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2002年12月12日
国際協力銀行総裁 篠沢 恭助 殿
環境社会配慮ガイドラインに基づく異議申立手続についての申し入れ
貴職におかれましてはますますご活躍のこととお慶び申し上げます。
さて、本年6月から議論が進められてまいりました国際協力銀行の新しい環境社会配慮ガイドラインに基づく異議申立手続につきましては、これまで12回にわたるパブリック・コンサルテーションが開催され、積極的な意見交換が行われてきたと聞いております。国際協力銀行が支援を行う事業において、ガイドラインに定められた適切な社会環境配慮が行われることを確保するために、事業によって影響を受ける人々から直接にガイドラインの不遵守について意見を受け付けるという異議申立手続きは、新しい環境ガイドラインに続いて、国際的にも大変注目を集めている画期的な取り組みであると期待しております。
とりわけ、これまで意見の対立があった融資契約調印前の異議申立の受付について、ODA業務においては融資契約調印前であっても「本行としての評価を示したとき以降」は異議申立てを受け付けるとの改善があったことは、これまでの活発な議論の成果であろうと評価しているところであります。しかし、残念なことに、これまでの議論を踏まえた十分な改善が行われていない箇所があります。
1点めは、国際協力銀行の民間企業支援業務における、融資契約調印前の異議申立ての受付です。産業界が懸念を示している入札妨害を意図した異議申立ては、受付時に厳格に排除する手続きが定められています。また、融資契約前に行われる異議申立は通常は環境審査に反映され、それでも異議申立てが行われるのは審査においてどうしても意見が反映されないごくわずかな事例です。この様な環境社会配慮をめぐる意見が大きく対立する事業は、その影響について予測することが難しく環境のリスクが非常に大きい事業です。こうした事業に関しては、民間企業支援業務においても融資契約調印前から異議申立ての受付を行うべきです。
2点目は、情報公開の具体的な内容とその時期についての明示です。11月18日にJBICから提示された案では「異議申立の受付状況、手続き進捗状況を公開する」との記述が盛り込まれていますが、どのような資料がどの時点で公開されるのかについて、具体的な記載が必要です。
3点目は、ガイドラインの遵守・不遵守についての調査報告書の公開時期です。11月18日の要綱案では、JBICの投融資部門による意見書が作成されるまで報告書は公開されないことになっていますが、報告書は総裁に報告後は意見書の作成を待たず速やかに公開され、報告書に対するステイクホルダーからの意見も踏まえた上で、JBICの投融資部門による意見書が作成される必要があります。
4点目は、異議申立案件の調査期間中の、融資契約の先送りについての記載です。融資契約調印前に受け付けた案件に関しては、ガイドラインの遵守・不遵守についての調査が終了し、報告書が作成されるまで、融資契約の調印は当然見送られなければなりませんが、これについての記載が見当たりません。要綱案に適切な記載が盛り込まれる必要があります。
以上の4点については、これまでの議論を踏まえて、最低限確保すべき項目であると考えております。様々なステイクホルダーが、透明なプロセスで十分な時間をかけて議論を重ねた成果として、これら点を十分に反映した、国際協力銀行の異議申立て手続き要綱案を策定して頂きたく、ここに申し入れを致します。
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