわけでありますけれども、ここにこういうことに書いてあります。
先般、一部の動物供給業者により、鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律等に違反し無許可で狩猟及び捕獲したニホンザルが大学等に納入されていたとの報道がなされましたと。鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律等関係法令に基づく飼養許可証の確認などを励行するとともに、市場価格や動物の状態を総合的に勘案するなどにより信頼できる動物供給業者等の選定に配慮し、常に適正なものとなるように要請するという、こういう要請文が出ているんですね。
これは、今の御答弁からいうと、そういうことはないというか、そういうふうに聞こえますが、これはどういう関係なんですか、これは。
○政府参考人(坂田東一君) 昨年の一月三十一日に私どもの局長から大学等の学長にそういう通知をしたことはまず事実でございます。
そのきっかけとなりましたのは、一昨年の十二月の二十四日ごろといいますか、そのころでございますけれども、報道で、実験用に使われた猿が密売されたかのごとき報道がなされております。その際に、我が省の関係でございますと、例えば阪大でございますとかそれから金沢大学、そういった名前が報道されたわけでございます。
私どもは、その際に、それぞれの大学に対しまして事実関係を確認いたしました。その結果は、いずれの大学からも、繁殖用の猿ということで業者の方から繁殖証明をもらったということを確認してございます。
そうではございましたけれども、やはりこのような報道がなされたこともございましたので、改めて私どもの方から関係の大学の方に、今、先生読み上げられましたけれども、いろいろな関係法令をしっかり遵守するようにということを改めて徹底をしたと、こういうことでございます。
○谷博之君 この問題については、実は私どもの方ではいろんなNGO団体からその具体的な実態調査についての資料もいただいておりますが、今日は時間がありませんのでそのことは省略をいたします。
ただ、いわゆるこういう研究機関の大学のそれぞれ関係者の人たちで作っている学会の場でもこの問題は議論をされているようでありまして、特にそういう意味では環境省の動向を注目しているというふうに我々も聞いています。具体的に申し上げますと、環境省が今考えていることについて、特に捕獲物の処理方法については、捕獲許可の際に予定等を明らかとするように指導するとの文言で、環境省は野生生物、猿の有効利用を実効的に制限するというふうに言っているが、これは弾力的な運営だというようなことに近いような、こういうふうな学会の文書もここにあるわけなんですが。
それはそれとしまして、私は、基本的にこの問題は、やはり医学の面でどうしてもこういうふうな野生の猿が、あるいはニホンザルのこういう猿が必要だということであれば、もっときちっとそのルールと理念をしっかりさせて、それで議論をした上でこういうふうな形を、今申し上げたように、いわゆる有害駆除として捕獲したその猿を、それもどうも、基本的にはそこで苦痛を与えない形でもって殺処分というのを原則としながら、一方ではその猿をそういう医学的なものに使うということであれば、そういう一つの理念なり考え方をきちっとやっぱりここで持つべきだと思うんですね。
これは現に、日本は唯一野生の猿が生息している国でありますし、そしてまた一方では、欧州ではもう霊長類に対する実験というのはもうほとんど使われていないんですね。そういうふうな外国のそういう例もありますので、私はやっぱりそういうふうなルール作りをきちっとするべきではないかというふうに考えています。
この点についてどういうふうに考えておられますか、文部科学省で。
○政府参考人(坂田東一君) 申し上げるまでもないことではございますけれども、これからの日本の国民の医療、福祉の向上等、あるいは健康の増進と、そういった観点からライフサイエンスの研究をしっかりしていくと、脳科学の研究ももちろんそれに含まれると思いますけれども、そういう観点での大変重要な政策課題が一方であると思います。
それから、先生御指摘のように、こういうニホンザルといったようなものにつきまして、しっかり適正に保護をすると、これまた非常に大事なことであろうかと思います。
私どもといたしましては、当然でございますけれども、関係の法令をしっかりと遵守をしながら、ライフサイエンスの研究を進めるに当たりまして、必要またかつ適切な範囲で実験動物をどのように研究に利用するか、これをこれからしっかり検討していきたいと思っております。
先生がただいまルールということをおっしゃいましたけれども、そういった点も含めまして、将来のライフサイエンスの研究を進めるに当たって、ニホンザルに限りませんが、実験動物というものをどういう具合に使ってやっていくことが一番いいのか、よく検討してまいりたいと思っております。
○谷博之君 それでは再度、小林局長にちょっと確認をしておきたいんですが、私、先ほどお伺いした中で、こういうふうにちょっと質問をしたわけですが、有害駆除で捕獲されたニホンザルの個体に対して、捕獲申請時に記入された処理方法と異なる目的で飼養登録を市町村に出すことは許される行為かということを聞きましたが、これについての答弁をもう一度していただけますか。
○政府参考人(小林光君) それは鳥獣保護法に違反します。
我が方としましては、有害鳥獣駆除を名目として、例えば実験動物用に野生の猿の捕獲が行われるということはあってはならないと、こう思っております。
○谷博之君 いろいろと質問をしてまいりましたが、最後にちょっと私の考え方を申し上げたいと思うんですが。
先ほど申し上げましたように、今年の四月から第九次の鳥獣保護事業計画、これが施行されたわけでありますけれども、今指摘してきましたような学術的な捕獲、あるいは有害駆除の捕獲、そういういろんな形でも、脳神経医学研究利用を目的にニホンザルを飼養登録することはできないものと私は基本的に考えておりますと。ただし、しかし一方では、動物実験の中でそうしたものがどういうふうにこれから活用されるかについては今後の大きな課題だというふうに思っております。
したがって、改めて、そういったことについての合法的かつ透明性の高い手続をこれから是非検討していただきたいというふうに考えております。
それから、次に移ります。
次に、第十三条の問題でありますが、十三条の条文の中に、条文そのものは時間がありません、読みませんけれども、「鳥類の卵」という言葉がございます。これは、先ほど、午前中の質問の中にもモグラとかネズミの話が出てまいりました。農作業のところでそういうふうな動物が出てきたときの対応についてでありますけれども、その中にカラスの話も出てまいりましたが、重ねて、ヒバリとかキジとかドバトとか、こういうふうな鳥、こういうものも午前中の局長の答弁と同じ見解でございますか。
○政府参考人(小林光君) ここの十三条は、従来、鳥獣保護法の対象としておりませんでした、農林業活動に伴ってやむを得ず、土の中にいるネズミ、モグラを対象としてこなかった、そういうことを引き続き今回の新しい改正法の中でもやっていこうということでございまして、当面、鳥類の卵というようなことに関して現在の状況を変えるものではございません。従来どおり、ここではネズミ類、モグラ類、これを対象にしてまいりたいと思っております。
将来どういうことになるかということについてはまだ憶測を許しませんけれども、鳥類の卵を指定するというような必要があった場合にも慎重に審議会の御意見を承ったり、パブリックコメントをしたりということで、手続の透明性というのを確保される必要があろうと思っています。しばらくそういうことは、鳥の卵をこの中で、環境省令で定めるということはないと思っております。
○谷博之君 今後の一つの課題でありますけれども、省令でそういうものを定めていく場合には、今も御答弁ありましたように、いわゆる透明性を確保した、いろんな御意見を聞いた形でそれを定めていっていただきたいというふうに思っております。
続いて、時間がございませんので次に移りますけれども、第二十三条の問題です。
これは、言うならば、具体的にはニホンザルとクマを販売禁止鳥獣に定めるかどうかというふうな話もここにあるわけでありますが、現行法ではヤマドリのみをこの販売の禁止対象にしているというふうに我々は考えておりまして、今度の改正案二十三条ではこの販売禁止の対象を環境省令で定めるというふうにしております。したがって、ニホンザルが先ほど申し上げたような医学実験の目的とか、ツキノワグマとかヒグマがクマノイの販売目的で言うならば過剰に捕獲をされたり違法捕獲をされたり違法取引をされると、こういうことも非常に心配されているわけでありますが、そこでこういう中でニホンザルとクマを販売禁止鳥獣に含めるべきではないかというふうな考えがありますけれども、この点についてはどう思いますか。
○政府参考人(小林光君) 現時点では、今回の法改正はできるだけ現状の状況というのを映すような形でやっておりますので、販売禁止鳥獣としては従来どおりヤマドリだけを想定してございます。その他の鳥獣の販売禁止対象として追加するかどうかにつきましては、十分な実態把握とそれから自由な販売による鳥獣の保護への影響というのを十分検討した上で必要性判断をしてまいりたいと思います。
○谷博之君 ちょっと質問の条文の前後して恐縮なんですが、第十二条と第十五条の問題について改めてお伺いしたいと思いますが、これは指定猟法の禁止の問題であります。
ここで私は、ツキノワグマの狩猟方法でいわゆるくくりわなのことについてちょっと一つ触れておきたいと思います。
このくくりわなについては、ちょっと私、今ここにパネルを持ってまいりましたけれども、(資料を示す)これはくくりわなに掛かって、くくりわなによる錯誤捕獲の例ということで、こういう、関係者からちょっとお借りしてまいりました。
これは、わなを仕掛けておいて、これ本来はイノシシを主に捕るわなということで使われておりますけれども、これが混獲によって特にクマの、子グマがこれに掛かります。これは、手首とか足首にこのわなが掛かりますと、どんなにもがいても取れません。この結果として、この写真を見ていただきますと、それでもクマは手首を引きちぎりまして、これ、この手首だけ残っている写真なんですが、こういうこととか、結局これはそれに掛かって死んでしまった子グマの写真ですが、これがいろんな、こちらの方はニホンザルの写真なんですけれども、こういうふうな、これ、くくりわなの言うならば一つの例なんですが、これは指定猟法の問題でいいますと、いろいろそういう問題、これはあります。
例えば、このクマが掛かっているのを、死んだと思って狩猟者が行って、生きていて、掛かってきて大変なけがをするとか、あるいはこの写真で見ていただくと分かりますように非常に残虐性があるということで、この一つの狩猟方法はどうなんだというふうなことが今非常に関係者の中で話題になっております。
いろんな県に行きますと、イノシシの駆除についてはこういう方法で主にやっているわけだけれども、クマについては特に希少種の動物であり、言うならば一つのおりを作って、ある意味ではおりの中に入っても何とか方法によってはクマが逃げられるような、そういうふうなおりを作っている、そういうことを研究しようとしているところもあります。
こういう中で、このくくりわなの問題について、これを指定猟法の中に入れるべきだというふうな考え方があるんですけれども、これについてはどうお考えでしょうか。
○政府参考人(小林光君) 現在、クマに対するくくりわなでの捕獲狩猟は禁止はしてございます。ただ、先生御指摘のとおり、イノシシを狩猟したり、イノシシの有害鳥獣駆除をするときに、やはり夜行性の動物でもありますし、くくりわなというのが有効な手段でございますので、全面的にくくりわなを禁止はしてございません。ただ、錯誤捕獲ということで、イノシシに掛けるつもりだったのにクマが掛かったという例も聞いてございますので、この問題については今後関係機関とも十分相談をしてみたいと思います。
当方としても、わなを掛ける個数を三十個に制限して一日で見て回れるようにするとか、それから県にもクマの狩猟禁止をしている県が西日本を中心にございますが、そういうところでは、例えば広島県はくくりわなを全面禁止にしていたり、山口県もある一定期間限って禁止しているようなこともございますので、今後、特に西日本のクマの保護についてどういうことができるか、十分検討していきたいと考えてございます。
○谷博之君 是非これひとつ環境省に強くお願いしたいわけでありますけれども、こういう一つのやり方というのは、今御答弁があったようなことで、都道府県でも随分いろいろ研究されておられるようです。国としてもやはりそういう意味では是非ひとつ、今御指摘のような形で今後この指定猟法を外すような方向で是非都道府県等とも連携を取っていっていただきたいと、こんなようなことを要望させていただきたいと思います。
最後に、時間ございませんから、八十条の問題について一点お伺いしたいと思います。
この八十条の問題は、いわゆる例外規定でございます。除外規定の問題です。それで、ここで一つ前段で大臣にお伺いしたいんですけれども、いわゆる移動性野生生物の種の保全に関する条約、つまりボン条約というのがございます。このボン条約の中には、結局、これはあくまで聞くところのというか、我々が想像する話として聞いていただきたいんですが、九十五か国の国がボン条約の批准をしているわけですけれども、日本がまだ批准をしていない。その理由は、一つは鯨とウミガメ、これが要するにボン条約の保全の対象に入っているということと、それからもう一つは渡り鳥ですよね。これは、日本は渡り鳥は二国間の協定で対応しているので、あえてそれ以上の他の国々との枠組みを入れる必要はないというふうな考え方のようですが、しかしそれは、私はボン条約というのは世界の相当数の国がやっぱり条約批准しているということで、これは是非日本も批准をすべきだというふうに思っています。
それで、そのことについての考え方が一つと、それからもう一つは、その中で鯨の問題が今指摘されましたが、午前中も鯨の話が出ました。私は、鯨というのは総体として鯨目という目の中に、相当大きい鯨から小さい鯨、いろんな種類があります。その種類によってはかなりもう絶滅寸前の鯨もあるわけなんですね。そうすると、鯨を大きく一つのくくりにして、それを言うならば従来、今までやっているような形で捕獲をするということ、これが果たしてどうなのかという考え方がありまして、そのボン条約との関係で、この点についてどう考えているか、お考えをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(大木浩君) ボン条約というのは、移動性の野生動物の種の保全ということでございますから、当然そのまず対象になるのは移動性の野生の動物ということでありますし、それからまた同時に、種の絶滅に瀕するそういう危険のある種の保全という二つの、何と申しますか、規定があるわけでございますが、元々この条約というのは、多数加入確かにしておりますけれども、元々はヨーロッパの方で非常にそういった必要性ということが議論されましてできたものと理解をしております。たしか一九八三年でしたかに発効しておりますけれども。
ただ、今、議員もおっしゃいましたけれども、やっぱり日本の立場でちょっと違うんじゃないかなという感じを持っております。
いろいろと条約ができて、それへ入るということは、たくさん入っているから入るという議論もあるかと思いますけれども、やはりそれに基づいてどういうことをするかという、現実に行政の立場から、そして政府の立場から何をするかということも考えないといけないので、例えば渡り鳥につきましては、今もおっしゃいましたけれども、既に、あの二国間の取決めというようなのは、たしか米豪中、それからロシアですか、四か国について持っているわけでございますし、それから鯨についてはやっぱり国際捕鯨委員会の方でいろいろ議論があって、これはもう長い大体歴史がありますし、どうも鯨についての議論というのは、いろんな種がたくさんありますから、それはそれぞれについての議論はあると思いますけれども、どうも私正直申しまして、これはむしろ私の個人的な感じも含めて言わせていただきますけれども、どうもいろんな捕鯨委員会の中での議論というのも、何か科学的に議論したといいながら、必ずしも正確に、本当の意味で科学的な議論が行われていないんじゃないかという疑いもありますから、ちょっとその辺では、直ちに日本としてはこれに入るということについては、関係省庁からもいろいろと御意見があって、これを、そういったことを無視して私どもの方でこれは是非入るというのにはちょっと尚早というか、ちょっとまだ十分な検討が行われていないというふうに言わざるを得ないかと思います。残念ながらそういうのが私のただいまのところのお答えでございます。
○委員長(堀利和君) 時間が参りました。
○谷博之君 時間が来ましたのでこれで終わりますが、最後に、鯨の問題については私どもとしてはいろいろ議論がありますが、種の保存法として指定するぐらいの考え方を鯨の種類によっては考えるべきではないかというふうな要望をさせていただきます。
以上で終わります。